ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 – 2

阪神・淡路大震災でボランティア・トラウマになってしまった昨日の続き。
大きな自己犠牲を伴わなくても社会貢献できる、ビジネスと社会貢献は両立する、ことが本当に腹に落ちるようになってきたのは、ごく最近のことです。
それはCSR(企業の社会的責任)という言葉が徐々に浸透し、実際に利益をあげることと社会貢献を両立している企業が出てきて、マザーハウスのように「企業が社会に貢献するなんて当たり前でしょ?」という会社が出てきて・・・
そんな背景の中で緩やかに、でしたが、「おっ、これは!」とピンときた出来事がありました。
今年の初め、めちゃ暗かったときのこと(→当時のことはこちら)、私の両親と夫の両親が揃ってシンガポールにやってきました(→写真)。 私の親はこういう時、そっとしておいてくれるのですが、夫の両親はめちゃくちゃ聞いてくるのですねー(苦笑)。
義父はオーストラリアの企業のCEOを歴任(日本企業のトップは生え抜きの傾向が強いが、欧米は経営者人材の雇用市場がある)、一線から退いた後はエグゼクティブ・コーチに転身していたので、義父から「一度、僕のコーチングを受けてみないか?」とのオファーがありました。
暗かった私は乗り気ではなかったのですが、夫の勧めもあり(彼もシンガポールで転職活動中受けたらしい)、近所のカフェで受けることにしました。


コーチングは面接ではないので、受ける側(= 私)が自分を取り繕わずありのままを話さないと意味がありません。
私も今までの自分の経験やスキルをどう活かしたいか、という前提ありきの話ではなく、「今までビジネス系の道を邁進してきたが、そもそも本当に社会の役に立っているのか?という疑問が常にある。 でも私にできることは今までの延長しかない。 さらに、最終的には自分が働く時間と場所、内容と報酬を自分でコントロールできるようになりたい」という趣旨のとりとめないことをつらつらと語りました。
すると、義父はひと言、「ポートフォリオで働きたいんだね」と。
ほー・・・ポートフォリオ・・・?
義父はエグゼクティブ・コーチや企業の社外取締役(ボード・メンバー)としての有報酬の仕事を3件、NPOなど無報酬の仕事を2件というポートフォリオで、ビジネスと社会貢献のバランスを取っているそうです。 彼は企業経営者という一線を引退してからの転身で、今は仕事のペースも落としているそうですが、何も企業が決める定年に従う必要がないし、私もそういう働き方をしたいのでは?という指摘。
ほー・・・
渡辺千賀さんの『ヒューマン2.0 – web新時代の働き方(かもしれない) 』に、働き方のひとつとして「ポートフォリオ・ワーカー」があげられていましたが(→『私の周りのフリーエージェント達』)、複数の仕事をポートフォリオにすれば、全部を「自分のキャリアを活かさなければ!」とキバる必要もありません。
なんだかすごく肩の力が抜け、「したいことはいくつあってもいいんだ」と思えるようになりました。 今は私もそんな軽い気持ちで模索中。
さて、ポートフォリオのひとつ(趣味?)としてフルタイムの仕事のかたわら社会貢献に挑戦し始めたのが『Blastbeat – 高校生の音楽ビジネスプロジェクト』で紹介したAKさん。 英オックスフォードから帰国し、今日から本業の投資ファンド(超激務)に復帰のかたわら、Blastbeatの立ち上げに奔走されています。
日本語ホームページ:Blastbeat
希望がないと言われる日本で高校生に夢を与える楽しいプロジェクトなので、興味ありそうな方に転送して、メールマガジン登録してあげてください!


3 responses to “ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 – 2

  • chika

    義理のお父さんがexucutive coach! 夢のようでは。 カイロプラクターとかマッサージ師に次いですばらしい職業ではないでしょうか。w
    わたし、親戚に自分以上にビジネスよりの人がいないので、親戚にそういう人がいるってどういう感じなんだろう、と夢想してしまいますが。
    ポートフォリオだと、全部一度になくならないのがよいところです。
    ではでは・・・。
    (ちなみに、このコメント欄、メールアドレス、URLを書かずにPostと押すと、エラーになって、すべてのコメントが消えまする・・・。何度かそれで断念しました。今回は通るかなw)

  • AK

    ぐわー、なんか2日続きのシリーズの最後にこんな風にとりあげてもらって光栄です!!
    今日から職場復帰、会社のPCからのアクセスだけど、さっそくアサインメントが降ってきて、こんどの「世界級を囲む会」も遅れての参加が確定・・・(涙)
    まあ、帰国後は有名なNPOのトップの方とお話しする機会がたびたびあったのだけれども、とっても刺激になったし、自分の仕事を辞めずとも・・・というあり方は今後の日本でのNPOの主流になりうると思っているので、めげずに頑張りますっ!

  • la dolce vita

    >chikaさん
    >義理のお父さんがexucutive coach! 夢のようでは。
    え? そうですか? 親戚にコーチングしてもらうってのも微妙だけど、実の親よりはいいかな・・・
    >わたし、親戚に自分以上にビジネスよりの人がいないので、親戚にそういう人がいるってどういう感じなんだろう、と夢想してしまいますが。
    うちの親もビジネス系ではないので、親がCEOってどういう感じなんでしょうねー? まあ雇われ経営者だと普通のサラリーマンと変わらないかもしれません。
    >ちなみに、このコメント欄、メールアドレス、URLを書かずにPostと押すと、エラーになって、すべてのコメントが消えまする・・・。
    ああ、すみませぬ・・・ 「名前とE-mailアドレスは必須です」って一応書いてるんですが・・・ メルアド必須はコメント・スパム対策なんですが、それでもスパムはたくさんくるんですけどね・・・
    >AKさん
    >帰国後は有名なNPOのトップの方とお話しする機会がたびたびあったのだけれども、とっても刺激になったし
    へー、新しい世界ですねー 今度その話も聞かせてくださーい。

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