気がつけばこのブログを始めてから3年以上経ち、このエントリーで600回目となりました。
100回ごとに記念エントリーを書くことになっているので(過去のエントリーはABOUTページからどうぞ)、今日は私の近況でも。
来週からフルタイムで専門学校に通いArchitectural Interior Design(建築インテリアデザイン)を学びます。 期間は1年、資格はPostgraduate Diploma(大学院レベルの職業専門知識)。 終了後は建築インテリアデザイナーになる、予定。
私は新卒入社以来、会社は変われどずっとテクノロジー業界のビジネス系(投資・海外営業・コンサル)にいたので、ビジネス系からクリエイティブ系へ、と「左脳系から右脳系」くらいのチェンジです(でも業界の人には、ビジネスとして成功させるためにはクリエイティビティーが10%くらい、後はビジネス・センスやコミュニケーション力etc.とアドバイスされましたが)。
「なぜ建築インテリアデザインなの?」とお思いだと思いますが、長くなるので、追々書くとして、今日は「建築インテリアデザインって何?」という話を。
イギリスにおける”Architectural interior designer”にあたる職種にぴったりはまるデザイナーは日本では裾野が狭いのではないかと思うのですが、日本人でおそらく一番有名なのはWonderwallの片山正通さん(参考:『BACKSTAGE REPORT ユニクロ ソーホー ニューヨーク店 ワンダーウォール 片山正通』)。
片山さんは商業施設のインテリアデザインが主ですが、イギリスは住宅のインテリアデザイン市場が圧倒的に広い。 『古いほど人気なマイホーム』で書いたように、築100年以上の当時の建築様式をとどめた建物がごろごろしていて古いものを買って内装や設備を新しくしながらさらに何十年住みます。 景観条例が厳しく概観の変更は禁じられているので、古い建物の内部を現在の生活に合うように変え、築数百年の建造物が当たり前のように現代に息づいています。
そこでまず雇われるのがインテリアデザイナーです(個人の場合、ある一定以上の収入の人しか雇えないので、自分で塗装や床貼りなど何でもやってしまうDIYもさかん)。
「中古住宅のリフォーム業者」と表現するとかなりニュアンスがズレるので(笑)、映像だと日英のアプローチの違いがわかりやすいかな。
こちら日本で人気の朝日放送『大改造!! 劇的ビフォーアフター』の1エピソード。 プロのことを「匠」と表現していることからもわかるように、「技術」にフォーカスした「職人」の世界。
イギリスで人気なのはBBCの“Changing Rooms”。 施工業者(builders)を率い、家具のデザインまで手がけるプロジェクトの総合ディクレターで、空間を仕上げる「デザイナー」の世界。
[ 2012/10/8 ] “Changing Rooms”のYouTubeビデオを貼っていたのですが削除されていたので、同番組出演のインテリアデザイナーがインテリアデザインの黄金ルールを説く番組にリンク変更しました。
セレブデザイナーも多く、こちらセレブデザイナーのひとりKelly Hoppenが自宅を改装するシリーズPart 1。 彼女の2人目の夫は女優/モデルのSiena Millerの父親、とプライベートも華やか。
私は昔からその土地ならではの建物を活かした空間が大好きです(ブログにもその片鱗がいくつか↓)。 グローバリゼーションでますます世界が狭くなり、街の風景が均一化していく中、価値があるのは「他との違い」「その土地らしさ」にしかないと思っています。
『佐賀の民家、NYのホテルに』
『外国人だからわかる良さ』
『無知な外国人の赤っ恥』
『St Pancras Renaissance Hotel』
ただ、自分のこだわりが明確になり、キャリアにしようと思ったのは、ロンドンに来てからの話。
その話はまたの機会にするとして月曜からは人生3度目の学生。 始まりの秋です。
September 10th, 2011 at 9:59 am
いつも拝見しています。
私は工学部建築出身で、IBを経て、コンサル営業と逆のような道をたどっています。
建築とビジネスは、人のいる空間を創る、という意味で近しいと感じていて、
勝手に親近感を感じました。笑
新しい道、楽しそうですね。経緯の”またの機会”も楽しみにしています!!
September 10th, 2011 at 8:32 pm
こんにちは。何時も楽しくブログ(とツィッター)、拝見させて頂いています。
建築の道に進まれるという事なのですが、実は僕も建築家です!勝手に親近感を覚え始めています(笑)。
と言っても最近は建物などのデザインはさっぱりしていないので、「お前、本当に建築家か?」と言われる事の方が多いのですが(苦笑)。
イギリスではChanging roomsなんて番組があるんですね。全く知りませんでした!遠く離れた日本とイギリスで同じ様な番組が出来て人気が出るという事は、やはり家という人間の根幹に関わるテーマは、人類共通のテーマなのかなーと言う気がしてしまいます。個人的には、イギリスで鑑定団とかやって欲しいかもです。イギリス人、お宝持ってそうですからね(笑)。
建築はとても奥が深く、そしてとても面白い分野だと思います。
是非がんばってください。
そして、これからもブログの更新とツィッターでのつぶやき、とっても楽しみにしています!
September 11th, 2011 at 12:37 am
ママはどんな仕事していたの?
という子供の質問に
かつて手がけた物件数件に連れて行きました
未だ立派に街として機能しているところもあったり
その逆だったり
物件によっては密かに名前が残っていて
子供の尊敬をあつめたり
「ものづくり」の仕事は楽しいですね。
September 11th, 2011 at 4:13 am
質問があります。
こんにちは。
あらかじめ、いっておきますが決して批判ではないです。
やはり人間日々成長し変わるものなのでやりたいことは変化しますし
やりたいことをやるのが一番です。また、それを実行出来る人を尊敬します。
おいおい書かれるとのことですが、ぜひ次の点も買いていただきたいです。
人生のコストパフォーマンスについて。京大インセッドのあとまた学校とは。
これからの子育てで大変な中のキャリアチェンジ。
夫はどんなアドバイスをしたか。
あと何人子供を生むつもりか。
ずっとイギリスにいるつもりか?子育てはイギリス?
デザイナーが失敗したときのことを考えているか。
以上、御願いたします。
是非、参考にさせてください。(妻もちのので)
September 11th, 2011 at 7:41 pm
>masaさん
>私は工学部建築出身で、IBを経て、コンサル営業と逆のような道をたどっています。
おー、渡辺千賀さんと同じではないですか。 いや、千賀さんは都市計画だったっけな?
私はどっかに書いたけど睡眠がないと生きていけないので、IBと戦略コンサルは避けてきました(笑)。
>cuasanさん
コメントありがとうございます。
>実は僕も建築家です!
もちろん知ってますよ(笑)。 cruasanさんの建築関連エントリーが好きです。 バルセロナの建築のところだけ読み込んで週末旅行しようかと思っていました。 ポルトガルも行きたいです。
>イギリスではChanging roomsなんて番組があるんですね。
イギリス人の家好きはハンパなく、家やインテリア関連のテレビ番組は人口が倍の日本の2倍以上あるんじゃないでしょうか?
>個人的には、イギリスで鑑定団とかやって欲しいかもです。
もちろんありますよ、その名もAntiques Roadshow(BBC)。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b006mj2y
>是非がんばってください。
ありがとうございます! 私もcruasanさんのブログ、参考にしています。
>sunshineさん
>ママはどんな仕事していたの?
>という子供の質問に
>かつて手がけた物件数件に連れて行きました
sunshineさんも建築の仕事されてたのですか? それは初耳!
>けんさん
ご質問ありがとうございました。
好きなことを好きなように書いてるブログなので、いつ書くかまだわかりませんが、今日のエントリーでひとつの質問には答えてますかね?