Category Archives: 海外に住む

海外日本人をデータで見る

前にちょこっと書いたけど(→『若いアジア』)、私は統計大好きです。 ちょっと前のisologue『データを見ない人々』というエントリーに、

日本の99%くらいの人は、おそらくほとんどデータを見ずに(「観念的」に)仕事や生活をしてるはず

とあったので、「ひょえーー」と仰天したのですが、根拠を示さない観念的な話を聞くと「うーん、データで示してよね」と思ってしまいます。 統計は恣意的な使い方もできるし、統計で嘘をつくことも簡単だけど、そういうところも含めて面白い。
今日は私の好きな統計のひとつ、外務省の海外在留邦人数調査統計をご紹介。
「どんな国・都市にどんな日本人がいるの?」ってことが手にとるようにわかる(?)すぐれもの。 3カ月以上海外に在留する場合に届出が義務づけられている在留届を基にしているので、日本国籍を持つ外国の長期滞在者と永住者が対象。
ところでこの「在留届」、今はオンラインで届け出られるようになり、私はマメに届け出ているのですが、夫がオーストラリア領事館に出している気配はなし、制度がないのかも。 ひょっとして外務省(& 日本人)ってすごくマメ???
海外在留邦人とひとことで言えど、そのプロフィール(性別、職業、家族帯同状況など)は国によって都市によって全然違うのですな。 次に、シンガポール・イギリス・アメリカ 3ヵ国の海外日本人の性別と職業を円グラフにしてみました(暇だな、私・・・)。 この3ヵ国はこのブログのアクセスが多い3ヵ国です。

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二重兵役の義務

ある人によると「世界一簡単に永住権(Permanent Residency)が取得できる国」(*1)であるシンガポール、私の周りにも永住権保持者(Singapore PR)がうようよいます(*2)。 現在、シンガポールの人口が約500万人、うち市民が320万人(64%)、PRが53万人(11%)、残りが外国人なのでどれだけ外国人の多い街かわかることでしょう(Statistics Singapore)。
*1・・・どこの国でもそうだけど、その国に留学するのは長期滞在→永住への最も近道(血縁関係がない場合)。 INSEADの場合、1)2ヵ月 x 5ターム = 10ヵ月間のプログラム中、3ターム(= 6ヵ月)をシンガポールキャンパスで過ごすこと、2)シンガポールキャンパスで卒業すること、の2つを満たし、卒業後シンガポール内で職を見つけると永住権申請資格があります(2004年時点)。 夫はこの方法でPRを取得し、私はPRの配偶者としてPR取得しました(→『シンガポール永住権取得!』)。
*2・・・日本人永住者は意外と少なく、在留邦人25,969人中、永住者は1,352人のみ(外務省 海外在留邦人数統計 平成20年速報版)。 民間企業関係者が多く、2 – 5年で帰る人が多いため、と思われます。
永住権はワーク・パーミット・ホルダー(シンガポールではEmployment Pass)と異なり市民に準じるような利点(ベネフィットについては下記リンク参照)も多いですが、一方で義務も生じます。
Singapore Permanent Residence – Benefits and Drawbacks
シンガポールPRの間で最もよく出るトピックが「第二世代PRに課せられるNational Service(兵役)の義務」。

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年の瀬ですが・・・

年の瀬ですね・・・ 季節を感じることのない常夏シンガポールでも年の瀬になると妙に焦ってしまうのは日本人だからでしょうか・・・?
夫婦お互いの母国ではない第3国に住むのを結構気に入っている私ですが、自分の文化の季節のイベントや伝統の行事が全く盛り上がらない、というのがネックです(→『多民族国家の祝日の過ごし方』)。
今、街中ではもちろん商魂たくましくクリスマス・イルミネーションでいっぱいですが、まあ風情はゼロです(暑いってのも風情を感じさせないのかもしれない、というと、「クリスマスは夏のものだ」という南半球出身の夫が怒るが)。 やっぱり中華の国なので街中が一番盛り上がるのは中国正月、次いで中秋節。
私が実家に住んでいた頃は、家に帰って玄関のドアを開けると靴箱の上のスペースに必ず季節の飾り付けがしてありました。 それを見て「ああ、もうすぐ雛祭りだなー」とか感じ、雛祭りにはちらし寿司を食べ、端午の節句には柏餅とちまきを食べたものです。
私もそうしようと決心していたのに親元を離れてひとり暮らし時代はそんな面倒なことするわけもなく(笑)、結婚してからも全くしていません。 シンガポールには明治屋と伊勢丹スコッツという品揃えバツグンの日本食スーパーがあるので、買おうと思えばいくらでも買えるのに・・・
去年の大晦日に年越しそばを食べて、今年のお正月にお雑煮をつくったのが、最初で最後でした・・・

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外国人お部屋探しの高い高い壁

今回、1週間ひょいっとロンドンへ飛び、10件あまり物件を見て回って帰ってきてメールや電話で賃貸契約の手続きをしながらふと思ったのですが、これって外国人が日本で同じことやろうと思ってもきっと無理ですよね・・・(日本語ペラペラ、言語の壁はないと仮定)。
初めの壁はズバリ「外国人お断り」の大家さんが多いこと。
ロンドンではまああり得ない。 私たち「何人か?」って聞かれなかった気がするし。 もちろん、「なぜロンドンに来るのか?」(→職を持っていることの確認)、「何の仕事をしているのか?」(→支払い能力の推察)は聞かれました。
そして思い出すのが、私がモスクワに長期出張していた時に東京のアパートを解約せずに行ったときのこと。
東京のアパートは1 – 2ヵ月に1回(3 – 4日)という頻度で戻ってくるという空き家状態でした。 その頃INSEAD後輩のタイ人(日本語ペラペラ)がどうしても日本で働きたくて東京で超薄給の職を見つけ、とにかく安く住めるところを探していたので、私がいない間、住まわせてあげることに。 大家さん(80代夫婦)が隣の家に住んでいたのですが、一時帰国中に説明に行く暇がないまま、タイ人の彼女に合鍵を渡し再びモスクワへ出てしまった私が悪かった。
数日後、私は実家の母親から未明の電話で起こされ「外国人がアパートに居座っていたので、(大家さんから連絡を受けた)不動産屋が追い出し合鍵を取り上げた」ことを知らされたのでした。 大家さんに説明しなかった私が悪いんだけど、彼女、日本語は堪能なので状況説明したはず。 もしこれが日本人だったら追い出すまでするかなー・・・?

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大英帝国の末裔ビザ

結構よく「どういうVISAでイギリスに行くのか?」と聞かれるので書いておきます。 海外で働こうとすると、避けて通れない問題ですものね、VISA。
ただし、ほとんどの日本人には全く関係ないVISAですし、外国で永住権を取ろうと苦労している人からは刺されそうな内容ですが・・・
もともと、夫の会社で転勤という形なので、夫の会社がスポンサーとなり労働許可付VISAはおりるのですが、この方法は会社にとっても高コスト(*1)だし、本人にとっても転職が容易ではない(*2)ので、違うVISAで行くことにしました。
*1・・・なぜ同じような人材がイギリス国内で雇用できないのか、EEA欧州経済圏に適格者がいないことを証明するために求人広告を出す必要がある、などコストがかかる。 会社ごとにスポンサーできる人員の上限もあるはず。
*2・・・スポンサーである会社あってのVISAなので、転職の場合はスポンサーとなってくれる企業を探す必要があり、労働許可証を必要としないEU出身者と比べ不利となる。
この「違うVISA」とは”UK Ancestry Visa”と言う、
1. The Commonwealth(イギリス連邦)の市民
2. 祖父母のうち1人がイギリス国籍を持っている/持っていた
という条件を満たしていれば、「イギリス人を祖先に持つ」とみなされ、「血縁関係を証明」でき、「イギリスで働く気」があれば(職の内定はなくてもよい)、5年有効の労働許可付VISAがおりてしまうという、トランプのジョーカーみたいなもの(5年経つと自動的に永住権申請資格がある)。
The Commonwealthとは大英帝国の植民地だった国が独立後も緩やかな連合体を形成している仲良しクラブ(加盟国:カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど)のことですが、単に集まってクリケットして遊んでるだけじゃなくて、実質的なメリットもあったのね・・・

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日・星・英 不動産屋考

昨晩シンガポールに帰宅。
見事に時差調整に失敗し、激しく時差ボケ中・・・
クリスマス前のロンドンを満喫する余裕も全くなく、物件巡りに明け暮れてしまったのですが、不動産屋って面白いビジネスですねー
いろいろな都市に住んだことがあるわりには、本気で家探し(賃貸物件)をしたことがあるのは、東京、シンガポール、ロンドンで各1回ずつだけ(あとの街は会社の借り上げマンションやサービスアパート、すでにハウスメイトが見つけた家に入るだけ、などだった)。 以下、非常に限られた経験しか持っていない私の独断と偏見に基づく各国不動産屋事情の考察。
良い不動産屋さんに出会えることが、効率の良い物件探しの第一歩であることはどこの都市でも一緒。 ただし、各国によって不動産屋のインセンティブ(報酬)の源泉が違うので、それを知る必要があります。
1. 東京
大家さんから直接委託された元付不動産屋が複数の不動産屋と物件情報を分け合っている場合、仲介手数料(契約者が支払う)は元付店と契約者側の客付店とが折半する形が一般的だと思います。 この場合、契約者側の客付店は契約者が満足して合意しないと一銭も収入になりません。
うかうかしていると同じ物件を他の客付店に契約成立されてしまうかもしれないので、客側に立って一生懸命になる不動産屋も比較的多いような気がします(もちろん強引に申し込みを勧めたり、そこはそれぞれ)。
探し方は、最近はネットで探す人も多いと思いますが、やっぱり駅を中心に生活圏ができあがる東京では希望エリアの駅前の不動産屋に直接飛び込むっていう人が多いのでは?

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家探しでわかる都市政策

ロンドン家探しの旅も今日が最終日。
あーーー、疲れたーーー!!!
東京やシンガポールでの家探しの比ではないくらい疲れたのは、慣れてないからなのか・・・?
いや、とにかく治安のいい場所と悪い場所が同じエリアに混在していて、あらゆる人に口を酸っぱくしてアドバイスされた「同じ地区でも、通りが1つ違っただけで雰囲気も治安もがらりと変わる」「治安のいい場所と悪い場所がパッチワーク状に混じっている」がもろにその通りで、実際物件まで見に行ってみないと本当にどんなところかわからないからなのです。
なぜこういう事態が起こるかというと、国の都市開発政策が影響しています。
非常に興味深いので、同じく多民族社会であるシンガポールとパリと比較してみます。
1. シンガポール
多民族国家であるシンガポールでは、民族別の居住エリアを作らせないために、国民の80%が住む公団には民族ごと(中国系、インド系、マレー系)に(人口上の民族構成に従い)入居の割合上限が決められています(→『多民族共生の実験場』)。 この政策は非常に功を奏し、一般に治安は非常に良いです。
ただし、1965年に誕生した新しい国家の一からの建国政策であり、人民行動党(PAP)の一党独裁のもと実施されており、また欧州各国のような福祉はなく、外国人は労働力として受け入れているだけで難民などは受け入れていないので、単純に素晴らしい政策だと持ち上げることはできません。

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成熟国からの視点

来年早々のロンドン引越しのため(→『ロンドンに引っ越します』)、家探しetc.のためにロンドンに来ています。
「次はロンドンからの視点を楽しみにしています!」というエールをたくさんもらったので、引っ越すにあたって、このブログ的な抱負を。
古今東西、国や文明というのは揺籃期→成長期→成熟期→衰退期といった栄枯盛衰を繰り返してきました。 もちろんこのサイクルを一直線にたどるわけではなく、中国のように栄華を極めた後、しばらく衰退したと思ったらまた復活してきた国があるかと思えば、ポルトガルやアルゼンチンのように果たして復活することがあるのか不透明な国もあります。
残念ながら人間の一生は国の栄枯盛衰のサイクルより短いので、生きている一生の間に国がどの過程にあるかというのは、国民のメンタリティに大きな影響を与える・・・というのは言わずもがな、ですね・・・
私はシンガポールという成長期からそろそろ成熟期に差しかかろうかという若い国(青年国)にいて、「そうそう、若い頃は私もそうだったよ」とまるで老人のような心境になることがありました。
例えば、経済成長のための開発を優先させて歴史的建造物を壊してしまうところとか(→詳しくは『無知な外国人の赤っ恥』)。
実際は、日本の高度経済成長期はリアルタイムで生きていないし、バブルの記憶すらほとんどないのですが、やっぱりこの「成長・成熟期を終えてしまい老いを迎えた人」のような心境って育ってきた環境により体にすり込まれているのかもしれません。

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ロンドンに引っ越します。

昨日の話の続きで「世界の他の場所も見てみたいから」というわけではありませんが、年始早々ロンドンに引っ越します(それまでに何事もなければ)。
キャリアが「やりたいこと」と「できること」の交差するところだとすると、住む場所も「住みたい場所」と「(現実的に)住める場所」の交差する場所。
単純に好き嫌いだけだと、私の理想(妄想)はこんなとこ(①)。
– 文化度が高い落ち着いた街並み(低いビル)
– 公共交通(& 自転車)が発達していて車のいらない生活
– 街中に路地が多く、シャレたカフェ、隠れ家レストラン、個性的なセレクトショップ、ギャラリーなど街歩きが楽しい
– 食料品の買い物は商店街やファーマーズマーケットで新鮮な野菜を調達
– はっきりとした四季のある気候
– 食べ物が美味しい
– 国宝級展示物が並ぶ美術館からストリートアートやアングラ演劇まで文化が育つ街の空気
– 大きすぎず小さすぎない手ごろなサイズの街
・・・・・
端的には、パリ(フランス)と京都が世界で一番好きな街。
実際には、これに現実の壁がはだかります(②)。
– 2人とも仕事ができるレベルの言語は英語だけ(→英語圏)
– 仕事のオポチュニティーが十分にあることが必要(→大都市)

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はたらけ シンガポール

今日はこのブログも情報収集のために活用しながら見事、シンガポールで職を見つけ1月から新生活を始める本間さんのお話(『渡辺千賀のはたらけシリコンバレー』風にお届けします)。
本間さんと言えば『世界級ライフスタイルのための婚活』に登場したご夫婦(JTPAツアーでシリコンバレーで出会う)の奥さまの方です。
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JTPAシリコンバレーツアーに参加して以来、「30歳までに日本以外の国で働きたい」と思っていた。 ツアー中に会って、性格も夢も近い旦那さんと結婚したのが2008年9月。 2009年5月には『第2回 世界級ライフスタイルをつくる会@シンガポール』参加ついでに旦那さんとともにシンガポールを視察。 暮らしやすそうなシンガポールの環境に「ここだ!」と確信した。
帰国後、シンガポールの大手日系人材紹介会社の登録会兼相談会に参加し、シンガポールの仕事状況について話を聞きに行った。 事務職の給料はSGD2,500からなのに、家は安くてSGD1,500(=約10万円)からと聞いて、シンガポールの家賃の高さにびっくり(後に、もっと安い賃貸もあるとわかって一安心)。 さらに希望する出版関連の仕事はほとんどない!という現実を突きつけられて、「シンガポールで働くなら営業事務や一般事務で手を打つしかないのかな・・・」と、意気消沈。 いちおう人材紹介会社への登録だけはしておいた。

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