ロンドンにとっての地方

以前書いたように(→『子育て環境の良い赴任地』『オーストラリアのアジア化構想』)、20代から30代にロンドンで数年働くオーストラリア人は多く、ロンドンには数多くの夫の高校・大学の同級生がいます。 彼らはUK Ancestry Visa(→『大英帝国の末裔ビザ』)やワーキングホリデービザで来英し、仕事を見つけたら労働ビザに切り替え数年働きオーストラリアに戻るケースが多いのですが、こちらで出会った人と結婚して残る人も多い。 同様の傾向は同じコモンウェルス諸国のニュージーランド人や南アフリカ人にも数多く見られます。
彼らにとってロンドンの魅力は、英連邦として文化的に近く、給与レベルが高い仕事のオポテュニティーに溢れ(弁護士、看護士など共通して活かせる資格も多い)、(南半球にある自国に比べると)世界各地にはるかに旅行しやすく、エキサイティングな国際都市であること。
集まると共通の話題は、天気の悪さ・食事のまずさ・物価が高いため(特に家賃)あまり貯金できないこと、周りの同胞がいつどういうプランで自国へ帰るか・・・です。 最近はそれに加え、ポンドの暴落・オーストラリアドルの高騰でせっかく貯めたポンド建ての貯金の(オーストラリアドル建てでの)価値が以前の6割ほどになってしまい、ますます帰れなくなったことを嘆く声が増えました。


私は夫が同級生と集まるたびに繰り返される会話を聞きながら常々、「東京にいる関西人の会話とそっくりだなー」と思っていました。 『やっぱり道州制かなー?』に書いた通り、私の高校・大学時代の友人はほとんど関西出身ですが、今、約7割は首都圏にいます。 夫の同級生と異なるのは、ほとんどが首都圏に定住しそうで関西に帰る人がいないところでしょうか。
オーストラリア人は帰る人が多い、と言えども、ロンドンに働きに来たからには一定割合で戻らない人が存在し、10年前と比べてもイギリスに(少なくとも定年までは)定住するオーストラリア人・NZ人は増えているので、地方→東京のような流れが国を越えて起こっているのだな、と思います(早めに退職してオーストラリアに定住するイギリス人、という逆の流れも大きい。 天候のいい地方にリタイヤする都市勤労者と同じ発想)。 自国内の地方だけからでなく他国から人を惹き付けられる都市、ジャック・アタリの言うところの「中心都市」(→『未来の歴史とノマドの時代』)は強い。
先進国の中でも金融危機で受けた打撃が大きかったイギリスですが、いったん惹き付けた人たちはそんなに簡単に踵を返して帰らない(帰れない)ので、豊富な人材を活かして復活してほしいものです(何のセクターで復活するか、が課題)。


3 responses to “ロンドンにとっての地方


  • こんにちは。おおっなんと今の私にタイムリーなトピック。と思いコメントさせていただきます。
    私は関西に帰ったのも束の間、(中学、高校は奈良ですからね!)就活してみた結果、東京に職が決まったので来月東京に引っ越します。今度は外資の船会社で働きます。やってみたいなと思う職、もらえる給料等考えるとやっぱり東京になっちゃいました。住むには関西が一番好きなんですけどね~まぁ独身だし、まだ若いんだし、とりあえずまた東京戻ってもいっか!って感じです。最近、平城遷都1300年とかで、せんとくんという何ともコメントのつけがたい人形が阪神なんば線の駅のあちこちにつってありますよ~

  • Kaz

    NZも英国行く人、英国から来る人、また戻る人、など周りに多いのですが、会計士等の資格保持者は別にしてそれほどスキルもなく英国で働いてもそれほど稼げるように思えないのですが、どうなんでしょう。
    以前リサーチしたのですが、衣食住費が高いし、通勤コストもかなり高い割に、給与レベルが低いように感じました。
    若い人は大勢でフラットを借りて節約してがんばって貯金して帰ってくるという話も聞きますが。

  • la dolce vita

    >ぴさん
    お久しぶりです〜
    >就活してみた結果、東京に職が決まったので来月東京に引っ越します。
    転職おめでとうございなす!
    >まぁ独身だし、まだ若いんだし、とりあえずまた東京戻ってもいっか!って感じです。
    私もそういう軽い気持ちで就職と同時に東京に出た結果、今は全然違うとこにいます(笑)。 東京に出るとそこからまた外に出る可能性も高くなるような。
    >最近、平城遷都1300年とかで、せんとくんという何ともコメントのつけがたい人形が阪神なんば線の駅のあちこちにつってありますよ~
    去年10月に帰ったときに見ました! 催し物も多いですよね。
    >Kazさん
    >衣食住費が高いし、通勤コストもかなり高い割に、給与レベルが低いように感じました。
    大学卒業仕立てやロースキルジョブは低いです、年収20,000 – 30,000ポンドくらい。
    30代前半でスキルのあるプロフェッショナルになると、50,000 – 120,000ポンドくらいになるので、NZの相場よりだいぶ高くなりなす。
    それに加え、桁が一ケタ異なるバンカーという職種も存在します(以前書いてますが)。
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2010/02/post-313.php
    「給与やオポテュニティーの数が違いすぎて帰れない」というオージーやKiwiをいっぱい知ってます(私はロンドンにいるので「帰れない」という人をたくさん知っていて、NZにいるKazさんが帰ってきた人をいっぱい知っている、という話だと思いますが)。
    >若い人は大勢でフラットを借りて節約してがんばって貯金して帰ってくるという話も聞きますが。
    Quality of lifeは低くなりますねー、大都市のトレードオフです。

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