世界で最も富んだ国、日本

久しぶりにThe Economist誌から。 この記事、面白かったなー
The Economist : The real wealth of nations
JB Press : 世界各国の本当の「富」:日本はまだまだ豊か

国の経済力を計るのに最もよく使われる指標、GDP(国内総生産)。 中国が日本を抜き世界2位になり、近い将来、米国を抜いて1位になることは事あるごとにさまざまな文脈で語られ、今でも最もよく使われる指標であることに間違いありません。 一方で、GDPが必ずしも国力や国民の豊かさ・幸せを現しているわけではないことも十分に認識されていて、このブログでもGDP算出方法そのものを変えようというフランスの提案や(→『幸福度をGDP算出に』)、日本でも有名になったブータン政府のGNH(Gross National Happiness、国民総幸福感)(→『Crowded & Discovered』)など書いてきました。

今回は国の「総富」を計ろうとする試み。 GDPが一定期間の所得というフローしか現していないのに対し、自然資産、人的資産、物的資産を合計したストックを集計したケンブリッジ大学教授のレポートです(世界20ヵ国対象、フルレポートはこちらから)。
IHDP : Inclusive Wealth Report 2012


The balance-sheet of wealth物的資本(機械、建物、設備インフラなど)、人的資本(国民の教育、死亡率、労働率など)、自然資本(土地、森林、化石燃料、鉱物など)をすべて金額換算しこれらの合計を同じ指標で国際比較できるようにしたところが新しい。
これを見ると総合計こそ米国がトップなのですが、1人あたりでは日本が世界一。 自然資本がほとんどない日本は人的資本が非常に高いのが特徴。 教育レベルや低失業率、長寿・健康であることが寄与してると思われ、よく聞かれる「日本人は一般の教育レベルが高く、またその数が多い」ことが裏付けられた形になっています。

「どんな指標化にも限界があり、このレポートもあくまで初回のたたき台、揉まれて洗練された指標になっていく」とのことですが、なかなか面白い試み。 リーマン・ショック後の「経済成長だけじゃないよねー」という時代の雰囲気にもあってるし。


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