「若者が車を買わずに、何が悪いのか?」とずっと思ってました。 昔むかーし、私自身がモノに興味がない若者だったから。
私が学生の頃はとっくにバブルは崩壊していましたが、円高で、ヨーロッパにブランド店詣でのショッピング旅行をする女子大生もまだ健在でした(今でもいるの?)。 車を持っている男子の方が持っていない人よりステイタスは高かったような気もします。 ところが、私自身はモノには興味がなく、旅ばかりしていました(→『バックパッカー時代も悪くない』)。
就職活動でも「働きたーい!と思えるほど好きなモノがない」という理由でメーカーは受けなかったくらい(新卒では部署別採用なんてほぼ皆無の時代)。
ゆえに「普通に都市で生活してたら必要ない車を買わないなんて、最近の若者が賢くなっただけなんじゃあ?」と思ってたところ、最近再びはまっているStanford iTunes U(*1)で聴いたレクチャーが面白かったのでご紹介。
*1・・・『パラダイムシフト真っ最中のメディア』に書いたiTunes U、さらにパワーアップしています。 ヨーロッパの大学もレクチャー公開していますが、MITやStanfordなどエンジニアリング系が強いアメリカの一流大学がすごい。
Stanfordの通称d.school(Stanford Institute of Design)でマーケティング・コンサルタントのAlex Wipperfurthが行ったレクチャーで「従来のマーケティング手法が通じなくなった消費者に対し、マーケッターとしてどのようにアプローチすればよいのか?」がテーマ。 私は、このレクチャーを聴いて、
1. なんだ、(今までと同じように)モノを買わなくなったのは日本の若者だけじゃないじゃん
2. 新しいタイプの消費者に必要なのは日本人お得意の「おもてなし」?
と思いました。 レクチャーは以下の順にたどると聴けます。
Stanford iTunes U –> Business –> d.school –> Design, Marketing, and Branding in a Post-Consumerism Society (by Alex Wipperfurth)
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ポスト・コンシューマーと「おもてなし」
住むように旅する京都
私が今まで「日本に(主に)ヨーロッパ人が喜ぶような滞在型ツーリズムがない」とこういうエントリー(→『インドに学ぶ田舎滞在型ツーリズム』、『日本の田舎の魅力を世界に – 1』、『 – 2』)を書いている理由は、日本政府がビジットジャパン・キャンペーンをしているから・・・では全くない。
よく日本旅行に行く友人からお勧めの宿を聞かれるのですが、彼ら(特にヨーロッパのツーリスト)は長期旅行(最低1週間、2週間以上も多い)なのでお勧めできる宿がないのですよ・・・(知らないだけかもしれないので、ご存知の方は教えてください)
東京は「オーセンティック(本物志向な)な日本旅館はあきらめて、交通の便を重視して都心のホテルにした方がいい」とアドバイスしているのですが、京都はやはり「日本旅館に泊まりたい」という人が多い。
でも俵屋などの老舗旅館は連泊するには高すぎる、グルメ度の高い京都で2食付きはいらない、かといってバックパッカー向け素泊まり宿やゲストハウスよりは高いクオリティが欲しい・・・という要望なので、本当に希望の宿を見つけるのに苦労していました。 ここ数年は「町家の自宅を改装した宿で集客は紹介のみ。 Webにもどこにも電話番号も載せない」という宿(というよりご自宅)を見つけたので、特別に親しい人だけに紹介していたのですが、ようやくお勧めできる長期滞在用の宿(バケーションハウス)が見つかりました。
オーナーはフランス在住、フランス人と日本人のご夫婦(& 昨日登場したtomokoleaさんの家の大家さん)、やはり『外国人だからわかる良さ』なのですねー
8年の変化を思う
もうだいぶ日が経ってしまったけど、年末年始は今年1月からINSEAD MBA留学しているtomokoleaさんとダンナさんが我が家に泊まりに来ていました。
彼女との出会いは元々このブログ。 2008年6月に始めたブログ、当初は読者数も多くなかったのに矢のような速さで見つけて「このようなブログを書いていただき、ありがとうございます」とメールをしてくれたのが最初。 当時、彼女は福岡にいて、ダンナさんと一緒に東京で転職活動をしつつ、3 – 5年後にMBA留学も目指している、ということでした。
翌年には東京でたまたま会い(→この集まり)、シンガポールで会い(私の夫はブログが読めないので「(日本からわざわざ来るなんて)キミのブログには何が書いてあるんだ?」とビックリしていた)、その後もしばしば留学準備の経過報告をしてくれたりしながら見事に有言実行でINSEAD合格。 今年の正月には泊まりに来たし、春になったら私たちも遊びに行くことになったし・・・と、いつの間にか友だちになっていたのでした。
私が8年前に留学した頃の準備の方法とはずいぶん変わったなー、というのがひとつめの感慨。
Facebookもmixiもなかったその頃は海外の学校の卒業生・現役生をピンポイントで見つけ質問するなんてできませんでした。 そんな人が身近にいない場合、会う方法は留学説明会などのイベントかキャンパスビジットしかありませんでした(フランスへ旅立つ前々日に現役生が留学生活を綴った英語ブログを発見し、「私もやろう!」と2003年にブログを始めた話→『私のブログ歴』、キャンパスビジットで受けた親切がブログの動機にもなっている話→『インターネット時代の質問力』)。
かわいい? それとも不気味?
どうやら2009年の初公開時に話題になったらしい、けど、最近ロンドンでも目立ちます。
ミネラルウォーターEvianのCM、ローラー・ベイビー。
出てくる赤ちゃんたち、たぶん私の息子とほぼ同い年くらい(今10ヵ月半)。 この歳の赤ちゃんにはあり得ない動きをするので「気持ち悪い〜(でもちょっとキモカワいい)」と言うのが私の感想(最後にキメのポーズ取る赤ちゃんの笑顔はCGっぽく不自然だし・・・)。
ところが、ネット上ではどうやら「かわいい〜☆」って人が多数派のようでした。
これ、私の中ではいわゆる「不気味の谷」にはまってしまったらしい。 だって、本物の赤ちゃんってこんなんだもの(「続きを読む」をクリックするとCMのメイキング・ビデオが)。
星の数ほどの中から選べる幸せ?
ロンドンの地下鉄に乗って気づくこと。
「ネットでリアルの恋人・友だちに出会いましょう」ってサイトの電車内・駅内広告が異常に多い。 昨日乗った車両では目に入る範囲で“eHarmony”、“Lovestruck London”、“CitySocialising London”と3つも目に飛び込んできました。
『インターネット婚活時代』で「アメリカではもはやインターネットが出会いの主流になっているらしい」と書いたように、趣味・嗜好・職業・既婚歴など細かく指定して、誰でも世界中、星の数ほどいる異性(同性)の中から「理想の」相手に出会える時代になった・・・らしい。
話は変わって、私の友人のひとり、今年40歳のパキスタン系イギリス人(♀)。 もうずいぶん前から人生の伴侶となる人(”the one”と言う言い方をよくする、「たったひとりの人」)を探しています。 こんなに人口が多く、出会いを求めるシングルが多い大都市ロンドンで、こんなに出会いが簡単になった世の中で、”the one”に出会うのは本当に難しい、と嘆きます。
以前、バーで出会った女性と話がはずんだ。 よくあるバーでの出会いとしては珍しく(注:彼はナンパをするタイプではないので)、連絡先を交換し、2回・3回と会って、その時も楽しく会話がはずんだ、僕としては付き合う可能性も十分あるかな、と思っていた。 だけど、お互い仕事でもプライベートでも多忙な身。 何度か次に会う機会のリスケを繰り返しているうちに連絡が途切れてしまった。 数ヶ月後、お互いの共通の友人から、彼女が「あの人、ゲイなの?」と尋ねていたと聞いた。
出会って数回目以内に何らかの行動(肉体で意思表示)をしなければゲイと判断されてしまうのか? 最近マッチング・サイトで探すことにした。 少なくとも加入していることそのものが「探している」意思表示になるから。
Art of Parenting – 日本人 vs イギリス人
『中国系 vs 西洋系』に引き続き、Art of Parenting。 イギリス人と日本人の未就学児教育を比較した本、『イギリスのいい子 日本のいい子 – 自己主張とがまんの教育学 』を読みました。 最近たびたびご紹介しているブログ『さまざまなデザイン – ヨーロッパの目、日本の目 – 』の安西さんに、子育てinイギリス代表(?)としてあるブログエントリーの感想を聞かれて以来気になっていたのです(本を読む前の感想はこちらコメント欄)。
長年、文化比較の視点から「西洋文化の独立的な自己」、「日本を含む東洋文化での相互協調的な自己」はそれぞれ対極にあると論じられてきた
ことに対し、自己主張と自己抑制を相反の関係による一元論で捉えるのではなく、
アメリカ=「自己主張が強く自己抑制が弱い」
日本=「自己主張が弱く自己抑制が強い」
イギリス=「自己主張も自己抑制も強い」
と仮定して、日英間の幼児期の教育やしつけを比較した本です。
この本はアメリカで修士、イギリスで博士号を取得した教育学の専門家が著者でフィールドスタディも交えた調査結果が中心となっています(つまりよくある個人及び少数の経験談が中心のヨーロッパ賛美本ではない)。
- ベースが博士論文であるためか調査方法の説明が長すぎ、調査結果の表現の仕方が冗長(もっと見やすいグラフになる)
- 調査時期が古いため(1989 – 90年)、少し内容が時代遅れと思える(特に多文化のロンドンにいるからか、伝統のイギリス式育児法以外にも寛容)
上記2点を除くと、面白い点がたくさんありました(特に私は日本の保育園・幼稚園の様子を全く知らないので、自分が子どもだった頃のことは覚えてないし)。
Art of Parenting – 中国系 vs 西洋系
「あーあ、ここまで言うか」って記事ですごい反響になってます、The Wall Street Journalに掲載されたイェール大学教授Amy Chuaの“Why Chinese Mothers Are Superior”。 大西洋を越えてイギリスの新聞でも話題になっていました。
WSJ.com : Why Chinese Mothers Are Superior
先に出版された著書『Battle Hymn of the Tiger Mother』から一部抜粋された内容ですが、ざっくり言うと「なぜ中国系の子どもが学力テストや音楽コンクールの上位を独占してるんだと思う? それは中国系の母が自らの人生を捧げて教育してるからよ」と自分の2人の娘に施した家庭でのスパルタ教育ぶりを明らかにしたもの。
日本語版に一部訳されていますが(↓)、自身の2人の娘が子ども時代に「してはいけないこと」リストがこちら。
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版:中国の母の恐るべきスパルタ教育
- 友達とのお泊まり会
- 放課後、友達と遊びの約束をすること
- 学校の学芸会に出演すること
- テレビやテレビゲームをすること
- 自分で課外活動を選ぶこと
- A以外の成績を取ること
- 体育と演劇以外の科目で成績トップにならないこと
- ピアノとバイオリン以外の楽器を習うこと
・・・etc.
日本の鉄道会社の事業モデルは海外でも有効か?
去年末に書いた『FeliCaがガラパゴス化した3つの理由 – 1』、『- 2』にこんなコメントを頂きました。
以前から疑問に思っていたのですが、日本の鉄道会社、特に電鉄会社の経営形態って海外では関心が持たれたり研究がなされているのでしょうか。
インフラまで上下一体で維持していることや、公共交通なのになぜか自主採算出来ていること、車両や構造物まで多くのインハウスエンジニアによって共同開発されていること、そしてデパート・ホテル・不動産など幅広い関連産業によって日本の都市形成に大きな役割を持っていることなどです。
鉄道という長距離輸送手段の利用の仕方は文化や生活習慣に深く根付いたものなので、これも(最近お気に入りのコラム)『ローカリゼーションマップ』の考え方から分析できると思います。
1. アジア
中国のように人口が多く国が急成長しており、国民がどんどん中産階級入りしていく中で「全員が車に乗ったらたまらないよー」という国では日本の鉄道会社のような事業モデルは可能性があるのではないでしょうか?
実際、中国国内の鉄道建設は急ピッチで進められており、インフラ敷設が一段落し鉄道を主な交通手段とした生活が確立されるとともに周辺事業も育っていくと思います。
人民網日本版:2011年の鉄道投資は7千億元、新規事業70件
100 Things to Watch in 2011
新年あけましておめでとうございます。
さまざまなメディアで今年流行りそうなもの、ブレイクしそうな人・現象を予想しているかと思いますが、米マーケティング代理店JWTが予想したちょっとギークな“100 Things to Watch in 2011”が面白かったです。
これをフォローすればアナタも時代の最先端(?!)
Let it snow, let it snow, let it snow
今日はこの曲をBGMにどうぞ。
ロンドンはこの冬2度目の大雪ですっぽりと覆われています。 そう言えば今年初めにロンドンに到着したときも雪だったなー(→『雪とエアコン』)。
地球規模の気候変動は「地球温暖化」と呼ばれることが多いですが、イギリスではここ数年、夏はより暖かく、冬はより寒くなっているそうです。 北極の海水温が上昇し、年々大規模な面積で氷河が消えていく一方、冷たい風が流れ込み北西ヨーロッパに寒波をもたらしているとか。
緯度が高いにも関わらず雪はあまり降らない気候だったロンドンは雪への備えは全くされておらず、雪のたびに空港閉鎖・道路で車が立ち往生・・・と国全土で大混乱が起こります。 そろそろ雪という常態(非常事態ではなく)に備えてもいいんじゃないかと思いますが・・・