人生をスローダウンする – 1

知ってる方もいると思いますが、私、現在臨月の妊婦です。
今週後半からは37週でいわゆる「正期産」、いよいよいつ産まれてもいい期間に突入します。 ふーーー、ここまで長かった~~~
最近あまりにも身体的に大変で思うところがあったのですが、まずは最近読んで気に入ったTracy Hoggの育児書『Secrets of the Baby Whisperer』(邦訳:『赤ちゃん語がわかる魔法の育児書』)から一部引用。 イギリスではGina Fordの『The New Contented Little Baby Book』(邦訳:『カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』)と並び、ママ(to be)は全員読んでいる本(以下、長いので適当に端折って訳してます)。
アメリカで何百もの赤ちゃんのベビーシッターをしたTracyが出会った2人のママConnieとDaphneの話。 2人ともパワフルで自分のビジネスを持つビジネス・ウーマン。

■ Connie
35歳のインテリアデザイナー。 計画的に物事を行う性格で妊娠後期までに赤ちゃんの部屋の準備完了。 予定日前にスープ・シチューなど、温めるだけで済む料理をたくさん作って冷凍庫をいっぱいに。 クライアント全員に電話し、今後2ヵ月間は緊急時には、彼女以外の誰かが対応することを連絡した。
娘Annabelleが生まれた直後から、彼女の母・祖母・妹ら家族全員が協力して料理や用事を担当した。 そのため、彼女は1日中ベッドの中で過ごし、たっぷりと時間を取って母乳をあげ、娘Annabelleを知ることに時間を費やした。 彼女の母親が帰った後も、冷凍庫にたっぷり備えてあった料理を食べ、温める気力もないときはデリバリーをオーダーした。

Connieは夫Buzzを巻き込むことも上手だった。 父親のおむつの替え方ひとつに文句をつける母親もいる中で、彼女は育児を分担し、Buzzが「自分は”ヘルパー”ではなく”親”だ」と感じられるようにうまく励ました。
Annabelleを決まったスケジュール(*1)に沿って育てたこともConnieが自分の時間を持つのにい役立った。 朝の時間は飛ぶように過ぎたが、毎日午後2時から5時までは自分の時間が取れたので横になった。 最重要プライオリティーの用事だけ済ませ、後の用事は後回しにした。
Annabelleの生後2ヵ月(*2)、Connieは仕事に復帰する準備を開始した。 新しいプロジェクトを開始するのではなく、パートタイムで働き始めた。 生後6ヵ月の頃(*2)、すでにAnnabelleが新しいナニーにたっぷりなついていたため、Connieはオフィスで過ごす時間を増やした。
Connieいわく「Tracy、母親になって本当によかったことは、強制的に人生をスローダウンできたことよ」。

■Daphne
38歳のハリウッド・エンタメ業界の弁護士。 退院直後から何十人もの訪問客が家を訪れ、退院2日目には自宅のリビングルームでビジネス・ミーティングをし、3日目には「仕事に戻る」と宣言した。
1週間後には、友達やビジネス関係の人とまるで出産が彼女の人生に影響を与えなかったことを証明するかのようにランチの約束をし始めた。 体型を戻すためトレーナーを雇いダイエットをし始め、Stairmaster(踏み台昇降マシーン)を使いたがった。
Daphneにとって出産はプロジェクトで妊娠期間中は(彼女の業界で言うところの)”製作期間”。 製作物が完成した途端に次のプロジェクトに移る用意ができていた。
Daphneは授乳にトライしようとしたが、1回40分かかるとわかった途端、粉ミルクに切り替え、「私は以前の自分に戻る必要があるの」と宣言した。
一方、Daphneは子育てに参加する気満々の夫Dirkにも、ある時は喜んで参加させある時は彼のやり方を批判した。 Dirkが次第に腹を立て、手を引いていったのも不思議はなかった。
私(Tracy)は彼女をスローダウンさせようとあらゆる手を尽くした。 まず電話を没収しようとしたが、携帯電話を含め何台も持っていたためうまくいかなかった。 午後2時から5時の間は休むように命令したが、Daphneはあえてミーティングを入れた。 車の鍵を隠したときは、憤慨し「いいわよ、歩いてオフィスに行くから」と言ってのけた。
彼女は明らかに現実を直視することを否定していた。 が、ある日突然、現実が何トンものレンガのように彼女を襲った。 心身ともにボロボロに疲れきり、不安定になったDephneは「どうして他の誰もができることが私にはできないの?」と泣き出した。

私(Tracy)はDaphneのようなケースを何人も見ている。 特に成功したキャリアを出産のために一時離れなければならなかったり、物事を完璧に計画的に行う母親は、自分の人生が赤ちゃんの誕生と共に突然カオスの中に放り出されると、現実を否定し、物事はすべて今まで通りなのだと信じこもうとする。

*1・・・Tracy HoggもGina Fordもそうですが、イギリス(& アメリカ)では授乳・睡眠などある程度決まったスケジュールに沿って新生児から育てる方法が主流。
*2・・・日本人の感覚だと「”生後2ヵ月で仕事にパートタイム復帰、6ヵ月でフルタイム復帰”のどこがゆったりなんだ?」と思うかもしれませんが、アメリカの話なので、6ヵ月と1年とか適当に置き換えてお読みください。
長ーい引用でした。 続きは明日です。


14 responses to “人生をスローダウンする – 1

  • lat37n

    Daphneさんの物語、途中まではらはらしながら読んでましたが、やはり。続きが気になります。同じようなことやってるアメリカ人女性は一杯知ってますが、みんな裏では泣いたりぶつかったりしたり、しているのでしょうね。。。
    バランス派のConnieさんでも、2か月目から仕事復帰を始めたというのはさすがアメリカ。わたしのアメリカの友人も、10月に出産、3カ月の産休を経てフルタイム勤務にさっさと復帰しました。9時5時の勤務、職場は徒歩圏という、バランスが取れた環境とはいえ、やっぱり朝は相当早く起きなくてはいけないし、眠いし、と大変そうです。でも、お母さんのフルタイム勤務が始まったとたん、赤ちゃんの人見知りが大分治ったらしい。偉いですね、赤ちゃんも。

  • Keiko

    初めまして。1ヶ月前ぐらいから愛読者になっていたのですが、妊婦さんだったとのことで大変驚き、思わずコメントしております。
    私は昨年からシンガポールに来て働いており、最近結婚しました。
    日本では研究職を数年していましたが、家庭にも注力できるようにと残業や出張のないオフィスワークにシフトし、将来の妊娠・子育てに備えています。それでもたった4ヶ月の産休育休に順応できるか不安たっぷりですが・・・。
    グロービスでMBAを取ろうと思っていた時期があったので、このブログで色々勉強させてもらってきましたが、これからは子育てネタをどうぞよろしくお願いします!
    元気な赤ちゃんが産まれますように。

  • Playland

    周りをみていると、アメリカのママ&ビジネスウーマンも結構、苦労しているようです(それでも日本よりは段違いに環境が良いですが)。
    小売業界は(今の会社しか経験がないので、サンプル1です。ちょっと偏っていたらごめんなさい)、女性が7-8割くらいで、妊婦さん、産休明けの方が驚くほどたくさんいます。仕事しながらの子育ての仕方のパターンとしては、
    ①ナニー・オーペア(住み込みナニー)をやとう
    ②旦那さんが昼間こどもの世話をする
    ③両親が面倒をみる
    ④その他(他にもいろいろあるかと)
    と言う感じが周りにいます。
    ただ、やはり、泊りがけの出張、特に海外出張が入った場合はすごく大変そうで、それをどうするか(或いは、それがない働き方を選ぶか)がチャレンジだと、皆さんに言っています。

  • MyFireTan

    おめでとうございます!
    うちのオフィス(香港)で妊娠がちょっとしたブームになっています。
    30代前半~後半が多いためです。
    5月出産の同僚は1月にメイドさんを雇い出産に備えています。
    華人の古いしきたりで1か月間床上げしてはいけないそうです。そのため家のラップトップで仕事をする準備をしています。
    別の同僚(女性)は台湾で香港より安くいい環境(ホテル住まいのような)で自然分娩し、現在はお兄さん夫婦に子供を預けて週末だけ会っています。

  • tygertyger

    生まれたとたんに、ご主人共に新しい人生が始まると言ってもいいかと思います。
    お産がご無事でスムースにいきますように。
    Please slow waaaay down by all means!

  • しん

    おめでとうございます!
    お体ご自愛下さいませ~

  • yukiko

    お久しぶりです。
    なんと、Yokoさんも妊婦さんだったのですね!!
    私は、一昨年は流産してしまったのですが、今、31週で、4月下旬が予定日です。
    まさか妊娠中とは思いませんでしたが、Yokoさんなら、どんなスタイルで育児をするんだろう?って思ったりしていました。
    無事に出産されること祈ってます☆
    また楽しみに拝読させていただきます。

  • ろちょーる

    こんにちは
    なんと、妊婦さんだったんですね。知らなかった。私は31週です。私は出産2ヶ月後に仕事復帰の予定です。各方面手配も済ませ、復帰後の生活を考えてみてはいますが、とにかく想像もつかないので思考ストップしてしまいます。
    まだおむつ等買う気がしないのは、やはり心のどこかで現実を否定しているのでしょうか。もちろん楽しみにはしているのですが。

  • Maria

    おめでとうございます!!
    海外での出産は色々不安もあるかもしれませんが(医療系の英語、難しくありませんか?)、
    無事に元気な赤ちゃんが生まれますよう、お祈りしてます!

  • la dolce vita

    >lat37nさん
    >同じようなことやってるアメリカ人女性は一杯知ってますが
    やっぱりいっぱいいるんですか・・・ すごいな、アメリカ人。
    >Keikoさん
    ご結婚おめでとうございます。 ありがとうございます。
    >それでもたった4ヶ月の産休育休に順応できるか不安たっぷりですが・・・。
    シンガポール、短いですよねー 「産気づくまで働いてた」って人いっぱい知ってます。 続きのエントリーを書いたのでご参考まで(って、参考になってないか)。
    >Playlandさん
    ①はお金がかかるし、②、③は環境が恵まれていないとできないし、国が面倒を見ないとそうなるんですねー(イギリスもそうだけど)。

  • la dolce vita

    >MyFireTanさん
    ありがとうございます。
    >華人の古いしきたりで1か月間床上げしてはいけないそうです。
    シンガポールでもconfinement ladyを雇いますよね、みんな。 「ロンドンでconfinement ladyを雇えるのか?」という質問を何度も受けました。 そんなの高くて雇えません・・・(笑)
    >別の同僚(女性)は台湾で香港より安くいい環境(ホテル住まいのような)で自然分娩
    私の友達(北京在住)も台湾のホテルみたいなところに1ヵ月いました。 中国系は独特ですね、アラブ系は夫のお母さんが面倒見るらしいですよ(って最近、本で読んだとこ)。
    >tygertygerさん
    >Please slow waaaay down by all means!
    本当にその通りです、ありがとうございます。
    >しんさん
    ありがとうございます~♪

  • la dolce vita

    >yukikoさん
    >今、31週で、4月下旬が予定日です。
    おめでとー☆ やっぱりこの年はラッシュだねー
    >Yokoさんなら、どんなスタイルで育児をするんだろう?って思ったりしていました。
    スタイル、全然ないですよー、まだまだ。 あんまり「日本式」とか「オーストラリア式」とかこだわってないので(というか、それほど知らない)、2人で進みながら考えるって感じです。
    >ろちょーるさん
    >まだおむつ等買う気がしないのは、やはり心のどこかで現実を否定しているのでしょうか。
    ようやくここ10日間でベビー用品買った私が言う資格はないんですが、さすがに1ヵ月切ると焦ります(病院用バッグは船便の中、家具が届かないうちは買っても収納する場所がなかったので)。
    Connieさんのように、ゆったり準備できればよかったんですけどねー
    あとオムツはともかくベビー服は生まれる子供のサイズがわからないうちは買っても返品できるように袋から出さずレシートを取っておけ、とGina Fordが本の中で言ってましたが、そんなに全てを完璧には準備できないし、あんまり気にしすぎることないと思いますけどね・・・
    >Mariaさん
    ありがとうございます!
    >医療系の英語、難しくありませんか?
    最初はわからない単語だらけでしたが、1回覚えれば済むので、意外と大変じゃないです(聞いたら説明してくれるし)

  • Maiko

    おめでとうございます!
    女性として生まれたら、誰もが転機になりうる出産を
    どうとらえるかって人生の生き方、価値観のものさしにもなるのかな。。。って
    最近思います。
    アメリカの女性は精神的にもタフですよ~
    2ヶ月で「ゆっくり」タイプとは日本の育児休業に「1年半」とは比較になりませんね。
    でも見方を変えると、家庭の中で、女性にそれだけ経済的に頼っている部分も否めないような気がしました。
    Maternity Leaveの間は給料は出ないわけで、オフィスに戻ったら
    Lay Offなんていうこともありうるので、うかうか休んでいられない環境が彼女たちを焦らせるのかもしれません。
    仕事にもどっても一応夜は残業なしで、働ける環境というのもあるでしょうし。

  • la dolce vita

    >Maikoさん
    ありがとうございます。
    >アメリカの女性は精神的にもタフですよ~
    タフですねー、ほんと。 「うかうか休んでられない環境」がやはり人をつくるのでしょうか?

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