新しい家族のカタチ

nuclear_family少し前にThe Economistで面白い記事があったので紹介。
ひと昔前のアメリカ映画に出てくるような核家族、会社員のパパと専業主婦のママに子どもが2人という家族のモデルが崩壊し、このような家族は全世帯の中で少数派になった、と言われて久しいですが、イギリスでもだいぶ前から崩れています。
離婚率は上昇し、婚外子の割合は5割にまで上昇、そして出生率は低下し続けていました、ごく最近までは。

ところが、数十年続いてきたこの傾向に歯止めがかかり、新しい家族のカタチ、それも以前の均質的な核家族の形とは違った3種類のモデルが見えてきた、という記事です(The Economist: The post-nuclear age)。
以前、『カリフォルニアを見よ』というエントリーで

世界を変えるような大きな時流(メタ・トレンド)ってまずアメリカのカリフォルニアで発生して、それがすごいスピードで打たれて叩かれてテストされて、こなれたり改善したりローカライズされて、世界の中でも時流が回ってくるのが早い場所から順にぐるーっと回ってくる

と書きましたが、技術のトレンドではなくDemographics(人口動態)であれば、世界の先進都市では同時的に同じような傾向が出てきます。 このThe Economistの記事はイギリスの家族の形の変化として書かれていますが、先進国はどこもこういう傾向が出てきているのでは、という点でとても面白かったです。

3種類の家族のモデルとは以下のようなもの。
1. 大卒キャリア階級
2. イギリス人労働者階級
3. 移民

1. 大卒キャリア階級
結婚について保守的、シングルマザーの割合は2.の階級の1/4以下。 出産よりキャリアを優先し33歳まで先延ばしにするが、産み始めると複数産むため、このクラスの出生率は上昇している。

2. イギリス人労働者階級
ルーティーンワークのブルーカラーの仕事につく人からなる。 1. のクラスと逆で結婚率は下がり婚外子の割合は増えている。 価値観の変化に加え、労働者階級では特に男性の収入低下が女性のそれを下回り、シングルマザーへの充実した手当で男性に経済的に頼らずとも子育てができることもこの傾向を後押ししている。

3. 移民
イギリスでは初産の1/4以上が外国生まれの女性(ロンドンでは1/2以上)である。 特に移民の多い地区で産んでいるのは、20代前半のインド系か30代のキャリアウーマン(上記1.)でそれ以外があまりいない。

興味深いのは、今世紀初頭には1.63まで下がった出生率がミレニアムを機に反転し、じりじりと上がり続けて今は1.93まで上がったということ(→『犬と子どもとイギリス人』)。 そして、産んでるのは移民だけではなく、1.の人も2.の人も産んでいる、ということ。
私たちにも2人小さい子がいるので「子育てしやすい環境」というのはそもそも「子どもの数が多い」ことが大事、ベビーブーム大歓迎(小学校の数が足りなくて大変なことになってますが)。 日本在住ママがよく嘆いている、「子連れが歓迎されないレストラン」も、私が住んでいるような家族連ればかりのエリアでは子連れ歓迎しないと商売にならん、というシンプルな経済原理で動いているような気がします。

上記3モデルの人たちは異なった価値観・社会通念で動いているので、昔ならではの核家族幻想を捨てて、個々のsubstantial minority(無視できないほど大きいマイノリティー)に合わせるっていうのがいいんでしょう。 


4 responses to “新しい家族のカタチ

  • Gen

    英米は似てますねw いいところも悪いところも。Charles MurrayのComing Apartは、絶望的に気分になりますがオススメです。

    米所得上位20%と下位30%の差:結婚率 83%・48%;出産時に結婚していない比率 7%・45%;30-49歳の非労働参加率 3%・12%;州40時間以下労働 12%・20%;犯罪率変わらず・6倍;信仰高い・低い。 http://bit.ly/y77OQ5

    • la dolce vita

      似てますねー

      >Charles MurrayのComing Apartは、絶望的に気分になりますがオススメです。
      これ読みたかったのですが、絶望的な気分になりますか? 最近、骨太の本読んでないですー

  • Miffy

    昨年出産したので昔からそうなのかどうか分かりませんが、少なくとも最近は、港区などの都心部は、少子化もどこ吹く風というぐらい子連れが多く、ほとんどのレストランが子連れ歓迎のサイン(ステッカー)を貼っていたりします。雑誌には「子連れで行ける三ツ星レストラン特集」なるものが組まれていたり。(三ツ星ぐらい子なしで行きたいよなあ、とは思いますが。)やはり子連れを無視しては商売上がったりという風潮が顕著に見られます。日本といっても都心部、都市郊外、田舎と状況は違って、それぞれ刻々と変化しているんだなあと思います。

    • la dolce vita

      >少子化もどこ吹く風というぐらい子連れが多く、ほとんどのレストランが子連れ歓迎のサイン(ステッカー)を貼っていたりします。

      そうなんですか? 子連れで東京行ったことないのですが、怖くて行けません(笑)。 子なしで行きたいなー、いつ行けるんだろうなー・・・

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