Category Archives: 4. 教養・知識

有事のロンドン買い

有事のロンドン買いが続いています。

2008年にはじけた世界的な住宅バブル、イギリスでもはじけたはず、でした。
ところが下右の表を見るとわかるように、イングランド北部は住宅価格が下げ止まらないのに対し、ロンドンでは上がり続けバブルのピークをすでに大幅に上回っています。 収入に対する住宅ローンや家賃の比率も上がり続けています(The Economist: The rubber bubble)。
UK house price
住宅価格の高騰はロンドン中心部で顕著で2012年7月からの1年間で9.7%も上昇しました。 まだユーロ危機も続き、景気回復の足取りも鈍いイギリスの首都で年間10%の上昇です。 これにはロンドン市民の可処分所得・失業率・住宅ローン税率など通常の住宅購入を決める要素だけではない、別の力学が働いています。 それが「国際的な安全資産」としてのロンドンです。
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働く女が産んでいる。

今週は英ガーディアン紙の記事”Why have young people in Japan stopped having sex?”(なぜ日本の若者はセックスをやめた?)が大きな話題となり、Washington PostやらTIMEやら各メディアが飛び入り参加して盛り上がっていました。
刺激的なタイトルはさておき日本の諸問題の元凶は少子高齢化なので、そこにつながっている非婚・非交際に疑問の焦点が当たるのはまあ自然かなーと思います。 というのも、欧米諸国の中には戦後下げ続けた出生率が1975-80年を境に下げ止まり反転している国があり、その傾向が顕著になっているからです(出生率が上がっている国は米・仏・英・北欧諸国。 詳しくは→『さらに少子化を考える』)。

そしてついにBCA Researchという独立系リサーチ期間から”The Coming Baby Boom in Developed Economies”(先進国にやってくるベビーブーム)というレポートまで出ました。 私はロンドンのベビーブームの煽りをもろにくらっている(*1)ので、「ついにきたーーー!」って感じ。
*1・・・産科のベッド数が足りない、ナーサリー(保育所)が足りない、極めつけは小学校の定員が全然足りない!!! 大変なことになってます、ロンドン。『犬と子どもとイギリス人』
とっても面白い内容なので“The Economist: The coming baby boom?”からポイントをまとめます。
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新セレブな生き方は田舎暮らし

数ヶ月前に病院の待合室で読んだ英女性ファッション誌『Harper’s Bazaar』にとても面白い記事がありました。 女性ファッション誌は病院の待合室か美容院で髪を切ってもらってる最中しか読まないのですが、時代を読む視点で読むとあなどれない。面白かったです。
Nouveau Peasant image board
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ロンドン2012から東京2020へ

今朝目が覚めたら東京に決まっていました、尽力された皆さん、おめでとうございます。

population londonシンガポールからロンドンに移ってきた2009年に私は『成熟国からの視点』というエントリーを書いています。 20世紀初頭に世界の大国の地位をアメリカに譲り渡し二度の大戦後は経済衰退する一方だったイギリス、主要都市では中心部の荒廃が進み、首都のロンドンは70年代には世紀初頭より20%も人口減となりました(右の表はグレーター・ロンドンの人口推移)。 ところが、今年4月に生涯を閉じたサッチャーの一連の改革(80年代)で劇的なカムバックを果たします。 見事に生まれ変わり、現在は激動の世界で堂々たる中心都市のひとつとなったロンドン、私たちは世界の各都市をピックアップしPros-Consを検討した結果、この成熟都市の中で子育てしようとやってきました。

21世紀が中国の世紀であるといわんばかりに国威を顕示した北京2008に続いたロンドン2012、リーマンショックを引き金とした大不況から抜け切れない中行われましたが、見事に「オトナのオリンピック」を魅せました。 世界中のメディアが大絶賛した開会式の『“Very British”なオリンピック』は普段は自虐的なイギリス人に”Proud to be British”(イギリス人であることを誇りに思う)と言わせました。

どうやら最近のオリンピックは新興国→先進国→新興国→先進国という順番になっているようです(正確には「オリンピック・パラリンピック」ですが長いので略)。 「オトナの国のオリンピック」を魅せたのがロンドンなら「未来の国のオリンピック」を魅せられるのが東京。 ロンドン2012がもたらした効果・遺産は今でも計測・分析されている真っ最中ですが、ロンドン2012のここが東京2020にも活かせるのでは?という点をあげてみました(長い前置き!)。
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「あなたの選択は正しいのか?」と問われ続ける3歳児

少し前に話題になっていた上田大使のシャラップ発言を今さらながらYouTubeで見ました。

内容は知ってたのに、一瞬背筋が凍った。 あちゃーーー、これ公の場で、この立場の人がやっちゃったんだ・・・
とりわけ感情を表に現すことを恥じるイギリスでは、いい年をした大人が他の大人を怒鳴るのは、ほとんど見ることはない光景です。 駅でこういう人を見かけても凍るのに、さぞかし同席していた委員の方々は凍り付いたことでしょう。

もうひとつビデオを見て背筋が凍った理由があります。
まるで長男(現在3歳4ヵ月)を怒鳴ってる私ではないか・・・
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新しい家族のカタチ

nuclear_family少し前にThe Economistで面白い記事があったので紹介。
ひと昔前のアメリカ映画に出てくるような核家族、会社員のパパと専業主婦のママに子どもが2人という家族のモデルが崩壊し、このような家族は全世帯の中で少数派になった、と言われて久しいですが、イギリスでもだいぶ前から崩れています。
離婚率は上昇し、婚外子の割合は5割にまで上昇、そして出生率は低下し続けていました、ごく最近までは。

ところが、数十年続いてきたこの傾向に歯止めがかかり、新しい家族のカタチ、それも以前の均質的な核家族の形とは違った3種類のモデルが見えてきた、という記事です(The Economist: The post-nuclear age)。
以前、『カリフォルニアを見よ』というエントリーで

世界を変えるような大きな時流(メタ・トレンド)ってまずアメリカのカリフォルニアで発生して、それがすごいスピードで打たれて叩かれてテストされて、こなれたり改善したりローカライズされて、世界の中でも時流が回ってくるのが早い場所から順にぐるーっと回ってくる

と書きましたが、技術のトレンドではなくDemographics(人口動態)であれば、世界の先進都市では同時的に同じような傾向が出てきます。 このThe Economistの記事はイギリスの家族の形の変化として書かれていますが、先進国はどこもこういう傾向が出てきているのでは、という点でとても面白かったです。
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MBAの10年後

以前、『MBAの同窓会』『5年目の同窓会』というエントリーでINSEAD卒業後、5年目の同窓会の話を書きました。 これを書いた時からさらに4年経ちました。 ・・・ということは来年は卒業10周年なんですね。 月日が経つのは早い・・・

日本でのMBA論と言えば東洋経済オンラインで『超一流MBA校で戦う日本人』という勇ましい連載がありましたが、とうの昔に卒業し、MBAキャリアからは程遠い道を歩んでいる私にとっては、MBAは終着駅でも人生最大のイベントでもなく新しい旅路の始まりです。 今でもMBA生活を一緒に過ごした友人たちの動向を知るたびに懐かしい気持ちになり励みになります。

そんな折、私が行ったINSEADでOB(Organizational Behavior、組織行動論)の教授が”Memoirs of Life and Work a Decade after an MBA”(MBAの10年後のメモワール)と題したケースを執筆したそうで“Is There Life After an MBA?”(MBA後に人生はあるの?)という記事がINSEAD友人たちの間でシェアされていました。 ちょっとおセンチになってる感はありますが、なかなか良かったので訳して紹介しておきます。
自身もINSEADでMBAを取得したこの教授Jennifer PetriglieriはClass of 2002(2002年卒業生)19人にMBA後の10年間の生活を振り返ってもらいそれをまとめたそうです。
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直感と信念の人

今日は『正しい判断は、最初の3秒で決まる』という本の紹介(献本御礼)。

著者の慎泰俊さんとはTwitterで知り合いました。 「なんだ、そりゃ?」って感じですが、共通の知人がたくさんいて気づいたらつながっていました。 以前も著書のNGOの取り組みに関する本を頂いてブログに書いています(→『すべての子どもは愛情を浴びながら育つ権利があると信じている人へ』)。 「いつかお会いしましょう」などと言っていたのですが、本当にイギリスに来るたびに会いにきてくれました、こんなロンドンの端っこまで。

初めて会ったときは生後4ヵ月の次男を連れてランチ、腕の中で動き回る次男を片手で押さえつけながら話をしたので、とても落ち着ける状況ではなかったのですが、ちょっと私の中で電気が走った瞬間がありました。

静かな、落ち着いた声で

僕、これから起業するんです、マイクロファイナンスの事業で。 これからは世銀みたいな役割を民間が担う時代がくると思うんですよね。

と言われました。
世銀ですよ、世銀。 世界銀行。
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Interrupting Interruption

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
年末年始は10日間、家族で南ポルトガルに休暇で行ってきました。

子どもがまだ5ヵ月と2歳9ヵ月なので「普段の週末でも疲れるのに10日間もどうするんだ?」と行く前は不安でしたが、10日間行ってよかったです。 次男が産まれて以来初めてリラックスすることができました。

以前、英テレグラフ紙の記事で「イギリス人はホリデーに出かけて4日目にようやく仕事からスイッチオフして日々のストレスを癒すことができる。 1週間の休暇だと2, 3日しかリラックスすることができない」とありました(→The Telegraph : Week long break gives just three days rest because it takes four days to switch off)。 まさにその通り、10日間同じ場所で過ごして(子どもと一緒だと移動がとにかく疲れるので)、ようやく心からリラックスすることができました。

我が家では、休暇中に仕事をすることはもちろんのこと、メール・インターネット・携帯・テレビ一切禁止です。 携帯電話は基本的にオフ(休暇中の目的以外では使用しない)。 ニュースも見ないので、世界で何が起きているかも知らない。 一緒に休暇を過ごしている目の前にいる相手と、その場・その瞬間の時間を楽しむことから気を逸らすことは必要ないという考え。
私が20代でバックパッカーだった頃(→『バックパッカー時代も悪くない』)は、旅に出た瞬間から日常からスイッチオフすることは簡単だったのですが、最近の敵はスマホ。 休暇だけではなく趣味でも仕事でも、何かをしながら数十分おきにスマホをいじる生活では、目の前の仕事・人に100%向き合っておらず、クオリティの高い仕事やクオリティの高い時間にはならないとつくづく思います(関連エントリー:『Zappingする世代』)。
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赤ちゃん連れの飛行機 – イギリス編

2週間くらい前に全国の赤ちゃん連れを震え上がらせたこの記事(→『再生JALの心意気』)、「飛行機に乗ったら赤ちゃんの泣き声がひどくてブチ切れたのでJALにクレームを入れた」という漫画家さかもと未明さんの記事です。
2周くらい周回遅れだけど気になっていたのでイギリスの話。

なぜイギリスの話を出すかというと、別にイギリス賛美をしているわけではなく、社会が非常にロジカルに構成されているから。 社会が阿吽の呼吸で動いているのではなくロジック(論理)で動いているため納得感があるし説明がしやすいのです(ロー・コンテクスト文化については以前もこちらに書いています)。
Public Choice Matrix『当事者性と専門性』に引き続き2 x 2マトリックス登場。
社会はこのような場によって形成されていると思います。 縦軸はその場がパブリックであるかプライベートであるか。 横軸は赤ちゃん(or 幼児)連れにとって、その場に行かない(もしくは人に預けて出かける)という選択肢があるかないか。

①はパブリックな場であるが、赤ちゃん連れにとって他の選択肢がある場合。
②はパブリックな場で、かつ他の選択肢がない場合。
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