Category Archives: 海外に住む

国の価値観と個人の価値観

このブログのタイトルに込めた意味を、

日本国内だけではなく世界中から自分のライフステージに合わせてベストなライフスタイルを選ぶ生き方

とした通り(ABOUTページ参照)、私たちは半年前、今のライフステージに合った場所という仮定のもとロンドンにやってきました。
今のライフステージとは「子育てステージ」。
次の15-20年間は教育を含めた子どもの環境を一番のプライオリティとして住む場所を選ぶことになります。
清潔だし治安はいいし物事がスムーズに運ぶし家事はしなくていいし・・・この上なく生活が楽なシンガポールを去って(←未練たらたらな私たち、笑)、ロンドンに来た理由は、私たちが子どもに持って欲しい価値観とシンガポールという国(政府)が最優先している価値観が合っていなかったことが大きいです。 『ロンドンに引っ越します。』に書いた理由は、この根幹の価値観が具現化した結果という言い方もできるかも。
企業経営の根幹にミッション(使命)・ビジョンと並んでバリュー(価値)があるのと同じように(*1)、国にもその根幹をなすバリューがあることを示すものとして次のような表を見たことがあります。

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Ready mealでピクニック

6月から素晴らしいお天気がずっと続いているロンドン。
冬の間の渋顔と同じ人間か?と思うほど人々の笑顔が明るい最高の季節ですが、一番たくさんの笑顔が集まっている場所・・・それは至るところにある緑地(コモン)や公園じゃないかなー
richmond_river.JPG晴れた週末には「家の中に人がいないのでは?」と思うほど、緑あるところピクニックしている人あり(右の写真はリッチモンドのテムズ河岸)。
もともとピクニック好きの私も、家族でピクニック、ママ友達と集まってピクニック、息子と2人でピクニック(笑)と、週2回はピクニックをしています。
ロンドンのピクニックのいいところは、家から歩いてすぐ緑があり、からっとした天気がピクニック向き、という環境の良さもさることながら、とにかくその気軽さ。

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シンガポール永住権放棄・・・

今日、ロンドンのシンガポール領事館まで出向き、シンガポール永住権を放棄する申請をしてきました。
私が取得した経緯はこちら→『”シンガポール市民になりませんか?”』『シンガポール永住権取得!』
(最近のシンガポール永住権取得は私が取得した頃よりハードルが上がっているようなので、最新の情報はご自分でシンガポール入国管理局にお問い合わせください)
せっかく取得した永住権を何も自ら放棄しなくても・・・と思われるかもしれませんが、理由はCPF(シンガポールの年金・医療保険積立制度)です。 CPFについては『社保庁は見習ってほしいCPF』に詳しく書いていますが、個人口座に積み立てられるもので、他国に移住する際は引出しができるのです(そのためには永住権の放棄が必要)。
シンガポールに今後住む予定のない人にとって、CPF口座にある積立金はキャッシュ(現金)と同じ、引き出すことにしました。 永住権放棄には一抹の寂しさも感じましたが、まあ、永住権のコレクターになっても仕方ないし。
相互扶助型の国民年金の積立て額不足は高齢化が進む先進国政府にとっては頭の痛い問題で、それを解決する個人積立はオーストラリアでもSuperannuationと呼ばれてすでに導入されています。 他の国でもあるのかなー? 『海外居住者の年金ポータビリティー』も私たちのような根なし草にとっては重要問題。

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遠くの親戚より近くの他人

出産前は「風邪なんて何年もひいてない、どうやったらひくのかわからない」と豪語していた私。
自分の両親に続き、義父母というスーパーヘルパーが帰った後は、
睡眠不足かつ気温の変化が激しい天気で風邪をひく → 母乳育児中なので下手に薬も飲めない(& 休日なので医者にも行けない)→ ゴホゴホ・ズルズルしながら夜中も授乳する → 息子に風邪がうつる → 息子は鼻が詰まって苦しいのか夜寝付きが悪く何度も起きる → 私も寝られずますます睡眠不足になる → 再び風邪をひく・・・
という悪循環を繰り返していました。
シンガポールにいた頃、仲良くしていた友達が乳児を持つママさんたちで、異国で親に頼れない中で育児に奮闘する彼女たちを見ながらイメトレした結果(笑)、気づいたことが「遠くの親戚より近くの他人」でした。 最近、本当に痛感しています。
妊娠がわかったときにすでにロンドン行きが決まっていた私たち。
1. 妊娠後期でのロンドン引っ越しを決行しイギリスで産む
2. 夫の転勤を遅らせてもらいシンガポールで産む
3. 日本で里帰り出産をする
という3つの選択肢があったのですが、夫が数ヶ月間生まれたばかりの子どもと離ればなれになる3. 里帰り出産はすぐ却下。 ロンドン or シンガポールの選択でロンドンに決めたのは、出産前から近所のネットワークを作って地域のコミュニティーに子育てを手伝ってもらおうと思ったから。
出産そのものはこの3ヵ国の中でイギリスのNHSが一番ワイルド(= きめ細かいケアを期待してはいけない)なので特に初産にはあまりお勧めしませんが・・・

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ロンドンにとっての地方

以前書いたように(→『子育て環境の良い赴任地』『オーストラリアのアジア化構想』)、20代から30代にロンドンで数年働くオーストラリア人は多く、ロンドンには数多くの夫の高校・大学の同級生がいます。 彼らはUK Ancestry Visa(→『大英帝国の末裔ビザ』)やワーキングホリデービザで来英し、仕事を見つけたら労働ビザに切り替え数年働きオーストラリアに戻るケースが多いのですが、こちらで出会った人と結婚して残る人も多い。 同様の傾向は同じコモンウェルス諸国のニュージーランド人や南アフリカ人にも数多く見られます。
彼らにとってロンドンの魅力は、英連邦として文化的に近く、給与レベルが高い仕事のオポテュニティーに溢れ(弁護士、看護士など共通して活かせる資格も多い)、(南半球にある自国に比べると)世界各地にはるかに旅行しやすく、エキサイティングな国際都市であること。
集まると共通の話題は、天気の悪さ・食事のまずさ・物価が高いため(特に家賃)あまり貯金できないこと、周りの同胞がいつどういうプランで自国へ帰るか・・・です。 最近はそれに加え、ポンドの暴落・オーストラリアドルの高騰でせっかく貯めたポンド建ての貯金の(オーストラリアドル建てでの)価値が以前の6割ほどになってしまい、ますます帰れなくなったことを嘆く声が増えました。

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ルーム・シェアのススメ

話題になったらしい『Chikirinの日記:就職氷河期 サイコー!』というエントリー。 私はあまり本筋ではない下記の部分にかなり同意です。

当面、若者はどんどん貧乏になるから、高い家賃が払えなくなっていやおうなくシェアハウスに住む人も多くなる。 ああいうところは、神経質すぎる人、清潔でないと生きていけない人、違う価値観の人と折り合えない人にはとてもつらい。
子供の頃から個室が当たり前で育った僕ちゃんは、このままではアジアでなんて絶対働けない。 でもお金がなくなるとそうはいかない。 いやでも住む場所を他人とシェアすることになる。 すると、性格がおおざっぱになり、雑多な環境にも慣れる。 そう、インドや中国でぐちゃぐちゃになりながら働くのに適した性格の人がいつのまにか増えるのだ。

留学時にハウス・シェアをしたことは今までやってよかったことTop 3に入るくらいなので、ルーム・シェア大推進派なのです、私。 欧米では若い人がシェアするのは当たり前なんだけど日本でもっと一般的になればいいのに。
私が留学したINSEADフランスキャンパスはパリの南60kmの森の中にあり、学生は近隣の村に家を借りてシェアし車通学するか、学校目前のアパートのワンルームを借りて徒歩通学するか、という選択がありました。
それまでひとり暮らしが快適で他人と(しかも外国人!)シェアをした経験がなかった私は、「気が合わない人だったらどうしよう? 夜中まで騒がれたり、超不潔だったら? 赤の他人の男と住むなんて・・・」とひたすら2ヵ月くらい悩みました、今となっては信じられないけど。

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英語で聞いてみる階級の違い

イギリスに住むと言ったとき、アメリカ人やオーストラリア人に「あんな階級社会・・・」とよく言われました。 移民でできた新しい国は階級がないことを出発点としているので(もちろんその後、経済格差による格差はできるのだが)反発心も強いんでしょう・・・ と思いつつ、イギリスには今年初頭に引っ越す前に10回くらい来たことがあったのに(→『Back to London-on-Thames』)、階級社会ってどういうものなのかいまいち肌身でわかりませんでした。
ロンドンに引っ越してきて2ヵ月、ようやく何〜となくわかってきました。 着ている服が違う、行くスーパーが違う、住む場所が違う、住む家のタイプが違う、読む新聞が違う、そして何と言っても話す英語が全っ然違う!
以下、『小林恭子の英国メディア・ウォッチ』より階級の内訳と特徴です。

上流: 貴族、紳士階級、土地所有者など。先祖代々の土地や資産を受け継ぎ、国内で最も裕福な層。 BBCのアナウンサーなどが使う発音で英語を話し、パブリック・スクールで教育を受ける。 狩猟、乗馬などを楽しむ。ビジネスを嫌悪する傾向も。

上・中流: 教育程度の高い家庭出身で自分自身も良い教育を受けた層。アッパークラスの発音や生活様式を模倣しようとする。 弁護士、医者、軍隊幹部、学者、官僚、株式ブローカーなど。 文化的リーダーシップを取る。

中・中級: 上の階級よりは教育程度がやや低いブルジョアジー。 地元企業の経営者、大企業の中間管理職など。 BBC英語に少々地元のアクセントを入れて話す場合もある。

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雪とエアコン

London_snow.JPG今朝起きると窓の外は一面の雪景色。
久しぶりに見る雪に「わー♪」と歓声をあげる私。
同じく歓声をあげる(雪が降る国に住んだことのない)夫。
雪見て喜ぶのも今日が最後かもしれないので(笑)、写真を貼っておきます。
先週から大寒波の到来しているヨーロッパ。
ロンドンは30年ぶりの大雪だとかで「ロンドン寒いよ、寒いよ~」とさんざん脅されて来たのですが、よくよく考えると私は過去10年の間に、トロント、フランス・パリ郊外、モスクワと3回も冬はマイナス10 – 20℃になる場所で冬を越したので、そんなに珍しくもない寒さだったのでした(一番寒かったのはモスクワで経験したマイナス27℃かな?)。
なお経験上、マイナス10℃までは防寒対策をすれば外を出歩けます(モスクワでも冬、ガンガン散歩していた)。 マイナス10℃以下になると、頭痛がしてくるのでちと厳しい。
また、防寒対策の基本は、
1. 重ね着
2. 隙間を作らない
です。 服が足らないので買わねば・・・

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誰でもアメリカ人になれるアメリカ

年末のThe Economistのクリスマス特集(2週合併号)は面白い記事がたくさんありました。 今日はその中からひとつ(→こちら)。
“A Ponzi scheme that works”というタイトルがまず洒落ている。 ”Ponzi scheme”とは「ねずみ講」という日本語訳が当てられることが多いですが、小額の資金を元手に次々と投資家を集め、運用したリターンではなく次に集める投資家からの資金から支払う(従っていつかは破綻が約束されている)金融詐欺の手法。 去年のナスダック元会長マドフの巨額詐欺事件でまたホットな用語となりました。
この記事は金融詐欺の話ではなく、「アメリカとは外からの資金・労働者・頭脳の絶え間ない輸入に頼っている、本当に機能する”Ponze scheme”だ」という意味を込めたアメリカへの移民に関する記事。
私も去年は2つの調査結果に驚きました。
ひとつめは『他国へ移住したい人は全世界で7億人』に書いた米ギャロップ社による調査。 アメリカへ移住したい人が約1億6,500万人と2位以下を大幅に引き離し断トツの1位。
ふたつめはFuture Brand社によるCountry Brand Index。 こちらは旅行・観光分野における国のブランド力を評価したもので、こちらもアメリカが1位。
そんなに好かれている国だったとは・・・ 最近極めてイメージが好転したのはオバマの力も大きいと思いますが。

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20、30、50年後を想像しながら動く

新年明けましておめでとうございます。 昨日メルボルンから帰ってきました。
今年は場所をシンガポールからロンドンに替えて、このブログは続きます。
シンガポールでは2008年9月のリーマン・ショックから2009年前半が景況感最悪で、後半はすっかり不況を脱した感があります。 二番底の懸念もされていますが、巷に深刻に心配している人はいないような・・・
オーストラリアも金融危機の悪影響が先進国の中で最もマイルドだったこともあり、のんびりしたものです。
2008年6月というリーマン・ショック前に始めたこのブログ、そのわずかな間に、日本を覆う空気はものすごく変わってしまった(悪化した)気がします。 仕事は日本と関係がなく、あまり日本に帰らないので、ブログなどを通じて間接的に感じているだけですが。
特に去年は「日本を脱出する・しない」論がブログ界で活発になり、実際にシンガポールに移住してくる人の話を頻繁に耳にするようになりました(名前は出しませんが、誰でも知ってるような私企業の社長など)。
そして、つい最近、城繁幸さんのブログ『海外脱出の覚悟』というエントリーのコメント欄に、このブログが「海外流出組のブログ」としてリンクされているのを見て笑ってしまった。 私が海外に住んでいるのはちっとも「日本脱出」が目的じゃないですから・・・
今の世界、少子高齢化が進む先進国で生きるのは日本じゃなくてもどこの国でもそれなりに大変です(→『「老後」がなくなる日』)。 荒波を乗り切るには人生のパートナーがいた方が心強いです。 私は人生を一緒に生きたいと思った人が日本人ではなかったため、チームとしてのパフォーマンスを最大化できる場所・今のライフステージにベストだと思う場所が日本ではない、ただそれだけです。 もちろん、いろいろな場所に住んで見・聞き・経験したいというポジティブな理由も大きいです(→『”世界級”でいることに何の意味があるのか?』)。

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