Monthly Archives: February 2009

ロンドンで懐石料理レストラン

いまいちシリーズ化していない起業家応援シリーズですが(ブログの右下のTag Cloudで’起業家’をクリックすると、私の友人起業家たちの話が読めます)、今日はロンドンで日本食レストランをオープンした日本人女性のお話。
私が渡辺彩子さんを知ったのはINSEADの卒業生ニューズレター(↓)。 そう、INSEADの先輩です。
INSEAD : Meet Ayako Watanabe MBA’96D – Founder, Saki Bar & Food Emporium, London
2006年にレストラン激戦地のロンドンで本格日本食(懐石)レストランSaki Bar & Food Emporiumをオープンし、あまたあるレストランの中から数多くの賞を受賞しています。
‘The UK Best Dishes Award’
‘Best Seat in the House’
海外で成功している高級日本食レストランの経営者ってNOBUの松久信幸さんとか、Tetsuya’sの和久田哲也さんとか、シェフ出身で「料理の腕がよく、経営もわかる」人だと思っていたのですが、なんと彩子さんはINSEAD卒業後、ITコンサルのアクセンチュアに勤務すること6年。
思わず「ニューズレター見ました!」とメールしてしまいました。

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'食わず嫌い'と'食った嫌い'

はやいもので、今日は200エントリー目になりました。 いつも読んで頂いてありがとうございます。
100エントリー目にやったので、今日も記念っぽいエントリーを(そのうちネタ切れしそうですが・・・)。
最近、心がけていることに「’食わず嫌い’と’食った嫌い’を直す」というのがあります。
食べ物の話ではなく、もっと広い意味で(食べ物でも最近ようやく牡蠣嫌いを克服しました、やったー!)。
‘食わず嫌い’の定義を「味覚以外の感覚を通して得た情報を元にネガティブな判断を下してしまい、味わうという経験をする前に嫌ってしまうこと」だとすると、ここで比喩的に用いているのは「経験する前に嫌ってしまうこと」の意。
最近、中国という’食わず嫌い’(というほど強いものではなく、心理的に遠い国、’食わず苦手’くらいだったけど)を克服しました(旅日記→1, 2, 3, 4, 5, 6)。 その心理的な遠さは、メディア情報で形成されるイメージや母の中国人嫌い(本人の個人的な経験からきているので、後で言う’食った嫌い’というやつ)に影響されていたもので、個人的な体験からくるものではなかったので行ってよかったです。
そして、’食わず嫌い’よりもっとやっかいなのが’食った嫌い’。 これは、「個人的な体験を元に嫌いになってしまうこと」を指します。 一応「食ってみた」という体験があるため、一度身につけてしまった先入観を自ら破るのは至難の業。
私が20代後半で克服した’食った嫌い’が「アメリカ人」です。

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インターネット時代の質問力

最近、ブログを通して頂くメールの数も多くなり、ブログ歴も5年以上ということもあり、インターネットを通して知った人に質問する際の質問力について書くことにしました。
下記に書くことは「もしかして自分のことでは?」と思う人がいるかもしれませんが、今までの経験(自分がしてきた失敗も含め)から得た一般的な話です。 特定の個人に向けたものではありません。
「もしかしてブログをやっていない人は知らない人からメールを受け取ることがそもそもあまりないので、下記のようなことに気づかないのかな?」と思ったので「知っている方が、知らないよりいいことがあるだろう」という思いからです。
ブログを書く目的というのは人それぞれですが、私が少しでも役に立つことを書こうと思うのは、基本的にはペイ・フォーワード(自分が受けた思いやりや善意を、その相手に返すのではなく、別の相手に渡す)の精神です。
これに気づいたのは、ヨーロッパMBAを目指し、夏休みを利用してLBS(ロンドン)、IESE(バルセロナ)、INSEAD(パリ郊外)にキャンパスビジットをしたとき。
たまたま検索で現役IESE生(日本人)のブログを発見し「今度キャンパスビジットするんです」とメッセージを送ったところ、忙しい学生生活の中、時間を割いてキャンパス案内をしてくださいました。 おまけにLBS在学中の友人まで紹介して頂き、そこでも数人の日本人学生から受験アドバイス、学生生活の話など聞くことができました。

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亭主関白

日本語を習っている夫が、「今日、面白い日本語を習ったよ!」と帰ってきました。
その面白い日本語とは、「亭主関白」。
テキストには、以下のような訳が。

亭主関白だ = The husband is the ruler of his home.

日本語学校では、先生との会話練習で
「Aさんは亭主関白ですか?」
と、聞かれ、
「ぜんっぜん!!!」
と力を込めて答えたらしい。
・・・ま、正しいけどね。
(この日本語のテキスト、「僕は、仕事が恋人です」、「部長の奥さまとゴルフをご一緒しました」etc. シュールでエンターテイニングな例文がたくさん)
「こんな表現があるなんて日本人って面白いねー」といつまでも面白がっているので、「この表現から生まれた大ヒット曲もあるんだよ」とさだまさしの関白宣言をYouTubeで(私の同時通訳付きで)聞かせると、これまた「この人パロディー? ジョークバンド?」とゲラゲラ笑っている。

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インドITエンジニアにみるデジャブ

インドのよかったところはインド国内の英字新聞や英字雑誌が多いので、インド視点のニュースが生で手に入るところでした(空港・ホテル、何かと待たされる国なので、読む時間はたっぷりあり)。
私たちの滞在中、一番大きな経済ニュースはITアウトソーシング大手Satyamの決算粉飾でしたが(下記)、私が一番注目したのは週刊誌Business Today(だったかな?)に載っていたITエンジニアの大量失業の記事。
REUTERS : Accounting scandal at Satyam could be India’s Enron
過去数年間にInfosysやWiproなどインドIT大手の勃興、欧米系IT大手の相次ぐインドへの進出により、200万人以上とも言われるITエンジニアを生み出したインドIT産業が世界不況により業績悪化しており、(今まで需要が供給に追いつかなかった)ITエンジニアを初めてリストラしている、との話。
その記事は初めての危機に直面した若手ITエンジニア(そして広くは高等教育を受けた若い知識産業従事者)に向けて書かれており、「これからは今までのようにジェネリックなスキルだけではいけない。 より高度で成長分野の知識・スキルを身につけて他者と差別化をはかろう」と結ばれていました。

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大胆なシンガポール 2009年度予算

我が家にシンガポール税務当局(IRA)から封書が届きました。
開けてみると、2008年度支払った個人所得税の一部還付のお知らせ。 S$2,000(= 約12万円)を上限とし、毎月一定額が還付されるそう。
1月22日発表になった2009年度予算は史上最高額となる総額205億シンガポールドル( = 約1.2兆円)となり、初めて政府準備金からも拠出するとのこと。
シンガポール政府の予算専門ウェブサイトに詳しく載っていますが、REUTERSから予算の内訳を引用しておきます。
REUTERS : シンガポールが予算案発表、137億ドル規模の景気対策盛り込む

— 職業訓練など雇用対策(S$51億) 
— 銀行融資促進対策(S$58億)
— 企業向けの補助金・優遇税制(S$26億)  
— 世帯向け支援策(S$26億)
— インフラ・教育・医療対策(S$44億)

–法人税率を18%から17%に引き下げ。 2010賦課年度から実施。
–2009賦課年度の個人所得税を20%還付。

今年のスローガンは”Keeping Jobs, Building for the Future”ということで、シンガポール国民を雇っている企業には1年間、給料の一部を政府が負担(S$2,500を上限とし12%負担)する”Job Credit”の実施など雇用維持が優先。
相変わらず、やることが大胆です。 シンガポール国民だけでなく、永住権保持者にもBenefitを拡充してほしいもんだが、やっぱり有事には自国民優先になってしまうのはしょうがないのか。

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私のブログ歴

最近「よく毎日書けますねー」という言葉を頂くことが多いです。
このブログは2008年6月に始めたのですが、実は私がブログを書き始めたのは2003年8月。 何と5年半も何かしら書き続けている毎日・・・
なので、答えは「慣れ」です。
有名ブロガーでは、渡辺千賀さんのOn Off and Beyondの初エントリーが2002年11月とブログ黎明期のスタート。 池田信夫 Blogの初エントリーが2004年8月、小飼弾さんの404 Blog Not Foundの初エントリーが2004年11月なので、このお2人よりも1年以上早く始めていたのですが、ブログ歴が長けりゃいいって訳でもないです。 参考までに私のブログ遍歴を。
きっかけは、2003年8月、INSEAD留学直前に情報を探していたときでした。 日本語での在校生・卒業生による生の情報が全く見つからず、英語で検索していたときに見つけたのが英語でのINSEAD在校生のブログ(タイトル忘れました)。 INSEADでの生活が手に取るようにわかり、「こりゃー、便利だ。 私もやろう!」と思ったのが始まり。
よって、当初のブログの目的は、
1. 心配性の親に生活の様子を伝えることによって親を安心させる
今もこの目的は果たしています。 去年ブログが消滅したときはソッコーで「大丈夫?!」と電話かかってきたし。
いや、ブログの存続と私の身の安全は別物なんですけどね・・・
「やろう!」と思ったのがフランスに飛び立つ前々日だったのですが、全くウェブ経験のなかった私が、独自ドメインを取り無料レンタルサーバーを借りBloggerでブログを作ってスキンもカスタマイズして・・・4時間で立ち上げました。 当時、日本語のブログサービスははてなダイアリーしかなかったんじゃないかな?
その留学ブログがこちら→l’année à fontainebleau

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ついに恐れていたことが・・・

ついに恐れていたことが起きてしまいました。
日本でも報道されていると思いますが、オーストラリア南東部のビクトリア州では記録的熱波のため、7日(土)大規模な山火事が発生し、夫と夫の家族が30年以上にわたり家族ぐるみの付き合いを続けてきた友人の家が全焼してしまったのです(写真はAFP)。
火事の様子を伝えるBBCの映像(↓)。
BBC : Australian fire death toll rises
Scores die in Australian inferno
victoria_bush_fire1.jpgその友人夫妻には私たちのメルボルンでの結婚式の司会をお願いしたため、昨年1月にはメルボルン北東100kmほどにある自宅近くに挨拶に行きましたが、広々とした牧草地が広がるのどかな丘陵地帯でした。 ワイン名産地の近くでワインセラーを改造したオシャレなワインバーで飲んだワインが美味しかったなー
その付近は現在まだ鎮火されておらず近づけないそうです(住民に避難命令が出て避難したため、身は安全でしたが)。
現地の別の友人によると、1分間に1kmのスピードで火の手が広がったため、亡くなった人の多くは車で逃げる途中だったとか。 
オーストラリアでは何年も深刻な干ばつが続いており、水不足が住民にも影響を及ぼしている様子は以前『水は国家の命綱』に書きました。 今年に入ってメルボルン郊外で最高気温が47.9度に達するなど「100年に1度の熱波」に襲われています。

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音楽と腹筋

最近あまりに暗くなるようなニュースが多いですね。
インドでのんびりしていた間に加速度がついているような・・・
そんなニュースからひと息どうぞ〜、ということで、最近なごんだビデオとちょっと感動した写真の紹介。

最近なごんだビデオはこちら。

世界各地のストリートミュージシャンがBen E. Kingの”Stand By Me”を歌う姿をミキシングしセッションにしたもので、Where the Hell is Matt? (2008)を彷彿させます。
Playing for Changeというサイトの企画で、「音楽の力で世界に平和を」という趣旨。 “Don’t Worry”など他の曲や、実際に南アフリカに音楽学校をつくっている映像などYouTubeで見られます。
YouTube: Playing for Change

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本1冊で13,000年を俯瞰する

我が家は夫婦ともに読書好きなのでインドでも本ばかり読んでいたのですが、久しぶりに身震いするような本に出会いました、『Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies 』(日本語訳:『銃・病原菌・鉄』)。 出会ったといっても夫が持っていた本なので、うちの本棚に眠っていたのですが(しかも、以前薦めたのに私が興味を示さなかった、と言っていた。 記憶にない・・・)。
以前、『映像でおさらいする20世紀』というエントリーで、以下のように書きました。

世界史を俯瞰するのは結構難しく、「1192(いい国)創ろう鎌倉幕府」のように「点」で覚えるだけでは十分でなく(というか意味がない)、大河なる流れのように一国の歴史を「線」で捉えるのはもちろんのこと、「1910年頃」と問われれば「日本では日露戦争が終わり韓国併合へと軍備拡張へ進んでいた頃、ヨーロッパは第一次世界大戦前のつかの間の平和、アメリカは大量生産時代の始まりによる経済大国への躍進」と「面」でイメージする必要があります。
その上、世界にはオスマントルコ帝国→ハプスブルク家→オーストリア・ハンガリー帝国→ソ連下共産主義と支配者が変わったハンガリーみたいな国(地域)がほとんどであり、それらすべてを俯瞰するためには、頭の中にGoogle Mapを持って自由に飛び回りつつ、それに時間軸がついている、みたいな四次元な世界を作る必要があるわけです。

「頭の中に、自由にズームイン・アウトしながら縦・横・斜めに自由に展開できる時間軸つきGoogle Mapを持ちたい」というのは、私の密かなる野望ですが、この本は20世紀どころか過去13,000年の人類の進化を地理学、進化生物学、言語学など専門知識を駆使しながら鮮やかに1冊で解くすさまじい本です。
著者自身の本書の要約は以下。

History followed different courses for different peoples because of differences among people’s environments, not because of biological differences among peoples themselves.
歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない。

タイトル「銃・病原菌・鉄」はヨーロッパ人が他大陸を征服できた直接要因を凝縮したものですが、なぜ逆(例えば、インカ帝国の原住民がスペインを征服する)ではなかったのか? 究極要因まで突き詰めて解き明かす、目からうろこだらけの本。

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