Category Archives: 4. 教養・知識

小学生だって社会起業!

『Blastbeat – 高校生の音楽ビジネスプロジェクト』で紹介した音楽を通した社会起業プロジェクトBlastbeatのファウンダーであるRobertに会ってきました。 ブラストビートはNPOとして日本でも活動しています。
・・・とはいってもNPOの話ではなく、私たちが今度引っ越す地域にRobertが住んでいるので、そこの学校事情を聞かせて欲しいと会いに行ったのでした。 以前こちらに書いたように、ロンドンのファミリー世帯は「学校」が住む場所を決める最重要ポイントです。 小学校(Primary School)は4歳から始まるので、息子が1歳になったばかりの私たちも「良い」小学校のキャッチメントエリアに入れるように調査していました。
年齢から推測して当然中高生の子どもがいるだろうと思っていたRobert、未婚で子どもはいなかったのですが(すごい思い込みですね、私)、ある地域の学校事情なんかよりも、はるかにいい話が聞けました。
イギリスにも全国高校ランキングのようなものがあり、「良い」高校(Secondary School)は私立高校(Independent School)と選抜試験で成績の良い生徒だけが入学できる公立高校(Grammer School)が独占しています。
FT.com : Secondary Schools 2011
小学校(Primary School)は評判の良い学校に入るにはかなり近くに住む必要があり、治安や学校の良し悪しと住宅価格は密接に連動しています。 当然、貧困家庭の子どもは良い学校に行けずドラッグ・暴力・アルコールなどの問題に巻き込まれやすく、社会的流動性(Social mobility)が少なくなるとイギリスの社会問題になっています。

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海外在住日本人による震災チャリティー活動

『遠く離れた私たちができること』

海外にいる人が震災チャリティーを立ち上げていることを初めて知った

とコメント頂いたので、いくつかご紹介します。
まずは、このプロジェクト(*)にも参加してくれるSOAS(ロンドン大学のThe School of Oriental and African Studies)交換留学中の舟越さんが作成したSOASからのメッセージビデオ”We are with Japan”。
*プロジェクトの仮名が決まりました! 「プロジェクトPhoenix」です。 The Economistの記事の中にあった”Phoenix in the east”という表現が気に入ったので。
The Economist : Nature strikes back

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遠く離れた私たちができること

もう”あの日”から1週間が過ぎようとしています。
Twitterで話題になっていた松山千春さんの言葉です。

知恵のある奴は知恵を出せ。
力のある奴は力を出せ。
金のある奴は金を出せ。
何もないよ、、って奴は、とにかく【元気】を出せ!

この言葉通り、ロンドンでも多くの日本人がチャリティー・イベントを開催しています。 パティシェのママ友はケーキを焼き、観光ガイドはチャリティーウォークを開催し、音楽家たちはコンサートを開き、手づくりの募金箱をいつも行くカフェに置かせてもらい・・・
一番有名なのはロンドン在住のバイオリニスト葉加瀬太郎さんが毎日ロンドン内各所で行っているチャリティーコンサート。
昨日の朝はBBCのショーに出演され(→「とにかく何かしたい!」という気持ちがにじみ出た素敵なインタビューはこちら)、私も昨日フォートナム&メイソンで急遽行われたチャリティーコンサートに行ってきました。

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痛みが距離を超えた日

3月11日(金)朝8:00(日本時間17:00)、夫と息子をバタバタと送り出し、ひと息つこうとパソコンを開いたのと、携帯SMSの着信音が鳴ったのがほぼ同時だった。
パソコンを立ち上げながら、今送られてきたSMSメッセージを見る、ロンドンに住むINSEAD友達、中国人Yからだ。

Hope all is ok with your family and friends back home.

へっ??????
Tokyo_tower_top.jpg意味がわからず、今開いたばかりのtwitterで最初に目に入ったリンクをクリックしたら右の写真だった(時事ドットコムより)。
何これ???
次々に「M8.4」、「東北」などの文字が目に飛び込み始め、どうやら日本で大地震があったらしいことがわかった。 奈良にいるはずの親と東京にいるはずの弟に電話してみると、どっちもつながらない。
Facebookで「日本は電話がつながらないっぽい。 家族に連絡が取れない。」と英語でつぶやいたところ、世界中の友達から次々に「家族や友達は大丈夫?」とメッセージが入り始めた。
そうこうしている間に、親とは電話がつながり、歩いて帰宅したらしい弟がFacebookにサインインしてきてチャットできた。 家に帰れず職場で一夜を過ごすことにした友人たちが次々とFacebookやGmailにサインインしてくるため、そのたびに無事を確認。

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「国民性」など当てにならない

昔、「日本の携帯が世界最先端をいっている」と自他ともに認めていた頃、日本の携帯インターネットサービスを海外展開する仕事をしていたことがあります。
日本の携帯キャリアがデータ通信によってARPU(Average Revenue Per User、加入者1人あたりの売上)を伸ばす一方で、欧米キャリアは下がり続けるARPUに悩んでいました。 その頃、欧米でよく聞かれたのが、ユーザーが携帯を使ってネット・ゲームなど電話・SMS以外のことを「しない」理由を「文化の違い」に帰結するものです。
よく言われたのが、
– アジアは公共交通機関が発達しているから移動時間が長い。 車社会では携帯を見ながら運転できない。
– 大きな体のアメリカ人・ヨーロッパ人は、小さな携帯画面見ながら”ちまちま”するのは合っていない。
– 日本人はガジェット好き。
– 日本は特殊だ。
・・・etc.
あの頃から5年。
えーーー、ここロンドンでは猫も杓子もiPhone。 みんな小さい画面を覗き込みながら”ちまちま”やってますが???
スマートフォンは完全にキャズムを超え、携帯でネット・メール・ゲームetc.は日常の姿になりつつあります。
iPhone以前の携帯ネットサービスがユーザーの行動を変えるほど魅力的でなかった、携帯で何でも済ます文化は日本(or アジア)の文化的特殊性に起因するものではなかった、ことが露呈したのでした。

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シリコンバレーのWannabeたち

偶然、似たようなテーマの記事を続けて読んだので、とても面白かった!
お題は「シリコンバレー以外の場所で素晴らしいテクノロジー会社をつくることはできるのか?」
金融危機に引き金を引かれた世界的な不況のおかげで先進国が失業率増に悩む中、ひとりバブル謳歌中らしいシリコンバレー。 「どうやったらあのモデルを移植できるの?」は世界中で関心があるテーマでしょう。
ひとつめの記事はLAに住む起業家Mark SusterによるTechCrunchへのゲスト記事、“Can You Really Build A Great Tech Firm Outside Silicon Valley?”
彼はロンドンでもシリコンバレーでも起業し成功裏にエグジットした経験があるので、とてもフェアな見方をしています(ファンディングの規模が違う、シリコンバレーは大量のエンジニアがいるので一気にスケールできる、など詳しくは記事をどうぞ)。
面白かったのは、シリコンバレー以外でもテック・ベンチャーは生まれている、という例。

ロサンジェルス・・・Overture, Applied Semantics、MySpace、etc.
シアトル・・・Amazon
ニューヨーク・・・Gilt Groupe、Etsy
シカゴ・・・Groupon
ワシントンDC・・・LivingSocial

そして、シリコンバレー以外にもたくさんの戦略資源(strategic assets)がある、という話。

ニューヨーク・・・ファッション、メディア、アート、金融、大企業の本社
ワシントンDC・・・政府、防衛産業
サンディエゴ・・・モバイル
ロサンゼルス・・・洋服、防衛、ゲーム、音楽、映画(ハリウッド)

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世界はブラック・スワン

チュニジアに端を発した中東の政治不安がイエメン・アルジェリア・エジプト・バーレーン・リビアと次々と飛び火しています。 「ソーシャル革命」などと言われていますが、私は「世界がいよいよブラック・スワンになった」と思いました。
ブラック・スワンとは以下のような特徴を持つ事象のこと。

一つは予測できないこと。
二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすること。

(ナシーム・タレブの名著『ブラック・スワン』については、以前ブログで紹介しています→『「果ての国」に生きる – 1』『- 2』
もはや覚えている人は少ないと思いますが、チュニジアデモのきっかけは、去年12月17日。 大学卒業しても職を得られなかった若者が路上で野菜を販売していたところ、無免許だとして警察に商品を没収され追い払われ、そのわずかな生計を立てる手段さえ奪われたことに抗議し焼身自殺を図る。 その小さな街で、彼を政府の無策に対する殉教者だと人々がデモを行った様子がYouTubeに投稿されるやいなや全国規模のデモに発展します。
それがチュニジア政権を倒し、エジプトでは30年間独裁していたムバラク大統領を引きずりおろした、という・・・(NY Timesのupdateがよくまとまっています)

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ボゴタ市長にならう – 人の行動を変えるには?

タリーズの松田公太さんが参議院議員になったと思ったらワタミの渡邉美樹さんが都知事選に立候補するらしい。
お2人とも著書に影響を受けている尊敬する経営者です(松田公太さん→『すべては一杯のコーヒーから』『松田公太さんの新たな挑戦』。 渡辺美樹さん→『幸せはバランスの上に』)。 特に『夢に日付を! 』を読んで以来、Googleカレンダー時代なのにいまだ紙の手帳を使い続ける私。

他人と過去は変えられない
自分と未来は変えられる

がモットーの私はあまり他人を変えようと思ったことがないのですが、政治家って人の行動を変えるのも仕事のうち、ということでとても面白い例を思い出しました。
イノベーション会社IDEOのスピーチで聴いた話 (動画はコチラ)。
1995年、コロンビアの首都ボゴタ市長に就任したAntanas Mockus、ボゴタの長年の問題であった無謀運転による交通事故の多さに取り組みます。 無謀運転を行うドライバーに対して罰金を課す取り締まり強化を始めたのですが、なかなか効果があがらない。
そこで「コロンビア人にとって何が大事なんだろう?」と意見を募ったところ「プライド」というキーワードが浮かびあがってきました。
bogota-mime.jpgそのキーワードにヒントを得た市長が行ったのがこれ(→)。
何かわかります?(笑)

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Zappingする世代

私たちが「ウェブ前」「ウェブ後」の大変革を人生ど真ん中で生きる「一身にして二生を経る」世代らしい、ということは『「一身にして二生を経る」時代に生まれて』に書いたけど、私の息子の世代ともなると完全に「ウェブ後」、まさにデジタル・ネイティブです。
・・・というのも、生後11ヵ月の息子、液晶ディスプレイらしきものを見ると横に指をスライドさせるのです。 ディスプレイ画面は文字通り「映すだけ」、入力はキーボードが普通だった私から見れば(その前に紙と鉛筆だが)、自然とフリックしている姿に驚愕。
1. メディアをzapping
Generation Yとして知られる若者(諸説あるが、今の28歳以下くらい)は、テレビをつけながらネットでFacebookに書き込みつつ、友だちにSMSを送る、程度のマルチタスキングは常識。 テレビのチャンネルをリモコンで次々替えることを”zapping”と言いますが、異なるメディア間をザッピング。 次々と新たな誘惑に気が移るため、集中力が子ども並みに短く続かないのが特徴。
2. 人間関係もzapping
“The World in 2011″というThe Economistの年始特集号によると、ひと昔前は人間ひとりあたり”social connection”(学校・職場・クラブなど社会的つながりがある人の数)の平均が130人ほどだったが、10年もすると平均500人ほどになると予測されているそうです。
たしかに私もFacebookとmixi、LinkedInで(重複している人を除いても)500人くらいになる。 一度会っただけでFacebookのfriend requestがくるし、「friend(友達)」の定義すら変わりつつあるのかもしれません(Facebook以来、”friend”, “unfriend”と言うように”friend”という単語が動詞として使われるようになったし)。

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20年後に活きるクリエイティビティー

『20、30、50年後を想像しながら動く』で書いたように、激動の「現在」ではなく、(おそらく)激動の20年後、30年後に、子どもがサバイブできる力をつけられるように親としてできる限りのことをするのは私の人生の重大プロジェクト(のひとつ)です。
fertility_vs_gdp.gifこちらは出生率とGDPの相関を示したグラフ(The Economist : Go forth and multiply a lot less)。 世界全体の人口増加スピードは緩やかになると言われていますが、それでも私の子どもが成人する頃には、人口分布を見ただけでも私たちが育った時代と全く異なった世界が広がっていることが容易に想像できます。
『時給78セントの衝撃』『仕事がなくなるのはミドル層』のような世界がすでに現実となっている中、先進国出身者(私の息子がどの国「出身」なのかは親の私にも答えられないが)はどのような力をつければいいのでしょうか?
ひとつ、わかっているようでわからない回答は「答えがない世界で自分で答えをつくり出す力」かな?

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