クリエイターのレシピ – 2

昨日の続き。
Appleのスティーブ・ジョブスみたいなビジョナリーはどうすれば生まれるのか? イノベーターは生まれつきか、それとも学べるものなのか?という難題に挑んだのが『イノベーションのジレンマ』の著者、HBSのクリステンセン教授。 共同で革新的な企業を起した起業家3,000人と新製品を開発した500人にインタビューした結果が”The Innovator’s DNA”として発行されました(『The Innovator’s DNA』という本も出版されていますが、同タイトルでPDF指定して検索するとHarvard Business Reviewの記事が読めます)。
(クリエイターとイノベーターは厳密には違うんだろうけど、イノベーターはクリエイティブなアイデアを使って変革まで起せる人のことだと解釈してます。)
以下、要約。
イノベーターは左脳と右脳の両方を使い、新しいアイデアを生み出すために5つの”discovery skills”(発見のスキル)を研ぎすませている。
1. 連想のスキル
一見すると関連がなさそうな、違う分野からの質問・問題・アイデアを関連づけ連想させることはイノベーターのDNAの中心である。
経験や知識の幅が広いほど脳は多くの関連づけを行うことができる。 Appleのスティーブ・ジョブスが言うように「クリエイティビティーとは物をつなげること」。
連想のスキルは心の筋肉のようなもので他の発見のスキルを使うことで、より鍛えることができる。

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クリエイターのレシピ – 1

友だちから続々と「そう来たか!」というメールが届きます。 リアルで会った人以外には、ほとんど話してなかったからなー
自分としてはそんなに突拍子もないことしてるとは思っていないのですが(笑)、クリエイターやイノベーターにはどうやったらなれるのか、というレシピみたいなものについて書かれた記事をご紹介。
これを読んで「私にもなれるかも!」と思うか「私には無理!」と思うかはその人次第。
まず1人目は日経ビジネスオンラインのお気に入りコラム『新ローカリゼーションマップ』(*1)に出てきた米ZIBAの戦略ディレクター濱口秀司さん(→『「中国人はMUJIが好き」を解剖する』)。
*1・・・日本での社会人時代のほとんどをローカリゼーションと格闘しながら過ごした私には響くのです。 参照:『FeliCaがガラパゴス化した3つの理由 – 1』『日本の鉄道会社の事業モデルは海外でも有効か?』『世界のMurakami』

京都大学工学部卒業後、パナソニック電工(当時は松下電工)に入社し、研究所に配属された。 そこで研究開発に打ち込みながら、濱口氏はビジネスにおける2つのテーマを設定した。 1つは、質の高い意思決定を下すための方法論。 2つ目は、クリエイティブなコンセプトを生み出すための方法論。
1つ目のテーマは、スタンフォード大学で生まれた「デシジョンマネージメント」という方法論に辿り着いた。(中略)
2つ目のテーマは難題だった。 コンサルティング会社やアカデミックな分野を手当たり次第探ってみたが、成功事例の分析はいくらでもあったが、実際にどうすればクリエイティブなコンセプトが生み出せるのか、分からなかった。(中略)

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要注意なお仕事リスト

『クリエイターになりたい。』に書いたように、ゼロベース思考でクリエイターになりたいと思った私ですが、どういう種類のクリエイターになるのかが問題でした。
以下のような職業じゃないか、はチェックしました。 時代はものすごいスピードで変化してるから難しいのですが、環境の変化への最良の対処法は自分を変えることなので、時代を見据えながら変化し続けるしかないんですよね。
1. テクノロジーの進化がプロとアマチュアの境界を限りなく曖昧にした職業
Chikirinの日記『ライターとカメラマン』がずばり指摘しているけど、
ライター:ブログの普及で一般人でも簡単に世界各地からほぼタダで文章を世間に公開できるようになり「文章力」「取材力」で食べていくのはとても難しくなった。
カメラマン:一眼レフとPhotoshopで誰でも気軽に息を飲むような写真を生み出せるようになった。
この2つはわかりやすい例だけど、どんな仕事にも高付加価値の仕事と低付加価値の仕事があり、破壊的テクノロジーは高学歴・ハイスキルの代名詞のような職業でもローエンド側からどんどん侵略しています。
(例)
弁護士:過去の判例検索はネット上で無料でできるように。 アメリカには弁護士が質問3つまで無料で答えてくれるSNSができたり(→The Economist : Bargain briefs)。
医者:医師へのオンライン無料相談サイトが登場。 レントゲン写真やMRI画像をインドの放射線科医に送るアメリカの病院もある(FOCUS :誰があなたのレントゲン写真を診るのか?)。

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「好き」を仕事にしない理由

今週、昔の会社の先輩から届いたメールの一部。 思わず声をあげて笑ってしまいました。

ブログ見てるぞえ。 おめでとう!
昔、何かの拍子でソニー時代、ようこに「休日なにしてるの?」って聞いたら、「タイル集め」って言われたことをなぜだか思い出した(笑)

タイル集め・・・(笑)
よく覚えてますねー・・・ 自分でも忘れてた。
正確には「休日」じゃなく「長期休暇」だと思うけど、そういやあの頃は旅に出るたびにタイルを買っていました。 使う予定がないからいつしかやめちゃったけど度重なる引っ越しでも捨てられずにいまだに持っています。
タイル集めじゃ飽き足らず、黒のブラウン管テレビをスプレーで真っ白にペイントしてテレビの表面全体に青タイルを貼ったりしてました。
世界で一番美しい建築はイスタンブールのブルー・モスクだと思ってるくらいタイルが好きで、タイルを見にシチリアのCaltagironeやメキシコのPueblaまで行ったことがあります(両方ともタイル好きには息ができなくなるほど興奮する町)。
blue_mosque_interior.jpg

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空間が持つパワー

学校が始まりました。 カリキュラムはほぼすべてプロジェクトからなり、初日からプロジェクトが始まっています(しかも締め切りは金曜)。 いつでもお茶の休憩取っていいのに、昨日も今日もお昼の休憩しか取らなかったなー・・・
建築インテリアデザインをキャリアにしようと思ったきっかけの話を。
・・・といってもいくつもの小さな経験・普段の生活が積み重なっています。 あえて立ち止まって気づこうとする時間が一番必要なのかも。
1. 原点
奈良・京都という世界に誇る歴史建造物がすぐそこにある環境で生まれ育ったこと。
とはいえ、実家はベッドタウンにあり周りと同じような一戸建てだし、家族に建築家やデザイナーがいるわけでもありません。 「ディズニーランドみたいなつくりもの(偽物)が嫌い」という可愛くない子どもでした。
大学では空き時間があるとよく大好きなお寺、永観堂の庭に昼寝をしに行っていました。 当時は庭は入場無料。 木漏れ日・かすかに聞こえる川のせせらぎ・時を経て佇む本殿の息づかい・すぐそこに迫る東山・・・を感じながら昼寝をする時間は至福の時間でした。 この幸せの感覚は以降、何度もフラッシュバックします。

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クリエイターになりたい。

『今日は私の キス記念日』に書いたとおり、私の幸せ構成比はたぶんこんな感じ。

1. 家族 70%
2. 環境・プライベート 20%
3. 仕事 10%

夫がいるシンガポールに引っ越し子どもが生まれたことで1.を押さえ、ロンドンに引っ越したことで2.を押さえたので、3.の大幅てこ入れが必要でした。
キャリアチェンジは、「場所(Location)・業界(Industry)・職種(Function)の3つ全部を変えることは難しいが、1つか2つなら可能」という言い方をよくするのですが、いろいろなケースを見ていると、場所(Location)を変えるのが一番大変(特にアジア→ヨーロッパなど地域を超える場合、もちろん社内異動などは除く)、次に業界(Industry)、いったん業界または会社に入ってしまえばその中で職種(Function)チェンジすることは意外と簡単(『求職者の心構え』で書いたフェラーリにアルバイトで入って最後は戦略部門に移ったケースなど)。
なので、住みたい場所がある人はまずそっちを押さえるのはけっこう重要だと思います(住む場所よりやりたいことの方が重要って人はこの限りではない)。 日本人の海外就職に一番大きく立ちはだかるのはVISAだし。
話を戻して、去年の夏頃からちょこちょこと友人から依頼があった仕事をしていた私ですが、今年の初めからまじめに就職活動を開始しました。 就職活動は自分ができることと相手(雇用主)が求めることをマッチさせる作業なので、自分の経験(業界・地域・プロダクトetc.)やスキルをブロック化していきます。 ヨーロッパでの仕事経験がないので圧倒的に不利な上に、自分ができること(イメージは大きなブロックがけっこうたくさん、笑)から今いるマーケットで求められていないことを除いていくと、どんどんブロックが小さくなっちゃうんですよね、やったことある人はわかると思いますが。

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始まりの季節、秋

気がつけばこのブログを始めてから3年以上経ち、このエントリーで600回目となりました。
100回ごとに記念エントリーを書くことになっているので(過去のエントリーはABOUTページからどうぞ)、今日は私の近況でも。
来週からフルタイムで専門学校に通いArchitectural Interior Design(建築インテリアデザイン)を学びます。 期間は1年、資格はPostgraduate Diploma(大学院レベルの職業専門知識)。 終了後は建築インテリアデザイナーになる、予定。
私は新卒入社以来、会社は変われどずっとテクノロジー業界のビジネス系(投資・海外営業・コンサル)にいたので、ビジネス系からクリエイティブ系へ、と「左脳系から右脳系」くらいのチェンジです(でも業界の人には、ビジネスとして成功させるためにはクリエイティビティーが10%くらい、後はビジネス・センスやコミュニケーション力etc.とアドバイスされましたが)。
「なぜ建築インテリアデザインなの?」とお思いだと思いますが、長くなるので、追々書くとして、今日は「建築インテリアデザインって何?」という話を。

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おうち交換で格安旅行!

バカンスの話になると筆が進む私。
ヨーロッパは格安航空が本当に発達しています。 クロアチア旅行はピークシーズンだったので、3人で約£400(約5万円)したのですが(easyJet、3人とはいえ息子はまだ2歳に満たないので膝の上で往復£40)、クリスマス前のロンドン⇆ドイツでeasyJetで(かの有名なクリスマスマーケットにずっと行きたかった)、片道£23(約3,000円)からあります。 行かない理由がありませんね〜(笑)。
宿の値段はそれなりにして、大都市だったら1泊1部屋€120(約13,000円)以下でまともなところに泊まるのは難しい(田舎は田舎度や国によるけど、€70はするかな)。 円高の日本在住者には、たいしたことない金額かもしれないけど、収入がポンド建ての私たちには安くはないのです。
加えて、いよいよ息子が狭いホテルの部屋じゃ厳しい年齢になってしまったので、他人と家を貸し借りできるAirbnb(*1)のようなサービスはかなり前から注目していました。 不況の影響もあって個人間の貸し借りサービス、充実してきましたしね!(参考本:『What’s Mine Is Yours: The Rise of Collaborative Consumption』(邦訳:『シェア からビジネスを生みだす新戦略』))
*1・・・知らない方はこちらの体験談をどうぞ→『AirBnBを使って宿を探したらファウンダーの家だった。』『IDEA*IDEA : 台湾旅行でAirBnB.comを初体験!』
Airbnbにはけっこうトラブルもあったし(*2)、今の家は家探し3日で決めた賃貸(→『日・星・英 不動産屋考』)でかなりボロが出てきているので、引っ越して思いっきり綺麗にしてLuxe Home Swapに登録しようか?など、いろいろ悩んでいました。
*2・・・部屋を貸した相手に荒らされた事件(→『TechCrunch -The Moment Of Truth For Airbnb As User’s Home Is Utterly Trashed』)。 今はAirbnbはセキュリティを強化しています(→『TechCrunch – On Safety: A Word from Airbnb』)。
そんな折、ちょっとAirbnbっぽい事件がありました。

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美しすぎる町の悲哀

昨日「Dubrovnikは観光地化されすぎててがっかりだった」と書いたのですが、「アドリア海の真珠」というフレーズに偽りはない、すごーくきれいなところなんですよ(ユネスコ世界遺産)。 特に丘の上に上って(スクーターが安く借りれます)見る町の全景は本当に言葉を失うほど綺麗。 美しさを現す自分のボキャブラリーの貧困さが悔やまれるほど。
ただ、住人の数に比して観光客が多すぎ。 城壁の中に住む人の数は1,000人を切りそうだとか(Wikipediaより)。 それに対して2010年に訪れた観光客の数は59万人!(Visit Croatiaより)
当然のことながら城壁の中は、土産物屋・観光客向けレストランなど完全にツーリスト向け、値段もツーリスト・プライスになっており「ローカルが好む隠れ家レストラン」を見つけることなど不可能。
美しすぎてしまったために住民の息づかいがしない町になってしまったのでした。 いくら観光客が殺到してもパリほどの大都市(人口220万人)であれば、まだ生活する街のままなんだけどねー(それでもシャンゼリゼのあたりは近づく気もしないけど)

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アドリア海の休日

地中海に近いからロンドンに住んでるようなもんですが(→『’la dolce vita’の由来』)、今年は2週間クロアチアのダルマチア地方に行ってきました。 陸(アグリツーリズモ)1ヵ所と島(Hvar島とLastovo諸島)2カ所(続きを読むをクリックすると地図が出てきます)。
以前から書いてますが(『Crowded & Discovered』、)、あまり観光地化された場所は好みではないので、7年前にINSEAD卒業旅行でDubrovnikに行ったときは若干がっかり。 でも、トルコに住む友人が毎年夏に通っては絶賛するので(私は大のトルコ好き)、そんなに彼女が絶賛するならいいんだろう、とリベンジ旅行。
1歳5ヵ月の幼児連れなので「移動時間が短い離島」という無茶苦茶な条件で選んだLastovo諸島の(ほぼ)無人島が少々ワイルドすぎて、子どもが体調を崩してしまったので、その後の予定をかなり繰り上げましたが、結果的にはそれが吉と出て後の日程はリラックスできました。
Twitterで小児科情報くださった方、ありがとうございました!
Adriatic_sea.JPG1. アドリア海の美しさは格別
圧倒的なのがアドリア海の美しさ、トルコ並みです、シチリアの小さな島よりさらに上(ギリシャは行ったことないので比較できず)。
本当にこんな色(写真はこちらから)、(ヨットが停泊する)マリーナの中でさえこんな色。
この中で泳いでいるとエメラルド色の中に体が溶けていくような感覚を久しぶりに味わいました。 元水泳部なので1時間くらい浮かんでいるのは平気、子どもを夫に任せて海の色に溶けていました。 この地中海独特の色はどこからきてるんでしょうねー?
観光資源としてはこの海さえあれば十分、陸の方の街(今回はSplitを通っただけですが)にはアジア人観光客もたくさんいたのですが、島(特にマイナーな島や町)にくると、ほぼ(クロアチア人を含む)ヨーロッパ人ばかりでした。

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