子ども大好きなスペイン人

2週間ほど毎年恒例の南ヨーロッパ・ドライブ旅行に行っていました。 今年は南スペインのアンダルシア地方をドライブ → マドリッドで友達の結婚式に出席、という旅程。
2007年から始まったこの夏の恒例行事、2007年はフランス・スペインにまたがるバスク地方、2008年は南イタリア(→『’la dolce vita’の由来』『至福のオリーブオイル』)、2009年は南仏プロヴァンス(→『ルール作り上手なフランス – 1』『la vie en rose』『外国人だからわかる良さ』)でした。
bar_seville.jpg実は息子を連れた初家族旅行は息子が4ヵ月になる前にイギリスのコッツウォルズ地方に行っているのですが、たった4日の旅行で疲労困憊、帰ってきてからブログに書く気力も残っていませんでした。
今回は2週間でどうなることやら?と思っていたのですが、家族全員最高に楽しんで帰ってきました。 息子は6ヵ月を過ぎていろいろなことがわかるようになり、見るもの・聞くもの・触るものすべてが刺激的、毎日本当に楽しそうにしていたし、私たちも始終息子に話しかけてくれるフレンドリーなスペイン人に助けられてバルでタパス三昧の休日を楽しめました。
赤ちゃん連れの旅がこんなに楽だとは思わなかった! 「動き回るようになったら大変よ〜」とよく言われるので、今がちょうど赤ちゃんの黄金期(golden age)なのかもしれませんが・・・
旅の途中、子どもが大好きなスペイン人に助けられたことは数えきれません。


flamenco_dress.JPG息子は格別に人なつっこいのか(親に似てないな〜)誰かれ構わず始終笑いかけます。 ロンドンでもよく”Hello! Smiler!”と話しかけられるのですが、スペインで本領発揮。
ベビーカーの中から通りすぎる人全員に笑いかけるので、”¡Hola! ¿Qué pasa?”、”¡Qué guapo!”と知らない人からどんどん、どんどん話しかけられる。 そしてフレンドリーなスペイン人、断りもなく(笑)足やほっぺを触ってきたり、抱き上げたりしてきます。
毎日、信号待ちで、チケット売場で、バルで、軽く20人以上に話しかけられ、5人以上に抱かれていたのではなかろうか?
数ヶ月前に日本で「可愛い赤ちゃんですね、抱かせてください」と話しかけて赤ちゃんの骨を折る事件があったので、初めは過敏に反応していた私たちも途中からあきらめて抱っこしてもらうことにしました。
ある小さな町では、入ったレストランで夫と交代で息子をあやしながら片手で食事をしていたら「抱っこしてあげるから、その間に食べなさい」とウェイターに言われ、ありがたく抱っこしてもらってる間にゆっくり食後のコーヒーまで完食。
マドリッドでの友達の結婚式では、牧師の説教が長〜いカトリックの挙式中の半分以上の時間、隣に座ったおばさんがずっと息子を抱きながらあやしてくれました。 このあやし方がうまいこと、うまいこと。 赤ちゃんは光るものが好きなので、息子はおばさんの巨大な指輪やゴロゴロした白黒ネックレス、ラメ素材のドレスにしゃぶりつこうと激しくトライしていたのですが、うまく触らせながらしゃぶりつかせず、”いないいないばあ”などを駆使して、息子を30分以上黙らせることに成功(退屈するとすぐ金切り声をあげるお年頃なのでこれは奇跡)。 披露宴でこのおばさんは花嫁の親族席に座っていました、私たちは花嫁の親族をベビーシッターに使ってしまったのか・・・(私たちは新郎側のゲスト)
blue_tile_seville.JPG面白いのは、スペインでは赤ちゃん用の施設はあまりないのです。 オムツ替え台は空港や駅以外で見なかったし、ハイチェアがあるレストランもほとんどありませんでした。 私はロンドンのNappy Valleyに住んでいて(→『Nappy Valleyの日常』)オムツ替え台やハイチェアは当たり前なので不便を感じたのですが、スペイン人はオムツは適当にそのへんで替えてたし、レストランでは子どもは膝の上やベビーカーの中に座らせていました。 そして、周りがいくらでも手を差し伸べてくれるので(こちらが頼んでなくても、笑)、子どもを「社会全体で育てている感」があってとても心地良かったです。
こんなに子ども大好きなスペイン人、子どもを社会全体で育てていても、ヨーロッパではイタリアと並んで少子化が進んでいるのです(2010年は女性1人が生涯に産む子どもの数は1.32人、『CIA – The World Factbook』より)。 「社会が子ども好き」ってだけじゃダメなんですなー、って話はまた今度書きます。
今回の写真はランダムにアンダルシアっぽいところを。 上から順に、セビリアのバル(昼も夜もタパス三昧の旅でした♪)、フラメンコ・ドレスのショップ(夜10時頃から始まるフラメンコ・ショーにはさすがに行けなかった、唯一の心残り)、ブルー・タイルで飾られた中庭(このブルーのイスラミック・タイルが大・大・大好きなのです)。


7 responses to “子ども大好きなスペイン人

  • ri

    こんばんわ。
    留学時代仲良かったハーフアメリカン・ハーフバスクの子で、超美人だった子を思い出しました。
    ステップ兄弟も多くて、バスク出身のお母様は、さぞかし美しい方だったのでしょうと思ってたなー。うちの結婚式にも来てくれたのに、今はいずこです。
    そんなに子連れフレンドリーなんですね、スペイン。ブルータイルステキですね♪
    我が家は9月に2週間強、米東海岸を転々と、そして結婚式も2つ参加してきました。
    やーアメリカの結婚式はダンスタイムが楽しいですね。
    息子たちもなんだかのりのりで楽しめて、ホントに家族や友達が広がるっていいなって思いました。
    でも下の子は今まさにteribble twos真っ盛りで、こっちが泣きたくなることも何度も。
    時差もあったし、超長距離旅行にがんばってついてきてこと、たくさん褒めたんですけどね。
    去年家族で静岡旅行した時に、何気に入った蕎麦屋で、お店のご主人が子供をあやしてくれて、その間におそばを味わえたのを思い出しました。
    SLに乗ったときも、わざわざ家族写真撮ってくれる駅員さんや、ベビースマイルのせいかなぜかわかりませんが見知らぬ観光客に一緒に写真を取らされたり、旅行っていろいろ思い出できますよね。
    あと私はフィリピンのリゾートもかなり気に入りました。
    日本から時差がほぼないのと、ホテルのサービスがよいところ。そして海がきれい。子供が小さいうちは楽な旅行がいいな。この3週間くらいずっと時差ぼけで苦しんでました。(子供に付き合わされて、自分のペースがまったくとれなくて、なれたと思ったらまた帰国だし)

  • Y

    はじめてコメントします。私(30代)はバンコクに住んでまして、妻(日本人)と6ヶ月弱の娘と一緒です。
    タイ人も子どもが大好きで、これは非常にありがたいです。この夏、東京に一時帰国したところ、日本人はそうでもない?ような気がしたので、この「ありがたさ」を一層つよく感じてます。
    タイでも徐々に少子化進んでいます。別エントリーも楽しみにしてます。

  • mignon1117

    スペイン、リフレッシュできて、良かったですね。
    子連れ旅行は、子供がいくつになっても、楽しいと思います。 子供の視点が加わると、こちらも気づきが増え、面白いです。こちらのサイトを、随分前から愛読しています。
    http://www.geocities.jp/kozurevacation/
    スペインのように、社会全体が子供好きな所でも、少子化が進んでいるという現象は、私も興味深く思います。おっしゃっている通り、いくら社会全体が子供にFriendlyな環境でも、それだけでは、子供を産みやすいというようにならないと思います。個人的にそれほどスペインのことを知りませんが、随分前に、スペイン人の知り合いからは、社会に未だに封建的な風潮が残っていて、「女性がご飯を作るのが当り前」という所が未だにあると聞いたことがあるのですが、それと、関係あるのかなぁと少し思っています。あと、フランスや北欧の国々のように、育児世帯に対する政府の手厚い経済支援などが整っているなど、いろんなことが関係してくるのだと思います。

  • わっきー

    こんにちわ。お久しぶりです。
    なんだか文章から、ゆったりとしたあたたかな時間がかいま見れて、
    ちょっとシンガポールの殺伐とした空気からだとうらやましいです。
    ブルーのタイルきれいだなぁ。。。なんかこういう美しいものを見たい。。。。
    しかし生後6ヶ月で2週間旅行とは、息子さんもツワモノになりそうですね〜。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    あー、いいですねえ、スペイン。もう10年行っていませんねえ。10月末から11月頭に欧州出張に行くのですが、間にある連休は結局北イタリア旅行に。スペインと迷ったんですけど、飛行機の都合でそうなったわけで、まあ会社で金出してくれるんで文句は言えないんですが。次は国民宿舎パラドールに是非泊まってみて下さい。
    みんな子供は好きだと思うんですが、日本では「声掛けちゃいけないな」という雰囲気があるかも。掛けられた方も迷惑だったり。沖縄なんかはかなり違っていて、子供へは優しいですね。それは行った時も良く目撃しました。
    子連れ旅行、2歳頃に長男をアテネとドレスデンに行った時は大変でした。アテネはどこに行っても何故か泣き叫び、妻の抱っこじゃないと落ち着かなかった一週間。ドレスデンでは隣のマイセンに行って陶器博物館でやはり泣き叫び、途中で出ざるを得ませんでした。さすがに、ドイツ人から無茶苦茶冷たい視線を浴びて、「出てってよ!」といわんばかりの態度でしたね。ま、その息子も大学受験、可愛げのかけらもなくなるのは早いです。
    特にスペインは色々なものの開始時間が遅いんで、子供連れだと少し大変です。まだ6ヶ月だと寧ろいいんですが、ある程度大人の時間で動くようになると、どうしても制約が出ます。その点では車の移動は楽なんですが、ラテンの運転は街中では荒いですから一苦労。マドリード市内なんて交通規則が分かりにくく(左折するのに一度側道に出て、左折専用レーンに入らなきゃいけないとか)大変です。

  • la dolce vita

    >riさん
    >我が家は9月に2週間強、米東海岸を転々と、そして結婚式も2つ参加してきました。
    >やーアメリカの結婚式はダンスタイムが楽しいですね。
    私もダンスタイム好きです! ダンスの話は以前書きました(↓)。 どんなファーストダンスでしたかー?
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2009/09/post-258.php
    マドリッドの結婚式では深夜12時になってもダンスが始まらず、私たちは退散しました・・・
    >ベビースマイルのせいかなぜかわかりませんが見知らぬ観光客に一緒に写真を取らされたり
    私たちもグラナダのアルハンブラで日本人の(大学生かな?)観光客に写真撮られました(笑)。
    時差はまだ未経験です、あなおそろしや。
    >Yさん
    >タイ人も子どもが大好きで、これは非常にありがたいです。
    タイ人、そういうイメージです! イギリスもそこそこ親切ですけどね、でもスペインは強烈でした。
    >mignon1117さん
    >子連れ旅行は、子供がいくつになっても、楽しいと思います。
    そう聞けて嬉しいです! 歩けるようになったら、もっと楽しいんだろうなー
    >スペイン人の知り合いからは、社会に未だに封建的な風潮が残っていて、「女性がご飯を作るのが当り前」という所が未だにあると聞いたことがある
    私もそれほど知ってるわけではありませんが、そうみたいですね。

  • la dolce vita

    >わっきーさん
    >ちょっとシンガポールの殺伐とした空気からだとうらやましいです。
    >ブルーのタイルきれいだなぁ。。。なんかこういう美しいものを見たい。。。。
    あらら、お疲れ?
    シンガポールのオフ会のお知らせをしたので日程が合えばぜひ参加して元気をもらってみては?!
    >ドイツ特派員さん
    >みんな子供は好きだと思うんですが、日本では「声掛けちゃいけないな」という雰囲気があるかも。 掛けられた方も迷惑だったり。
    日本にいた時は子どもがいなかったのであまり気づかなかったのかもしれないけど、そもそも通勤してるとほとんど平日に子どもを見た記憶がないです。 去年行った長野は恐ろしく老人ばっかりだったし。 子どもはどこにいるんでしょう?

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