Tag Archives: 渡辺千賀

バイリンガル脳の動き方

昨日のエントリーや渡辺千賀さんの『バイリンガル脳』を読んでいて思った中で役立ちそうなことを。
私も英語の文章がまず頭の中に出てきて、それを日本語に訳そうとしたり、日本語の会話の中で突然センテンス丸ごと英語になったり(日本語に訳すのも面倒なので、そのまま出しちゃえ!)、ということはよくあります。
1. 英語で読んだり聞いたりしたことはそのまま英語で脳の中に格納されている
最近は本もニュースも英語の方が多いし周りも英語環境なので、印象的なことは無意識のうちにそのまま英語で脳内に格納されています。
例えば、「いい言葉だなー」と思って最近自分に向かって唱えている

You can have it all, just not at the same time.

『What I Wish I Knew When I Was 20』(邦訳:『20歳のときに知っておきたかったこと』)の著者Tina Seeligがスタンフォード学生に向けたこの(↓)講義で言っていた言葉。

赤ちゃんが産まれたばかりで「何をどうやったら、仕事も親業も両立できるのか?」と途方に暮れる新米パパ・ママに向けた言葉で、私の新しいマントラのひとつ。
言葉の持つ力は大きいので、(例え訳者がどんなに優秀でも)本は原文の方がいいのは、著者(話者)の実感がこもった力強い言葉が自分の中に蓄積されるからかなー

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就活中の学生へ – 1

こちらのエントリーにCREAさんからこんな質問をもらいました。

仮にla dolce vitaさんが今、大学生当時に戻れて就職活動をするなら、どんな業界を第一志望にお考えになりますか?

「私が今大学3年生だったらどうするか?」という視点と、就活を控えた大学生へのアドバイス、両方混じってしまうと思いますが何回かに分けて書いてみます。
1. 大学院留学をめざす
「就職活動をするなら・・・」という質問なのにいきなり何ですが(*注)、私が今大学3年生なら大学院留学を目指します、それもできるだけ自分が進みたい道のトップレベルの学生が集まる大学。 どんな分野であれ自ずからアメリカかイギリスになると思いますが・・・(→ Top 100 Universities
注:「就活中の学生へ」というタイトルなので、もちろんその話も近日中に書きますよー
以前『留学するなら大学? 大学院?』というエントリーで

「(英語圏でビザさえあれば)どこでも働いて食べていける」ようになるには、大学院より大学から留学した方がスムーズ

と書きましたが、それでも”Better late than never”(遅きに失してもやらないよりマシ)だし、分野によっては(理系とか)大学院からでも十分。
以下、私が大学院留学を目指すだろう理由。

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英語コンプレックス – 1

渡辺千賀さんの『海外での仕事に必要な英語のレベル』エントリーの図を見ながら「英語力って実は線じゃなくて面、どころか果てしない立体の塊なんだよなー」と思い出したと同時に、「日本人が”英語力がない”と思っているのは実は他の力のことであって”英語”ではない」と私が常々思っているというお話(なお、この千賀さんのエントリーは「仕事に必要な」と限定しているし、ブログという平面上での表現なので直線なのかも)。
私の日常生活はオンもオフもほぼ英語。
それでも公立中学の義務教育が英語に触れた初めての機会で帰国子女でもなく英語を「外国語」として学習した身で、English native相手に(コンサルという)しゃべるのが仕事みたいな稼業をやっていると落ち込むことは数限りなくあります。
この一生かかってもたどりつけないという軽い絶望感は、身に覚えがある人が多いのでは?(ちょっと古いけど、lat37nさんの『それでも英語は難しい』エントリーもそう)
私はシンガポールに越してきてすぐくらいの時期に、「英語コンプレックスは持たない」と決めました。 だって、今後おそらくずっと英語を最もよく使う言語として生きていくのである、そんなコンプレックスを持ってしまったら一生それを背負わなくてはいけないではないか・・・
こういうのは心の持ちようなので自分で決めるものだと思います。 その代わりに「英語力」という漠然とした捉え方をするのではなく、その中身を分解して攻略することにしました。
基本的に次のように分解できると思います(かなり努力して英語を勉強し実践も経た人を想定しています、もちろん絶対的に必要な基礎力というのはありますが、ここでは割愛)。

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対面で会わずに関係を構築する力

最近、仕事でもプライベートでも「対面で会わずに関係を構築する力」が本当に重要になってきたと思います。
まずは仕事編。
私の仕事はコンサルなので、クライアントとの信頼関係が最重要であるリレーションシップ・ビジネスです。 シンガポールという土地柄、国内で完結する仕事はほとんどなく、クライアント自身が国外にいたり、アドバイザーやパートナーが国外にいたりするので、電話会議がとにかく多い!
電話会議には、Skypeを使うことが多いことはこちらに書きましたが、大企業は今もSkype使用は許可されてないのかな?
ところで、顔の見えない(英語の)電話会議でヒアリングやアドバイスをしつつ信頼関係を構築、というのは実に難しい。 私はファシリテーションやインタビューなど基本スキルがまだまだなこともあり、相当の難関です。 そして、私でなくとも、プロジェクトを「売る」セールスはやはり電話では困難で対面ミーティングが必要(リピートの場合はまた別ですが)。
ただ世界の一般的な流れとしては、岡島悦子さんの『抜擢される人の人脈力』にある通り、高度な課題は課題ごとに必要とされる専門性を持つプロジェクトメンバーが集まる「プロジェクト型組織」で仕事を行う流れにあり、ブロードバンドとSkypeなどのテクノロジーの普及で世界中からプロフェッショナルがバーチャルに集まって仕事ができるようになりました。 「電話会議力」は必須なんだろうなー、ということで毎日精進あるのみです。

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ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 – 2

阪神・淡路大震災でボランティア・トラウマになってしまった昨日の続き。
大きな自己犠牲を伴わなくても社会貢献できる、ビジネスと社会貢献は両立する、ことが本当に腹に落ちるようになってきたのは、ごく最近のことです。
それはCSR(企業の社会的責任)という言葉が徐々に浸透し、実際に利益をあげることと社会貢献を両立している企業が出てきて、マザーハウスのように「企業が社会に貢献するなんて当たり前でしょ?」という会社が出てきて・・・
そんな背景の中で緩やかに、でしたが、「おっ、これは!」とピンときた出来事がありました。
今年の初め、めちゃ暗かったときのこと(→当時のことはこちら)、私の両親と夫の両親が揃ってシンガポールにやってきました(→写真)。 私の親はこういう時、そっとしておいてくれるのですが、夫の両親はめちゃくちゃ聞いてくるのですねー(苦笑)。
義父はオーストラリアの企業のCEOを歴任(日本企業のトップは生え抜きの傾向が強いが、欧米は経営者人材の雇用市場がある)、一線から退いた後はエグゼクティブ・コーチに転身していたので、義父から「一度、僕のコーチングを受けてみないか?」とのオファーがありました。
暗かった私は乗り気ではなかったのですが、夫の勧めもあり(彼もシンガポールで転職活動中受けたらしい)、近所のカフェで受けることにしました。

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ヒーローリスト公開 – 2

ライフネット生命副社長の岩瀬さんこのエントリーの下記の部分にかなりウケた。

「岩瀬君。本当に会いたい人がいたら、会いたい、会いたい、と色々な人にいいふらしなさい。そうすれば、いつかきっとどこかで縁ができて、会えるから。(中略)」
「そうですかぁ。じゃぁ、僕も言いまくるようにします。僕が会いたいのは・・・」
「会いたいのは?」
「ええ、でもなんかはずかしー」
「だれ。言ってみて」
「西田ひかる・・・」
「・・・」

すごい、正当派な趣味だな・・・岩瀬さん・・・ きっと必ず会えますよ。
私も調子に乗って「ヒーローリスト」第2弾公開!
「ヒーローリスト」とは死ぬまでにぜひ会ってみたい人のリストのことで、私も何を隠そうこちらの『ヒーローリスト公開』というエントリーに「岩瀬さん」と書いたら会えてしまったという(経緯はこちら)、そして同じくリストに書いた渡辺千賀さんからもコメントが来たりしたし(経緯はこちら)、効果抜群、実証済みの方法です。

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どうせ痛い思いをするなら早めにしよう

昨日の渡辺千賀さんのブログで、「あああ、ついに本当のことを言ってしまったのねー」という内容の千賀さんの信念がカミングアウトされました。

これまでずっとなるべく言わないようにしていたのだが、もう平たく/明快に言うことにしました。
1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

私も今まで言わないようにしてきたのですが、便乗してカミングアウトします。 本当にそう思う。
これを言っているのが海外在住日本人だけならば、「偏った意見だ」とか難クセもつけようがあるのでしょうが、15年以上日本に住み、日本人と結婚し、日本企業に勤め、日本文化も習慣もこよなく愛していた外国人(アメリカ人2人、イタリア人1人)が相次いで日本を発つ姿を目にしたときに確信(1人はアメリカに帰国、あと2人はシンガポールに移住)。
彼らがあげた理由は
1. 仕事の環境は悪くなる一方(市場は縮小するのみ、一方社内では年功序列で中高年が居座り変革が進まない)
2. 子どもの教育環境として良くない
でした。
そこで今日は「なんとなくそう思ってたけど、そうはっきり言われちゃうとねー でも○○だしねー」と思った人のためのエントリー(○○の部分は「英語できない」「もう年」「子どももいる」「家のローン組んだ」などそれぞれの言い訳を入れてください)。

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ロングテールな人たち

昨日は私がヒーローリストに「死ぬまでに会ってみたい人」に勝手に入れてる渡辺千賀さんからこちらのエントリーにコメントもらったという記念すべき日なのでした。 わーい!
これで二次の隔たりだったのが、一次の隔たりになったわ♪(参考:六次の隔たり
私が千賀さんに激しく共感したのは、

思い起こせば私が27歳のときは
「この上MBAなんか取ってしまった暁には嫁にいけなくなるのでは」
と真剣に悩んだものであった。今にして思えば信じられないが、そのときは
「いや、しかし、MBAを取らずに一生嫁にいけないのと、MBAを取って一生嫁にいけないのでは、後者の方がまだましだ」
という判断の元に果敢に渡米したのであった。(コチラより)

ってあたりとか、

私にとっての理想の相手とは
1)仕事をしている母親がいる
2)お姉さんがいる
3)できれば母親もお姉さんも気が強い
というもの。こういう人は、女性に三つ指幻想を抱いていないので。(コチラより)

ってあたりとかが、昔の私と全く完全に一緒だったからで、キャリアとかシリコンバレーとかあんまり関係ありません(笑)。

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「内向き」日本を想像する

あまり人のブログに反応したエントリーは書かないのですが、今回はビックリしたので。
ビックリしたのはこちら。
内田樹の研究室 – 「内向き」で何か問題でも?

日本人が「内向き」なのは、要するに「内向きでも飯が食える」からである。(中略)
日本には巨大な国内市場がある。
国内市場限定で製品開発しても、売れればちゃんともとがとれる規模の市場が存在する。

失礼ながら内田さんは存じ上げなかったのですが、今どき識者でこんなこと言う人がいるんですねー?
それとも、私、日本のメディアをネット以外で見ないのでわからないけど、意外とこう信じている人が大半なんだろうか?
このブログを知った池田信夫さんのブログ小飼弾さんのブログでは、もちろん「内向きで飯が食えるわけではない」とあり、私も概ね同意見なので、なぜ「内向きで飯が食えないか」の解説はそちらに譲ります(それにしても内田さんの見解は少子化による国内市場の縮小を完全に無視してますね)。

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私の周りのフリーエージェント達

今日はクリスマス。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?(日本ではクリスマス・ディナーをクリスマスイブに食べるのですが、本場(?)ではクリスマス・デー(25日)の、しかも昼にクリスマス・ディナーを食べるのです。 うちは昨日まで夫が働いていたので前日に準備できず、夜に食べることにしましたが) 日本では休日ではないので、普通に出勤でしょうか?
以前の宣言通り、Christmas Turkey(七面鳥)にチャレンジ中。
でも焼くのに3時間かかって今まさにオーブンの中なので、写真は明日にします。
上海で再会した友人の話を。
上海在住アメリカ人Aとカナダ人Zの話は以前『MBA同級生に見る「フリーエージェント社会の到来」』というエントリーに書いたのですが、今回は彼らの生活ぶりをつぶさに見てきました(AとZの経歴を前のエントリーから以下引用)。 私たち3人は留学時代、(後2人を加えて5人で)家をシェアしていたので、半分家族みたいなもん、今回の上海でも家に泊めてもらいました。

A(生粋アメリカ人)は卒業後ボストンコンサルティンググループ(LAオフィス)で2年ほど戦略コンサルタントをしていましたが、2年後に独立。 職を持たないまま上海に渡り今はフリーのコンサルタントとしてアメリカ企業から常時2つほどのプロジェクトを請け負っています(すべて紹介で受注)。
Z(アメリカ在住経験の長いカナダ人)は卒業後Intel China(上海)であるプロダクトラインの事業戦略を行っていましたが、こちらも2年ほど働いて独立。 Aと同じくフリーのコンサルタントとして中国に進出するアメリカ企業(Intel時代のクライアント含む)に中国進出のアドバイスをしています。

以下、4つの側面に分けてヒアリング結果です。

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