シンガポール政府からメールがきた。

今週初め、シンガポール政府のEDB(= Economic Development Board、経済開発庁)から一通のメールが届きました。
『グローバル富裕層争奪戦』という2008年11月に書いたエントリーの中の政府サイトへのリンクがリンク切れしているので正しいリンクに直してほしい」という依頼です(EDBの依頼通りリンクを直しましたが、エントリーの中で書いたGlobal Investor Programの情報自体が古くなっています)。
さらにエントリーの中で、私が

高度人材リクルートメントの機能を果たすContact Singaporeという情報センターの拠点に現在のボストン、ロンドン、チェンナイ、上海に加え、シドニー、サンフランシスコ、北京が加わります(東京が入ってないですね・・・日本はアジア一、富裕層の数が多いんですが、日本人には来て欲しくないんだろうか? それとも日本人の方がシンガポール移住に興味ない?)。

と書いた部分に対し、「日本人向けに日本語サイト(→:シンガポールへの投資をお考えの皆様へ)を開設したので、こちらもリンクよろしく」とのこと(EDBからのメール本文は英語です)。
・・・というわけで、日本からの投資、大歓迎だそうなので、ぜひご検討ください(笑)。

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衣食足りて礼節を知る

時間が経ってしまったのですが、『チャイナ・ドリーム』『”泣かせる”夢を持つ人、持たない人』のエントリーを読み、ブログの中でお勧めしたNHKスペシャル『インドの衝撃』を観た任宜(にんぎ)さん(中国人で現在コンサルファームにお勤め)から感想として以下のようなメールを頂きました。

中国やインドの人々は非常に努力をしています。 それは非常にすばらしいし、日本のぬるい大学環境よりもずっと共感できます。
ただ、その源泉が「貧困からの脱出」「現在恵まれている人に追いつき、追い抜くこと」であり、そのパラダイムが彼らの力の源になっています。 それでは本質的に「家族」、「地域」、「国」という枠を抜け出すことはできません。 どこまでいっても「自分と自分の所属するコミュニティ」の向上に終止してしまいます。
それも悪くは決してないのですが、もう一つ目線を上げれるといいなと強く思います。 競争をして勝とうとすることが生物の性ですが、、、、、、
孔子の言葉に「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。 マズローの欲求五段階説じゃありませんが、ある程度満たされた人でないと、本当の意味で世界をリードするというのは難しいのかなと思います。
エネルギーをできるだけ節約することが生物の本能ではあるのですが、お腹一杯の先進国の恵まれたエリート諸兄には、是非世界とはどうあるべきかに思いを馳せてほしいと思います。

そして、

(先進国の)恵まれている人にしかできないことがあり、それに向かって本気で努力する者がいてもいいのではないか。 もし、そういう人に会ったことがあったら教えてほしい

とのことでした。

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トヨタ危機に思う。

日を経るごとに「まずいなー、まずいなー」とハラハラしていたトヨタ問題、結局米下院での公聴会までBBCで生中継で観てしまいました、全部は観なかったけど。
豊田章男社長が自ら(猛獣のごとし、海千山千の)下院議員の前に出て真摯な対応を見せたことでバッシングの嵐はひとまず過ぎた感がありますが(これからは損害賠償訴訟の嵐か?)、今回の件はすべての(日本国外でビジネスをする/しようとしている)日本企業は魂の底から震え上がり、即刻、自社の研修システム・人事制度などもろもろを改革するきっかけになるほどのインパクトを持っていたのと思うのですが、日本ではそういう機運や報道になっているんでしょうか?
1. 日本企業全体が不審の目で見られた
最もまずかったのは欠陥車の製造により事故を起こしたことではなく、それが判明した後の初動の遅さと対応の悪さだったのだが、トヨタに限ったことではなく日本企業全体のコーポレート・ガバナンスの欠陥と認識されてしまったのが、まずかった。
この点に関してはThe Economistが簡潔・明快にまとめているので以下に要約(The Economist : Accelerating into trouble)。

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出産・育児は2人でするもの

昨日の続き。
Antenatal class(出産前クラス)で感心したこと、2つめ。
イギリスでは母親だけを対象にしたクラスは「母乳セッション」というのがあるだけで、あとは基本的にパートナーと参加します。 私たちが行ったのは、日曜・月曜の2日間クラスと土曜の半日クラスでしたが、有休を取らなければいけない月曜も含め、全カップル、パートナーとともに参加。 私の夫はantenatal classに参加するために同僚が2週間している出張を1人、1週間で切り上げて帰ってきました(当然の権利ということで認められています)。
そこで男性陣はたーっぷりと「出産と育児は2人でするものなのよ!!! あなたは観客じゃないのよ!」と教え込まれるのです。
パートナー(たいてい父親なのでこう書くが、NCTのクラスでは”birth supporter”と呼ばれていた。 シングルマザーなどパートナーがいない人もいるので)がやることは結構多い。

  • 入院に備え病院用バッグに必要なものを詰める。 赤ちゃんが産まれた後で、助産婦に「はい、服出して」と言われて手渡すなど全部パートナーの仕事。
  • 昨日書いた”Birth Plan”とインフォームド・コンセントの質問リストを手元に、自分たちの望むお産になるよう母親の代弁者になる。
  • 陣痛が始まったら、呼吸を助け、マッサージをし、陣痛の間隔と長さをはかり病院に連絡する(クラスではこのマッサージの練習もした)。
  • 長丁場の陣痛の間、母親に水分補給と栄養補給をする(父親にとっても長丁場になるため、陣痛初期の頃は父親は起きていずに睡眠を取っておくように、というアドバイスも)。
  • 後産中や赤ちゃんが産まれた後の母親への医療処置中、生まれた直後の赤ちゃんを抱くのはパートナーの仕事。

そして産後はpaternity leave(父親の育休)中、一手に家事を引き受けるのはもちろんのこと、オムツ替え、お風呂入れ、ミルクを哺乳瓶で飲ませる、など山のように仕事が・・・

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お産のインフォームド・コンセント

私はイギリスに来て間もないので、この国のことをよく知りません。
また、日本でも(妊娠・出産はおろか)ほとんど医者にかかったことがなく、日本の医療についてもよく知りません。
その前提で、「へー、イギリスの出産に対する考え方、わりと好きだなー」と感心したことがありました。
来てすぐに夫とantenatal class(*1)に参加しました、NCT(National Child Trust)というチャリティー団体開催のクラスと病院開催のもの2つ。
*1・・・・直訳:出産前のクラス、日本で言うところの「両親学級」。 シングルマザーもいるので、こういうニュートラルな表現で呼ばれる(シングルマザーは母親や姉妹・友達など出産に立ち会う人と参加)。
感心したのは「出産はあなたたちが人生で病院と関わる中で唯一、受身ではなくproactiveに関われる機会なので自分が望む方法で望むお産を叶えなさい。 疑問やリクエストがあったら、”医師がこう言ってるんだから・・・”と納得してしまわずに聞きなさい」という姿勢が徹底していること。

  • 病院で提供されている陣痛の痛みを和らげる方法(*2)のPros & Consを事細かく勉強する。 無痛分娩(硬膜外麻酔)ももちろんあり、バランスボール使ったり歩き回ったり水中出産もあり。(*2・・・参考:イギリス子育てA to Z : お産時のPain relief&無痛分娩について
  • どういうお産がいいのか自分の希望を詰め込んだ”Birth Plan”を書き出す(痛みに耐える姿勢、室内で自分の持ち込んだ音楽をかけたい、赤ちゃんが出てくる際のパートナーの場所(頭側?それとも瞬間を見たい?)、してほしくない医療処置、へその緒は誰が切りたいか、etc.かなり細かく)。

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人生をスローダウンする – 2

昨日の続き。
私も下手したらDaphneのようになる危険性があったかも、と思います。 もちろん私はエンタメ業界の弁護士のような華やかなキャリアはないし、産後3日で仕事復帰しようとも思ってなかったけど。
その代わり、年初に10年計画と年間計画を立て、毎月の計画も立てていて、To Doリストを着々とこなしていくことに喜びを覚えるタイプです(→『幸せはバランスの上に』)。
妊娠してからも経過はすこぶる順調で、初期につわりがほとんどなかったというラッキーも重なり、8月にボルネオ、10月に日本、11月にロンドン、12月にメルボルン、1月にシンガポールからロンドン引越し、と毎月のように飛び回ってました。 引越し直前まで仕事して、(まだ決めてなかったけど)何となく産後3, 4ヵ月で仕事再開かなー、と思ってたし。
しかーし、そのまま順調にはいかなかった。 ロンドンに着いてからも引越し手続きでロンドン中を歩き回っていたら、体が悲鳴をあげました(注)。 すでに妊娠9ヵ月の私を人生初の腰痛が襲い(胎児のポジションが腰痛を起こしやすいポジションだった)、日を追うごとに歩けなくなりました。
特に、サービスアパートから家に移り、船便の家具を待つまでの1ヵ月間は最悪(しかも家に移った途端、夫が出張に出てしまったので、私ひとりに)。
(注)妊娠9ヵ月での海外引越しは無謀だ、とさまざまな方面から言われて私もそう思っていたのですが、また別の家庭の事情でこの時期にならざるをえなかったのでした・・・

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人生をスローダウンする – 1

知ってる方もいると思いますが、私、現在臨月の妊婦です。
今週後半からは37週でいわゆる「正期産」、いよいよいつ産まれてもいい期間に突入します。 ふーーー、ここまで長かった~~~
最近あまりにも身体的に大変で思うところがあったのですが、まずは最近読んで気に入ったTracy Hoggの育児書『Secrets of the Baby Whisperer』(邦訳:『赤ちゃん語がわかる魔法の育児書』)から一部引用。 イギリスではGina Fordの『The New Contented Little Baby Book』(邦訳:『カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』)と並び、ママ(to be)は全員読んでいる本(以下、長いので適当に端折って訳してます)。
アメリカで何百もの赤ちゃんのベビーシッターをしたTracyが出会った2人のママConnieとDaphneの話。 2人ともパワフルで自分のビジネスを持つビジネス・ウーマン。

■ Connie
35歳のインテリアデザイナー。 計画的に物事を行う性格で妊娠後期までに赤ちゃんの部屋の準備完了。 予定日前にスープ・シチューなど、温めるだけで済む料理をたくさん作って冷凍庫をいっぱいに。 クライアント全員に電話し、今後2ヵ月間は緊急時には、彼女以外の誰かが対応することを連絡した。
娘Annabelleが生まれた直後から、彼女の母・祖母・妹ら家族全員が協力して料理や用事を担当した。 そのため、彼女は1日中ベッドの中で過ごし、たっぷりと時間を取って母乳をあげ、娘Annabelleを知ることに時間を費やした。 彼女の母親が帰った後も、冷凍庫にたっぷり備えてあった料理を食べ、温める気力もないときはデリバリーをオーダーした。

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移民の街 ロンドン

知ってたけれど、ロンドンは移民が多い。
なお、ここでは移民2世はすでに完璧なブリティッシュ・イングリッシュを話し、イギリス人というアイデンティティーを持っていることが多いので(『私はアジア人 – その他』に出てくるカリブ系黒人、インド系などの多くはそうである)、自らイギリスにやってきた移民1世を指すこととします。
シンガポールにいた頃、キルギスタン人とミャンマー人と知り合ったことがありました。 人口1,300万人のアジアの大都市東京に何年いても普通に暮らしていてキルギスタン人、ミャンマー人と出会うことなぞなかったので、「さすがアジア中から人が集まるシンガポール!」とミーハーにも(?)感嘆したものです。
シンガポールにアジア中から人が集まる一方、ロンドンではヨーロッパ中から人が集まっています。 特に飲食業・小売・サービス業は多いですねー(というのはどこの国でも同じだと思いますが)。
まだ来て1ヵ月ですが、今まで出会ったことのない国の出身者の話をメモがてら。

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超富裕層の悩み

HNWIs(High Net Worth Individuals)という人種がいます。
Merrill LynchとCapgeminiが毎年出すGlobal Wealth Reportによると、US$1mil.(約9,000万円)以上の金融資産(居住用不動産除く)を持つ人たちのことで、全世界に860万人いるそうです(2008年)。
Wikipedia : High net worth individual
高給サラリーマンにも手が届く層で、私の同級生でも夫婦どちらかがバンカー(*1)でVPやMDレベル、もしくは夫婦両方バンカーの場合、この層に該当していると思います。
*1・・・一般的に”Banker”という場合、欧米投資銀行のフロント業務(トレーダー、ディーラー、ファンドマネジャー、M&A、セールス etc.)についている人を指し、30代前半(VPクラス)で3,000万 – 1億円、35歳以上(MDクラス)になると6,000万 – 10億円? という高報酬が得られます(過半がボーナスなので年によって大きく異なる)。 その代わり競争は熾烈で激務なので、辞めていく人も多い。 日系銀行の課長・部長とは全く異なる人種。
どんな生活をしているかというと、ロンドンであればセントラルの北・北西の高級住宅街に家賃120万円/月のアパートに住み、住み込みナニーに払う年間コストが1,000万円、私立小学校に通う子供の学費が年間300 – 400万円/人、といった感じ。 いるところにはたくさんいるので、生活は垣間見られます(見たいかどうかは別として)。
普通のサラリーマン(といっても幅広いが)の生活コストすべてにゼロをひとつ足したくらいの生活ですが、基本はサラリーマンなので、この生活を支えるために、少なくとも夫婦どちらかが身を粉にして働く必要があります。
そして、その上にUltra-HNWIs(Ultra-High Net Worth Individuals)という人種がいます。
US$30mil.(約27億円)以上の資産を持つ人たちのことで、全世界に95,000人いるそうです。
このクラスはサラリーマンはなれず、会社オーナー・大企業経営者・トップクラスのアスリートや芸能人・代々の資産家・・・etc.などでしょうか? この層は働かなくてもいい層で、生活はちょっとやそっとで垣間見ることはできませんが、今日はこのUltra-HNWIs(超富裕層)と接した友人から聞いた話。

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Julia ChildのBoeuf Bourguignon

一般的に男性の方が女性より(その対象が何であれ)オタク度が高いのではないかと思う。
私は特に何でも興味を持ってしまう代わりに興味の対象が散漫になりがちで昔から極めてオタク度が低い、一方で夫の方はマイブームが比較的深く長く続くようです。
その特性が適切な方向に向くと、とてつもない恩恵を受けられてしまった、というお話。
義母は昔ル・コルドン・ブルーでディプロマを取ったとかで家でスフレとか焼いちゃうし(家でスフレって焼けるのね・・・)、義父もこちらの通りのグルメ、という恵まれた食環境で育った夫ですが、独身の時はパスタのソースを(買ってくるのではなく)自分で作る程度でした。
結婚後、なぜかみるみる料理に目覚め、旅行先の料理(スパニッシュ→イタリアン→南インド)に片っ端からはまっていきました。 ところがシンガポールは食糧自給率が5%くらいというお国なので、とりわけ西洋料理食材は高く(質の高いものはオーストラリアから航空便で輸入している)、鶏肉以外の肉は目玉が飛び出るほど高かったので、夫の不満は募るばかり・・・(& 我が家にはオーブンがなかったのが致命的)。
ロンドンに引っ越すことが決まってからは、「オーブンで○○作るんだ! △△も作るんだ!」と食べ物の話ばかりしてたし、家探しの際には一緒に近所のbutcher(肉屋)も探してたし・・・(苦笑)。
そんな彼の料理ブームに見事なタイミングでヒットしてしまった映画が(日本でも上映中?)『ジュリー&ジュリア』

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