Category Archives: 時事

‘la dolce vita’の終わり?

地中海沿岸の南ヨーロッパが好きでロンドンに住んでいる私(なぜロンドンかというと仕事あるからです)、ブログで実名を明かす前は’la dolce vita’というニックネームでした(→『’la dolce vita’の由来』)。 英語で”live La Dolce Vita”と言うと「あくせく働いたりせずに、太陽がさんさんと降り注ぐ土地で美味しいもの食べて家族とゆっくり過ごして、のんびり人生を謳歌する」というニュアンス、日本語では「スローライフ」が近いかな?(日本語じゃないけど)

南ヨーロッパは大好きで休暇のたびに南へ飛んでいます。
2007年夏はフランスとスペインのバスク地方、2008年夏は南イタリア、2009年夏は南フランス(123)、2010年夏は南スペイン(12)、冬はアマルフィ(1)、2011年夏はクロアチア(12)。 そして今年は1ヵ月前に南スペインに行って(乳児と幼児を連れた旅は疲労困憊したのでブログに書けず・・・)、年末には南ポルトガルに行ってきます。

そんな愛すべき土地の羨ましい’la dolce vita’なライフスタイル(『人が自然に生きられる社会』とも言う)が危機に陥っています。
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オリンピックの夏

つい2ヵ月前はこんなだったのに・・・
Regent St at Queen's Diamond Jubilee
今はこんなことになってます、ロンドン中心部にあるリージェント・ストリート。

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“Very British”なオリンピック

オリンピック、盛り上がってますかー?
生後10日の新生児を抱え、体もまだ痛むので家から出られない、となるとオリンピックは格好の暇つぶしです。 イギリスではBBCが全競技をストリーミング中継しているのでテレビがなくてもオリンピック見放題(残念ながらイギリス国内からのアクセスのみ)。

楽しみにしていた開会式(→『オリンピック開会式のテーマは”田園”』)は開始時間が遅かったので寝落ちしてしまい録画で観ました(開会式フルプログラムはこちらから、ハイライトはこちらから)。
女王をジェームズ・ボンドと一緒にヘリからダイブさせたり(→)、かの正当派ロンドン交響楽団をMr.Beanのネタのバック演奏に使ったり(→)、極めつけは100時間のダンス・トレーニングをした本物のNHS(National Health Service、イギリスは医療・保険は国営で無料)ナース(看護婦)が踊る、というイギリス通にしか全く意味不明なネタを延々と披露したり・・・

イギリス国内では2,240万人が観たというこの開会式、イギリス人の間では自虐芸含め”Very British”と概ね好評、私はThe Economist記事のこの評に集約されるのではないかと思います。

In Beijing in 2008, for example, the Chinese conveniently highlighted long-standing institutions such as the Great Wall and Confucius, but managed to leave out most of the Mao years, including national incidents such as the great famine and Cultural Revolution. London’s version, though, was not by Britain Inc but Danny Boyle, a talented choreographer who chose his own line. (The Economist : The wisdom of crowds)
2008年北京オリンピックでは、中国は万里の長城や儒教には都合よくハイライトを当てたものの、大飢饉や文化革命といった毛沢東時代には蓋をした。 2012年ロンドンオリンピックの開会式ははイギリス株式会社による国威顕示ではなくダニー・ボイルという才能溢れる振り付け師が自らの言葉でイギリスについてのストーリーを語ったのである。

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パパは精子ドナー

『カリフォルニアを見よ』の続き。 カリフォルニアですでに起こっていていずれ日本にもやってくるかもしれないメガトレンドについてです。
もう1年以上前に偶然見つけて観た”Song of a Sperm Donor”という題の短いドキュメンタリーフィルムが忘れられません。 12分弱の短いフィルム(英語)なのでぜひ観てみてください。

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カリフォルニアを見よ。

前も『The Future of Work』で書いたけど、世界を変えるような大きな時流(メタ・トレンド)ってまずアメリカのカリフォルニアで発生して、それがすごいスピードで打たれて叩かれてテストされて、こなれたり改善したりローカライズされて、世界の中でも時流が回ってくるのが早い場所から順にぐるーっと回ってきて、気がついたらいつの間にやら世界の様相が変わってる、ってそんなイメージ。

そして、その潮流が日本で日常のあちらこちらに影響が見受けられるようになり、その影響についてマスメディアが連日大騒ぎするようになるのはかなり遅い、下手したら10年くらいかかってます。

例えば、自動車と並んで「ものづくり日本」を支えてきた電機業界の昨今の凋落(国際競争力の低下)。 簡単に言えば、国内競争で疲弊して急速なグローバライゼーションに適応できなかったのですが、その兆候ってずーーっと前から出てたよね・・・
メタ・トレンドを鋭く分析した秀作がまず英語で原著が出版されることが多いのですが、グローバライゼーションを分析した代表作は超有名なトーマス・フリードマンの『フラット化する世界』。 2005年に原著が出版され、多くの政治家・企業人のWake-up callになったはず(鳩山さんが首相時代の2010年に購入してて、その遅さにぶっ飛びましたが)。
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オリンピック開会式のテーマは”田園”

ロンドンオリンピックでひとつ楽しみにしているものがあります、それは開会式!
芸術監督がダニー・ボイル(『スラムドッグ$ミリオネア』)で音楽監督がアンダーワールドなんて期待が高まらないわけがありません☆

で、期待のテーマは・・・「田園」・・・

まあ確かに北京があんなに派手にやった後で、派手さを競ってもしょうがないけど、スタジアムの中に本物の牛や馬が登場するそう。
The Economistいわく、

Opening ceremonies are a country’s opportunity to sell itself to the world. Britain appears to be selling irony.
開会式は開催国が世界に向けて自分を売るチャンスである。 イギリスはどうやら「皮肉」を売ろうとしてるらしい。
(The Economist: The Olympic opening ceremony

あっ・・・そう・・・  ユーモアが通じるといいね・・・ 以前、Ricky Gervaisのユーモアはハリウッド俳優には全然通じてなかったしね・・・(→『爆走するイギリス・ユーモア』)。 「田園」については当のダニー・ボイル自身が「全世界の観客全員にユーモアをわかってもらおうなんて不可能だからわかる人にだけわかればいい」的発言をしてますが・・・
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妊婦CEO誕生!

いやはや、たまげた、このニュース。
長く混迷している米Yahooの新トップにGoogle幹部のMarissa Mayerが就任。
NY Times : A Yahoo Search Calls Up a Chief From Google
TechCrunch : Longtime Google Exec Marissa Mayer Is Yahoo’s New CEO

Yahooはおそらく最もターンアラウンドが難しい大企業のひとつではないかと思うのですが、そのトップに37歳女性が就任、しかも妊娠中!(10月出産予定)
さすがのアメリカでもFortune 500企業のトップが在任中に妊娠・出産というのは初めてだそう。 まあ、妊娠できる年齢の女性が大企業トップに就くこと自体が超レアなケースなので当たり前と言えば当たり前ですが。

妊娠を理由に躊躇しなかった彼女もすごいし、それをモノともせずオファーを出したYahooのボードもすごい。

妊娠・出産を控えた女性がキャリアのブレーキを踏んでしまうことに対し、Facebook COOのSheryl Sandbergが「実際にその時(休まなければいけないとき)が来るまでアクセルを踏み続けて」と啓蒙し続けているので、今日はこの話題を機にそれを紹介。

ちなみに、

男性は成功すると人に好かれるのに対し(出世と好感度は比例)、女性は成功すると人に嫌われる(出世と好感度は逆比例)

というショッキングなデータがあるのですが、彼女は大企業トップなのにLikable(好かれやすい)な稀に見る女性。 たしかに、ヒラリー(クリントン)・メグ(ウィットマン)・カーリー(フィオリーナ)、etc. パワーウーマンは怖い人多いものね・・・(メグ・ウィットマンはINSEADにスピーカーとして来たときに実物の話を聞いたことあるけど、怖くなかったのでマスコミがつくりあげるイメージはかなり影響してると思われる)
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ロンドン栄光の時代?

もうすぐオリンピックですねー
あまり関係ないと思っていたのですが、何とうちの前の道路をオリンピックのサイクリングチームが通るそう。 うちは1階なので見えないけど、2階以上だったら家にいながらにしてサイクリングが見れたのか・・・

先々週のThe Economistもオリンピックに合わせてロンドン特集でした。
The Economist : London’s precarious brilliance
JB Press : 国際都市ロンドン:安泰ではない栄光

私はロンドンが今のような国際都市としての地位を確立する前、学生の頃からそのエッジーな雰囲気が好きだったし(→『Back to London-on-Thames』)、その成熟したところに魅力を感じて引っ越してきたのですが(→『ロンドンに引っ越します。』『成熟国からの視点』)、グローバル都市と言われればその通りで、各種グローバル都市ランキングのトップをNYと競い合っています。
Global Power City Index 2011 (by The Mori Memorial Foundation)
 1. New York, 2. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Singapore
2012 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook (by AT Kearney)
 1. New York, 2. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Singapore
The Knight Frank Global Cities Index 2011
 1. New York, 3. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Brussels
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世界で最も富んだ国、日本

久しぶりにThe Economist誌から。 この記事、面白かったなー
The Economist : The real wealth of nations
JB Press : 世界各国の本当の「富」:日本はまだまだ豊か

国の経済力を計るのに最もよく使われる指標、GDP(国内総生産)。 中国が日本を抜き世界2位になり、近い将来、米国を抜いて1位になることは事あるごとにさまざまな文脈で語られ、今でも最もよく使われる指標であることに間違いありません。 一方で、GDPが必ずしも国力や国民の豊かさ・幸せを現しているわけではないことも十分に認識されていて、このブログでもGDP算出方法そのものを変えようというフランスの提案や(→『幸福度をGDP算出に』)、日本でも有名になったブータン政府のGNH(Gross National Happiness、国民総幸福感)(→『Crowded & Discovered』)など書いてきました。

今回は国の「総富」を計ろうとする試み。 GDPが一定期間の所得というフローしか現していないのに対し、自然資産、人的資産、物的資産を合計したストックを集計したケンブリッジ大学教授のレポートです(世界20ヵ国対象、フルレポートはこちらから)。
IHDP : Inclusive Wealth Report 2012

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すべての子どもは愛情を浴びながら育つ権利があると信じている人へ

息子が産まれてから自分自身一番驚いたのは、溢れて溢れて止まらない愛だった。 
Unconditional love(無償の愛)というものが自分の中にとめどなく溢れてくるのは初めての経験だった(『Before I was a Mum』)。 息子が、親である私たちだけではなく祖父母・友人・保育士さん・街で出会う人々・・・さまざまな人からの愛情を栄養にしながらすくすく育つのを日々見守ることができるのは言葉に現せないほどの喜びになった。
世界中のすべての子どもがこんなに愛されて育ったらさぞかし世界は違った場所になるだろうと思った。 もし愛が石油や木材みたいに形があってシェアできるのであれば、溢れ出る親の愛たちを少しずつ集めれば、事情があって親の愛情を受けることなく育つ子どもたちに分けてあげられるのに、と思った。
嫌なニュースも多い世の中で、一番辛いニュースは児童虐待のニュースになった(過去の関連エントリー:『イギリスの児童虐待対策』)。 生まれてくること・生まれてくる家庭を選べない子どもたちの中に、人生の冒頭から精神的・身体的苦痛を受ける子どもたちがいることを知ることは心臓を素手でぎゅっと握りつぶされるような感情を伴うものとなった。
私と同じように、自分の子どもを愛して止まない親たちに、そしてすべての子どもは生まれ落ちた環境がどうであれ愛情を浴びながら育つ権利があると信じている人に、読んで欲しい本があります。

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