"世界級"でいることに何の意味があるのか?

先週INSEADのイベントでDean(学長)がINSEADの学校としての今後の戦略を「フランスとシンガポールにキャンパスを持ち、アブダビにEMBAキャンパスを開校し、アメリカはWhartonとのアライアンス(交換留学)によって、世界中をカバーする真の“Business School for the World”になる」と説明していたところ、「地域特化型で特色を打ち出す他のビジネススクールとその地域ではどうやって競争していくつもりか?」という質問が出ました。
いい質問だなー・・・
これ、私が聞かれたことのある「”世界級”でいることに何の意味があるのか?」という質問と似ている気がします。
このブログを始めたのは2008年6月からですが、ブログ自体は2003年8月というブログ黎明期から続けています(→『私のブログ歴』)。 居住地が変わることによって、ブログトピックが変わってしまうことが悩みだったので「私の中で変わらないもの」を探した結果、こういうブログになりました。
ところが、ある地域に特化したブログではなく、いろいろな地域のことをトピックを絞らずに書くと、当然『ウォールストリート日記』(米金融業界で働くharryさんのアメリカ金融業界分析が光るブログ)や『うちの食卓 Non solo italiano』(北イタリア在住Taekoさんの家庭の食卓の写真が美しいブログ、にもなってます)のように、地域・トピック特化型のピリッと光るブログにはならないなあ、というのは始める前に悩んだことでもありました。
結局、私は「いろいろな」地域の「いろいろな」人と話して「いろいろな」視点・世界に触れることが何よりも好きなのでこれでいこう、という結論になりましたが(昔からよく言えば好奇心旺盛、悪く言えば飽きっぽかった)。


で、「いろいろな」地域の「いろいろな」人と話して「いろいろな」視点・世界に触れると何が起こるかというと、「人は違っていていい」ということが腹に落ちるのみならず(→『’different’と’wrong’』)、もうちょっと訓練すると他人のレンズを通して物事が見えるようになるため(→『あなたはアジア人ですか?』)理解不能だと思っていた他人の行動原理までわかるような気がします。
他人のレンズを通して見えるものの例。
自然災害と並び現代の脅威となったテロ。 「なぜ自爆テロ犯は自らの命を捧げるのか?」と心底疑問に思ったことはないでしょうか?
その説明として、私が好きな『成功の9ステップ』という本から以下引用。

人間のすべての行動は、「快楽」と「痛み」によって引き起こされているのだ。
より正確に言うならば、人間は、意識している、していないにかかわらず、快感が得られ、苦痛が避けられると思う行動を取るということだ。(中略)
人間はどんなものに対しても快楽または痛みを連想させることができる。 例えば、東京の歌舞伎町には、お客様を縄で縛り上げて、鞭で打つために数万円の料金を徴収しているSMのクラブがたくさんある! そこに行く人たちは見事に肉体的な痛みと快楽を連想しているのだ。(中略)
2001年9月11日、世界貿易センタービルと米国国防総省が攻撃された事件を思い出せば、「自分も死ぬと分かっていながら、なぜそんなひどいことができるのだろうか」と不思議に思う人は多いだろう。 しかし、その答も簡単である。 「快楽と痛みの原則」である。 アルカイダのメンバーにとっては、アメリカを攻撃しないことは大きな苦痛であり、聖戦で死ぬことが死後の快楽に結びつくと思っていただけのことなのだ。

もちろん自爆テロの要因をこれだけに帰結させるな、という意見はあるでしょうが、一例として。
冒頭の「”世界級”でいることに何の意味があるのか?」という質問に戻ると、私はこういう視点や世界を発見していく過程が好き、ということに尽きるかも。
最近はじっくり本を読む時間がないのですが、『本1冊で13,000年を俯瞰する』に書いたように、

頭の中に、自由にズームイン・アウトしながら縦・横・斜めに自由に展開できる時間軸つきGoogle Mapを持ちたい

という野望のため、世界史にも興味あるし(→『映像でおさらいする20世紀』で紹介した『NHKスペシャル 映像の世紀』は超お勧め)、ボルネオ旅行(→1, 2, 3)以来、人間だけでなく動物の生態にも興味があります(ライオンが絶命してしまう前にアフリカに行きたい!)。
世界は広くて飽きない。
・・・ということで全くとりとめがなくなりましたが、今日はブログ400回目の記念エントリーでした。


9 responses to “"世界級"でいることに何の意味があるのか?

  • tomokolea

    400回目おめでとうございます!
    最近なかなかコメントできてないですが、1エントリーももらさずに、いつも読んでますよー。
    Yokoさんの世界級な視野、感じ方、考え方は、ほんとうにいつも刺激になってます。
    自分自身が飽きないことは、大事ですよね。
    これからも楽しみにしています!

  • Ryo

    ご無沙汰してます。(ブログはいつも読んでますがw)
    同感です。地域特化型も面白い動きですが、世界を視野に入れたブログ(このブログ)、思想、活動(e.g. Table for Twoとか – http://www.tablefor2.org/ )って、それだけでも「おもしろい!やられた!!そうなのか!!!」って思います。

  • Kaz

    400回目とはおめでとうございます。
    なんか昨日の話の続きになっちゃいますが、やっぱりグローバルに生きるというのは様々な対応能力を求められ、固定観念を打ち崩す出来事も多く、それだけにいろいろな発見があって面白いですね。特に非英語圏出身者は(笑)
    世界にもまれ、適応能力を高め、強靭な薄い人的ネットワーク(なんかoximoron…)を持つ日本人グローバルノマドが増えることは日本の将来にとても良いことのはず!

  • tsubaki

    はじめまして。日々なんとなく気になっていたり、感じていたことを明快に綴られているこのブログをいつも楽しみに読ませてもらっております。ついでに400回記念、おめでとうございます。
    “「いろいろな」地域の「いろいろな」人と話して「いろいろな」視点・世界に触れる”、私も本当に好きです。(好奇心旺盛且つ飽きっぽいというのはまさにその通りですね・・苦笑)以前中国にて米国系の会社で働いていた時は社内はほぼアメリカ、一歩外に出れば中国、しかし自分は日本人だけれども出会う人は多種多様、国籍も多種多様・・で当時はアイデンティティの危機すら軽く感じたこともありましたが、おことばを借りれば人は違っていてよい、とか他人の視点でものを見れる、といったことが習慣化するので、結局自分にとってはよい経験だったなと今となっては当時の混乱ぶりをなつかしくさえ感じております。
    これからも楽しみにしております!

  • マリカ

    400回、おめでとうございます!
    いつも楽しみにしています。自分の能力・経験が足りないのでなかなかコメント出来ないのですが、la dolce vitaさんのエントリーから刺激を受けて、少しは色々考えるようになりました。
    明日も、そしてこれからも楽しみにしております!

  • kany

    400回、おめでとうございます。
    このエントリ、とても共振しました。
    良くも悪くも好奇心旺盛で飽きっぽいというようこさんに、改めて近いにおいを感じます(笑)。自分は「いろいろ」なものに触れつつ、芯を持てる人間になりたいなーと思いながら、試行錯誤しているところです。
    いやはや、しかし、2008年6月からはじめて、もう400回。
    ようこさんの平日毎日の更新、いつも感服しています!

  • sunshine

    わあ。400回ですか。凄いですね。
    ところで、テロつながりの話ですが
    とある帰国子女中学受験の論文形式の過去問題で、
    「テロリストに人権はあるか」という問題が出されたらしいです。
    この問題に、自分のビジョンを持って英語で明確に答えられる12歳が
    将来、la dolce vitaさんのような方になるのでしょうね。
    これからも楽しみにしています。

  • la dolce vita

    >tomokoleaさん
    >最近なかなかコメントできてないですが、1エントリーももらさずに、いつも読んでますよー。
    がんばってるみたいねー 私はMBA受験といえば、トロントのサービスアパートで仕事の後ひとり暗くひたすらエッセイを書いていたことを思い出すけど(おかげでトロントではほとんど友達ができなかった)、あの暗さなんて留学中&後の楽しさで10,000倍くらいになって返ってくるので、がんばれー!
    >Ryoさん
    お久しぶりです! オフ会来てください〜
    Table for Two知りませんでした。 ご紹介ありがとうございます〜
    >Kazさん
    >特に非英語圏出身者は(笑)
    知識層ではどんどんmonolingualが減っているので、最近私はmonolingualで済んでしまう英語圏の人ってちょっとかわいそう、とすら思っています(↓)。
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2008/09/native-english-speak.php
    他の言語を学んだことのないアメリカ人は(アメリカ人に限らないが)、English nativeではない人に聞き返されたとしても「早口で聞き取れない」「簡単な言葉で言い換えるとわかる」という感覚すらわからず音量が小さくて聞こえないのと勘違いして大きな声で同じスピードで同じフレーズを繰り返す、そうですが、相手のそういう感覚すらわからないのってかわいそう・・・と思いません?
    >tsubakiさん
    >以前中国にて米国系の会社で働いていた時は社内はほぼアメリカ、一歩外に出れば中国、しかし自分は日本人だけれども出会う人は多種多様、国籍も多種多様・・
    おお、楽しそう♪
    世界中で混乱している人は結構いるので(父親イタリア人、母親オランダ人、育ったのはアメリカで、就職後はロンドン、の友達とか)、私は自分が日本人というアイデンティティーがあるだけ混乱がないなー、と思ってます。

  • la dolce vita

    >マリカさん
    いつも読んで頂きありがとうございます! 励みになっています。
    >kanyさん
    >良くも悪くも好奇心旺盛で飽きっぽいというようこさんに、改めて近いにおいを感じます(笑)。
    あ、やっぱり? 私の憧れは今も昔も「オタク」「マニア」です。 もう少し地に足をつけたいと思っている今日この頃・・・
    >sunshineさん
    >とある帰国子女中学受験の論文形式の過去問題で、「テロリストに人権はあるか」という問題が出されたらしいです。
    す・すごい問題ですね。 こんな質問答えられないですよー グアンタナモのことを書けばいいのか? おそらく思考方法や思想を見ているので、何書いてもいいでしょうけど。

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