今年は次男が産まれてバタバタしている間にあっという間に師走になってしまいました。
みなさん、年末年始の帰省の計画はもう立てましたかー?
お盆と年末年始の恒例行事となった帰省ラッシュはいわずもがな、1960、70年代の高度成長期に地方から若年労働力が都会に流入、盆暮れに親元に帰省したことに端を発しています。 とはいえ、『ALWAYS三丁目の夕日』の世界も遠い昔、すでに代替わりして地方に帰省先がなくなり「帰省先は町田です」「所沢です」なんて人も増えていることでしょう。
今日のBGMはこれ(古い? 笑)
1950年から1970年の間に全国に占める人口の割合は、南関東が15.5%→23.0%、近畿が13.8%→16.6%と二大都市圏だけで10%以上伸びました(参議院:『戦後日本の人口移動と経済成長』より)。
今、これと同じことが世界レベルで起こっています。
2008年には人類史上初めて世界の都市人口が農村人口を上回り、この傾向は今後数十年間続くと予想されています。 1970年には36.4%だった都市人口は2011年には52.0%になり、2030年には59.9%になるとの予想(『国連人口白書2011年版』より)。
地方から国内の都市へ、各国の都市からグローバル都市へ。 さまざまなレベルで起こっている若者たちの上京物語に帰省はつきもので、代表的なのが中国。 都会に出てきた地方出身者による旧正月の帰省ラッシュはすでに有名で、今年の旧正月には延べ31億人が移動したそう(朝日新聞:『31億人の帰省ラッシュ 中国の旧正月前に』)。
ヨーロッパ各都市やコモンウェルス諸国からロンドンに上京してくる人たちのことはこれまでもブログに書いています(→『移民の街 ロンドン』、『ロンドンにとっての地方』、『Frenchman in London』、『ロンドン栄光の時代?』)。
これからクリスマスの帰省シーズンがやってきてキリスト教徒を中心に民族大移動が繰り広げられます。 ロンドンに住む(イギリス人はもちろんのこと)ヨーロッパ人もみな実家に帰りますが、私たちは今年のクリスマスはロンドンで過ごします。 理由はコストと混雑。 ロンドンから(夫の出身地である)メルボルンまでのクリスマスシーズンのフライトは1人£2,000以上(約27万円)、ドア to ドアで30時間近くかかるので、家族4人がほいほいと帰れるコストと距離ではありません。
『未来に備える本』で書いた『ワーク・シフト – 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』の中で、一番痛切に感じたことのひとつが「都市化の進行と国際間移住が増えることにより、育ったコミュニティや家族から切り離されて孤独にさいなまれる人が多くなる」という箇所。 「クリスマスや正月に帰れない私たちのことだ!」と思いました。
ところが、クリスマスには高すぎて(または他の事情)で帰れない(帰らない)人たちも多いのがグローバルに人が集まるロンドン。 同じような環境の友人家族がクリスマスランチに誘ってくれました(イギリス系の国では家族・親戚が集まる最大のイベントは25日のお昼です)。 4家族(大人8人、子供6人)+犬1匹、という錚々たるメンバー。 やっぱり”the more the merrier”ですもんね。
子育てでは『遠くの親戚より近くの他人』を痛感していますが、家族の形が変わる現代、クリスマスの祝い方の形も変わっていくのかも、と思う年の暮れ。
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