20、30、50年後を想像しながら動く

新年明けましておめでとうございます。 昨日メルボルンから帰ってきました。
今年は場所をシンガポールからロンドンに替えて、このブログは続きます。
シンガポールでは2008年9月のリーマン・ショックから2009年前半が景況感最悪で、後半はすっかり不況を脱した感があります。 二番底の懸念もされていますが、巷に深刻に心配している人はいないような・・・
オーストラリアも金融危機の悪影響が先進国の中で最もマイルドだったこともあり、のんびりしたものです。
2008年6月というリーマン・ショック前に始めたこのブログ、そのわずかな間に、日本を覆う空気はものすごく変わってしまった(悪化した)気がします。 仕事は日本と関係がなく、あまり日本に帰らないので、ブログなどを通じて間接的に感じているだけですが。
特に去年は「日本を脱出する・しない」論がブログ界で活発になり、実際にシンガポールに移住してくる人の話を頻繁に耳にするようになりました(名前は出しませんが、誰でも知ってるような私企業の社長など)。
そして、つい最近、城繁幸さんのブログ『海外脱出の覚悟』というエントリーのコメント欄に、このブログが「海外流出組のブログ」としてリンクされているのを見て笑ってしまった。 私が海外に住んでいるのはちっとも「日本脱出」が目的じゃないですから・・・
今の世界、少子高齢化が進む先進国で生きるのは日本じゃなくてもどこの国でもそれなりに大変です(→『「老後」がなくなる日』)。 荒波を乗り切るには人生のパートナーがいた方が心強いです。 私は人生を一緒に生きたいと思った人が日本人ではなかったため、チームとしてのパフォーマンスを最大化できる場所・今のライフステージにベストだと思う場所が日本ではない、ただそれだけです。 もちろん、いろいろな場所に住んで見・聞き・経験したいというポジティブな理由も大きいです(→『”世界級”でいることに何の意味があるのか?』)。


なので、「日本の本格的衰退が免れられない事態になってきたので、慌てて脱出した」わけではありませぬ・・・ もちろん留学・仕事などで日本外でも何とかなる自信をつけたから、そういう人との結婚を決意できたわけですが。 よって、海外移住を煽っているブログでもありません。
以前『「内向き」日本を想像する』に書きましたが、私は自分のことをものすごくリスク回避的(= risk averse)な人間だと思っていて、転職・留学・移住すべて「しないことのリスク」を回避するための選択でした。 それは「ちょっとおかしい」「これは居心地が悪い」と思ったことを、そのまま放置しておかないところから始まったと思います。
思い返せば、「何かがちょっとおかしい」と思ったのは皆と同じように当たり前のように日本の「いい」大学に入学した頃が初めでした。 入学した途端、大学名で逆差別されるという意味不明な出来事にでくわし(→『’different’と’wrong’』)、レジャーランドと化した大学でやる気のない教授陣・バイトとサークルに明け暮れる先輩・同級生に幻滅しました(城繁幸さんのブログによると「一番勉強しなかった世代」は”団塊ジュニア”らしい)。
なぜこんなところで若さを浪費しなければいけないのかわからず、とにかく英語を勉強しバイトでお金を貯めて長期休暇のたびに海外に飛び出す生活(→『バックパッカー時代も悪くない』)。
そこで触れた「自分は自分以上でも以下でもない」感覚が心地よく、最も海外に行ける可能性が高そうな商社に新卒入社したのも束の間、その会社でリストラが始まりました(私が辞めた後、同業他社と合併)。 そこで「沈みゆく船」にそれでもしがみつこうとする人があまりに多かったことに心底衝撃を受けたのが「自分を守るのは自分しかいない」ことに気づいたきっかけ(→『米金融、未曾有の危機』)。
「20年後の悲惨な状況」を回避するために、平日の夜と週末を勉強に捧げる「今日・明日の辛さ・努力」を選ぶ、それを続けることでちょっとずつ・ちょっとずつ「ちょっとおかしい」「これは居心地が悪い」と思った環境を解消してきました。
また、その頃にはすでに少子高齢化、国家財政の危機的状況、日本の高度成長時代のモデルの限界、地方経済の没落など現在取り沙汰されている問題の多くがすでに顕在化していました。 2007年までの円安バブルで企業業績が回復したため、たままた問題が忘れられていた(マスコミが騒がなかった)だけで、現在「希望がない」理由として指摘されている事項の多くは10年前からわかっていただろう・・・と思うことが多い。
これまでにないほどに変化が激しい世の中で非常に難しいことですが、結局20年後、30年後、(子供がいたら)50年後の世界を一生懸命想像し、今できること・対策をコツコツとやるしかないのだと思います。 それができていれば、別に住む場所がどこでもいいのでは?(日本人はなぜか「日本 vs. 海外」という二元論だけど、「海外」と言えどいろいろあるのである)
私も50年後を想像するとなると人口爆発・環境問題など悲観材料が多すぎてどうすればいいのかまだまだわかりませんが、今年も考え続けたいと思います。
今年もよろしくお願い致します。


4 responses to “20、30、50年後を想像しながら動く

  • Kaz

    新年おめでとうございます。
    La Dolce Vitaさんは脱出じゃないでしょうけれど、流出しちゃっているといえばしちゃってるんでしょうね。(笑)自分も脱出したつもりはなく、どこでも生きて行く能力をつけないと先がないと感じて海外に出たのですが、逆に海外から今の日本を見ていて何もせず、ゆでガエル状態にはまっている状況には危機感を感じます。
    La Dolce Vitaさんが書かれているようにどこで生活していても問題は多いですし、個人としての価値をなるべく高く保つ努力しかないのでしょうね。
    年末の豪華食卓エントリーを読んで、数年後には人生エンジョイ系ブログ「地中海風ライフスタイルのつくり方」が始まるのではないかと想像しています。こちらも期待しております。(笑)

  • la dolce vita

    >Kazさん
    おめでとうございます。
    >La Dolce Vitaさんは脱出じゃないでしょうけれど、流出しちゃっているといえばしちゃってるんでしょうね。
    結果的にはそうですね。
    >年末の豪華食卓エントリーを読んで、数年後には人生エンジョイ系ブログ「地中海風ライフスタイルのつくり方」が始まるのではないかと想像しています。
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2008/10/la-dolce-vita.php
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2009/06/la-vie-en-rose.php
    上記妄想系エントリーにも過去書いてますように、地中海方面はかなり好きで夏は毎年行ってます。 今年も近くなるのでまた行きます。
    密かに1年くらい住みたいと思っているのですが(7年後くらいに)、夫がまだ納得してない(というか、そんなに人生甘いもんじゃないと思っている)し、先立つものも全くないので現在はまだ妄想段階です。
    ロンドンで「地中海風ライフスタイル」というのは、相当無理があるという気がしなくもないです(笑)。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    「地中海方面に毎年行ってるって、ふざけんなこの野郎!」と言いたいところでしたが、私もほぼ毎年なんやかんやで海外旅行していることに気付き、天に唾する行為を悟りました(笑)。エーゲ海・地中海には何度行ったことか…。他の国で生まれ変わるならギリシャ人、と決めています(人間以外なら「くらげ」ですけど)。お気楽ゴールドコーストやケアンズも、ぼけーっとするには良い所ですけど、あのシチリアやギリシャの島の好い加減ののんびり感にはかなわないですねえ。
    子供には、「もうな、日本がどうの中国がどうのという場所での議論にはならないし、関係なくなるからな。少なくとも、お父さんみたいに英語が苦手にはなるなよ」と諭していますがさあどうなるやら。その辺はもうかみさん任せになっています。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >お気楽ゴールドコーストやケアンズも、ぼけーっとするには良い所ですけど、あのシチリアやギリシャの島の好い加減ののんびり感にはかなわないですねえ。
    ゴールドコーストもケアンズも行ったことないですが、地中海とは比べものにならないですねー 骨の随から別の人間ですね、あの人たちは。
    他の国で生まれ変わったら、と考えてみましたが特にありませんでした。 地中海人に生まれても決して楽な生活ができるわけじゃないところが辛いです(仕事がなさそう・・・)。

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