人生をスローダウンする – 2

昨日の続き。
私も下手したらDaphneのようになる危険性があったかも、と思います。 もちろん私はエンタメ業界の弁護士のような華やかなキャリアはないし、産後3日で仕事復帰しようとも思ってなかったけど。
その代わり、年初に10年計画と年間計画を立て、毎月の計画も立てていて、To Doリストを着々とこなしていくことに喜びを覚えるタイプです(→『幸せはバランスの上に』)。
妊娠してからも経過はすこぶる順調で、初期につわりがほとんどなかったというラッキーも重なり、8月にボルネオ、10月に日本、11月にロンドン、12月にメルボルン、1月にシンガポールからロンドン引越し、と毎月のように飛び回ってました。 引越し直前まで仕事して、(まだ決めてなかったけど)何となく産後3, 4ヵ月で仕事再開かなー、と思ってたし。
しかーし、そのまま順調にはいかなかった。 ロンドンに着いてからも引越し手続きでロンドン中を歩き回っていたら、体が悲鳴をあげました(注)。 すでに妊娠9ヵ月の私を人生初の腰痛が襲い(胎児のポジションが腰痛を起こしやすいポジションだった)、日を追うごとに歩けなくなりました。
特に、サービスアパートから家に移り、船便の家具を待つまでの1ヵ月間は最悪(しかも家に移った途端、夫が出張に出てしまったので、私ひとりに)。
(注)妊娠9ヵ月での海外引越しは無謀だ、とさまざまな方面から言われて私もそう思っていたのですが、また別の家庭の事情でこの時期にならざるをえなかったのでした・・・


1930年代に建てられた古い家でオーナーのDIYがいたるところに見られるのが可愛くて気に入って決めたのですが、最低限のレンタル家具(ベッドとダイニングテーブル・チェアとソファ)だけで住もうとするにはないものが多すぎた。
食べ物がない→腰痛がひどくて(*)食料品が持てないのでオンラインで注文→配達されてもキッチンに運ぶだけでひと苦労。
冷蔵庫と電子レンジがない→腰が痛いのでオンライン注文→届いても自分ひとりでは動かせないので放置、使えない。
背が高い人に合わせた家なのだろう、キッチンの収納・バスルームの鏡などすべてが高い→踏み台が欲しいけど、自分で持てないので買いに行けない→仕方なくダイニングチェアを動かそうとすると腰痛が襲う。
ダイニングルームの暖房が効かなかったので毎日コートを着こんで食事をする→直すためにある工具が必要だったが腰が痛いしどこに売ってるかもわからない。
体を引きずって街に出ると階段をあがるだけで息切れ(*)→15-20分ごとに休憩が必要→長時間出歩いた日は帰宅して口もきけなくなるほど疲労。
朝起きると手がしびれていて(*)包丁が持てない→料理もできない。
お腹が重いので背中を下にして寝られないため横になって寝ようとするが、それでも苦しくて夜寝られない(*)。
一時が万事こんな調子で、追い討ちをかけるようにイギリスの不便さが私を襲います。
命綱のオンライン・ショッピングでも時間指定なんて便利なものはなく、「朝8時から夕方6時までの間に配達」というサービスなので、1日中配達を待つはめになり、ちっとも用事が進まない。
夫がようやく出張から帰ってきたので週末買い物に行こうとしたら徒歩5分の駅が土日終日クローズ、徒歩25分(ものすごくノロノロとしか歩けないので)の隣の駅まで歩くとそれだけで疲労困憊。
あまりに毎日辛くてせっかく自ら選んだロンドンに引っ越してきた意味を見失いそうになったので、イギリスのいいところを見ようとアンティークマーケットに出かけたら、バス・電車が1時間以上の大幅遅延。
膨れ上がるTo Doリストが全く消化できずイライラした日々を過ごしているときに、『Secrets of the Baby Whisperer』(邦訳:『赤ちゃん語がわかる魔法の育児書』)のConnieとDaphneの話に出会いました。 また、ロンドンに来てから参加した両親学級の先生が「出産前に仕事を変えようとしたり、(私たちの方をちらっと見ながら)国を変えようとしたりする人がいるけれど、とにかくTo Doリストを消化せずに放置することを覚えなさい」と言われたっけな・・・。
大怪我も大病もしたことがなく、病院にはお見舞い以外で行ったことがない私には、自分の体が思い通りに動かないという現実は衝撃でした。 なお、上記(*)の症状はすべて妊娠後期の典型的な症状でいたって普通(個人差は大きい)。 切迫早産や早産で長期入院や長期自宅安静を余儀なくされた人は(少なくない確率でいます)、どれほど愕然としたことだろうかと思います。
世の中、「出産前日まで仕事してた」「産後1ヵ月で仕事復帰」「まるで子供を産んだとは思えないようなスタイル」・・・etc.、出産によって影響されない生活を賛美するような風潮がある気がします。
でも昔よりお産が安全になったというだけで、今も昔も女性が体を張って命をかけて行う営みに変わりはないのだなー、と思いました(・・・って私はまだ産んでないのだが)。
参考:妊娠・出産の心得11カ条
ここ数日、腰痛は改善されたのですが、2月は月間目標とかTo Doリストとか作るのをやめました。 仕事再開をいつにするかも産んでから決めることにし、今年は人生をスローダウンすることにしたいと思います(ブログもスローダウン)。
Connieのように「強制的に人生をスローダウンできてよかった」と笑える日々が・・・くると・・・いいなー


12 responses to “人生をスローダウンする – 2

  • Kei

    あらら、大変ですね。。。ただでさえロンドンは今寒いようなので、ご自愛くださいませ。。。
    スクールの若手美人教授が産後二ヶ月ちょいで復帰してビックリしましたが、逆に海外のほうがこういうケース多いんですねぇ。
    元気なお子さんの写真を楽しみにしてますね!

  • ジジ

    まずはご懐妊おめでとう!!!Junonちゃんの日記で最近、知り、びっくりしました。だって、引っ越しとかしてるからね・・・。
    一人目の妊娠中が一番大変なのかもね。まだ相手をする子供が居ないんだけど、一人で体を安静にしてないといけないし、でもちゃんと寝られないし、普段は旦那は仕事だし・・・。
    一人目が産まれたら、世の中のこととかどーでもよくなったりするよ(笑)。私の場合は帝王切開っていうのもあって、出産後一週間はベットからも出られず、ひたすら赤ちゃんに授乳、赤ちゃんと睡眠を繰り返して過ごしていました。シャワーも浴びれなかった・・・。まあ、人それぞれだけど、子供が親の人生を180度変えてしまうよね。まあ、変えられてもそれはそれで良いと思えるようになるのも確かだけど。
    出産後のブログが楽しみだわ。どう変わっていくのか、変わっていかないのか。

  • Blondy

    ご懐妊おめでとうございます。
    育児の常識の多くは非常識ということを知るために下記の本をお勧めします。
    「赤ちゃんはいつ「人間」になるのか」西原克成(にしはらかつなり)
    西原先生はノーベル賞を超えてしまった世界級の名医ですヨ。

  • lat37n

    うーん、大変でしたのね。。。おなかに子供を抱えるって未知の経験なのですが、それと引っ越しが重なって思うようにことが進まないストレス、自分でもものすごく感じただろうなーとなんだか人ごとには思えず読ませていただきました。自分にいつかその日が来たら、このポストを再読して慰めてもらうことにしよう。
    ブログもスローダウンはさみしいのでいろいろ書いてほしいですが、まずは元気な子供産んでくださいね。GWころそっちに少しいくかもなので、その時babyと一緒にお会いできれば嬉しいです。

  • la dolce vita

    >Keiさん
    ありがとうございます。
    >スクールの若手美人教授が産後二ヶ月ちょいで復帰してビックリしましたが、逆に海外のほうがこういうケース多いんですねぇ。
    日本の育休はかなり長い方ですね。 でも、産後2ヵ月復帰では100%母乳育児が無理なので、母乳信者が多い国は少ないんじゃないかと思いますが。
    >ジジさん
    ありがとーーー!!!
    >一人目の妊娠中が一番大変なのかもね。
    違う種類の大変さだろうねー 初めてだと何もかもわからないし、周囲にも(親切心からなんだけど)いろいろ言われるので精神的なストレスは多いかも。 でも「あの腰痛抱えながらtoddlerのお世話はありえん!」と思ったので、2人目・3人目の方が体力的にはしんどそう。
    >一人目が産まれたら、世の中のこととかどーでもよくなったりするよ(笑)。
    私もギリシャのこととかブログに書きながら、「一国の亡国より、この腰痛を何とかせねば」と思ってた(笑)。
    話は変わるけど、ちょっとだけ近くなったので、ぜひそのうち遊びに行かせて~♪
    >Blondyさん
    ありがとうございます。
    >育児の常識の多くは非常識ということを知るために下記の本をお勧めします。
    本のご紹介ありがとうございます! 読んでみます。

  • rioco

    以前一度コメント残しましたが覚えてくだっさってるでしょうか。
    検討違いな誤字で、あとで読んで赤面してました。^^;
    子供を産んで人生のスローダウンってことは、よっぽど忙しい生活の経験があるのでしょうね。
    主人の職場でも過酷な投資銀行の職場環境に復帰して、「育児のほうがマシ」という若い女性もいるとか。私の友人は仕事してる方が楽と言う子が多いですけどね。
    忙しさの質も違いますもんね。私は育児は振り回されるし、体力いるし大変だけど心から楽しいです♪子供の見せてくれる成長の世界って本当にすばらしいと思いますよ。
    私が好きな言葉というか、、、最初の数年の育児は「育自」というのがあります。産んだら親にはなれるけど、本当の意味で自分が親として育つ期間でもあると。
    人は社会の中で育ててもらい、子を授かり育て、そしてその子供もいずれ世代交代できる人間になるように見守っていくという、当たり前だけど、自分中心に考えがちな現代で大切な事だと思います。
    あと最近結構面白かった本で、Toxic Childfoodってのがあります。著者Sue Palmer。
    うちは男子2名なので、「男の子を伸ばす母親はここが違う」ってのもとっても参考になってます。女の子版もあるようです。男女でアプローチもぜんぜん違うようですからね。
    いろいろ周りからも助言あると思うので、興味なければスルーしてください。^^
    最後にうちの夫も超料理好きで、週末は大助かりです♪とくに初期の母乳期に食事を作るのも食べるのも面倒になったときなんて、夫の料理で愛情母乳が続きましたもの♪
    それでは出産がんばってください♪
    陣痛は痛いけど、産んだ後の爽快感!忘れられません。
    人間も所詮動物だって思い知らされました^^
    長々と失礼しました。

  • la dolce vita

    >lat37nさん
    ありがとうございます。
    頭でわかっててもなかなか受け止められないのが、「流産・早産・他complicationは体力あるとか健康だとか全く関係なく誰にでも起こりうる」ということですねー Complicationを経験した人はもれなく「まさか自分がなるとは思わなかった」と言います(私の腰痛は背骨同士が当たってただけでcomplicationのうちにも入らないけど)。
    同様に、(lat37nさんだけじゃなく日本人の慣用句なんでしょうが、例にあげてごめんなさい)元気な赤ちゃんを産みたいと思っていないお母さんはいないのですが、原因が全く母親にない・原因不明で、誰にでも不幸は起こりうるので、out of controlなのです。
    >GWころそっちに少しいくかもなので、その時babyと一緒にお会いできれば嬉しいです。
    ぜひぜひ~ その頃にはイギリスは美しい季節(のはず)。 お待ちしてます!
    >riocoさん
    >忙しさの質も違いますもんね。
    質が全然違うんでしょうね。 仕事の忙しさというのは分刻みで予定をこなしていくという忙しさですが、育児の忙しさは分刻みで予定を立ててもすぐ予定が狂うので、それに対応できるような心と時間の余裕を持っておく、って感じなんだと想像してますが。
    >最近結構面白かった本で、Toxic Childfoodってのがあります。著者Sue Palmer。
    お勧めありがとうございます。 どんどんリストが増えていきますが(笑)、読書リストに加えました。

  • Najito

    数ヶ月前からこっそり愛読してますが、今回、同じ日本国外勤務+妊婦さんという境遇にあると発見、今回のエントリーに大変共感したため思わずコメントします。エジプト勤務の36週の妊婦(産休中)です。
    私もTo do list 消化に喜びを見出すタイプで、毎年年頭には分野別&数値目標入りの目標を立ててきたのですが、今年はやってません。とにかく産んでみなくちゃわからないことが多すぎて、目標が立てられませんでした。
    >「強制的に人生をスローダウンできてよかった」と笑える日々が・・・くると・・・いいなー
    全く同じことを思ってました…!! ほんとですよねー。
    ご無事なご出産をお祈りします。

  • la dolce vita

    >Najitoさん
    はじめまして。
    >エジプト勤務の36週の妊婦(産休中)です。
    おお、1週違いですね! 嬉しいです。
    >毎年年頭には分野別&数値目標入りの目標を立ててきたのですが、今年はやってません。とにかく産んでみなくちゃわからないことが多すぎて、目標が立てられませんでした。
    やはりそうでしたか? 落ち着かなくないですか?(笑) 私は目標立てないと決めたのに、今年後半部分を立ててみるのはいいんじゃないかと思ってみたり(笑)。
    >ご無事なご出産をお祈りします。
    こちらこそ、お祈りしております。 産まれたらぜひご一報ください♪

  • あづ

    子育てがスローダウンだなんて!
    仕事の方が楽かもよ・・
    おれも自分に子どもができて、他の人の妊娠・出産のことを色々聞くようになって、
    大きな問題もなく出産までたどり着くことがどれほど大変なことか初めてわかった。
    本番のお産も立ち会ったけど、実際にあの場にいると、無事に子どもが生まれて
    きてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいになるし、この子を守っていかないとって
    いう気持ちが一層強くなったわ。
    うちの妻の出産の様子書こうかと思ったけど、これから出産控えている人には刺激が
    きつすぎるからやめとく(笑)
    残りもう少し、無事に過ごして元気な赤ちゃんが生まれますよう!
    これからは多少無理してでも運動やで!

  • mignon1117

    出産直前に、不自由な部分も含め、いろんな思いをされること、よく分かります。
    私も、出産・育児を通じ、「強制的に人生をスローダウン」し、今の日々を誇りに思っています。
    あらゆる分野への示唆に富む、la dolce vitaさんのブログに、出産・育児という分野が加わることにより、どのようなものになるのか、とても興味深いです。
    無事に出産を迎えられることを、心からお祈り申し上げます。

  • la dolce vita

    >あづ
    >うちの妻の出産の様子書こうかと思ったけど、これから出産控えている人には刺激がきつすぎるからやめとく(笑)
    いえ、けっこうです。 ありがとう(笑)。
    >残りもう少し、無事に過ごして元気な赤ちゃんが生まれますよう!
    >これからは多少無理してでも運動やで!
    サンキュー。 今日は天気が良さそうなので(風が強いけど)がんばって外出よっかな。 昨日は大雨やった・・・
    >mignon1117さん
    >私も、出産・育児を通じ、「強制的に人生をスローダウン」し、今の日々を誇りに思っています。
    心強いお言葉、ありがとうございます。 「今の日々を誇り」かー、そんな風に思ったことがあったかなー?

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