昨日の朝、「なーんだ、結局杞憂だったんじゃん」って夫と笑い合ってからいつもの騒がしくも平和な日常に戻るつもりで起きた。 ところが、Twitterフィードがおかしい、FBフィードもおかしい。
最初は何が起こっているのかわからない、現実が理解できない、呆然とひたすらニュースを読みあさる、そして24時間以上経った今はショック、そして怒り、悲しみ、まだ信じられない、そしてまた怒り・・・
これは、ほぼ全額ポンド建ての我が家の家計資産が一夜にして毀損されたとか、不況になったら自分の仕事はどうなる?、とかそういう個人的な経済上の問題ではない。 私たちの子どもたち世代の将来に、何十年にも渡って根深く悪影響を与える取り返しのつかないことをしてくれた、という怒り・悲しみである。
最初に前提を確認しておくと、私はビザ上は夫(オーストラリア人)の”UK Ancestry Visa”という「祖父母の誰かがイギリス人でコモンウェルス市民なら来ていいですよ」というビザの配偶者という形でイギリスにいるので(*1)、イギリスがEUの一員かどうかは直接的には私のビザステイタスには関係がない。 イギリスが自国内のEU住民を全員国外追放したとしても(そういうことは人道上起こりえないが)、私のビザには関係がない。 そういうテクニカルな問題とは別に、私たちがロンドンにやってきた理由(*2)は他のaspirationalなEU出身の若者とほとんど変わらない。
*1・・・参照:『大英帝国の末裔ビザ』
*2・・・私はいつも「イギリス」と「ロンドン」を使い分けている、東京が日本の全てではないのと同じ。 私たちがロンドンに来た理由はこちら。
ロンドンは簡単に言うとヨーロッパの首都である(「世界の首都」とまで言う人もいる)。 そうはっきり言ってしまうと語弊があるので、みんなあまり大きな声で言わないだけ。 EUのみならず世界中から大量に人が来るのは日本の高度成長期に地方から大都市に仕事を求めて大勢の人が上京したのと本質的には変わらない(*3)。
ロンドンは多文化で、だからこそ多様性に寛容で、リベラルで市場主義でクリエイティブでオポチュニティーに溢れている。 今年の5月に世界の大都市では歴史上初めてイスラム教徒を市長に選んだ。 アメリカでは「イスラム教徒入国禁止」などと叫んでいる人が大統領候補である一方で、イスラム教徒を市長に選んだロンドンを誇りに思ったLondoner(ロンドンっ子)は多いはずである。
*3・・・参照:『グローバル上京物語』、『ロンドンにとっての地方』、『Frenchman in London』、『ロンドン栄光の時代?』
今回の国民投票結果データはBBCのサイト(“EU Referendum”)で自治体別の結果が見られるが、私の住んでいるRichmond Upon Thamesは残留派69.3%、離脱派30.7%、以前住んでたLambethなど残留派78.6%、離脱派21.4%である。 これは外国生まれでイギリス市民権を持たない住人(800万人いるロンドン全体で200万人弱、私も含む)と選挙権があっても投票しなかった人口(若者が多い)、17歳以下の若者を含まずにこの率だから、体感的には残留派が大多数。 道理で離脱派は周りにほとんど見ないわけである。
今回、最終的には残留派が勝つと見られていたため昨日は大混乱だった。 日本ではたいして注目されていなかった英国民投票の結果が市場で大混乱を巻き起こしたことに対し、めいろまさんの「イギリスがEU離脱した理由」がわかりやすいと大拡散されていて驚いた。 内容はいつものめいろま節だけど、「離脱に投票した一般人はポピュリストの情報操作によって、記事の内容を信じこまされている」というポイントが完全に欠けている。 この記事を読んで「そりゃあ、これだと移民は嫌だと言うイギリス人の気持ちがわかる」というコメントが溢れていて仰天した、この「説明のわかりやすさ」が元凶だと言うのに。
子どもの人数が増えたので学校に入れない子が出てきた、病院の救急病棟の待ち時間が4時間、不動産が値上がりして一般サラリーマンが普通に家が買えない、EUの押し付ける法律がバカらしい・・・これらはこの国が抱える問題としては全て事実である。 ところが、問題の元凶が移民にある、というのはこれを政治利用したい保守党一部と右派である独立党(UKIP)のレトリックである。
まず、学校が足りない問題。 これは移民による人口増もあるが、一番大きいのは2000年以降のベビーブーム(*4)。 移民の生殖年齢の女性は全人口から見ると限られている、イギリス人が産んでるからこそ子どもの数が増えたのである。 ちなみに出生率は最新のThe Economistによると長引く不況で落ち込んだそうであるが、小学校の入学問題は数年前の出生率を反映している。
次に病院の問題。 これは最大の原因は高齢化と平均寿命の伸び、また肥満化により病院にかかる人が増えたからである。 移民の平均年齢はイギリス人の平均年齢より若い。 しかも基本的に働くために来ているので、若く健康でよく働く。 移民が増えたことによる地方財政への負担増ではなく、イギリス人自身が高齢化し長生きし肥満化しているから病院が逼迫しているのである。 高齢化は先進国共通の問題だし、肥満と貧困は密接に関連している。 地方の不況により、地方の自治体にお金がない、というのもある。 これはグローバル化の進行による都市と地方の格差の問題。
そして不動産価格が高騰している問題。 特にロンドンで顕著だが、最も大きい理由は建築規制で高層ビルが建てられず、また広大なグリーンベルトと呼ばれる開発規制がかかった地区がロンドンを覆っているからである(*5)。 ちなみに上記の通り、最も不動産価格が高騰し住宅が足りないロンドンはイングランドの中で最も残留支持が多い。
*4・・・参照:『働く女が産んでいる』
*5・・・参照:『ロンドンと摩天楼』
もう英メディアでは多く報じられているが、今回、離脱票が最も多かったのは移民が最も少なかった地域であり、残留票が多かったのは移民が最も多かった地域である。
The Guardian : Fear of immigration drove the leave victory – not immigration itself
日本では、老人に離脱票が多く若者に残留票が多いというニュースも報じられているが、老人 VS 若者という単純な構造でもない。
上のグラフはガーディアンのこの記事からだが、老人でも大卒だと残留派が多い。 移民も来ないような地方の低学歴ワーキングクラス(労働者階層)・ミドルクラス(中間層)が、精神論でアンチエスタブリッシュメントなポピュリスト政治家の言うことを信じてしまったのである。 つまり日本で例えると地方のマイルドヤンキー(高齢マイルドヤンキー含む)が東京都民の大多数が反対するにも拘らず、右派に同調してしまいそれが「国民の声」として「民意」となってしまった、に等しい。
「学校が足りないのも病院が混んでるのも全部The Economistに書いてあるから、新聞読めよ」と言いたいところだが、まさにanti intellectualism(反知性主義)が勝ったのが今回の国民投票だった。 EUという巨大で複雑なインスティテューションを移民というわかりやすい争点一点で切り取ってしまった。
右は国民投票前に拡散されていたツイートだが、完全に同意する。
ヨーロッパの歴史:
戦争
戦争
戦争
戦争
戦争
戦争
戦争
バナナでもめる正直言って、俺、バナナでもめる方でいいわ。#残留派
EUの最大の功績は数世紀に渡って戦争ばかりしていたヨーロッパ諸国がEUになってからは一度も戦争をしていないことにある。 ナショナリズムで二度の大戦の戦場となり、記憶に新しいところでもナショナリズムによりユーゴ紛争で民族浄化が起こっている。 統一市場による経済成長という最大の戦争抑止力でもってきたEU、(前述のめいろまさんの記事にも出てくる)「スーパーで売るバナナが曲がっていてはいけない」という奇妙な法律ができても「バナナくらいでガタガタ言うな」というのが普通の人の感覚だと思う。
自国(national)の利益や自由を多少犠牲にしてでも超国家(super national)の利益の観点に立ちましょう、というのが当初の精神で、EUは加盟しても脱会することはない片道切符の行政機構だったはず(そういう制度設計にももちろん問題はあるが)。
昨日だけで以下のことが起こった。
– スコットランドが再度、英国連合からの独立を問う国民投票実施を示唆
– アイルランドのシンフェイン党がアイルランドの再統一呼びかけ
– フランスの極右政党がBrexitに続くFrexit呼びかけ
– スペインがジブラルタル(英領)のイギリスとの共同領有を提案
– オランダの世論調査でオランダでも国民投票実施を支持する人が過半数を上回る
– 以下、略
パンドラの箱は開いてしまった。
友人のスコットランド人は「実家に電話したら”スコットランドはみんな独立したがっている”、と言ってた」と半泣きである。 同じ国に住んでいると思っていた家族といつの間にか別々の国に離れてしまった・・・これって東西ドイツ、南北朝鮮、ユーゴスラビアetc. 戦争の世紀だった20世紀に至るところで起こっていた風景では・・・
住人の半分が移民出身でグローバリズムの恩恵を受けているロンドン人の間でもイギリスを離脱する”Lexit”してEUに残りたい、という署名が集まっている。
私たち自身は「リベラルで差別・偏見がなく公平な民主主義社会に移ってきたつもりなのに、私たちの子ども世代に何をしてくれた?」という気持ちが強い。 が、正直言って私たちのような人は社会の空気が不穏になったらいつでも家を売って荷物まとめて出ていける、来たときと同じように。 結局、今回、離脱票を投じたような人たちが最も影響を受けるのである。 そこに今回の問題の根深さがある。
<6/29 訂正>文中の”anti intellectualism”の訳を「反知性主義」に訂正しました。
June 25th, 2016 at 9:17 pm
留学で渡英後、そのまま英国企業に就職して Tier 2 General ビザを取得しヨークシャーに居住している者です。
個人的にはロンドンとロンドン以外の差異は、東京と東京以外の差異より大きいと感じます。The Economist 読めよと書かれても、私の住んでいる都市(人口40万・都市圏人口200万)で買える店を見たことがないし、FT や Guardian ですら売っている所は多くない。よしんば売られていたとしてもヨークシャーメンは周囲に posh と言われるのを恥じて読まないと思います。記事全体はまあ正論だと思いますが、失礼な話、なにかロンドンと地方の感覚的ズレを見たような気がしました。
この辺りの庶民層は金融危機以降バンカーへの不信感も強く、英国のGDPの多くをシティが稼いでいることは知っていても、内心では滅んでしまえと呪っている。キャメロンとオズボーンは離脱の経済的デメリットを訴えるよりは、経営者層の給与に上限を設けて最低時給を引き上げる公約を空手形でも出すのが戦術的に有効だったろうと思います。経済的合理性のもとでは低い給与とゼロアワーに甘んじるしかない人にとっては経済的合理性はいくら科学的でも結局「敵の理論」でしかない。
シンガポールでは世論の突き上げをうけて外国人雇用税の引き上げ(移民制限)に舵を切っていますし、アメリカ大統領選は既成政治の否定が大きなうねりになってるし、イギリスも昨年はSNPの躍進や労働党首選で既成政治へのノーが強く出てましたし、反グローバリズム・反エスタブリシュメントが左派右派それぞれの形で世界的に力を増している流れの上では、離脱と結果が出るのはいたし方なかったのかなと個人的には受け止めます。サッチャー以前はストップ・ゴーと揶揄されるほど選挙に経済が翻弄された国ですし。
とりとめのない感想で失礼しました。今後も記事を楽しみにしています。
June 25th, 2016 at 9:32 pm
コメントありがとうございます。
全くおっしゃる通りだと思います。 私の周りはみんな離脱の結果に仰天してましたが、仰天してる方がナイーブだったのでしょう。
>キャメロンとオズボーンは離脱の経済的デメリットを訴えるよりは、経営者層の給与に上限を設けて最低時給を引き上げる公約を空手形でも出すのが戦術的に有効だったろうと思います。
私は「そもそもこんな重要な議題を国民投票で問うな」、「既成政治へのノーなら総選挙で言え」と思ってますが、相当な激震だったので現状の格差への是正案は何か出されるのでしょう。 それにしても今のカオスがすごすぎて笑えません。
June 25th, 2016 at 9:37 pm
[…] 情報源: Brexitというパンドラの箱 | 世界級ライフスタイルのつくり方 […]
June 25th, 2016 at 11:28 pm
> それにしても今のカオスがすごすぎて笑えません。
私の職場でも24日は午前中はあちこちでショックだーと話に花が咲いてましたが、2時間もするとほぼ通常モードで淡々としたものでしたね。いたって Keep calm and carry on でした。
私は学生時代を京都で過ごしましたが、イギリス人と京都人はなんか似ているなと思います。排他的だけど有益なお客さんにはとても優しい、伝統を重んじつつ新しいものを取り入れるのに貪欲。離脱しようとスコットランドに独立されようと、イングランドはおそらくしたたかに生き延びていくんだろうと思います。
June 25th, 2016 at 11:31 pm
漏れてくる報道では、みな残留が多かった。
本当に離脱するなんてロンドンのマスコミはこれっぽっちも考えてなかったのが良くわかる。
離脱に投票したほうも、euroが何かなんてわかってなかったし、シェンゲン協定も理解してないと思う。
でも投票は行われたし、イギリス人はアイリッシュより
よっぽど煽動されやすいのは証明されてしまった。
円高やめてほしい、、、
June 26th, 2016 at 12:10 am
シアトルでは真夜中頃のBBCニュースが「Brexitだ」と言い出したので、あれ、52%でRemainのはずでは?とびっくりしていたらキャメロン首相の敗北スピ-チが流れ出しました。ああ、驚いた。それでなくても物騒な世の中が、より不安定になるのはありがたくないです。どう見回しても、この乱世を無事に漕ぎ抜けることができそうなリーダーがいないのは本当に怖い。
June 27th, 2016 at 2:33 pm
>どう見回しても、この乱世を無事に漕ぎ抜けることができそうなリーダーがいないのは本当に怖い。
ヒラリーも? ひとりのリーダーに押し付けるってのは無理がありますが。
June 28th, 2016 at 6:52 pm
ヒラリー・クリントンというブランドは、信頼性の欠陥という問題があるし、周りを固めるはずのブレーンがどうも頼りないということもある。最新のPollでも、第三党分を除くとトランプとトントンの人気というのは、何ともはや。とはいっても、最近のPollの数字はウカウカ信頼できないですが : D
June 26th, 2016 at 1:02 am
「移民も来ないような地方の低学歴ワーキングクラス(労働者階層)・ミドルクラス(中間層)が、精神論でアンチエスタブリッシュメントなポピュリスト政治家の言うことを信じてしまったのである。 」
こういう差別的な物言いをするから反発を呼んで離脱派を勢いづかせたんじゃないですかねえ。
離脱に票を入れた貧困層からしてみれば、それによってあなた方のようなエリート層に少しでもダメージを与えられたら本望、という気持ちもあるのではないでしょうか。結果的に自分達の首を絞める事になっても。
私はいわゆるマイルドヤンキー層とは違いますが、底辺です。『世界級ライフスタイル』を実践しているエリート様からこういうふうに見下されたらそりゃあいい気分はしません。自殺行為であろうともエリート様が敵視する方に入れてやろうという気分になってもおかしくないでしょう。
June 26th, 2016 at 2:12 am
ロンドンの壁ができる前にスコットランドに移住するべきですね。
June 26th, 2016 at 4:06 am
日本に住んでいては知り得ないことも幾つか知ることができました。
しかし「統一市場による経済成長という最大の戦争抑止力」には同意できません。
EUができたから戦争が無くなったのではなく、戦争の痛みを味わったから戦争が(今のところ)ないのです。
日本の憲法9条よりはEU内で話し合いの場があるということで、戦争の抑止力になる可能性はありますが、
EUがバナナのことを決めているようでは戦争を止める能力があるか懐疑的になってしまいます。
歴史的には経済格差や不平等感が戦争の引き金になってきました。
Social grade はHigher education やAnnual income と相関します。
そしてこれは世代を越えて保存されやすいものです。
(世界中でその傾向は強いので、イギリスではもっとそれが保存され易いはずです。)
イギリスではEU内では高福祉なので、まだ不満は削がれていたのでしょうが、EUによって潤っているのは大都市居住者や経営者のような人が多く、労働者にはその恩恵はあまり実感できないのではないかと思います。
富の分配機能がイギリスですら十分でなかったということは重大なことで、多くの連鎖を生むかもしれないと思います。
再び極左政権が東欧を支配したら困ると思い、EUは急いだのかも知れませんが、加盟国の追加や移民のルールについては性急すぎたということで、移民の受け入れはゆっくりやるべきだったと思います。
富の分配装置としてEUが機能するには文化も言語も、所得格差も違いすぎたのかなと感じます。
まず経済協定を結んだり、経済支援したり、人材交流させたりと旧社会主義国を取り込むのは時間を掛けた方が良かった。
変わるべきなのはEU側でしょう。
June 26th, 2016 at 4:07 am
私は今回メイロマさんという人を初めてフェイスブックのシェアで知りましたが、子供の頃長年イギリスに住み、また大人になってつい最近まで住んでいたものとしては、全く違和感を持つ彼女の解説だったので、驚いていました。彼女は投票者の気持ちを代弁しているのはよくわかります。まさしく彼女のロジックでこのような投票結果になったと思います。でも、その背後のロジックは事実関係とは違うので、まるであたかも移民が悪い、それがファクトだ、と書いている彼女には違和感。人種偏見ではないんだとは言いますが「東欧の人間」を「ユダヤ人」と置き換えれば、最終的にはracismの種だということに気がつくと思いますが。 そんな中、誰かがこちらのページをFBにあげていました。明確な説明。私もエコノミストファンです。これ、拡散されてないの残念! 友人が言っていましたが、今回の結果は結局「経済成長の恩恵が十分に再分配されていない社会の現象」と。まさしくその不満の爆発だったんでしょうね。 私は米国が一番長く、そのバカっぷりに悲しみ、British superiorityに思うところがありましたが、pot, meet kettle!
June 26th, 2016 at 4:14 am
日本の国内状況から類推するに、現地での受け止め方はこの通りなんでしょうね。貴重なレポートです。
ただこの文面からは良くも悪くも、世界のどこにでも移り住める富裕層が予想外の貧民の反乱に対して苦々しく思う気持ちが滲み出ていますね。
グローバリズム対ナショナリズムだけでなく、リッチ対プア、インテリ対フールの対立構造も内包した結果だという事なのでしょう。
集団の中の諸問題の責を身近な異物に負わせるのはナチスを持ち出すまでもなく歴史上の常套手段です。充分な警戒が必要です。お気をつけを。
June 26th, 2016 at 4:23 am
いやいや、石原慎太郎を4選している東京こそ右翼化してるのをスルーされては困りますね…
>日本で例えると地方のマイルドヤンキー(高齢マイルドヤンキー含む)が東京都民の大多数が反対するにも拘らず、右派に同調してしまいそれが「国民の声」として「民意」となってしまった
June 26th, 2016 at 12:17 pm
対抗馬が屑しかいなかったから4選しただけです。
June 26th, 2016 at 4:53 am
今回の国民投票には法的拘束力が無いのだから、国政に何か変化が欲しければ、取りあえず反対の離脱をぶち上げるものですよ。
地方の低学歴労働者層が変化を求めていて、現状に満足するインテリ層や若年層が変化を嫌っている、ということでしょう。
目立たなくても日本のインテリは、銃殺事件前には離脱派優勢とか、歴史文脈的に離脱の可能性が高いとする記事を出してましたよ。
冷戦中からNYやウィーンでは役人天国の国連も国連職員も嫌われていて、サッチャー時代にEU議会も同じことになると言いながら統合を頑張ったのは、冷戦後の経済混乱に備えるためだったような。
まあだからEU域外での紛争が増えても無事だったわけで、確かに良い保険でした。
それでも離婚できない結婚は不自然なので、離脱の前例をうまく作るチャンス、トルコ加盟前にEUにも良い経験になるでしょう。
それでも離婚できない結婚は不自然なので、離脱の前例をうまく作るチャンス、EUにも良い経験になるでしょう。
傑作コメディーが生まれるのが楽しみです。
June 26th, 2016 at 5:18 am
考えさせられる。これを書いている方は、自覚がないままに敗北宣言をしているのだけど、つきつめると「”リベラルで差別・偏見がなく公平な民主主義社会”は、地方の低所得低学歴を見下して、何の恩恵も与えてこなかったでしょ?そのツケだよ」というお話であるよう。
その状況で「ロンドンは人口の半分が移民だから、ロンドンだけ独立しようぜ」という話が周囲で盛り上がっているというあたりで、この人たちの「リベラルで差別・偏見がなく公平な民主主義社会」はここに至っても都市住民は地方の貧者・弱者との対話は無理という皮肉のきいたオチがついている。
「俺ら、ちょっと見えてないものがあったな。反省して地方もみんなで幸せになれる方法を探そう」とは決してならないから、きっともっと対立は深まっていくのだろうなあ・・・
June 26th, 2016 at 8:37 am
日本でも地方交付税交付金という形で地方にお金を払っている。東京はもらっていない
英国ではウェールズがEUからたくさん助成金もらっていながら離脱過半数。
何の恩恵も与えられたいなかったから離脱になったなんて話ではない。
June 26th, 2016 at 8:53 am
今回離脱に賛成したウェールズはEUからたくさん拠出金もらってるところですよ。
恩恵を与えていないからなんてのは嘘。
June 26th, 2016 at 9:53 am
その拠出金は土地に降りているだけで人に降りているわけではない。
イギリスの住人はそれなりに高い税金を払っているわけですし、EUから助けてもらっているという実感はないんでは?
目に見える形で恩恵がないなら、それを理由に人を動かすのは難しいのですよ。
June 26th, 2016 at 11:32 pm
その地域が金をもらっている以上、あとはそのお金をどう使うかのその地域の内政問題。
直接もらっていなくても福祉であったり、公共工事という形で雇用になっているかもしれないし
市長とか役人がねこばばしているかもしれない。
移民とかエリートとかEUが奪っているわけではないよ。
実感がないからーとかEUから離脱して拠出金がもらえなくなり
生活が苦しくなってからやっぱりEUに戻りたいとか言うの?
EUへの拠出金をNHSにまわすという話が嘘だったようにこれも嘘だったになると思うぜ。
『EUから10年間、毎年84億円の地方交付金をもらってたコーンウォール地方。EU離脱支持が強かったこの地方の議長が「EUからの予算割当が今後も変わらないと説明を受けていた」「今後、EUとの交渉で我が地方の立場が守られることを要求する」』
http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/brexit-cornwall-issues-plea-for-funding-protection-after-county-overwhelmingly-votes-in-favour-of-a7101311.html
June 26th, 2016 at 5:25 am
模型業界で働いているものです。
イギリスの友人とは飛行機模型と塗装工具で仲良くなったのですが、地方と低層労働者にすべてのツケを押し付けた反動
はこれからすべての国家で起こるだろうと言われました。
June 26th, 2016 at 8:52 am
イギリス地方在住です。こちらは、”Leave Vote”の声が大きく、まさか離脱するのでは、、、という危機感はありましたが、それでもまだ現実を受け止めるのに、時間がかかっております。
「結局、今回、離脱票を投じたような人たちが最も影響を受けるのである。」
強く同感いたします。一部の政治家の無責任な言葉を信じ、離脱票を投じてしまった(すでに離脱票を後悔している人もいるとの報道でていますよね、、、)今回の問題の根深さ、そして今後の影響の深さを感じます。
Economistを読んでいますが、”まだまだ理解できない、でもとっても重要そう!”な記事を、
葉子さんが解説してくださっていることが沢山ありました。感謝しています。
今後も、ブログを楽しみに待っております。どうか、末長く続けていただけると幸いです。
June 26th, 2016 at 9:15 am
はじめまして。ツイッターから、たどり着いたものです。
現地の空気が伝わるレポート参考にさせていただきました。
めいろまさん同様、葉子さんの主張も主観であると読み手も了解しているとおもいますが、いわせてください。
教育が足りない地方の人間だからだまされていると、いうのは、差別・偏見に満ちた発想ではないですか?
「リベラルで差別・偏見がなく公平な民主主義社会に移ってきたつもりなのに(以下略)」
このように、完全に差別偏見がない世界など幻想にすぎないのと同じように、
グローバリズム・新自由主義は資本主義の帰結とか、時代の流れだというのも幻想です。
しかし、
guchi さんのおっしゃるとおり、EUがあったから戦争が起こらない、という説(幻想)は
同意できないだけでなく有害であると思います。
パンドラの箱が空いた、というのは別な意味では正しいと思います。
グローバリストの提示する未来や理論が全く説得力をもたなくなったし、
象徴的な出来事(ベルリンの壁など)で、世界中のある幻想が目に見える形で崩壊し、
一気に時代が動くというのはよくあることです。
イギリスの法的にしばられない国民投票で、EU離脱に方針が決まっただけでドミノ倒しのように世界中に広がるならば、
それはグローバリズムの提示する社会幻想が、よっぽど無理筋だった、という証明です。
ベルリン崩壊前の共産主義国のように。
June 26th, 2016 at 4:20 pm
めいろまさんの挙げる問題点が7つくらいあるうち、6つめにしか反証してなく、弱く感じてしまいます。
つまり人口急増で問題が起きていることに反証しておられます。
そのうち学校の反証には説得力を感じますが、病院についての反証は断定的すぎるように感じます。
「高齢化と平均寿命の伸び」といってもここ最近で急に平均寿命が伸びたわけではないし・・・
ロンドンの建築規制についても昔からの文化であり、そこから高騰したのは何故かを考えないといけない。
これについては移民というよりも地方からの移住や都市のグローバル化による影響が大きいと推測しますが、
それらにより地方は都市部への怨嗟のようなものを持っているのではないでしょうか。
つまり、地方の才能を吸い上げ、都市生活スタイルこそが魅力的だと言い合い、得体のしれない付加価値を
付与し、自分たちの話題が都市の話に侵食され、それがさらに都市の価値を高めていくということに
疎外を感じているのでは?
そこへさらに得体のしれない移民がくるということに、疎外を強めているのでは?
June 26th, 2016 at 10:50 pm
すいません。投稿場所を間違えました
June 27th, 2016 at 12:44 am
病院が圧迫されている大きな要因、保守党によるNHS(国民保健サービス)の大幅な予算削減が触れられていませんね。最近ではジュニアドクターたちが、夜間・休日勤務手当ての削減を含む保守党の強引な契約変更に反発しストライキを起こしていました。また、NHSで働くドクターやナースの多くは移民なので、移民がNHSにもたらすメリットも考慮されるべきでしょう。
家賃の高騰は、海外の資産家たちによる不動産の買い占めが大きな影響を与えています。これは今回離脱派を煽った前ロンドン市長で保守党のボリス・ジョンソンの政策に問題があったと批判されていますが、保守系メディアはそれを無視して移民叩きに話をすり替えています。
ロンドン市民、特に中流の知識層には地方の人々の思いが全く見えておらず、その疎外感が今回の結果につながったという点には同意します。高尚な政治論議を交わすのはいいけれど、現実を見据えていないとこうなるんだという教訓になればいいのですが、在住者の実感としては分断は深まるばかりのようです。
June 26th, 2016 at 8:35 pm
>教育が足りない地方の人間だからだまされていると、いうのは、差別・偏見に満ちた発想ではないですか?
これは、「差別」をあまり正確に理解していないかと思います。
差別というのは、存在します。イギリスでは階級差別は必ずしも否定されていません。通常、差別が問題視されるのは、人種や性別などの本人がどうしようもないことを問題にするときのことです。教育の場合は、(すくなくとも発展途上国のように教育の機会がそもそも内容な場合でなければ、)本人の努力によって改善できることであり、その場合は「差別」というよりも「格差」となります。
ここで問題視しているのは、よって差別ではなく教育レベルの格差なんだと思います。
そもそも、イギリスにおける移民は、数的にはイギリス連邦からが多く、EUは1割以下。EUからの移民をEU離脱の主な原因とするのはちょっとずれていると思います。
June 30th, 2016 at 12:34 pm
HKさん
>病院が圧迫されている大きな要因、保守党によるNHS(国民保健サービス)の大幅な予算削減が触れられていませんね。
全くおっしゃる通りで完全に抜けていました。
びばさん
「差別」と「格差」のご説明ありがとうございます。
イギリスで厳然と存在している階級が日本では肌感覚として理解されていない、というのもあるかと思います。
June 26th, 2016 at 9:29 am
この記事を読んで思うのは、やっぱり、ロンドン在住のエリート層には、地方の気持ちは分からないんだな、ということ。
勉強熱心なのは結構ですが、The Economistなんて、なぜ国民みんなが読まなくちゃいけないんですかね?
現時点の各種問題が高齢化や出生率のせいだとしても、このまま移民を放っておけば、イギリス国内の経済格差がますます開くのは間違いありません。
そして、それがテロや犯罪の温床になることは、アメリカを見れば一目瞭然です。
政治を動かすのはロジックではなく、感情です。そして、それが常に間違っているとは思いません。
いまのEUは、閉鎖的で権力が集中しすぎていて、非常にキナ臭い。それを地方は、感じ取っているのです。
June 26th, 2016 at 9:41 am
う~ん。
この記事はどれも「めいろま記事」の論点からずれて反論してるので、全く説得力がないんですよね。
子供の出生率がイギリス人が高いと説明してるけど、めいろまさんは子供の移民のことを言ってるんだし、
医療についてもイギリス人の老人が増えているから苦しくなってると説明してるけど、めいろまさんは
その上でさらに移民が福祉をただで受けているからさらに大変なことになってると訴えているのだし。
そもそも、ここの時期では移民は若いと決めつけているし、若いから医療の世話にならないと読めるような文まで
書いている。おかしくないかな?
さらに、EUのおかげで戦争が起きてないと書いてあるのには驚きを通り越して笑ってしまった。
本当にそう思っているのだろうか。第二次大戦が終わって皆、戦争はこりごりだという意識があるからでしょう?
残念ですが、ここに書いてある記事はすべて説得力がないと言わざるをえないです。
もう少しイギリスの現状を勉強してください。
June 26th, 2016 at 10:07 am
拝見させていただきました。
で、コメントの流れをざっと見てました。
あれですよね、大雑把に「どんな目に遭ってもいいから自分たちを見下す輩に酷い目に合わせてやりたい」。
という流れそのものはわからんでもないのですが、それが移民苛めと移民への責任転嫁ってなんか話が捩れてますよね。
弱者差別と責任転嫁こそがインテリへの最大の攻撃って、そうかなぁ…。
なんか小学生襲って「誰でも良かった」と言ってるみたいな違和感。
いっそ腕力で挑んでくれるほうがなんぼか話がすっきりしてるんですが。
June 26th, 2016 at 10:46 am
はじめまして。今朝めいろまさんの記事をあまり批判的に読まずに引用してブログを書いたあと、あなたのこの記事を読んで色々考えこまされました。なるほど。確かに実際に自分が住んでいる地域における巨大事件としてはそれぐらいの反応があってしかるべきで、私は他人事的に軽い考えだった部分もあったかもしれないと反省しました。
しかしそれはそうと、ここで「論破したら終わり」という発想自体にその先がないような気もしていて、それについてブログを書いたので、もしよろしければお読みいただければと思っています。
http://keizokuramoto.hatenablog.com/entry/2016/06/26/193312
いくつか他ブログも拝読しましたが、あらゆる文脈を超えて自分たちの意志で人生を切り開く野心というかガッツというかには凄く共感を覚えました。私もそうありたいとおもいつつ全然違う方向に突っ走っていますが、ガッツの内容はかなり似ているように思います。あなたと考えが違う人も多いでしょうが、あなたの生き方を変える必要は全くないと思いますし、言われるまでもないでしょうがそのまま強く生きられることを祈念しております。ネットでの一期一会に感謝しつつ、それでは、さようなら。
June 27th, 2016 at 11:23 am
倉本さま
ご丁寧な記事ありがとうございます。
普段は6歳、3歳、1歳の3児の母をやりながら仕事もしているので、ブログを書く時間どころかじっくり考える時間が、子どもの土曜学校の送迎の間の時間、週2時間しかないのですが、めいろまさんの記事がすごく広まっていたので全面的に信じてしまう人が広がるのは困る(!)と思って、上記2時間でかきあげたのが上の記事です。
ポイントは「移民が多いのは事実だが諸問題の元凶ではない」であり、anti intellectualsmのところは「ガーディアンのグラフと記事読んでください」って感じで端折ってしまったので、論破したと受け止められたのかもしれません。
今現在で20万アクセスを超えています。 時事問題はスピードが大事で1週間待って考えて書いても読まれないので、推敲なしでざざっと書いてしまったのですが、それでも議論のネタになって結果的にはよかったのではないかと思っています。
というわけで論破したつもりはなかったので、今回の続編も近いうちに書きたいと思っております(土曜まで時間が取れないかもしれませんが)。
June 27th, 2016 at 1:32 pm
私の方としても、あなたが強く「論破」したという風に思っているわけではありません。まあ当日の衝撃を正直に吐露したら「結果としてそういう形になった」こと自体について、あなたのブログを引用して「これで全て終わり」という風に持って行こうとする巨大なムーブメント全体に対してメッセージを発したつもりです。だからパーソナルに捉えないでくださいね。
どちらにしろ、確かに残留派のエリートは離脱派の気持ちや実情を理解してないかもしれないが、一方で離脱派のヤンキー兄ちゃんがエリートの人と同じぐらい色んな社会的問題について責任持って考えてるかというと全くそうではないので、逆向きに怨念が暴走して彼らが言うことが何でも正しいみたいになるのも希望がありません。この問題の難しさは常にそこにあるので、だからこそ、ブログに書いたようにイスラム原理主義や原理主義的左翼性でなく「英国政府」というバランス能力は凄いありそうな主体がこの役割を果たす価値もあろうかと思っています。
同時に、個人レベルで見れば、あなたはキャラがわかりやすくて批判しやすいところがあるんですが(笑)だからといってあなたが生き方を絶対変えなくちゃいけないとかなるとそれこそ全体主義国家へ逆戻りになるので。
なので、状況は把握しつつ、対岸にいる人を「理解」しはしつつ、あなたの人生はあなたの人生として、決して怨念の暴走に左右されることなく、堂々と歩いていっていただければと思います。その道が確保できるかどうかが、この混乱が「本当のバランス」に向かうのか「全体主義への回帰」になるのかの分水嶺となると思いますので。
炎上の渦中に放り込まれて色々と大変かもしれませんが、次回のブログも楽しみにしています。それでは。
June 26th, 2016 at 2:23 pm
世界大戦前も世界中で格差が広がり続け、多くの市民の不満エネルギーが他国侵略という形で噴出した(マスコミなどによりリードされた)という認識です。(現在の中国も似たようなガス抜きをしています。)
80年代から拡大し続ける格差エネルギーは、今の時代、段階では戦争という形では噴出しないでしょうけど。一人一票が与えられ、情報が昔より取りやすくなってる今の時代です。この投票結果は、不満エネルギーの抜け先としては真っ当かな。
人間だれしも完全ではないので、多数派の声を、政治主導でガス抜きや、希望など作ることも必要ではないでしょうか。
June 26th, 2016 at 2:48 pm
失礼な話かもしれませんが、今年の11月までに、イギリスの景気や為替が一気に落ち込んで、トランプの当選阻止に貢献したいただければと思っております。
June 27th, 2016 at 2:30 pm
今回、残留派は「離脱したら大変なことになるぞ」と経済的な脅し戦略に終始していましたが、離脱派には響きませんでした。 トランプ支持層も似た層だとすると、イギリスの景気がいくら悪くなっても「ここ(米)でもやったれ」くらいにしかならないような気がします。 ヒラリーが浮動層にどうムチではなくアメを見せられるか、ですかね。
米の大統領選ほとんど追ってないので適当なコメントですみません。
June 26th, 2016 at 3:57 pm
今、米英で起きていることは行き過ぎたグローバリズムの揺り戻しなのではないでしょうか。少数のアングロサクソン的なリベラリスト/自由主義者が実社会を牽引する今日、彼らと、暴走したグローバリズムの綻びに不満不安を感じる人々との乖離が大きくなって、それが国内でも国家間でも対立を引き起こしている気が私にはします。私が出会ったデンマークの欧州懐疑主義の政治家は、「we need more democracy」と言っていたことを今でもよく覚えています。今こそ立ち止まって省みるいい機会では?
富裕層vs庶民とか、自国民vs移民とか、右翼vs左翼とか、アジテーターが好む陳腐な分かりやすい二項対立はもう止めです。だいたい分かりやすい解説なんて事態のほんの一部を掠め取っているから分かりやすく見えるだけでタチが悪いものも往々にしてあります。
そのためには義務教育レベルからダイバーシティが尊ばれる環境作りが必要だと幼稚ながら私は思います。
June 26th, 2016 at 11:00 pm
この記事もめいろまさんの記事もどちらも読みましたが、やはり視点が偏っていると感じました。
つまり残留派の視点、離脱派の視点からという見方でしかなく、一歩引いた視点が欠けています。
>私たち自身は「リベラルで差別・偏見がなく公平な民主主義社会に移ってきたつもりなのに、
>私たちの子ども世代に何をしてくれた?」という気持ちが強い。
これは完全に残留派の視点で、離脱に投じた階級の人たちはつねに「差別・偏見・不公平」を
感じてきたのではないでしょうか? だからこそこの結果なのだと思います。
↓個人的にこの記事が市民感情をうまく書いているかと思います。
地べたから見た英EU離脱:昨日とは違うワーキングクラスの街の風景
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160625-00059237/
June 26th, 2016 at 11:02 pm
今回の騒ぎを見てリベラルなどと呼ばれる連中の正体が実は酷い差別主義であり、俺様絶対主義だということがはっきりとわかる。
低学歴なブルーカラーであろうが、高学歴なホワイトカラーであろうが、「両者は同じイギリスを構成し、イギリスという土地・国家と運命を共にする共同体である」ということを忘れ、「低学歴ブルーカラーは自分たち高学歴ホワイトカラーの言うとおりに従っていればいいんだ」という思い上がりがひしひしと伝わってきます。
その時々において双方がバランスし得る中央値は必ず存在するわけであり、それは非常に強い引力を持っているものです。
そんな現実を無視して相手に自分たちの幼い理想を無理やり押し付けても、結果的にその時点での共同体の最適解(リベラルの言う一方的な妄想ではない)に引き戻されるのは当たり前です。
何かを進めるのならば、目標を何段階にも分け、その中央値を理想ポイント側に徐々に移動させて行くことが必要であり、稚拙で早急な移動は社会に著しい混乱と不公平をもたらすだけです。
リベラルとは選民思想を強く持った理想主義者・差別主義者であって、各国で自国民を大量に虐殺し、現在も虐殺し弾圧し続けている共産主義者と非常にが酷似しており、大変危険です。
事実、「離脱派は低学歴・田舎者のブルーワーカーであり、メディアに騙されている、政治家に騙されている」と主張しており、この様な「自分たちの理想に楯突く一般庶民どもは~」という思想(というか感情)、これは共産主義者・独裁主義者の「そうだ!自分たちの語る理想に反対する連中はバカだから片っ端から全員粛清しよう!そうすれば理想は必ず達成できる!」という思想と何ら変わりなく、民主主義というタガがなければ彼らはきっと自国民を粛清してたことでしょう。
June 27th, 2016 at 2:34 am
メイロマは、もろにアンクル・トムな人なので・・・
>アメリカでは「イスラム教徒入国禁止」などと叫んでいる人が大統領候補である一方で、
>イスラム教徒を市長に選んだロンドンを誇りに思ったLondoner(ロンドンっ子)は多いはずである。
この方たちは「ロンドン独立」を主張する署名についてどう思っているのでしょうか?
そこまでいくとイギリスにおける多様性という話ではなくなってしまうと思うのですが。
果たして、寛容だから移民が多いのか、移民が多いから多様性に寛容なのか。
June 29th, 2016 at 8:22 pm
>この方たちは「ロンドン独立」を主張する署名についてどう思っているのでしょうか?
>そこまでいくとイギリスにおける多様性という話ではなくなってしまうと思うのですが。
ロンドン独立はすぐにはありえない話です。 20年後とかはありえるかもしれませんが。
June 27th, 2016 at 5:00 am
今回の選挙でいかにインテリ、エリート層の人達が地方の低学歴の人達を見下しているかをわかっただけでもやった甲斐がある。常にそういう目線で他者を見ているなんて寒気がするわ。それで平気で世界に平和を!とか言っていそう。
June 27th, 2016 at 5:01 am
若い層は子供のころからEUを知ってた、高年齢者はEUのない世界を生きていた。
若年層も老年齢層も別に自分が知ってる世界を変えたくない、保守的なだけなのでは…?
今エリートはそりゃ利益を享受してるんだからあれやこれや理屈をつけて現状を維持したいってのは当然だとは思うんだが…
正直、残留派がこんな目で下層を見てるんであれば、離脱に票を投じたくなるという気持ちは分かる気がしてしまう
とこのブログを見て思ってしまいましたね。
反知性ってつまるところ相手を「馬鹿」と正面から罵ってるのと同じだしね。レッテル張りというのは罪深いものだと思います。
一部の政治家を信じた人たちが~とかいっても、彼らを信じさせることができなかった残留派も自分達の敗北の原因を探り対策をとらないと。
同じ事はこれから世界中で広がっていくのですから。
June 27th, 2016 at 3:18 pm
[…] Brexitというパンドラの箱 […]
June 27th, 2016 at 4:33 pm
なんだかさ、所謂リベラルで括られている人たちって地域の伝統とか文化に関与していない人多い気がする。そういう文化が嫌で揺蕩って「仕事(地域共同体への貢献)」と「稼ぎ(口に物を入れるためのもの)」が両方あるっていうのを面倒がって自分の「稼ぎ」を「(立派な)仕事」と掏り替えているような…。都市生活者ならではの驕り高ぶりというか。皆が皆お金の流れてくる方向に頭を下げているわけでもないし。都会生活の田舎者(比喩的な意味で)こそが地方生活者をマイルドヤンキーと揶揄するというのは世の習い。後から来た人の地方生活への溶け込みはそりゃあ難しいですよ、年月のいることだと思います。でも「どこでも暮らせる」という人と「ここでしか暮らせない」という人では目線が違うのは当たり前。イギリスは良い選択をしましたよ。均一化された世界なんてインフラ的な意味で暮らしやすいかもしれませんがね、土性骨なんて築くことはできやしませんって。お洒落かもですが。地域名がすなわち文化、それがただの地名に堕すグローバル化というものは本当におしゃれとは縁遠いですが、そういう生き方も肯定した先の筆者の立ち位置ではないというのがわかりました。
June 28th, 2016 at 3:06 am
[…] Brexitというパンドラの箱(世界級ライフスタイルのつくり方) […]
June 28th, 2016 at 3:36 am
まずは、3人の子育てとお仕事とで、ただでさえお忙しい身なのに、今回の件について興味深いご意見を書いてくださったことに感謝いたします。めいろまさんのブログを読んだだけでは、こんなにいろいろ考えさせられなかったと思います。色々な考えを戦わせることが、まず大事なのだと改めて思いました。
私も今回の結果には、正直少し驚きましたが、でも今の格差問題や移民問題、テロの恐怖(どの問題も,EU離脱だけでは解決しませんが)を考えると、その恐怖に耐えられず、感情の方が勝ってしまい、離脱派の運動家の分かりやすい(けれど決して将来について責任を持った主張ではない)説明に惹かれてしまった有権者も多いのだろうと、半ば腑に落ちてしまったところもあります。
今、世界中の色々な問題は、様々なことが絡み合って起こっているので、どれ一つとってみても、簡単な解決策はなく、あちら立てればこちら立たず…その複雑な仕組みが多少とも分かっていれば、短絡的な結論は選びようがないのですが、全ての人がその複雑さを理解することはとても難しく、手間も時間もかかることです(地域や世代による情報の格差問題もありますし)。今回、残留派の失敗は、そういう手間暇をかけず、安易に国民投票してしまったことでしょうか。EUにも問題はあり、それは今回の結果を見て変えていかなければならないでしょうし、どんなにすばらしい理想でも、格差や人々の生活の不安の上では、成り立たないことを再認識しました。そしてナショナリズムの克服は、本当に難しい。
平和や民主主義、自由を守ることはとても、手間暇かかる忍耐強さが必要なのでしょう。今日本でも、複雑さやわずらわしさから逃げて、問題を単純化し、狭いナショナリズムに流れがちな声が少しずつ大きくなってきているような気がします。とても不安です。イギリスはこれから、膨大なエネルギーと、長い時間をかけて、新しい国のあり方を模索していくのでしょう。離脱派も残留派も、協力して事に当たることが必要ですが、それができるでしょうか…
日本人も、今回の結果を見て、安易な国民投票や耳に心地よい大衆迎合主義には、気を付けなければならないと思いました。今回の件が、良い反面教師になるのか、それともこの流れをずるがしこく利用する人々にしてやられるのか…
June 29th, 2016 at 8:24 pm
コメントありがとうございます。
めいろまさんの記事を読んで、その流れに一石を投じることが目的だったのでそう言って頂けてよかったです。
June 28th, 2016 at 1:57 pm
[…] この記事とは別の視点からBrexitを評価した現地の人のブログは必見→「Brexitというパンドラの箱」 […]
June 28th, 2016 at 2:39 pm
通りすがりですが,非常に興味深く記事とコメントを拝読しました.記事の中の,心から離脱派をバカにしている様子が,これがまさに今回の離脱派やトランプ支持層の敵視する「鼻持ちならない意識高い系リベラル」の実態であり本音であると理解しました.トランプ支持派の本音はよくニュースになりますが,逆の本音はなかなか記事に出てこないので,とても勉強になりました.世論は常にエモーショナルなので,投票を最後まで決断できなかった最後の数パーセントが離脱に傾いたのもわかる気がします.結局はお互いの分断を解消するどころか助長してしまった政治の責任でしょうが.
June 28th, 2016 at 2:54 pm
まず、現地に溶け込んで暮らしている方が、日本語で、日本人の感覚も踏まえながら情報を共有してくれたことに大変感謝します。
(コメント欄に書き込んでいただいている方にも感謝します。)
次に、葉子さんが人の何倍もの努力をされて(INSEAD後のキャリアに対する苦労も含めて)、
今の生活をしているのは称賛されることはあっても、決して否定されるべきものではないのは間違いなく、
また特に私は文章が上から目線とも感じませんでした。
その上で、私は特に華々しいキャリアもない一般人ですが、(一般的な社会通念上)hierarchyの上がする発言というのは、その下の人間からすると、普通の言い方をしていても非常に上からに聞こえてしまうところがあったのかなとは思いました。
また、協力をすればプラスサムゲームになるのに、いい思いをしている人間をみてしまうと、たとえその結果がマイナスサムでも協力をしない選択をしてしまうのも人間で、今回の結果も似たような心理が働いた結果と思っています。
逆に言うと、理屈で説明しても、地方の方には意味がないことなのかもしれず、むしろ「イギリスを守るために協力して頂けないか」ぐらいのほうが響いたのかもしれません。
いずれにしろ、めいろまさんの記事+葉子さんの記事+皆さんのコメントで、今回の件に対する理解が深まったことは間違いなく、一般マスメディア以上の質と感じています。重ねて御礼申し上げます。また、次回記事にも期待しています。
June 29th, 2016 at 8:37 pm
>協力をすればプラスサムゲームになるのに、いい思いをしている人間をみてしまうと、たとえその結果がマイナスサムでも協力をしない選択をしてしまうのも人間で、今回の結果も似たような心理が働いた結果と思っています。
>理屈で説明しても、地方の方には意味がないことなのかもしれず、むしろ「イギリスを守るために協力して頂けないか」ぐらいのほうが響いたのかもしれません。
全くもっておっしゃる通りだと思います。 そういう実験がありましたね。
June 28th, 2016 at 8:48 pm
以前より読ませていただいております。ロンドン在住です。地方の状況も耳にしていたので、この結果も予想しており、ハラハラしていましたが、現実のものになってしまいました。4日たった今も深く胸を痛めており、眠れません。ロンドンのここ10年間の躍進を目のあたりにしてどんどん住み心地が良い場所になっていくのを肌で実感していました。ロンドンに住めていることを誇りに思っていました。しかし投票結果がでた後のロンドンの風景は昨日までのものとは違って見えました。ただただ悲しいです。これからどのように変わっていくのかとても不安です。イギリス人夫は結果は出てしまったので受け止めるしかない、London is still a great city といっております。子供たちのためにもそう願いたいです。
June 29th, 2016 at 8:48 pm
London is still a great city.ですよー サディク・カーンに期待しましょう!
July 7th, 2016 at 8:44 am
こんにちは。葉子さんがロンドンにご転居された直後頃よりブログを読んでいませんでしたが、「今回の騒ぎ」でふと、久しぶりに訪れてみました。記事についてはこれといった感想はありません・・・私もThe Economistや当地フランスのニュース雑誌など読んでいますので。ただ、いくつかのコメントの語調には驚きました。英国EU離脱の話題にかこつけて、葉子さんに対するある種の負の感情を匿名をいいことにぶつけているだけのような人がいますね。こういう言葉を目にしてしまうと、あとで影響が出ることもありますので(友人のブロガーはコメント欄の非礼をきっかけに急性○○炎になりました)、ご自愛ください。
ただし一点だけ。ban-prestさんのコメントは、表現はやや過激ですが、現在のフランスの自称リベラル・人道主義者の状況を的確に描写しており感心しました。
あ、ついでにもうひとつ。『ロンドンは簡単に言うとヨーロッパの首都である(「世界の首都」とまで言う人もいる)。そうはっきり言ってしまうと語弊があるので・・・』 はい。語弊ありすぎ(笑)。現在、政府・住民ともに「ヨーロッパの首都」と呼ぶ都市に住んでいますが、大陸からみると、ロンドンは、シティがあるっていうだけで、「ヨーロッパの首都」であったことはないです。ユーロ圏でもシェンゲン圏でもなかったし、欧州統合へのコミットメントは始めから曖昧だったし。私のまわりのEU統合派(ただしドグマティックなリベラルとは一線を画する)は、1)結局は、交渉の末、離脱はキャンセルになるだろう、と思いつつ、そうならなければ、2)英国抜きなら、EU統合を一層強化するチャンスだ・・・という意見にまとまりつつあります。
January 23rd, 2019 at 4:08 pm
いや、これで傲慢さを感じないって発言そものが傲慢極まりないでしょ
ノブレスオブリージュのないエリートなんてタダの腐敗した既得権益階級にすぎない
ロンドンの金融界の繁栄の犠牲になったマンチェスターとリバプールの工業があるのに、その後上から目線をかまされたらそうなるよね。(自己責任で切り捨てるのはたやすいが、それならブレグジットでロンドンが損するのも自己責任ではないか?エリート階級は庶民の損失は勉強して子なった庶民が悪いというくせに、いざ自分が損をするとなればピーピー鳴くんだもの)
そしてこれは、金融業で(少なくとも日本の中では)繁栄する東京と製造業の地盤沈下に悩む大阪名古屋、あるいは農業の不振に苦しむ地方と構造は同じ
そのクリエイティブな仕事とやらを黙って支えてるいるのは誰だと思ってるのか?
え!?移民にやらせるから解雇だって!?中国から輸入するからいらないって?
じゃあこっちもアンタラの事なんか知らないよ。ロンドンが損するなからって損すればいい
と、なっても不思議ではない
畢竟独立なんてのは究極損得じゃない
損得でイスラム教徒がキリスト教徒に、あるいはその逆になるとは限らない
ユダヤ人がいくら弾圧されてもユダヤ教を捨てなかった人が一定以上いるように、宗教とか国家は損得じゃないプライオリティである
要するに彼女のいう「エリート」というのはやくざ映画でいう「神輿が勝手に歩いて」いけると思ってるたちの人のこと
今時漫画の悪役でももうひとひねりはするぞってくらいのわかりやすいくらいの傲慢である
だいたい戦争になったら核を持ってるイギリスに対抗できるのは核を持ってるフランスだけ