イクメンの行方

先週末、友人(英伊カップル)の3歳の子の誕生日パーティーに呼ばれたのですが、当たり前のようで個人的には衝撃的なことを発見しました。 招かれていたのは、0 – 4歳までの子ども(兄弟もたくさん)を持つファミリー6組ほど。 初対面の家族ばかりでしたがフレンドリーにいろいろ話したのですが、親たち全員が疲れていた!!!
母親だけでなく父親も育児と仕事の両立で疲れ切っていたのが印象的。 みんな睡眠不足からくる疲れと子の成長を眺める幸せが入り交じった独特の、とても身に覚えのある雰囲気を漂わせていました。 やはり”Generation Xhausted”である(→The Economist : Generation Xhausted)。

現代の父親たちは一世代前の父親と異なった次のようなトレンドにさらされています。
1. 父親の育児参加は当然に
私は「育児参加」という言葉が嫌いですが(「明日の飲み会参加する?」「うーーん、明日はちょっとやめとく!」くらいのノリで「参加」されても困る。 共同責任だし育児に休日はない)、イギリスでは働く母親が多いこともあり、父親と母親が育児の負担をシェアするのは(シェア比率はともかく)ごく一般的になってきました。 産前クラスでもさんざん強調されます(→『出産・育児は2人でするもの』)。
もちろんその形は家庭によりけりですが、例えば息子のナーサリーで送り迎えをしているのはパパ40%くらいの比率でしょうか(ほとんどの家庭は送りとお迎えを分担)。

2. いつでも・どこでも仕事ができる環境と24/7を求める社会
今、話題のリンダ・グラットン著『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』を読んでいます(毎日ちょっとずつしか読めないので読み終わっていませんが、ちきりんの読書感想本に指定されています→こちら。 私が読んでいるのは原著ですが)。
その中の2025年の未来予想図のひとつ。 仕事が細分化され、テクノロジーの進化でいつでもどこでも仕事ができるようになり、グローバリゼーションで24時間7日間休みなく即時レスポンスが求められる社会となり、常に細切れ仕事で時間に追われている人がいます。
これ、2025年まで待たずとも真夜中・早朝でも家から時差がある相手との電話会議をしたり、電車の中でモバイル端末広げてプレゼンつくったりしている人は今でも多いのではないでしょうか? そう遠くはない昔、オフィスを一歩出ると仕事から切り離された(携帯もないしパソコンもない)時代との差に愕然とします。

そして上記1. と2.が重なると家庭と仕事に常に追われる冒頭の父親たちの姿になります。

私の夫の最近の1日。
現在、魔の2歳児と生後1カ月の2人の子どもを抱えているので、とりわけ夕方6時以降の食事→お風呂→寝かしつけという怒濤の時間が私ひとりでこなせず夫に早めに帰ってきてもらっています。
17:00 オフィスを出る
18:00 帰宅→長男を公園に連れていく(私は夕飯の準備と次男の世話)
19:15 長男を連れて帰宅、夕飯を食べさせる(私は次男の寝かしつけ)
20:00 長男をお風呂に入れる(私は夕飯の後片付け)
20:30 長男にベッドタイムの絵本を読み聞かせ→寝かしつけ
21:00 家族が寝た後に再び仕事
23:00 – 24:00 就寝
夜中は次男の泣き声で何度か起きる

朝も起きて仕事をし電話会議をこなした後、長男をナーサリーに送ってから出社をしたり、育児の負担と責任が増す一方の仕事の負担で毎日目の下に大きな隈をつくっています。
治部れんげさんが書いていたこと(→RengeJibuの日記:男性の方が「両立困難」を感じている)はまさに我が家のことであり、周りも同じ。

日本は「イクメン」という言葉が流行るなどようやく1.が認識されてきた段階ですが、イクメンの行方は決して薔薇色の未来が待っているわけではないのでした・・・
「じゃ、どうすりゃいいの?」という解も『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』で提案されているはずです(まだ読み終わってないけど)。


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