初めの2年の生き抜き戦略

予定日まで1週間、「いつでも産まれてきていいよ」となったら、なかなか出てこないもんです。

先週Twitter上で女性芸人くわばたりえさんのブログエントリー『しんどいよな』があまりにもRTされてビックリしました。 すごいのが、現時点で4,600を越しているブログへのコメント。 「気持ちを代弁してくれて救われた」、「涙が止まらない」、「私もすごく苦しい」のオンパレード。
おいおい、みんなそんなにギリギリなのか・・・ 読むとやはり3、4歳以下の子を持つお母さんのギリギリっぷりが目立つのですが、いやー、周囲に頼みまくり・頼りまくりで育児している私は共感を乗り越えて心配になってしまいました。

そんなこともあり、私なりに育児での「初めの2年の生き抜き戦略(Coping strategy)」をまとめてみました。 私の1週間後が予定日(初産)の高校時代からの友人に向けて書いたものですが、子どもが2人に増えるとまた子ども同士の間のダイナミクス(Dynamics)が加わって大変さが変わるらしいので、そこは未経験ゾーンです。

2歳まで育てるのって(私自身、2歳までしか経験ないので)めっちゃくちゃ大変だけど、めっちゃくちゃ楽しいからそういう人が増えればいいのになー

1. すべての現象はPhase(一時的な局面)である
産まれてすぐは「昼夜なく泣く」「24時間おっぱいを要求する」「おっぱいを飲まない」etc.、しばらく経ってからも「昼間寝るのに夜寝ない」「腕の中では寝るのに置いたら泣く」「哺乳瓶を受け付けないので誰にも預けられない」「夜泣きがすごい」etc. 幼児になったら「常に癇癪を起こす」「歩けるのにいつも抱っこを要求する(重くて腰が割れそう)」「言うことをきかない」「小食で食べない」「夜、全然寝ようとしない」etc.

年齢に応じてさまざまなチャレンジが訪れ、そのたびに初体験でどうしていいかわからず、延々に続くように思えて、たしかに自分ひとりで子育てしてると狂いそうになりますが、すべての現象はphase(一時的な局面)です。 明けない夜はない、朝はまたくる。 どんなに辛いphaseでも3ヵ月くらい経つとまた次のphaseに移行するんじゃないかなー?(そこでまた次の新しいチャレンジが押し寄せるけど)

この事実を受け入れられると、良い意味であきらめられるようになります。 また現象を少しでも改善したい場合、素人の体験談を参考にするより専門家の書いた本を参考にする方がいいと思います(→『本で読む育児 – 1』)。

2. コントロールしようとする手を手放す
出典が見つからないのですが

出産後に産後鬱になりやすいのは、今まで自分を厳しく律し、仕事上でも自分の体型や余暇など私生活でもコントロールしてきたハイパワーなキャリアウーマン。 このタイプはコントロールできない赤ちゃんや自分の心と体が耐えられない。

と聞いて「なるほどなー」と思いました。 『人生をスローダウンする – 1』『 – 2』で書いたDaphineみたいなタイプ。

以前、そもそも「現実を自分でコントロールできると思うことが幻想」という本を紹介しましたが(→『幸せって何だろう?』)、たしかに”Control freak”(コントロール欲が強い人)より”Go with the flow”(流れに身を任せる人)の方が遥かに楽に子育てできます。 イライラさせられる子どもの言動は、「自分がこの子の言動を変えられるはず」という思い込みを捨てて、コントロールの手を緩めたらあっという間にイライラしなくなったりするし。

家事や仕事と言った自分でコントロールできる時間にコントロールできない育児が入り込んでくるから、これまたイライラするのですが(子どもが寝ついてから仕事しようと思ってるのになかなか寝てくれない、など)、そのへんはまた別途書きたいと思います。

3. 産前産後は何でもホルモンのせいにする
私みたいな完全左脳タイプ(→『地図が読める女の絶対年感』)には、「何が何だか自分でもわからないけど落ち込む」など説明のつかない感情のブレは恐怖なのですが(笑)、妊娠中や産前産後はホルモン(何のホルモンか知らないけど)が急上昇したり急降下したりするので、感情の起伏が激しい。
突然泣き出したりするのはホルモンの変化が関係しており極めて自然な現象であることは、特に初めて妊娠したときなどは、ダンナさん(パートナー)も知っておかないと戸惑います。

産後は体がボロボロだし慢性的な寝不足も追い打ちをかけて、特に感情が不安定な状態になるので、すべてホルモンのせいであり自分の努力云々ではどうにもならないことを周囲に堂々宣言してしまいましょう。 もちろん産後鬱を疑うようなことがあったら医療機関へ!(→『産後うつと中村うさぎとタイガー・ウッズ』

4. お金で睡眠を買ってもいい
産まれてきて一番大変なのは数ヶ月、長いと1年も続く睡眠不足だと思います。 「まとめて2時間以上寝たことがない」という状況が何ヶ月も続く状況は本当に辛い、逆に言えば睡眠さえ何とか取れれば後はどうとでもなる。 長期的には、すべての現象はphaseであるものの、「こんなに寝られなくて辛いのなら死んだ方がマシ」と思っている睡眠不足の人に対し、そのアドバイスは何の助けにもならない。

そういう時は、親・友達・夫、誰でもいいので3時間くらい赤ちゃんを連れ出してもらって睡眠補充してもいいと思います(「私から離れたらギャン泣きする」と思うと思うけど、3時間ミルクを飲まなくても赤ちゃんは死なないし、連れ出してくれる人には申し訳ないがギャン泣きはガマンしてもらう)。 3時間寝たくらいで長期に渡る睡眠不足は解決しませんが、1週間に1回でも頼めると、そういう時間があるという事実が精神的に楽にしてくれます。
私は「お金を払ってベビーシッターに預けてでも睡眠補充してもいい。 お金で睡眠を買ってもいい」と自分に許してから随分楽になりました(結局、お金で睡眠を買ったことはありませんでしたが)。
ギリギリの人はその状況から逃げることが大事。

子どもができると一気に夫婦喧嘩が増えますが、その原因の80%は睡眠不足にあるような気もします。

5. 満開の個性をエンジョイする
子育てをしてて一番悲しいのは「うちの子も○○ちゃんみたいだったらいいのに」と他人の子をうらやましがる人に出会うとき、圧倒的にイギリス人より日本人に多いです。

3歳までの子育てって大変だけどその醍醐味は、満開になる圧倒的な個性。 この年頃の子どもって自分を隠したり偽ったりできないんですよー、そこが一番素晴らしい。 大きくなるにつれて社会の中で生きることを学び、自然と自分を抑えるようになります(スティーブ・ジョブスのように個性満開なまま大人になる人もいるが)。 我が子もいつかは年齢相応に振る舞おうとし始めることを思うと少し悲しくなると同時に、酒井穣さんのブログ『突き抜けた人は、どうしてみんな子供なんだろう?』で知ったこの言葉を思い出します。

大人とは、萎縮した子供である

そうなる前の個性の塊の時期を一番間近で見ながら伸ばせるようにするのが親の醍醐味だと思う。

我が息子の個性は興味ある人がいればいずれ書きたいと思いますが、さまざま聞く心配事、「他の子より歩き始めるのが遅い」「何するにもトロい」「騒いでばかりいる」「体が小さく小食」etc. うーん、そんなの個人差の範囲であれば、他に数多ある素晴らしい個性の裏返しにすぎないんじゃないの?

6. 1日1時間でもいいので子どもと2人きりの時間をつくる
これは睡眠が取れて余裕ができた頃の、なおかつ専業主婦ではなくワーキングマザー向けの話。
『家族のQuantity time』に書いたような、「〜しながら」ではなく100%子どもと向き合う時間の有無が息子の精神の安定度に大きく影響することを実感しています。 忙しいと朝もバタバタ、夜もバタバタ、1日1時間でもつくるのは難しいのですが、私はナーサリーお迎え後の1時間、普通なら急いで晩ご飯を用意したりする時間に家事をすることをあきらめました。 家事はアウトソースできてもこの時間はアウトソースできない(よく一緒くたに議論される家事と育児、私は完全に別のものだと思っています)。

ただ、子どもが2人になったときにひとりひとりと別々の時間を取ることができないので、どうなるのかは未知の世界。
また、2人の時間が大事なのは夫との関係でも同じことが言えますが、私たちは休日に預けられる人がいないので「有休を取って平日デート」が有効(2回しかしたことないけど)。

7. 自分のためのまとまった時間をつくる
子どもができて「自分の時間がなくなった」という表現が好きじゃないのですが(上記のQuantity timeに書いたような時間は私にとっても宝石のような時間)、たしかにひとりきりのまとまった時間はなくなります。 よく「こま切れ時間を活用して」などと書いてあるけど、こま切れ時間ではできないことの筆頭が「じっくり考えること」。
人生における重要な決断は慢性的な寝不足でこま切れ時間しかないような状況では出てこないと思うし、出産という大きなライフステージの変化の後だからこそ、じっくり考えることは必要になるんだと思う、出産前の想像を超えていたことも起こるし自分の気持ちも変化するので。

ちゃんとまとまった睡眠が取れるようになり、体も元に戻ってきた頃にぜひ意識してほしいのが、自分のためのまとまった時間をつくってじっくり考える時間を持つこと。 休日に夫に数時間子どもを預ける(ただし、彼も自分の時間が必要だと思うけど)、一時保育を利用する、など方法は何でもいいのですが、ここまでできるようになると「あー、子育てって楽しいなー」と心の底から幸福を感じることができるようになると思います。 私も『クリエイターになりたい』に書いたような決断はじっくり考える時間がなかったらできませんでした。

以上、長くなってしまいましたが、初めの2年の生き抜き戦略。 もちろん2人目が産まれてきた後の自分に向けてでもあります。


2 responses to “初めの2年の生き抜き戦略

  • mitsuyo

    日本にいると、他人の手を借りることが、なんとなーく出来にくい雰囲気があるのかも。罪悪感を感じちゃうとか。
    経験者やダンナに、私は(母親は)はそんなことしなかった。とか、言われたりする人も多そう。
    やはり身近な人の理解が大事ですよね。

    私の場合、高齢出産だったからか、充分好きなことしてきた感もあり、人生の内の数年くらいこんなにも自分の時間を人に注ぎ込む時期があるのも悪くないなー、と思ってるし、周りもそんな友人が多いです。年齢だけの問題じゃないかもしれませんが。

    でも確かに他人の子供と比べてしまいますねー。
    比べて、心底他人を羨ましく思っているわけではないのですが、もっと息子のトロさの裏側にある個性を見つけて尊重してあげよう、と思いました。

    • la dolce vita

      >mitsuyoさん
      >経験者やダンナに、私は(母親は)はそんなことしなかった。とか、言われたりする人も多そう。
      私は親が到着してから毎日のように「掃除くらいしなさい」と言われてますが、全く動じてません(笑)。 相当、神経が図太くないとやっていけないのかしら?

      >もっと息子のトロさの裏側にある個性を見つけて尊重してあげよう、と思いました。
      どの子も本当に個性的で楽しい時期ですよねー ケンちゃん、おっとりしてていい子ですよー☆

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