20年後に活きるクリエイティビティー

『20、30、50年後を想像しながら動く』で書いたように、激動の「現在」ではなく、(おそらく)激動の20年後、30年後に、子どもがサバイブできる力をつけられるように親としてできる限りのことをするのは私の人生の重大プロジェクト(のひとつ)です。
fertility_vs_gdp.gifこちらは出生率とGDPの相関を示したグラフ(The Economist : Go forth and multiply a lot less)。 世界全体の人口増加スピードは緩やかになると言われていますが、それでも私の子どもが成人する頃には、人口分布を見ただけでも私たちが育った時代と全く異なった世界が広がっていることが容易に想像できます。
『時給78セントの衝撃』『仕事がなくなるのはミドル層』のような世界がすでに現実となっている中、先進国出身者(私の息子がどの国「出身」なのかは親の私にも答えられないが)はどのような力をつければいいのでしょうか?
ひとつ、わかっているようでわからない回答は「答えがない世界で自分で答えをつくり出す力」かな?


クリエイティビティーとかイノベーションとか、これまた曖昧な言葉で現されるこの力、8歳から15歳くらいの子どもを対象にした面白いプロジェクトを発見しました(これも最近はまっているStanford iTunes Uで知った)。
MITが開発した”Scratch”というもの。 ”Scratch”を「子ども用のコンピューター・プログラミング言語」と表現してしまうと、これまたエンジニアでない私は頭のスイッチをオフにしてしまいそうですが、実際の使い勝手は「LEGOのように遊び感覚で直感的に学べる」んだそうです。 LEGOなら私も理解できるかも。
Scratchオフィシャルサイト(Languageで日本語を選択すると日本語サイトに)
My Life After MIT Sloan : 五歳からのプログラミング@MITメディアラボ
レクチャーのリンクはこちら。
Stanford iTunes U –> Engineering –> Human Computer Science Seminar – Spring 2010 –> Lifelong Kindergarten : Design, Play, Share, Learn
Stanfordの上記レクチャーで出てきた、”Scratch”のコミュニティ上で何が起こっているかを簡単に紹介しておきます。
scratch_greeting_card.jpg当時13歳の女の子myredneptuneちゃんが、気に入ったクリスマスのグリーティングカードがないから”scratch”を使って自分でつくろうと思い立ち、右のようなカードをつくります(こちらでトナカイをクリックすると、それぞれの楽器でクリスマスソングを奏でます)。
このカードを気に入った人たちが「かわいいね!」などコメントし始めると、1匹1匹表情が異なるトナカイの顔をつくったのが一番楽しかった彼女は、「つくって欲しいキャラクターがあったら私がつくってあげるわ」とキャラクター作成サービスを始めます(「チーターをつくって」と頼まれ、つくったチーターのアニメーションがこちら。 National Geographicのサイトから走るチーターの動画をダウンロードして動きを真似てつくったのだそう)。
鳥をつくったときに「どうやってつくるの?」と聞かれたため、つくり方を公開したチュートリアルまで作成します(→こちら)。
このクリエイティブ活動を通して友人ができた彼女は他のメンバーとコラボし始めます(→こちらが彼女がキャラクターを担当し、他のメンバーが背景画・プログラミングを担当したストーリー。 3カ国から5人の子どもが協力しあって完成)。
13歳の女の子が自らのクリエイティビティーを発揮しモノを生み出しサービスを提供し、グローバルに他のメンバーとコラボしてさらに大きなプロジェクトまで生み出しているのです。 ”Scratch”で物足りなくなったらJavaなど本格的な(?)プログラミング言語に進めます。 こういうの見ると有害サイトの規制とかインターネットの影の側面ばかりにフォーカスしている場合じゃないと思いません?
このレクチャー、冒頭の”Scratch”の紹介が利いています。

小学校入学前、ナーサリーやプレスクールでは木の積み木を組み立てたり砂のお城をつくったり子どもたちは1日中何かをつくっている。
大学院では、再び(このような授業を通して)創造的活動をする。
問題はそれ以外である。

たしかに・・・ 学校で(小学校では)図工や音楽、(中高では)美術や書道などの授業はありましたが、それ以外の「コア」授業は「すでに答えがある問題を解く」、「答えを暗記する」が中心でした。 アジア勢が得意な国際学力テストも数学など結果が計測しやすい教科に偏っています(それはそれで重要なのですが)。
「プログラミング言語 = クリエイティビティー」ではないですが、古い教育を受けてきた親世代は子どもは今までの数十年間と全く違う世界に生きることを前提に頭を柔らかくする必要があるのだと思います。
『スクラッチアイデアブック – ゲームで遊ぶな、ゲームを作ろう! ゼロから学ぶスクラッチプログラミング』という本もあります。


2 responses to “20年後に活きるクリエイティビティー

  • ri

    久しぶりに書き込みさせていただきます。。
    時々読みにこさせてもらってますが、日々忙しくてあっという間に過ぎますね。
    とっても興味深いです。
    私も実際、今ネットを使ってるのって、子供をどう育てたいかのヒントを探るためにいろいなページを見てまわってるようなキライがあります。
    利用してるIphoneも3Gなので4が羨ましいですが、時代についていこう的な感覚で利用してますもん。(ガンバる親の心、子知らずです)
    将来子供と会話ついていけるかしらって、直感的な思いで。。。苦笑
    ネットの世界を垣間見てると、ホント将来がどんな風に変貌するのが、恐ろしいようで、楽しみなようで。でも実際私たち祖父母の世代なんかも、ものすごい変貌を潜り抜けてきたのだと思います。
    徒歩の名残時代から、田舎に汽車がやってきて、オートマの自動車を乗り回すようになるってのもすごい変化だったと思います。

  • la dolce vita

    >riさん
    >実際私たち祖父母の世代なんかも、ものすごい変貌を潜り抜けてきたのだと思います。
    >徒歩の名残時代から、田舎に汽車がやってきて、オートマの自動車を乗り回すようになる
    たしかにその通りですねー そのうち子どもについていけなくなると思いますが、ついていけるうちはがんばろうかな、と(笑)

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