当事者性と専門性 – 1

当事者性と専門性最近こんな図をよく頭に描いていました。

身近な例として妊娠・出産・育児を例に説明します。

①・・・自身も出産経験のある産婦人科医、子育て経験のあるベビーシッター(ナニー)など専門家。

②・・・自身は未経験の産婦人科医、ベビーシッター(ナニー)など。

個人的には、専門家はその知識や臨床経験、その他の人間力などで判断されるべきで、自身が直接当事者・経験者になったことがあるかどうかは必須要件ではないと思っています。 が、「経験したことないくせに」という批判をする人、多いですねー
友人の産婦人科医 宋美玄さん(大ベストセラー本『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』の著者)のブログ

時々「先生は子供作らなくていいんですか?」とか「産んだことのない人が言っても説得力がない」などと言われることがあり

とあり、ビックリしました。 男性の産婦人科医にこんなこと言う人いないよね・・・

イギリスで大人気の育児本を書いたカリスマナニーGina Ford(→『育児が楽しい!』)のことを「自分は子どもを育てたことないくせに」と批判する人も同様。 数百の家庭の赤ちゃんをみた経験や身につけた専門知識の方が重要では?

妊娠・出産・育児というトピックは非常に感情的な議論を呼ぶ分野で、①、②の専門家陣に③と④の人たちが乱入し、論争は混迷の度を増します。
③・・・専門家ではないが妊娠・出産・育児の経験がある人
④・・・専門家でもなく経験もない人

③の代表的なものがたまひよなどに代表される育児雑誌やネット上に数多溢れる掲示板(ウイメンズパークなど)。 もちろん医学的な情報もあることはあるし「医師が監修している」と書かれているのですが、とにかく多いのが読者の体験談(掲示板は体験談のみ)。 それぞれが個々の体験を語っているに過ぎず、その多くは慣習的・情緒的なもので玉石混合(というか石ばっかり)なのに、そんな情報に左右されている人がいかに多いことか。 みんな他人を気にしすぎ!
もちろん③には「私のときはこうだった」と押し付ける実の母親やお姑さんも含みます。

私は③のタイプの雑誌や掲示板はほとんど読みませんが、情報を求めてググるとこのタイプばっかり検索エンジンのトップに出てくるのが悩みです。 情報の精度・濃密度という意味ではやはり本の方が勝るのか?

女性版2ちゃんねる(?)発言小町では③と④の人が入り乱れて、出産・育児トピックはいつも格好のエンターテイメントを提供しています(こういうのとか、笑→『子供に優しい国って?』)。

イギリスに来て面白いことを発見しました。 育児に関しては、③と④の中間みたいな人がすごく多い! つまり「自分自身で出産・育児経験はないがベビーシッター経験はいっぱいある」人がすごく多いのです。 私が行っていた学校のクラスでは女性で子どもがいないクラスメイト全員にベビーシッター経験(しかもかなり頻繁に)がありました。 高校生くらいになると近所の家庭のベビーシッターをしてお小遣いを稼ぐことが当たり前なのでしょう。

彼女たちは「あんなに大変なこと自分ができるとは思わない」とか「お世話が大変すぎて自分では産む気がなくなった」とか言うけど、決して「妊娠は病気じゃないんだから甘えるな」とか(電車内で泣く赤ちゃん連れに)「迷惑だから電車に乗るな」とか言いません。 自分で経験して多少なりとも大変さを知ってるから。

以上、妊娠・出産・育児を例にとりましたが、ジャーナリスト佐々木俊尚さんの『「当事者」の時代』は事件という観点から当事者・非当事者の視点に焦点を当てていて面白かったです。

明日も続きます(えっ! まだ続くの?!)


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