巷で話題だったので行ってきました、今年5月に大改装オープンしたSt.Pancras Renaissance Hotelのホテル・ツアー。
St.Pancrasというのはユーロスターの終着駅なのですが(*1)、駅から下りるとすぐにこの大仏殿より巨大な建物、しかもゴテゴテのネオ・ゴシック建築で目立つこと、目立つこと・・・
*1・・・ロンドンは他ヨーロッパ都市と同じく中心街から少し外れたところにいくつか鉄道の終着駅があり、St.Pancrasはそのひとつ(『日本の鉄道会社の事業モデルは海外でも有効か?』)。 ただし、イギリスは鉄道発祥の地、なのでその頃の「街のはずれ」は今では立派に中心街に飲み込まれている。
駅に直結するホテルとして1873年に開業したものの1935年に閉鎖。 その後は鉄道会社のオフィスや宿舎として使われるものの、老朽化する一方で、取り壊し寸前までいったこともあったそう。
ほとんど廃墟と化していたこの壮大なゴシック建築を救ったのがユーロスター乗り入れと付近の再開発。 マリオット・ホテル・チェーンに買収され£800mil.(約1,000億円)の費用をかけた大改装の末オープンしたというお話。
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St Pancras Renaissance Hotel
世界のMurakami
去年12月にパリから帰ってきた直後に、安西洋之さん(→1, 2)から
ベルサイユの村上隆展はご覧になりましたか?
と聞かれたときから気になってました、アーティストの村上隆(というより”Takashi Murakami”の方が有名)。
実はこの時まで村上隆を知らなかったし、当然ベルサイユ展も見逃したのですが・・・
安西さんの日経ビジネスオンラインの連載『ローカリゼーションマップ:ヴェルサイユ宮殿に村上隆が連れてこられた』を読んで本人の著書「『芸術起業論』買わなきゃ!」と思いつつ、4月の日本で買いそびれ・・・ 作品そのものは右の写真の通り、凡人にはどういう感想を持てばいいのか困窮する展示だし・・・
と、忘れかけていた頃に本展覧会のアート本『Murakami: Versailles』を見つけたので、一気に読破しました。 特に”Le Monde Magazine”記者が行った村上隆のインタビューの内容が実にインスピレーションに溢れています。
普段、ビジネス本ばかり読んでアートに無縁な人、『世界級キャリアのつくり方』とは?とか考えている人にぜひ読んでほしい!
家族のQuantity time
だいぶ前に読んだ、グロービス堀さんのブログの「家族と過ごす時間の質と量(Quality time vs. Quantity time)」というエントリーで紹介されていた堀さんのオーストラリア人の友人(会社経営者であり3人の娘の父親)の言葉が最近身にしみます。
親子関係は、質の高い時間(クオリティータイム)が重要だと米国では良く言われているようだが、僕にはそうは思えない。 親が都合が良い時間に子供に向かって、『さあ、質の高い時間を短時間で過ごそう』、なんて言っても、 子供はついてこないものさ。
子供は両親と一緒に長く過ごしたいと思っているんだよ。 その長い時間を過ごすなかで、ふとした瞬間に心が通い合う会話があったり、悩みを打ち明けたりする、質の高い時間が来るのである。
私の息子(現在15カ月)はフルタイムでナーサリーに行っています。
朝6:00からナーサリーに出発する8:00までの2時間は家族3人で朝ご飯を食べ、バタバタと出かける支度をする時間。 夕方5:45のナーサリーのお迎え時間から7:45のベッドタイムまでの2時間は、私と息子2人だけの時間です。
夕方の2時間の間に息子に晩ご飯を食べさせお風呂にも入れるのですが、彼は早食い&からすの行水なので、うち1時間半は絵本を読んだり歌を歌ったり100%息子と向き合います。 家事はすべて後回し、「〜しながら」はNG、「ママはボクだけを見ている」唯一の時間。
息子にとっては長い1日の終わり、疲れている時間帯なので機嫌がいいときばかりではありませんが、ものすごい速さで成長する様子を脳裏に焼き付けようとする私にとって宝石のような瞬間はだいたいこの2人の時間中に訪れます。
駐妻・現地妻の憂鬱
Twitterでたまたま流れてきた『NY駐在「妻」社会、見聞録』というブログを見てしまいました。 企業による社員の海外派遣がちっとも珍しくもないこの世の中、いまだに「駐妻」ってブランドなのか?と思いつつ、以前、小町かなんかで見た「現地妻」という言葉も同時に思い出しました。
「”現地人”の妻でもない私みたいな人の呼び方はないのか?」、「駐在ではない日本人の妻の呼び方は?」という疑問はさておき・・・
シンガポールでは、このブログで知り合った人以外、とんと日本人と出会うことがなかった私、ロンドンでは子どもの日本人プレイグループを通して日本人ママ友と知り合う機会が多くあります。 その中には、いわゆる「駐妻」も「現地妻」もいます。 加えて「オージーの妻」、「私費留学の夫の妻」、まあいろいろいるわけですが、個人がハッピーか・アンハッピーかは、
- 自分自身も主体性を持って(望んで)来たか?
- きっかけは自分自身の希望じゃなくても(例:夫に転勤の辞令)、積極的に頭を切り替えられたか?
によるようで、理由や立場の如何ではないようです。
「夫が駐在になったから、自分はキャリアを諦めた」という駐妻と同じく、「イギリス人夫との結婚で、好きだった自分の仕事を辞めてきた」という現地妻もいて、「夫についてきたために自分のキャリアを諦めた」感をずーーっと抱えている人ってたくさんいるんですよねー。
『MBA女性の10年後』というエントリーに、
MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状の大きな理由は、「夫の国境を越えた転勤(転職)」でしょう。
と書いたように、日本人に限った現象でもありません。
モノが溢れる日本の家(?)
ロンドンのイーストにあるThe Geffrye – Museum of the Homeという美術館でAt Home in Japan – Beyond the Minimal Houseという日本の一般家庭の家の中を再現した特別展が開かれていたので見に行ってきました。
オックスフォード大学の民俗学教授が、1年間に渡り関西(神戸・京都・奈良・大阪)の一般家庭を訪れてリサーチした結果をまとめ展示したもので、五感で体験できるようになっており、一般のイギリス人が熱心に見ていました。
この特別展の紹介文冒頭に、
In the West the Japanese house has reached iconic status in its architecture, decoration and style. However, is this neat, carefully constructed version of Japanese life in fact a myth?
欧米では、日本の家の建築・装飾・スタイルはアイコンにまで達したが、その整然と綿密に構成された日本式の生活というのは、実のところは神話なの?
とありますが(副題も”Beyond the Minimal House”となっています)、彼のイギリス的婉曲話法(→『Very interesting = I don’t agree.』)を解釈すると、
日本の家ってもんのすごーーーーくモノが多い
ということを言いたかったようでした(笑)。
こんな写真と共に、家具・小物などで日本の家が再現されていました(写真はこちらより拝借)。
震災後の人生棚卸し
日本から帰ってきたのに日本のことを書いていないのですが、関西は街を歩くと
1. 外国人観光客がほとんどいない!
2. 震災支援の募金活動が目につく
くらいで、ニュースさえ見なければ、ほとんどいつもと変わらず実に平和でした。
そして、今回の大震災で自分の人生の何を見直すべきなのか?ということをつらつらと考えていました。
1. 人
大地震の一報を聞いた直後、ほとんどの人は(当時やっていたことを放り出し)まず自分の家族、次いで大事な友人の安否確認に追われたのではないでしょうか?
連絡がつかなかった時間(ほんの数十分かもしれないし数日かかったかもしれないが)、何も手につかず、ただただ無事でいてくれることを祈っていた相手、その人たちこそがキャリア・財産・社会的地位よりも何よりも大切な人たちなのです。
私は自分の大事な人を毎日幸せにできない人は尊敬していないのですが(『文化の壁を超えるCM』で紹介したANA-読売新聞のCMのおじさんみたいな、笑)、今回の帰省ではいつものようにオフ会などで新しい人と出会うことを目的とせず、(息子にとって初日本だったので)家族や昔からの友人と過ごすことにしました。
実際は、長距離フライトが思った以上に大変で時差ボケに始まり時差ボケに終わった旅だったので、このくらいゆったりでよかったようです。
フォーク並びを活かした社会
イースターとロイヤルウェディング休暇を利用して日本に帰省し、ロンドンに帰ってきたのですがいまだ時差ボケが直りません・・・
歩き出した幼児を連れた長距離フライトがこんなに大変だとは思いませんでした。 昼間のフライトで、かつ(ロンドン – 関空の直行便がないため)パリ経由、機内ではロイヤル・ファミリーばりに手を振り”Hello! Hello!”と愛想を振りまきながら延々と通路を歩く息子にずっと付き合っていました。 エコノミークラスとビジネスクラスの間のカーテンに向かって奇声をあげながら闘牛ごっこするし・・・(ひらひら揺れる大きな布に頭から突進するのがお好き)
さてさて、「子連れに冷たい」と評判な(?)日本、夫と2人でベビーカーを持ち上げるとどこにでも行けるのであまりヘルプを頼むような状況がなかったのですが、たしかにロンドンの方が人は親切ですねー ベビーカーで階段前でおたおたしてると”Do you need help?”と100%声かけられます。
でもフライト中は、息子に向かって手を振る人(老若男女問わず)、「かわいいねー」と勝手に触る関西のおばちゃん、何度も「いないいない ばあ〜」をしてくれた後ろの席の人、親切な人ばかりで助かりました。
一方、日本ではかなり大きな幼児もベビーキャリアに入ってたり、ベビーカーを押してるのに混雑に備えてベビーキャリアも常備してる人が多く、ロンドンでそんな人を見たことがない私は「みんな、すごく周りに気を使ってるんだなー」と。 そんな大きな幼児を抱えて歩くと腰を痛めると思うのですが、周りに気を使う大変さが重さに耐える辛さを上回っているのだそう・・・
母親が「日本は人が多いから」と言ってましたが、ロンドンは少なくとも大阪並みには混んでるんだけどなー
Zappingする世代
私たちが「ウェブ前」「ウェブ後」の大変革を人生ど真ん中で生きる「一身にして二生を経る」世代らしい、ということは『「一身にして二生を経る」時代に生まれて』に書いたけど、私の息子の世代ともなると完全に「ウェブ後」、まさにデジタル・ネイティブです。
・・・というのも、生後11ヵ月の息子、液晶ディスプレイらしきものを見ると横に指をスライドさせるのです。 ディスプレイ画面は文字通り「映すだけ」、入力はキーボードが普通だった私から見れば(その前に紙と鉛筆だが)、自然とフリックしている姿に驚愕。
1. メディアをzapping
Generation Yとして知られる若者(諸説あるが、今の28歳以下くらい)は、テレビをつけながらネットでFacebookに書き込みつつ、友だちにSMSを送る、程度のマルチタスキングは常識。 テレビのチャンネルをリモコンで次々替えることを”zapping”と言いますが、異なるメディア間をザッピング。 次々と新たな誘惑に気が移るため、集中力が子ども並みに短く続かないのが特徴。
2. 人間関係もzapping
“The World in 2011″というThe Economistの年始特集号によると、ひと昔前は人間ひとりあたり”social connection”(学校・職場・クラブなど社会的つながりがある人の数)の平均が130人ほどだったが、10年もすると平均500人ほどになると予測されているそうです。
たしかに私もFacebookとmixi、LinkedInで(重複している人を除いても)500人くらいになる。 一度会っただけでFacebookのfriend requestがくるし、「friend(友達)」の定義すら変わりつつあるのかもしれません(Facebook以来、”friend”, “unfriend”と言うように”friend”という単語が動詞として使われるようになったし)。
住むように旅する京都
私が今まで「日本に(主に)ヨーロッパ人が喜ぶような滞在型ツーリズムがない」とこういうエントリー(→『インドに学ぶ田舎滞在型ツーリズム』、『日本の田舎の魅力を世界に – 1』、『 – 2』)を書いている理由は、日本政府がビジットジャパン・キャンペーンをしているから・・・では全くない。
よく日本旅行に行く友人からお勧めの宿を聞かれるのですが、彼ら(特にヨーロッパのツーリスト)は長期旅行(最低1週間、2週間以上も多い)なのでお勧めできる宿がないのですよ・・・(知らないだけかもしれないので、ご存知の方は教えてください)
東京は「オーセンティック(本物志向な)な日本旅館はあきらめて、交通の便を重視して都心のホテルにした方がいい」とアドバイスしているのですが、京都はやはり「日本旅館に泊まりたい」という人が多い。
でも俵屋などの老舗旅館は連泊するには高すぎる、グルメ度の高い京都で2食付きはいらない、かといってバックパッカー向け素泊まり宿やゲストハウスよりは高いクオリティが欲しい・・・という要望なので、本当に希望の宿を見つけるのに苦労していました。 ここ数年は「町家の自宅を改装した宿で集客は紹介のみ。 Webにもどこにも電話番号も載せない」という宿(というよりご自宅)を見つけたので、特別に親しい人だけに紹介していたのですが、ようやくお勧めできる長期滞在用の宿(バケーションハウス)が見つかりました。
オーナーはフランス在住、フランス人と日本人のご夫婦(& 昨日登場したtomokoleaさんの家の大家さん)、やはり『外国人だからわかる良さ』なのですねー
Art of Parenting – 日本人 vs イギリス人
『中国系 vs 西洋系』に引き続き、Art of Parenting。 イギリス人と日本人の未就学児教育を比較した本、『イギリスのいい子 日本のいい子 – 自己主張とがまんの教育学 』を読みました。 最近たびたびご紹介しているブログ『さまざまなデザイン – ヨーロッパの目、日本の目 – 』の安西さんに、子育てinイギリス代表(?)としてあるブログエントリーの感想を聞かれて以来気になっていたのです(本を読む前の感想はこちらコメント欄)。
長年、文化比較の視点から「西洋文化の独立的な自己」、「日本を含む東洋文化での相互協調的な自己」はそれぞれ対極にあると論じられてきた
ことに対し、自己主張と自己抑制を相反の関係による一元論で捉えるのではなく、
アメリカ=「自己主張が強く自己抑制が弱い」
日本=「自己主張が弱く自己抑制が強い」
イギリス=「自己主張も自己抑制も強い」
と仮定して、日英間の幼児期の教育やしつけを比較した本です。
この本はアメリカで修士、イギリスで博士号を取得した教育学の専門家が著者でフィールドスタディも交えた調査結果が中心となっています(つまりよくある個人及び少数の経験談が中心のヨーロッパ賛美本ではない)。
- ベースが博士論文であるためか調査方法の説明が長すぎ、調査結果の表現の仕方が冗長(もっと見やすいグラフになる)
- 調査時期が古いため(1989 – 90年)、少し内容が時代遅れと思える(特に多文化のロンドンにいるからか、伝統のイギリス式育児法以外にも寛容)
上記2点を除くと、面白い点がたくさんありました(特に私は日本の保育園・幼稚園の様子を全く知らないので、自分が子どもだった頃のことは覚えてないし)。