Category Archives: 7. 心・精神

「そこにしかないもの」

早いものでロンドンに引っ越してきてから丸3年以上経ちました。 来るときは「5年はいるかなー?」と言っていたのに、ロンドン生活が楽しいのでもうちょっといることになりそうです(ロンドンに来た理由→『ロンドンに引っ越します。』)。
2年ほど前、当時ケンブリッジMBA留学中の人に「ようこさんがキャリアを決めるポイントは何ですか?」と聞かれたとき、「場所」と答えたら彼は絶句してました(もっとかっこいい理由を期待してたのかしらん?)。 でも私にとって「場所」(都市空間だったり建築だったり文化だったり総合的な意味で)は本当に重要で、空間が自分の心理に与える重要性に気づいたことがキャリアチェンジのきっかけです(→『空間が持つパワー』)。

昔からヨーロッパが好きだったのですが、『人が自然に生きられる社会』だからという理由以外にそれぞれの国が個性を、さらに言うとアイデンティティーを意識的に強く持っているところが魅力的な理由。 「そこにしかない」ものがあるから、世界の旅行者数ランキングも上位の多くをヨーロッパ諸国が占めているのでしょう(2012年ランキングでは1位のフランスを筆頭に上位10ヵ国のうち4ヵ国がヨーロッパ→Wikipedia: World Tourism rankings)。 なぜ「そこにしかない」ものを保っているのか、という点では、ハイライフ研究所の『ヨーロッパに学ぶ「豊かな都市」のつくり方』という連載第3回の以下の箇所に同意。
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結局、人なんだ。

嬉しいことがありました。

昔からこのブログをご存知の方は知ってると思いますが、このブログを始めた当初からシンガポールにいた頃は、よくブログのオフ会を開催していました。

シンガポールでは4回(→1234)東京で1回、ロンドンでも1回
以前、『「世界級ライフスタイルのススメ」ではありません』にも書いたように、私はこのブログに似たような志向を持つ人を見つけるファインダーの役割を期待していて、オフ会はそんな人たちとのリアルでの出会いの場です。 いつも私より参加者の話が面白く、私は時間と場所決めるだけ、その後みんなの間で勝手に(←失礼!)盛り上がり、次回以降の約束もされていきます。
東京の会は(私は1次会だけでしたが)3次会までありその後気が合う人たちが定期的に会う会になりました。 シンガポールでも私がロンドンに引っ越した後も第5回、6回(?)と開催されています。
こういうのって主催者としてはとってもとっても嬉しいのです。

そして今回は東京オフ会に参加したある2人が3年半の時を経て再び思わぬ再会をした、という報告が届きました →『おいしく、楽しく、美しく!:ふしぎな再会でした
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人生の駒がどんどん決まる幸せ

いつも鋭いことを書いてらっしゃる酒井穣さんのブログNED-WLTに、年末『縮小していく人生の恐怖から「自由」になるための、唯一の方法に関して。』という恐ろしい(笑)記事がありました(酒井さんには以前東京でお会いしたことがあります→『心地よい刺激のシャワー』)。

多くの人は、程度の差はあれ、入れる中学校に行き、入れる高校・大学に行き、入れる企業に行き、与えられた仕事をこなしていくという人生を送ることになります。 子供のころは可能性の大きさに圧倒された人生も、この流れにいるかぎり、いつしか、前にある仕事のなかに埋没していくのです。
自分が好きなことの世界でも、一度は夢見たプロをあきらめ、世界大会や全国大会をあきらめ、県大会ですらあきらめたりして、趣味としてのそれも、やはりこの流れにいるかぎり、いつしか自分がそれを好きだったことさえ忘れてしまったりもするでしょう。
「今の自分にできること」を、ただ現実的に選び取っていく限り、僕たちの人生は確実に縮小していきます。
(中略)
ただ「今の自分にできること」を積み重ねていても、可能性は時間の経過とともに減っていきます。 それはまるで、うずまきの中に浮かぶ木の葉のような人生です。30代も中ごろを過ぎたあたりから、大切に守ってきたはずの可能性も、明らかに目減りしてくるのが普通ではないでしょうか。

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パパは精子ドナー

『カリフォルニアを見よ』の続き。 カリフォルニアですでに起こっていていずれ日本にもやってくるかもしれないメガトレンドについてです。
もう1年以上前に偶然見つけて観た”Song of a Sperm Donor”という題の短いドキュメンタリーフィルムが忘れられません。 12分弱の短いフィルム(英語)なのでぜひ観てみてください。

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オリンピック開会式のテーマは”田園”

ロンドンオリンピックでひとつ楽しみにしているものがあります、それは開会式!
芸術監督がダニー・ボイル(『スラムドッグ$ミリオネア』)で音楽監督がアンダーワールドなんて期待が高まらないわけがありません☆

で、期待のテーマは・・・「田園」・・・

まあ確かに北京があんなに派手にやった後で、派手さを競ってもしょうがないけど、スタジアムの中に本物の牛や馬が登場するそう。
The Economistいわく、

Opening ceremonies are a country’s opportunity to sell itself to the world. Britain appears to be selling irony.
開会式は開催国が世界に向けて自分を売るチャンスである。 イギリスはどうやら「皮肉」を売ろうとしてるらしい。
(The Economist: The Olympic opening ceremony

あっ・・・そう・・・  ユーモアが通じるといいね・・・ 以前、Ricky Gervaisのユーモアはハリウッド俳優には全然通じてなかったしね・・・(→『爆走するイギリス・ユーモア』)。 「田園」については当のダニー・ボイル自身が「全世界の観客全員にユーモアをわかってもらおうなんて不可能だからわかる人にだけわかればいい」的発言をしてますが・・・
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ブログ再開のきっかけ

Quipperという今大注目のベンチャーをご存知でしょうか?

2010年にロンドンで創業、モバイル上で学習コンテンツを提供するプラットフォームアプリの企業で、創業当初から狙う市場は世界、今年5月に日米英の投資家から£2.3MのシリーズA資金調達を行っています。

TechCrunch : DeNA共同創業者が立ち上げたQuipperは世界市場に向けたモバイルのeラーニング企業

ロンドンで創業、プロダクトは英語、メンバーも幹部は日本人が多いがイギリス人・メキシコ人・スリランカ人・ベネズエラ人など実に多国籍、インドにもチームがいて日・米・英から投資資金を集める・・・ 私が3年前に書いた『日本のベンチャーよ、世界を目指そう』

ベンチャーは失うものがないから初めから市場の規模が違う世界を目指せばいいのに

を地で行ってる会社です。

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他人になろうとするには人生短すぎる

先日終わったプロジェクト(→『ロフトアパート・プロジェクト – 1』『- 2』『- 3』)では学校のディレクターと外部の現役デザイナーの前でプレゼンをしフィードバックをもらったのですが、こちらが拍子抜けするくらい誉められました。 「へっ? ”ここはもっとがんばって”とかないの?」って感じ。
AL_Crisocolla.png全員が同じスペースを使ってデザインしたのに、16人いれば16色。 否応なしに個性が出ているのが本当に面白い。
私の場合、”coherent”(一貫している)、”believable”(本当にありそう)というコメントをもらったことが現しているように、ぶっ飛んだ要素がなく、無難にまとめ過ぎかなー、と思っていました。 クラスメイトの中には、緑の貴石を使って下からライトで照らし出したテーブル(左の写真)、ボート型のキッチン(写真は続きを読むをクリック)、空中に浮かぶベッドなど、wackyな(奇抜な)アイデアがいっぱいありました。 そういうwackyなアイデアがクリエイティブに見えるんですよねー

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ノマドのアイデンティティー

今週はプロジェクトの締め切りで追われていましたが、先週ある1人の若者が私を訪ねてきてくれました。 早稲田大学5年生の成瀬くん、世界一周ノマドプロジェクトと題して世界中の起業家やノマドに会って話を聞きながら旅しているそうです。 シンガポールにいたときもNORIさんが来てくれたなー(→こちら)。
2時間くらいいろいろ話して記事にもしてもらいました(→こちら)。 今日は記事には載ってないのですが印象的だった質問で、インタビューが終わってからも考えたことを。
成瀬くんは旅に出る前にいろいろな人に旅の趣旨を説明したときに「ノマドという生き方(*1)にはアイデンティティーの問題がついてまわるから聞いてくるといい」とアドバイスされたそう。
*1・・・『未来の歴史とノマドの時代』参照
このアドバイスをされた方がどういう意味を込めたのかその場にいなかったのでわからないのですが、おそらく「日本人としてのアイデンティティーをどう保つのか?」「ノマド生活をするとアイデンティティーのない人間になってしまうのでは?」あたりの懸念じゃないかと思います(→成瀬くん、違ってたら教えてください)。
で、ちょっと考えたのですが、懸念のポイントが私の実感とズレてるような気がするのでそのことについて。

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結婚しない女たち

2ヵ月前にThe Economistで「アジアの女性たちが結婚から逃げている」という特集が組まれていました。
The Economist : “Asia’s lonely hearts”, “The flight from marriage”
以下、要約。

アジアではどんどん晩婚になっている、それどころか全く結婚しない非婚も増えている(続きを読むをクリックするとグラフが現れます)。 結婚が減っているのは欧米でも同じだが、欧米人は結婚という法律婚にとらわれないようになっただけで同棲は増えている。 結婚も同棲もしないのはアジア特有の現象。
アジア女性が自立した理由は高学歴化と労働市場への参加である。 アジアでは高学歴女性ほど結婚率が低い、これは欧米とは逆の現象である(→『女性における学歴と結婚の相関関係』)。
高学歴が非婚を生むのは2つの理由がある。 ひとつめの理由は高学歴の女性はもともと未婚率が高かった、また都市の方が田舎より未婚率が高い。 女性がどんどん高学歴化し都市に流入するにつれ未婚率が高くなるのは自然である。 ふたつめの理由はアジアのほとんどの国は女性は伝統的に”marry-up” = 「上方婚」するものとみなされてきた。 女性が高学歴化するに従って男女のミスマッチが起こっている。
またアジア特有の理由に女性が家事・育児・介護などの負担をひとりで背負っていることがあり、これが結婚の魅力をなくしている。

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きっかけはいつも個人的な経験

HelpJapan_TaraJacoby.jpg何か行動を起こすとき、特に大きな行動を起こすとき、きっかけはいつもすごく個人的な経験だと思います。 逆に言うと、自分がすごく揺さぶられるような経験には、大きな行動を起こす種が眠っています。
そこで今回、『プロジェクトPhoenix』を立ち上げた個人的な経験を書いておきます。
私は今回の地震はTwitterで知りました(→『痛みが距離を超えた日』)。 「M8.4」という数字を見た瞬間に(*1)、ただごとではない事態に気づき、次に頭に浮かんだのが”It took a devastating earthquake for Japan to change.”という言葉でした。 なぜか頭に浮かんだのが英語で、このフレーズが10年後くらいのThe Economistか何かの記事になっている様子が瞬間的に頭に浮かびました。
*1・・・ご存知の通り、後にM9.0に訂正されました。

It took a devastating earthquake for Japan to change.

このフレーズには

1. 失われた20年を経験しても自発的に変われなかった日本は、結局、こんなひどい惨事を経験してようやく変われたね〜
2. 日本って、あの地震以来、ホンットーに見違えるように変わったよね〜

いろいろな受け取り方ができますが、後世でどう言われるかは、今、まさに私たちがどう動くかにかかっていると思いました。

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