未来に備える本

ようやく子どもが2人になり、「これで子どもが小学校・中学校に入る年がわかる!」と喜んだのも束の間のこと(→『人生の駒がどんどん決まる幸せ』)。 これからどんどん老いる先進国に生まれ、地球温暖化を初め課題は山積み、待ったなしでグローバル化が進む世界で、地球の裏側のハングリーで貪欲な同世代との競争を迫られる子どもたちにはどのような教育を受けさせるべきか、もっと根本的な問題として親としてどういう背中・姿勢を見せたらいいのか、考えていました。
『20、30、50年後を想像しながら動く』を書いたのは2年半前ですが、つらつらと漠然と考えていた将来をもっと具体的な未来予想図を提示しながら動く方向性を示してくれた本に出会いました、先日書いたリンダ・グラットン著『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』

やっぱり無料で読める誰かが切り取った本の抜粋や5分で読めるニュース記事をちらちら追いかけるのではなく、こういう何百ページもある骨太の本を読まなきゃだめですねー もちろん未来の「答え」ではありませんが、ビジネススクールの教授らしくわかりやすいフレームワークを提示して、たっぷり考えるきっかけと動く方向性を示してくれました。 逆にこの本読んでも動けない人はどういう危機感持ってるんだろうと思います。

ボリュームたっぷりなのでどこを読んでもいろいろ刺さる本ですが、私は「意外とここ数年あがきながら動いてきた方向性があながち間違いでもなかったんだ」と勇気づけられました。 また”世界級ライフスタイル”というキャッチーな言葉までつけて私が求めているその時々のライフステージに合ったライフスタイルを築くにあたり、今現在起こっている重要な変化とその変化に飲み込まれないように主体的に取るべき「シフト」(本のタイトル)まで示してくれているような気がしました。

内容の要約はググるといろいろ出てくるので、この本で提示されている「未来を形づくる5つの要因」と「未来に備えるための3つのシフト」に照らし合わせて関連ブログエントリーをリンクしておきます(漏れていると思うので随時追加します)。
■ 未来を形づくる5つの要因

  • テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化

『企業の競争相手が個人になる時代』
『仕事がなくなるのはミドル層』
『時給78セントの衝撃』

『「老後」がなくなる日』
『他国へ移住したい人は全世界で7億人』

■ 未来に備えるための3つのシフト

  • 第一のシフト「ジェネラリスト」から「連続スペシャリスト」へ

『The Future of Work』
『要注意なお仕事リスト』
『ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 – 2』

  • 第二のシフト 孤独な競争から協力して起こすイノベーションへ

『「内」と「外」』
『自分に一番近い8人が「自分」』
『対面で会わずに関係を構築する力』
『薄い付き合い(weak tie)の威力』
『世界で最も暮らしやすい都市 – 2009』

  • 第三のシフト 大量消費から情熱を傾けられる経験へ

『ポスト・コンシューマーと「おもてなし」』
『好きなことを仕事にした人たち』
『「好き」を仕事にしない理由』

こうやってまとめてみると自分の考えが抜けていたところがわかるところがいいですね。 最近、ブログへの感想がFacebookなど私には見えないところに移ってしまってさみしいので、コメントももらえると嬉しいです。


2 responses to “未来に備える本

  • Hiro

    電機メーカー3年目社員の者です。
    la dolce vitaさんのblogを初めて読んだ時に抱いた危機感を、改めて思い出せてくれる良書でした。
    キャリアに関する考察はもちろん、”リアルな人間関係を主体的に築くこと”という実生活で後回しにしがちなポイントまで言及しているのが素晴らしいですね。

    最後に、毎回blog更新を楽しみにしています。
    示唆に富んだ文章の発信、本当にありがとうございます。

    • la dolce vita

      >Hiroさん
      コメントありがとうございます!
      この本、日本で売れてるらしいですねー

      >”リアルな人間関係を主体的に築くこと”という実生活で後回しにしがちなポイントまで言及している
      私も家族はともかく友達との関係は後回しになってるなー、と痛感しました。 友達関係って意識しないとすぐ疎遠になっちゃうし、意識的に新しい出会いを大切にしないと目の前を過ぎてってしまいますね。

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