痛みが距離を超えた日

3月11日(金)朝8:00(日本時間17:00)、夫と息子をバタバタと送り出し、ひと息つこうとパソコンを開いたのと、携帯SMSの着信音が鳴ったのがほぼ同時だった。
パソコンを立ち上げながら、今送られてきたSMSメッセージを見る、ロンドンに住むINSEAD友達、中国人Yからだ。

Hope all is ok with your family and friends back home.

へっ??????
Tokyo_tower_top.jpg意味がわからず、今開いたばかりのtwitterで最初に目に入ったリンクをクリックしたら右の写真だった(時事ドットコムより)。
何これ???
次々に「M8.4」、「東北」などの文字が目に飛び込み始め、どうやら日本で大地震があったらしいことがわかった。 奈良にいるはずの親と東京にいるはずの弟に電話してみると、どっちもつながらない。
Facebookで「日本は電話がつながらないっぽい。 家族に連絡が取れない。」と英語でつぶやいたところ、世界中の友達から次々に「家族や友達は大丈夫?」とメッセージが入り始めた。
そうこうしている間に、親とは電話がつながり、歩いて帰宅したらしい弟がFacebookにサインインしてきてチャットできた。 家に帰れず職場で一夜を過ごすことにした友人たちが次々とFacebookやGmailにサインインしてくるため、そのたびに無事を確認。


もちろんTwitterやFacebookで安否が確認できるのは無事だった人だけであり、災害の渦中にある人の安否はわからない。
それでも、Twitterでは#j_j_helpmeという救助要請のためのハッシュタグがつくられ、助けを待っている人たちの悲痛な叫びが聞こえてきた。
– 津波で1階が浸水した家の2階、子どもを2人抱えているので屋根に上れない、と助けを求めるおかあさん。
– 仙台市内の病院が地震によって停電。 自家発電でしのいでいるものの残り少なく、あと5時間で電気が届かないと入院中の母の酸素吸入器が止まってしまう、と母に寄り添う娘さん。
– 車ごと流されて倉庫の中のトラックの上で暗闇の中ひとり助けを待っている人。
・・・etc.
今までの災害では、被害にあった人の情報は常にマスメディアを通した二次情報だったが、今回は違う。 ほぼ直接的に、そしてリアルタイムに、助けを求める声がロンドンにいる私に届く。 まだ生きている人たちがいることを知りながら何もできない私を無力感が襲う。
そして、この痛みは、ほぼリアルタイムで言語・国境を超えて世界中に届いた。 各国のテレビ局とも、地震直後からぶち抜きで震災の様子を生中継している。 JMM(Japan Mail Media)の冷泉さんがアメリカのメディアでは”「911」以来の大きな扱い “と書いていらしたが、イギリスも似たようなものである。
日を追うごとに明らかになる被害の実態に、世界中の人々が目を覆い、私のもとには続々と

Hope you, your family and friends are ok. Thinking of you.

というメッセージが毎日届く。 友達だけではなく、クリーナーさん、ベビーシッターさん、夫の会社の同僚、私を日本人と知った街角の人・・・ 今、このブログを書いている途中にも、メッセージが届く。
世界中の人が痛みを共有し、自分が知っている日本人、自分が知っている日本、に想いを馳せている。
「世界で最も地震に備えた国」でもこんなにも被害が出てしまうのかと思うと心が張り裂けそうです。
今現在も凍えるような気温の中で救助を待っている方々が一刻も早く救出されること、被災者の方々の生活に1日でも早く笑顔が戻ることをお祈りし、震災で無念にも命を奪われた方々のご冥福をお祈りします。
the_independent_ganbare.jpg日本にエールを送る英米メディア記事。
NY Times : Sympathy for Japan, and Admiration
WSJ.com : Sturdy Japan(日本語:『不屈の日本』
FT.com : Japan is rich in resilience
The Independent : Towns vanish, thousands die – but a nation begins its fightback(左は今日のThe Independent紙トップページ)
「救済・復興に少しでも役に立ちたい」と申し出てくれた外国人にはこちらを。
NY Times : Japan Earthquake and Tsunami: How to Help


4 responses to “痛みが距離を超えた日

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    今回我が家の妻と長男が仙台でこの地震と遭遇してしまいました。13日現在まだ山形の酒田です。丁度合格した東北大の下宿を探していて、私は自宅待機でした。横浜でも半端じゃなく揺れました。ただ、私は自宅に居たため帰宅に困難をきたすわけでもなく、ある意味一番幸運な状態だったのも事実です。東北は本当に酷い状況です。街ごと無くなったところ、目の前で津波にさらわれた人、東北へ行く南北の線(新幹線・在来線・高速道路)は全く使えません。
    私のところにもカナダやアメリカや台湾や中国やドイツやオーストラリアや日本国内の至るところから「大丈夫か?」「出来ることあれば言ってくれ」というメールや電話が来ました。本当にありがたい話だと思います。色々な形の被災者の方も大きな暴動もなく、本当に助け合っていると思います(BBCやCNNでも驚きをもって見られているようです)。これは日本だけじゃなくて、こういう大きなパニックになれば人間の本性が善である、ということの表れだと信じたいです。
    今回自宅での遠隔操作で思ったのは、一番役に立ったのがTwitterだったということ、携帯と電話は役に立たなかったということ、知り合いというのが一番強い情報だということ、テレビで一番まともなのがNHKだったということ、でしょうか。その他、様々に善なる人に色々な事を教えてもらいました。
    この経験で特に息子がどうなるのか、多分性格的には「で?行くよ、こっちの大学に」と平然と言いそうです。一応関東の私大には金を振り込んでいるんですが、そっちには行きそうにないです。入学がいつになるかも判りませんが。

  • sushine

    やっと連絡がとれた仙台に住む友人は、昨日避難所から自宅へ帰って
    電気が通って、TVをつけて初めて今回の地震の凄さを知ったらしいです。
    彼女のご主人は東北大学で医者をしているのでまさしく不眠不休
    余震が続く中、子供たちと身を寄せ合って怖さに耐えているらしいです。
    けれど、すべてのインフラがカットされている今
    メールで励ましてあげるしかないのがつらいです。
    阪神大震災体験者なので、つらさも少しは分け合えるんだけど。。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    体験シェアありがとうございます。
    >東北は本当に酷い状況です。
    写真や記事を見る/読むのがちょっと辛すぎて、今日から被災状況を見る/読むのを少し控えました。
    果たして息子さんはどうされるのでしょうか?
    >sunshineさん
    >やっと連絡がとれた仙台に住む友人は、昨日避難所から自宅へ帰って
    >電気が通って、TVをつけて初めて今回の地震の凄さを知ったらしいです。
    私もようやく仙台に住む友人が無事だということがわかりました。 共通の友人伝てに聞いたので、どういう状況だったのかわかりませんが。
    >メールで励ましてあげるしかないのがつらいです。
    どう励ましても当事者と傍観者の間に越えられない壁があるようで辛いですよね。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    その後、月曜13日に無事帰宅しました。帰宅して言っていたのは、「酷い目に遭ったとそのときは思ったけど、実際は自分達は『帰宅難民』程度だよね」ということ。ただ、もし仙台駅は相当壊れているところがあり、もし数十分ずれていたら怪我以上のことになってもおかしくなかったようです。
    Twitterで相互フォローしている石巻の高校生が、「自分はボランティアで避難所に居るんだけど、もう殺気立っていて限界。責めないでくれよ」と悲鳴を上げています。友人が行方不明だそうで、私がMixiのコミュで代わりにその友人を探す書き込みをして連絡を待っているところですが、酷い状況に何も出来ない無力感が募ります。
    東北大学は入学を4月末にずらすそうですが、特に大学自体には影響が無いそうです。で、バカ息子は予想通りですが「え、そのまま行くよ。もうめんどくさいよ、また入学手続きし直すの。夢の『早慶を蹴って入学』を達成したんだし、順番だと関東の方が危なくね?」ということでそのまま進学します。多分ある感性が欠落している可能性は大きいのですが、ひょっとすると、「ここで断るわけにはいかねえよ」という事があるのかもしれません。いや、ないな、そういうことは(笑)。

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