インターネット時代の質問力

最近、ブログを通して頂くメールの数も多くなり、ブログ歴も5年以上ということもあり、インターネットを通して知った人に質問する際の質問力について書くことにしました。
下記に書くことは「もしかして自分のことでは?」と思う人がいるかもしれませんが、今までの経験(自分がしてきた失敗も含め)から得た一般的な話です。 特定の個人に向けたものではありません。
「もしかしてブログをやっていない人は知らない人からメールを受け取ることがそもそもあまりないので、下記のようなことに気づかないのかな?」と思ったので「知っている方が、知らないよりいいことがあるだろう」という思いからです。
ブログを書く目的というのは人それぞれですが、私が少しでも役に立つことを書こうと思うのは、基本的にはペイ・フォーワード(自分が受けた思いやりや善意を、その相手に返すのではなく、別の相手に渡す)の精神です。
これに気づいたのは、ヨーロッパMBAを目指し、夏休みを利用してLBS(ロンドン)、IESE(バルセロナ)、INSEAD(パリ郊外)にキャンパスビジットをしたとき。
たまたま検索で現役IESE生(日本人)のブログを発見し「今度キャンパスビジットするんです」とメッセージを送ったところ、忙しい学生生活の中、時間を割いてキャンパス案内をしてくださいました。 おまけにLBS在学中の友人まで紹介して頂き、そこでも数人の日本人学生から受験アドバイス、学生生活の話など聞くことができました。


「この人たちはなぜ赤の他人に親切にするのか?」
それは、自分も同じように先人にアドバイスをもらいながら受験勉強をし晴れて学生になれたため、次世代にも同じようにしてあげたい、という思いからだと思います。
このペイ・フォーワードの精神は「ある学校の受験生と在学生・卒業生」のような狭いコミュニティではお互いさまで効果的に機能するのですが、もっと広い世界であれば(勝間さんいうところの)「教えて君」(わからないところだけ聞こうとする人)が多いので、質問に答えてもらうためには聞く方に質問力が必要です。
私もブログやmixi上で見つけた数多くの人にメッセージや質問をしたことがあるので、以下、過去の失敗などの経験もふまえて気をつけていること。
1. 基本はGiveが先
以前、ググればわかるような質問内容を、1. 2. 3.と連番振って唐突に送ってきた人がいましたが、基本はGiveが先です(特に何かお願いする場合)。
Giveとは、ブログ上でコメントする、興味ありそうな情報を提供する、友達にブログの紹介をする etc.、小さなことで相手が喜びそうなこと(何をすれば喜ぶのか読む力も必要)。
何かしてもらい続けていると相手に何かしてあげたくなるのが人情で、質問に答えてもらえる確率がぐんと高まります。
2. その人でなければ答えられない質問をする
つい最近、INSEAD同窓生(でも会ったことがない)のフランス人から「キミのバックグラウンドをLinkedInで見たんだが、僕の会社で今、投資検討しているカナダの会社の事業内容とそっくりかぶっている。 投資検討中の事業計画について見てコメントもらえないか?」というメールがありました。
「事業計画を見て投資実行可否のアドバイスをする」なんて、以前私がお給料をもらってやっていたことです(なお、質問した彼は守秘義務違反ですが、これはまた別のお話)。 なかなか図々しい内容に断ろうかと思いましたが、あまりにも私のバックグラウンドをよく読み込んでおり、我ながら「そりゃー、私に聞きたくなるだろうなー」という理由(+INSEAD卒業生という共通項)から、スタバでお茶をしながらアドバイスすることにしました。
これは「その人でなければ答えられない質問をすると答えてもらえる」例。 この質問力を駆使するためには、相手のことをよく調べる必要があります。
下記の梅田望夫さんのインタビューで、梅田さんに「米国大統領選挙において、ソーシャルネットワーキングサービスやブログをどのように活用しているか、実例を教えて欲しいのですが。」と聞いて「そういうことは自分で調べたらいいんですよ」「Googleに訊いてください」と返されている記者がいますが、この記者、梅田さんのことを調べずに会見に来ちゃったんじゃないでしょうか?
CNET Japan : 「たいしたことない自分」だから、本を書いた
この「相手について調べる」は人脈の達人と言われる人ほど強調しており、『一生モノの人脈力』『レバレッジ人脈術』にもその重要性が述べられています。
最後に私について。 メールもコメントも歓迎ですが、パブリックにしても差し支えないような質問はできればコメント上でお願い致します。 理由は、次に同じような質問がきたときに「これ見てください」とリンクを貼れるため。
パブリックにすると差し支えある質問をメールで頂くのは結構ですが(笑)、人生相談を頂いても、まだまだ若輩者のため答えられることに限りがあることをご承知おきください。
その他、質問力についてTipsがある人はぜひコメントください!

コメントにてbeaverさんから、メールにてKGさんから、「質問した後が大切」と頂きました。 全くその通りですねー、結構アドバイスした方は「その後」を気にしているものです。 よって、質問力3つめとして下記を加えます。
3. 結果報告を忘れずに
また、梅田さんに上記質問は記者さんではなかったそうです(と、これもその場にいたKGさんに教えてもらいました)。


6 responses to “インターネット時代の質問力

  • beaver

    私もまず、自分からgiveするという精神は大切だと思います。私よりも後輩の立場でも、これまで何年か仕事をしてきた人は必ずなにかgiveするものがあると思います。giveするものというのは、役に立つ情報から「へー。こんなことをしているのね。知らなかった。」と私が思う程度のことでもいいです。giveしようという気持ちが大切と考えます。
    そういいつつも自分の経験を振り返ると、学生や仕事を始めたばかりぐらいの頃は先輩に相談のお時間をとっていただけるだけでありがたくて、自分からgiveしようというところまで考えが及ばなかったような気もします。だから自主的にgiveしてくれなくても、気にしません。もし相手のしていることで面白そうなことがあれば、こちらから質問してtakeさせていただきます(笑)。むしろその後が大切だと思います。相談に乗った側として、「あの人、どうなったかな?」とたまに思ったりしますから、話の進展を伝えてくれると嬉しいですね。

  • la dolce vita

    >beaverさん
    >むしろその後が大切だと思います。
    >相談に乗った側として、「あの人、どうなったかな?」とたまに思ったりしますから、話の進展を伝えてくれると嬉しいですね。
    あっ、これ大事ですね。 3番目のポイントになるくらい大事。
    MBA受験のアドバイスを聞いてくる人は多いんですが、その後「合格しました」報告をしてくれる人は本当に少なかったことを思い出しました。 けっこう「どうなったかな?」と気になるものなので。
    そう言いつつ、最近キャリアのアドバイスもらった人には、あれ以来連絡してないから連絡しなきゃ、と自分のことを思い出したり。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    私はずっと営業/マーケティングが長く、お客様対応の仕事が長いので、「Giveが先」というのは共通なんだと思っています。よく後輩にも、「営業なんてGive and no Takeで行かなきゃ行けない。けど、No Takeだと能力を疑われてちと悲しいからa little Takeで行こうか」なんて話をしていました。特に初めて訪問するお客様の場合、最低限その会社の基礎知識はとりあえず頭に入れて、そこで少しでも関連する情報を入れる、と言う作業の繰り返しでした。結局、相手にとって「こいつと会っていると何か情報があるよな」という風に思ってもらえるところを基点にしないと駄目ですね。やはり「自分のことを気にしてくれている」と思う相手に悪い気はしないと思いますし、そうすれば何となくではありますが、相手も少しずつこちらを向いてくれるようになります。私自身は、「ビジネスに片思いなし」と思っています。ただ、男女関係にそれが当てはまらないのが少し辛いですが(笑)。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >相手にとって「こいつと会っていると何か情報があるよな」という風に思ってもらえるところを基点にしないと駄目ですね。
    私の好きな『一生モノの人脈力』には、こう書かれていました。
    >あなたが会う相手は皆、初対面の場でこう自らに問うている。「この人とランチを食べたいと思うか?」
    その通りなのですが、まずこちらからGiveすると相手もGiveしやすくなる(Giveしないと居心地が悪くなる)ため、ぐっと将来につながりやすくなるってことですねー
    >ただ、男女関係にそれが当てはまらないのが少し辛いですが(笑)。
    男女関係でも好意を示して相手が興味なさそうであれば、さくっと次にいけばいいんじゃないでしょうか?(笑)

  • Chen

    ご無沙汰しています。まさに、おっしゃる通り!!!だと思います。私も、未来のMBAアプリカントから質問を頂く事が良くあるんですが、「あのね~」と突っ込みたくなる人がたまにいるんですよね。私もMBA受験の時には色んな方からgivenされたのでgiveする立場になりたいと思っているのですが、あまりに”take”ばかり考えてらっしゃる人に出会うと考えてしまいます。こちらから情報をとったらそれっきり、御礼もなし、みたいな人。いくらMBA取って学歴高くなってもこれじゃ~ね、と正直思いますよね。。。

  • la dolce vita

    >Chenさん
    お久しぶりです。遅くなりましたが、卒業おめでとうございます!
    やっぱりMBAアプリカントは多いですねー
    私みたいな人が「卒業生に聞けばなんでも親切に教えてくれるから!」と煽るのがよくないのかしら?(笑) 「基本マナーをわきまえた上で」っていう意味なんだけど・・・

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