ルール作り上手なフランス – 1

以前、『地図が読める女の絶対年感』で書きましたが、私は地図が好き。 車の運転よりナビが好き。
そして、la dolce vitaな世界を地でいく南ヨーロッパの田舎が好きなので、過去3年、夏は夫と南欧をドライブ旅行というパターンが定着しています。
今回は同窓会があったので、フランス、それも私のブログ・ニックネームでもあるla dolce vitaの世界南ヨーロッパに導いたプロヴァンスに決定。
michelin_map.jpgいつもはその土地のミシュラン・マップ(こんなやつ→)を現地で購入するのですが、今回は結局道路地図を買わずに済んでしまいました。
理由は道路標識があまりにもわかりやすく旅行者に親切な制度が発達しているため。
一昨年のスペイン、去年のイタリアに比べるとフランスの道路標識のわかりやすさは秀逸。
久しく日本で運転していないので、日本との比較はよくわかりません。
またアメリカやカナダではよく運転したけど、ヨーロッパはもっと道路が複雑なので単純比較は無理かと。


France_road_signs1.jpg1. ふさわしい場所に分かりやすい標識が立てられている
日本人的には「そんなの当たり前じゃん?」って感じなのですが、スペインやイタリアでは全然当たり前じゃなかったです。 運転席から全然見えない、標識そのものがない、直進か右左折か決める地点を通り過ぎたところに標識が立っている
(道路標識そのものではないが)この狭い道路でこの制限速度?!な場所が多すぎ、高速道路なのに路面がでこぼこしている・・・etc.
スペインやイタリアでは運転そのものがアドベンチャーだったのですが、フランスはふさわしい場所にきれいに色分けされた見やすい道路標識が立てられていました(もっと詳しくフランスの道路標識について知りたい方はこちら)。
2. 観光を促進する仕組みが整っている
beaux_villages.jpg「ヨーロッパの田舎」が得意な(日本語の)旅行ガイドとして私が愛して止まないのはfigaro japonの旅特集であることは以前書きましたが、思わぬところに可愛い村を見つけたりするのも旅の楽しみのひとつ。
フランスではLes plus beaux villages de France(Wikipedia : フランスの最も美しい村)という協会が立てた標識に出会ったら迷わず車を止めて散策してみるのがお薦め。 以下のような選考基準を満たした美しい村だけが名乗ることができ、かなり外れなく可愛い村に出会えます。

  • 人口が2000人を超えないこと
  • 最低2つの遺産・遺跡(景観、芸術、科学、歴史の面で)があり土地利用計画で保護のための政策が行われていること
  • コミューン議会で同意が得られていること

世界最大の観光立国フランスはこのように観光を促進する仕組みが随所に整っていると思わされることがしばしば。 日本で話題になったミシュランのガイドブックも、元々タイヤメーカーのミシュランが各地をドライブ旅行することを促進する目的で作ったことは有名な話。
もうひとつの例が宿泊施設。
フランスの旅の醍醐味のひとつがシャンブルドット(Chambre d’Hote)というフランス版B&Bに泊まりターブルドット(Table d’Hote)という宿主が腕をふるうディナーに舌鼓を打つことなのですが、これも非常に見つけやすいです(左の写真はLacosteという村の近くで泊まったDomaine de Layaude。 オーナーの娘婿が作るディナーが絶品でした、写真は後日)。 下記のサイトから個別の宿泊施設のサイトに飛べます(シャンブルドットより大きめのLogisもいいらしい)。
Chambres D’Hotes France
Hotels Logis
gites_de_france.jpg現地では右のような標識が道路に出ているので、これまた見つけやすい。 スペインでは、似たような田舎や山奥のb&bに泊まったのですが、宿がとにかく見つけられず40分以上車でうろうろ探したこともありました。
なお、泊まったシャンブルドットのオーナーいわく、この標準の標識を使わず自分たちの手作り看板を立てようとしたら「ダメだ」と行政指導が入った、ということなので、ルールの運用も徹底してるんですね、このへんは。
こんなに旅行のハード面は非常に発達したフランス。
10年くらい前はフランス語が話せないと冷たくあしらわれることも多かったのですが、今回は英語が話せる人が激増していてビックリしました。
「フランスがルール作り上手な理由」をもっと掘り下げたかったのですが、長くなってしまったので明日。


5 responses to “ルール作り上手なフランス – 1

  • sunshine

    この夏、paris, mont st michel, rennes, nantes, la rochelle,ile de re, bordeaux, perigord, biarritz と車で旅行する予定で、場所だけ決めたものの、ホテルも何もかも決めていなかったので、是非参考にさせていただきます。いつも有意義な情報をありがとうございます。

  • hiroko

    私も地図読むほうが好きです。
    フランスのドライブしたときに便利だったのが、サークルになって道がわかれているもの(なんていうんでしたっけ?)と”町の中心地”というサインが大体の町にいけばあるので、途中で気が向いて前もって地図など用意していないときでもふらっといっても町の中心にたどり着きやすい、、、というのが記憶にあります。
    でも、唯一、新婚旅行ドライブで、だんなと迷ってあの温厚な旦那がブチ切れた都市・・・・・ それはマルセイユです。
    あの町、ごちゃごちゃしすぎですよ・・・もう二度と戻りたくない(ブイヤベース食べたかったのにー!)という思い出だけ強烈です(爆)
    私も数年に一度は、行きたいと思ってますね、地中海周りの都市!

  • la dolce vita

    >sunshineさん
    その中ではParis, Mont St.Michel, Biarritzしか行ったことありませんが、北はchateau hotelも結構ありますよ(Parisは無理か・・・)。 Mont St.Michelに行ったときはたしか森の中のchateauに泊まったのですが、家族4人で1部屋だったので普通のchambre d’hoteで2部屋取るより安く泊まれてしまいました。
    名前が思い出せないのですが、”chateau normandy hotel”でググるといっぱい出てきます。
    >hirokoさん
    >サークルになって道がわかれているもの(なんていうんでしたっけ?)と”町の中心地”というサインが大体の町にいけばあるので、
    Roundabout、すごく便利ですよね! 止まらなくてもぐるぐる標識見ながら回ってたら目的地が見つかるあの簡単さ! 書き忘れてました。
    >それはマルセイユです。
    >あの町、ごちゃごちゃしすぎですよ・・・もう二度と戻りたくない(ブイヤベース食べたかったのにー!)
    私たち、マルセイユはブイヤベースを食べるためにAix-en-Provenceからバスで行きました。 車で行こうとしたら宿の人に「バスが安いからバスにしなさい」と止められた。
    ブイヤベース、すごーく美味しかったので写真載せます〜

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、良い命の洗濯だったようで何よりです。
    私、もう規範の塊のようなドイツで運転していたので、どうにもフランスの運転が最初は嫌でしたね。高速道路がとにかくドイツと違っていて、三車線の真ん中を120kmくらいで走っていると、それを150kmくらいの車が後ろから煽ってくる。ドイツだったら必ず一番左車線に入るのに、パッシングの嵐。「おい、追い越し車線が空いてるだろう!」と怒り狂ってその後ろを再度あおり返してやったこともかなりです。ま、ドイツの場合は200kmで走っていても後ろから220kmくらいで来ますからねえ、ちゃんとルール守らないと危なくて…というのもあります。それでも、シャルトルへ行く道や、グルノーブルとリヨンの間では、ちょこっとして町で飯食ったりして、結構幸せだったりしますね。
    それ以上に酷かったのはマドリード。左折する時に一度側道に入って曲がらなきゃならないんですが、そのルールが分からない。ミラノはもう町自体がぐちゃぐちゃなんでどうにでもなれ、という感じ。パレルモも結構な酷さですがまあ全体のスピードが酷くないんで何とかなりますね。
    フランス(イギリスやオランダも)サークルは便利ですが、パリ最大のサークルである「凱旋門サークル」は、駐在員仲間では「恐怖のサークル」として有名。一時間廻っていた人もいるらしいです。あそこを歩いて渡った私の妻は相当なつわものだと思います。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >パリ最大のサークルである「凱旋門サークル」は、駐在員仲間では「恐怖のサークル」として有名。
    あれは恐怖ですね。
    私はパリに行くときはいつも友達に乗せてもらってたのですが、フランスを発つ最終日、シャルル・ド・ゴールに向かう途中でパリ運転デビューしました、記念として。
    凱旋門ではなかったのですが、見事に交差点の真ん中で立ち往生して、ホーンの嵐を浴びましたが、開き直ったら勝手に避けて行ってくれます。
    フランス人はアグレッシブだが運転が上手い(= skillfull)、北米人はアグレッシブじゃないけど下手(= 運転スキルを要求されるような道路じゃないので)、どっちがいいかって言うとフランス人の方がいいです。

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