シリコンバレーのWannabeたち

偶然、似たようなテーマの記事を続けて読んだので、とても面白かった!
お題は「シリコンバレー以外の場所で素晴らしいテクノロジー会社をつくることはできるのか?」
金融危機に引き金を引かれた世界的な不況のおかげで先進国が失業率増に悩む中、ひとりバブル謳歌中らしいシリコンバレー。 「どうやったらあのモデルを移植できるの?」は世界中で関心があるテーマでしょう。
ひとつめの記事はLAに住む起業家Mark SusterによるTechCrunchへのゲスト記事、“Can You Really Build A Great Tech Firm Outside Silicon Valley?”
彼はロンドンでもシリコンバレーでも起業し成功裏にエグジットした経験があるので、とてもフェアな見方をしています(ファンディングの規模が違う、シリコンバレーは大量のエンジニアがいるので一気にスケールできる、など詳しくは記事をどうぞ)。
面白かったのは、シリコンバレー以外でもテック・ベンチャーは生まれている、という例。

ロサンジェルス・・・Overture, Applied Semantics、MySpace、etc.
シアトル・・・Amazon
ニューヨーク・・・Gilt Groupe、Etsy
シカゴ・・・Groupon
ワシントンDC・・・LivingSocial

そして、シリコンバレー以外にもたくさんの戦略資源(strategic assets)がある、という話。

ニューヨーク・・・ファッション、メディア、アート、金融、大企業の本社
ワシントンDC・・・政府、防衛産業
サンディエゴ・・・モバイル
ロサンゼルス・・・洋服、防衛、ゲーム、音楽、映画(ハリウッド)


一カ所がめちゃくちゃダメでも(デトロイトとか)他の場所がある、しかもいっぱいある、アメリカってやっぱり強いなー、と思います。 イギリスなんてロンドン一極集中だしね(もちろん人口が5倍違うが)。
ふたつめの記事はこれのヨーロッパ版、ロンドンの起業家David LangerによるTelegraph紙へのゲスト記事、“Start-Up 100: The European ecosystem has arrived – or weren’t you paying attention?”

ヨーロッパには起業家を育み次のGoogleを生む起業エコシステムに必要なすべての要素(成功した起業家がVCやエンジェルになり次世代を育てる好循環、リスクを取り出した人々のマインドの変化、など)があり、ロンドンはその首都(中心地)だ。
シリコンバレーにアメリカ中から才能あるエンジニアたちが集まるのであれば、ロンドンにはヨーロッパ中から才能あるエンジニアが集まる。

ちなみにロンドンをベースにしたスタートアップで売上$10mil.を超えた会社のリストがこちら
まあこの記事は言い過ぎにしても、東ロンドン(ShoreditchやOld Streetのあたり)はスタートアップが集まってきて”Silicon Roundabout”などと呼ばれ政府(デビット・キャメロン)も熱を入れています。
FT.com : ‘Silicon Roundabout’ ready to ignite
私は『ギークと普通の人の間』で書いたように、別に特に興味があったわけでもないのにテクノロジーのビジネス畑でやってきました。 シリコンバレーにいたとき、あまりのつまんなさにビックリ、ギークにとっての天国がシリコンバレーなら私にとっての天国はどこか考えていました(→『シリコンバレー向きでない人にとっての天国』)。
ロンドンがテクノロジーでも中心都市のひとつになるなら大歓迎かも!(本当は「シリコンバレーもニューヨークもロスもあるのがアメリカ」なように、ヨーロッパにももっといろいろあった方が強いのでしょうが)
『未来の歴史とノマドの時代』『個人が国家を選ぶ時代』で書いたようなことが、どんどん現実になってきていると感じます。


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