薄い付き合い(weak tie)の威力

シリコンバレーのように強度なネットワーク社会ではstrong tie(職場の同僚など毎日一緒に過ごす濃い付き合い)よりweak tie(普段あまり会わない人との薄い付き合い)が大事という話はよく聞きます。 過去に『求職者の心構え』として書いたことあるし、渡辺千賀さんの『ヒューマン2.0 – web新時代の働き方(かもしれない) 』にもこうありました。

Mark Granovetterの著書『Getting a Job』によれば、職探しをした人の56%が個人的なツテで職を得、しかもその83%はあまりよく知らない「薄い付き合い(weak tie)」経由のものだった

週末、その典型的な例を目の前で見てしまったのでここに再現。
土曜の晩、Toastmasters(→『Toastmasters@シンガポール』)で知り合った香港人Sとその旦那さんフランス人Pの送別会BBQに行ってきました。 場所はSのコンドミニアムのプールサイド(シンガポールは暑いのでBBQは夜、コンドの共有スペースでやることが多い)。


送別会にはToastmastersのメンバーも大勢来ていて、私はインド人Hとおしゃべりしていました。
20代後半のHはムンバイ(ボンベイ)出身のurban planner(都市計画家)。 Architect(建築家)の旦那さんは現在イギリスで修士過程に留学中。 1月にロンドンに引っ越し、職を見つけて旦那さんとロンドンで暮らそうという計画で職探しをしていました。
(余談だが、人によって「ツボ」な職業って異なると思うのですが、私は”urban planner”や”architect”と聞くと、理系なのに生活に身近でインテリジェントでカッコいいイメージなので目がキラキラしてしまう。 ”MBAでマッキンゼー”とか言われても何十人知ってるので「またか」って感じだけど)
そこへ会話に入ってきたのが、ニュージーランド人B。 彼は送別会の主役Sの友達の旦那さんなので、Sを挟んで三次の隔たりにいた人物(参考:六次の隔たり)。
ひとしきりHの話を聞いた後、ひとこと”I’ll get you a job.”(仕事見つけてあげるよ)。
この瞬間、Hも私も目が点だったのですが、何とBはシンガポールに来る前、ロンドンでurban plannerをしていたらしく、「自分の前の会社の社長とイギリスのUrban Planner Association(都市計画家協会?)の会長を紹介するので、何か仕事は見つかると思うよ」とのこと。
興奮するH、全く関係ないけど同じく興奮する私。
いやー、あなどれませんね、何となく招かれてしまった週末のパーティー。
次は我が身、あなたの身かも?!


9 responses to “薄い付き合い(weak tie)の威力

  • chika

    私、実は大学の専攻がurban planningだったんですが、これ、中々職がないんですよw。大体urbanをplanするなんて、そんなに必要なさそうでしょ?日本全国で、これだけで独立した学科になっている大学は、東大、東工大、筑波大の3つしか(少なくとも私が大学に行ってた当時は)ありませんでした。大規模不動産開発の多いアメリカはさすがにもうちょっとありますけど・・・。weak tie大事ですよねぇ。

  • わっきー

    Mark Granovetter、実は大学時代のゼミの教授が、お友達なようで
    (たしかそのセンセーはこの本の訳者)
    「weak Tie」すっかりすりこまれて、文字通りそれをたどってここまで来てしまったなー
    という因縁?ある言葉です。
    ん?そう考えると、Granovetterは教授をはさんで、3次の隔たりか。。。意外と近い。。。(笑)

  • Myfire

    わたしもweak tie大事だと思います。おととい会った友人は新卒→バンコク(5年)→マレーシア(5年)→香港(3年)と飛び回っている日本人女性なのですが、「転職はな〜んか人づてで探せちゃったのお。」と言ってました。遠慮せず会う人会う人にやりたいことを言い続けることも大事ですよね。

  • Kaz

    ちょうど自分のブログにも書いたところなのですが、薄いネットワークは本当に重要ですね。
    パワフルで行動力のある人たちは薄いネットワークでつながりやすく、チャンスも無駄にしない。
    やっぱり、薄いネットワークに取り込まれるためにはそれなりにわかりやすいプロフィール(魅力)なのでしょうね。

  • la dolce vita

    >chikaさん
    >私、実は大学の専攻がurban planningだったんですが、これ、中々職がないんですよw。
    そういえば、chikaさんはurban planning –> MBAでマッキンゼーでした(笑)。
    たしかに日本ではもう需要なさそうですね、これからはインド・中国とかどうでしょう?(開発するのもいいけど、ちゃんとurbanをplanしてから開発してほしいなー・・・ 一件、ムンバイ近くの大規模不動産開発のプロジェクト聞いてるけど、planningがむちゃくちゃです・・・)
    >わっきーさん
    >そう考えると、Granovetterは教授をはさんで、3次の隔たりか。。。意外と近い。。。(笑)
    いや、1人挟んでるだけなら2次です。 今度、weak tieの遍歴教えてください〜
    >Myfireさん
    >新卒→バンコク(5年)→マレーシア(5年)→香港(3年)
    ほー、すごい。 横移動してる人って結構いますよね。
    >遠慮せず会う人会う人にやりたいことを言い続けることも大事ですよね。
    そうですねー、やりたいことがわかんない、ってのが問題になったりしますが。
    >Kazさん
    ブログでご紹介ありがとうございます。
    薄いネットワークの重要性がわかっている人は薄いネットワークを大事にする。
    濃いネットワーク(社内の公式・非公式な関係)を大事にした方が自分のメリット(昇進など)につながる人は濃いネットワークを大事にする。
    アフターファイブの過ごし方でわかりますね。
    >薄いネットワークに取り込まれるためにはそれなりにわかりやすいプロフィール(魅力)なのでしょうね。
    会って10秒くらいで説明できるフックは必要ですよね。 私はありませんが・・・

  • マリカ

    凄い、こんな事ってあるのですね~!
    weak tie、ちょうど一昨日「柳生一門の家訓(=大才は袖すり合う縁をも生かす)」の話を聞いたばかりで、タイムリーで嬉しくなったのでコメントを残させて頂きます。
    やはり薄いネットワークに取り込んでもらえるだけの能力・魅力を自分の身に付けないとこうは運ばないでしょうが(「波が来る前に足腰を鍛える」ですね)、来たチャンスをものに出来る人だからこそ話が舞い込んで来やすくなるのか、本当にweak tieは侮れないんですね。
    >やりたいことがわかんない、ってのが問題になったりしますが。
    私、未だにここでストップしてしまいます。う~ん、難しい…。

  • la dolce vita

    >マリカさん
    >やはり薄いネットワークに取り込んでもらえるだけの能力・魅力を自分の身に付けないとこうは運ばないでしょうが
    日本は濃いネットワークのグループが多いので見えにくいかもしれませんが、薄いネットワークを大事にしている人たちは集まっているところには集まっていると思いますよ。 積極的に社外(学外)に出ることはやっぱ大事かなー(私も日本ではやってなかったけど)。
    >私、未だにここでストップしてしまいます。
    私もですが、「やってみなきゃやりたいことなのかどうかもわかんない」ってのも一理あるかと思います。 私はそういう性格なので、とにかくやってみる派です。

  • Pinky

    Yokoさん
    はじめまして。シンガポールへ出張に行くため、レストランを探していたら面白いブログを見つけて、ついつい読みふけっていました。
    私の夫(アメリカ人)はUrban Planning、Architectureの修士を持っているので、あまりにも身近にPlannerやArchitectが多いのですが、アメリカの東海岸に限って言えば、Executiveになるためには「アングロサクソン男子」に限られた、もっとも保守的な業界です。New Yorkの場合はユダヤ人でもOKですが(それでもUpstate New Yorkにいけばアングロサクソン以外の人種が会議に出てくることはないそうです)南部に住んでいたころは、ユダヤ人幹部など聞いたことがありません。年功序列も徹底していて、60-70代の人たちが上層部にゴロゴロしています。どこかの国に似ている気がしますが・・・。夫の同伴で取引先とのパーティーなどへ行くと、アジア人は私以外に存在しませんし、いつも居心地が悪いです。New Yorkの街にはアジア人なんてゴロゴロいるのに・・・。もちろんスタッフレベルは、理系ということもあり多国籍ですが、恐ろしいほどの簿給で使われているだけです。周りのArchitectの友人たちは、子供がArchitectになりたいと言うと、説得してほかの道を勧める人ばかりです。私の場合、PlannerやArchitectと聞くと、「またか、かわいそうに」と思ってしまいます。ちなみに私の周りにはロースクールを出た人が多く、MBAを持っている人が少ないため、MBAと聞くと反対に新鮮で、目がキラキラしてしまいます。
    ところで、アメリカの大学ではUrban Plannningの学位には微分・積分のクラスなど必要ないため、てっきり文系の科目だと思っていましたが、一応理系なんですね。
    また遊びに来ます。

  • la dolce vita

    >Pinkyさん
    はじめまして。
    >アメリカの東海岸に限って言えば、Executiveになるためには「アングロサクソン男子」に限られた、もっとも保守的な業界です。
    へー、へー。 ロンドンもそうなのかなー? インド人の彼女も「恐ろしいほどの簿給」で使われるスタッフになるのかしら?
    >ちなみに私の周りにはロースクールを出た人が多く、MBAを持っている人が少ないため、MBAと聞くと反対に新鮮で、目がキラキラしてしまいます。
    「アメリカでMBA」なんて、「日本の経済学部」並にゴロゴロいてプレミアムでもなんでもないんだと思ってましたが・・・
    あと、クリエイティブ系の人も周りにいないので目がキラキラしてしまいます。

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