少し前のことですが、オーストラリアのビクトリア州警察からスピード違反チケットが国際郵便で送られてきました。 GWに行ったメルボルン郊外で、制限速度100km/hの道路を108km/hで走り(しかも103km/hまでは大目に見てあげる、とのことで)5km/h超過で罰金A$138(約14,000円)です。
次回入国拒否されても困るので払いましたが、スピード違反を測るカメラのフラッシュが光る前のわずか1秒あるかないかの時間に、何かもの知れぬいやーな感覚が走ったのを克明に覚えています(夜中だったので、自分に向けて暗闇からフラッシュが光った瞬間のショックも鮮明に)。
いつもだったら「やっぱり嫌な予感がしたのよねー」で終わるのですが、今回の違いは、GWの後に読んだ『第1感 「最初の2秒」の「何となく」が正しい』という本に、この「もの知れぬいやーな予感」の正体が見事に説明されていたのです(勝間和代さんのお薦め本リストにあったので読みました)。
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読書は思考を言語化する
借金してでも投資するオーストラリア人
複数の方からMBAの学費調達方法について質問を受けたので、ひとつの可能性としてご紹介します。
私と夫は2人とも(欧米から見ると)世界の果てにある孤島(孤大陸)の大企業の(一般的には)安定していると思われている職をサクッと捨てて自費でMBA留学したという共通点があり、基本的なメンタリティーは似ていると思うのですが、「私にはそれは思いつかなかったなー」と思ったことがひとつ。
私たちがINSEADに行った2003-2004年で、学費 + 生活費で1年間に1,000万円かかりました(アメリカの2年制だと2,000万円)。
* 「そんなにかける価値があるものなのか?」という議論がありますが、ここでは学費の調達法の話なので議論しないこととします。
* 今は学費の値上がりとユーロ高でもっとかかります。
その調達法は、というと全く正反対です。
Big Mac指数とミセス・ワタナベ
私は資産(ほとんど現預金)のほぼ全てを前職での給料(当然、日本円建て)を貯金することで積み上げたので、一部の外貨預金を除くとほぼすべて円で所有しています(たとえ株・債券などの有価証券が海外で運用されていても私の持つ日本の証券口座では円でしか換金できないので円の為替リスクがある)。
ところが、
– 時間外ATM手数料負けするような低金利での円での運用(普通・定期預金に限らず国債でも同じ)をしながら高インフレの海外で生活すると資産の実質的な目減りが著しい
– これから海外に住み続けるのであれば、将来的に円で換金する必要がないし当面この資金は必要ではない
– 為替は長期的には国の国力を反映するが数十年先のことなんてわからない、夫とはお互いの出身国の通貨(=日本円、オーストラリアドル)でも居住地の通貨(=シンガポールドル)でもなく、基軸通貨(USドルとユーロ)で資産運用することに合意済
という理由から、円をUSドルに替えるタイミングをはかりながら数回に分けてドル転しています。
先週のThe Economist誌に「Big Mac指数では円は27%過小評価されている」との記事がありました(記事はコチラ↓)。
The Economist:The Big Mac Index – Sandwitched
ビッグマック指数を知らない方はコチラを参照(↓)。
Wikipedia:ビッグマック指数
肩書きは重要、でも中身はもっと重要
某大学に勤めている高校時代の友人から聞きました。
1. 助教授は准教授(英語の役職:associate professor)
2. 助手は助教(同:assistant professor)
と呼称が変更された、とのこと。
理由は、今までの呼称では助教授はassistant professorなどと訳され、実際に行っている業務が研究であるにも関わらず教授のアシスタント的な業務であるかのような誤解を受けていたので、国際的な呼称に合わせたとのこと(コチラ↓のページに説明されています)。
東京女子医科大:学校教育法改正に伴う職名呼称変更のお知らせ
いい傾向ですね。 職責・職務内容に一致した肩書きにするのは当然だと思います。
意外かもしれませんが、欧米では肩書きは超重要です。 転職の時、前職の肩書き(タイトル)、と付随するマネジメント経験については厳しく突っ込まれます。 そして大企業でも将来の幹部候補には20代後半で管理職、30代前半で一事業部を任せることも珍しくありません。
MBAはビジネスの共通言語
最近、2人の著名ビジネス本著者がMBAについて同じ趣旨のことを言っているのを読みました。
1人目はもはや時の人となった勝間和代さん。 『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』の中で次のような趣旨のことをおっしゃっています。
ビジネス思考力をつけるには最低限の知識をつけたうえで、新しいフレームワークを頭の中で積み上げること。
最低限のフレームワークを手っ取り早く手に入れる方法として、欧米のビジネスの現場で重宝されてきたのがMBA。
MBAは知識を得るところというよりは、思考法を訓練するところ。
コンサルティング会社にはMBAを持っていない人のための研修があり研修日程はわずか3週間。 思考法の訓練はOJTで行うので知識だけであれば3週間で十分。
逆に言うと、必ずしもMBAに通わなくても、OJTのなかで、ビジネス思考力の習得は可能’
もう1人は『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』で感銘を受けて以来、ブログをいつもチェックしている梅田望夫さん。
ブログ My Life Between Silicon Valley and Japanのウェブブック 「生きるための水が湧くような思考」、「精緻なMBAカリキュラム」”自家製”の勧めの中で、
今は、知の言語化がおそろしいスピードで進み、書籍ばかりでなくネット上にさまざまな叡智が無償で溢れかえり(しかも検索でき)、専門家の存在も発見でき、勉強の成果をブログなどで自由に発表できる時代
なので自家製のMBAカリキュラムを作れる、
と提案されています。
賢くない人が賢い人から搾取される社会
京都でこだわりの京都体験をプロデュースしているベンチャー旅行企画会社の社長の方とお会いする機会がありました。
もはやブランド化した京都の2007年の年間観光客は4,900万人を突破したそうです(→京都市観光調査結果)。 京都市の人口は140万人なので、この数字がいかにすごいかがわかります。
私は母が京都出身、学生時代を京都で過ごしたので京都には格別な思い入れがあります。
就職と同時に東京に引っ越し、それ以降海外と東京を行ったり来たりする生活ですが、京都に帰るたびにほっとします。 春と秋には一斉に京都特集が組まれるほど和のブランドとなった京都、最近は”和げいこ”と称して華道、茶道、和菓子、お作法など習うのが女性に人気で、元地元民としてはマスコミに踊らされている感がありながらも「私もやってみたいなー」と思っていたのでした。
行くたびに町家を改装したオシャレなカフェ、ご飯どころも次々とオープンしています。
ところが、前述の社長の方いわく「京都の古い建築物を活かした新しいプロジェクトの半分以上は東京資本か外資。 こんなに観光客が増えていて京都市の税収が伸び悩んでいるのは、東京や外資に持っていかれているからなのよー」とのこと。
好きな京都が観光客増により段々変わっていく(嵐山など一部では見ていられないほど醜悪な街並みになったところも)、そればかりかその収入が地元に落ちていないなんて・・・
"ハーバード流"夫婦円満の術
1年半ほど前、仕事で企業買収交渉を行っていました。
お相手は以前に興した会社をシンガポール、マレーシア、香港の3市場に上場させた経験を持つ百戦錬磨の華僑ビジネスマン(年齢的には私の父より上)、対する私は買収交渉は初めて、スケジュールの都合により一人で交渉の席につくことになりました。
そんな思い出しただけでも胃が痛くなるような交渉日の前日、何度も何度も読み返したのが『ハーバード流交渉術』(原作は『Getting to Yes』
というMBAの”Negotiation Analysisのクラスの教科書でもあった名著中の名著です)。
買収交渉そのものはこの本のおかげもあってかうまくいき、手帳に抜き書きした本のエッセンスを今でもたまに読み返します。 このハーバード流交渉術、ビジネス上に留まらない人間関係の極意について多くの示唆が得られます。
結婚してから夫婦ぐるみでの付き合いが増え、夫婦関係の悩みについて相談されることも多くなりました。 夫婦は「究極の人間関係」。 喧嘩のほとんどはコミュニケーション不足、コミュニケーションのまずさによるところが多く、このハーバード流交渉術を知っていたら大分改善されるんじゃないの?というケースが多いので、少しご紹介します。
日本女性というブランド(?)
少し日本人にとって暗い話題が続いたので今日は明るく軽めの話題で(ただし、女性限定に明るいです、すみません)。
本屋で面白そうな本を物色するのが何より好きな私。 シンガポールで『Japanese Women Don’t Get Old or Fat』という本を見つけたので思わずささっと立ち読みしてしまいました(『フランス女性は太らない』
に翻訳もされた『French Women Don’t Get Fat』
の二匹目のどじょう狙いなのは明らかでしたが・・・)。
内容は、著書(NY在住の日本女性マーケティング・コンサルタント)が東京の母の味を回想し母のレシピを再現するという回顧録のような形で綴られた「日本式食生活のススメ」です。 個人的には日本女性が痩せているのは食生活もさることながら、痩せていることを是とする社会的プレッシャー・強迫観念が強いからだと思っていますが、それはさておき、こういうキャッチーなタイトルが本になるくらい日本女性のイメージは国際的に(少なくても10年前より)上がってきている気がします。
以下、私の(かなり)個人的な経験です。
1. ミス・ユニバース、準ミスに2年連続日本女性が選ばれた時は話題になり、「日本人の友達紹介してよ」と複数の男友達(欧米人)に言われた
2. 「海外でブランド物を買いあさる日本人女性」のイメージが以前より低下し「ヴィトンのバッグいくつ持ってるの」系の質問は受けなくなった(理由として考えられるのは、①ユーロ高で欧米ショッピング旅行に魅力がなくなった、②台頭する中国人観光客が”世界一のブランド好き”のお株を奪った、など)
3. シンガポールの若い世代の間では日本と名のつくあらゆるもの(ポップカルチャー、ファッション、和食、果物)が人気で日本は憧れの対象。 おかげで夫は(妻が日本人だと言うと)”Well done!”などと言われている
Asia-Pacific (ex-Japan)
最近、Googleロンドンでエマージング・マーケット事業戦略をやっている友人(トルコ人)、Merrill Lynchシンガポールのプライベート・バンキング戦略をやっている友人(スイス人)と別々に話していて、全く同じ話になりました。
GoogleやMerrill Lynchのような欧米多国籍企業(multinational company)の多くは、地域本社制を取り、地域本社に大幅な権限委譲をして運営しています。 私の上記友人2人は地域本社(それぞれロンドンとシンガポール)で戦略担当マネジャーをしているので他地域本社とのコレポンは日々の業務の一環です。
ところが、Google、Merrill Lynch(プライベート・バンキング部門)ともに、北米・中南米(Americas)、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア大洋州(A-P)に加えて日本 (Japan)だけは別本社なのです(Merril Lynchは三菱東京UFJとプライベート・バンキングを行うJV設立)。
数々のグローバル企業が日本進出を試みて失敗しているので(Carrefour、SEPHORA、BOOTS、etc.枚挙に暇がない)、数多くのレッスンから学んだ上でAsia-Pacific (ex-Japan) とJapanの本社を分けたのだと思いますが、これが日本人にとって長期的に見るとよくない傾向だなー、と思います。
ちなみに、Asia-Pacific (ex-Japan)はどう見ても欧米文化であるオーストラリアとニュージーランドも含みます。 日本以外のアジアはオーストラリア・NZと一緒にできるほど欧米式の企業文化が通じるけど、日本は無理!ってことです。
本の「旬」
『本ほど投資効率のいい投資はない』で書いた通り、月10冊の本を読むことを目標にしていますが、本の中にも書かれてから何十年経っても色あせないベストセラーもあれば、「旬」を逃したくない生鮮品もあります。
今年前半に読んだ中でNo.1の『フラット化する世界』はまさに2005年に原書が出版された当時読みたかった本。
そして先月読んだ梅田望夫さんの『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』も2006年の出版直後に読みたかった本でした。
Google、ブログ、SNS・・・いずれも今の私たちの(少なくても私の)生活になくてはならないものになっていますが、その変化の本質をするどく解説した良書です。
2年前に手に取っていれば、もっとガンガンGoogleを活用していたのに・・・