最近、2人の著名ビジネス本著者がMBAについて同じ趣旨のことを言っているのを読みました。
1人目はもはや時の人となった勝間和代さん。 『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』の中で次のような趣旨のことをおっしゃっています。
ビジネス思考力をつけるには最低限の知識をつけたうえで、新しいフレームワークを頭の中で積み上げること。
最低限のフレームワークを手っ取り早く手に入れる方法として、欧米のビジネスの現場で重宝されてきたのがMBA。
MBAは知識を得るところというよりは、思考法を訓練するところ。
コンサルティング会社にはMBAを持っていない人のための研修があり研修日程はわずか3週間。 思考法の訓練はOJTで行うので知識だけであれば3週間で十分。
逆に言うと、必ずしもMBAに通わなくても、OJTのなかで、ビジネス思考力の習得は可能’
もう1人は『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』で感銘を受けて以来、ブログをいつもチェックしている梅田望夫さん。
ブログ My Life Between Silicon Valley and Japanのウェブブック 「生きるための水が湧くような思考」、「精緻なMBAカリキュラム」”自家製”の勧めの中で、
今は、知の言語化がおそろしいスピードで進み、書籍ばかりでなくネット上にさまざまな叡智が無償で溢れかえり(しかも検索でき)、専門家の存在も発見でき、勉強の成果をブログなどで自由に発表できる時代
なので自家製のMBAカリキュラムを作れる、
と提案されています。
お2人の共通した見解である、
1. MBAで得られるような(もしくはMBAに行かなくても自らの努力で得られる)知識やフレームワークはビジネス現場の共通言語としてこれからの時代必要
2. ただし、得た知識・思考法の訓練はOJTで可能
の2点について、私の経験による見解です。
1. MBA=世界共通のビジネス言語、という点は実際MBAに行ってから気づきました(行動が先走るタイプなので行く前は意識していませんでした)。
あるビジネスの現場での事象を分析し相手に説明して共通の理解に立ちたいとき、知っていれば一語で話が通じるのに、相手が知らないがために平易な言葉で置き換え何度も説明しても分かってもらえない、ようなケースは無数に経験しました。
2. 私はMBAに行ったクチなので行かずに同等の知識・思考法が身に付いたかどうかは想像しかできませんが、ひとつ注意しなければいけないのはお2人の著者が外資系戦略コンサル出身だということです(勝間さんはMcKinsey、梅田さんはArthur D Little)。 外資系戦略コンサルはその労働環境の過酷さゆえ、へたれな私には足を踏み入れられないところですが、Chargeable Hours(顧客に課金する労働時間)中はMax.を超えたアウトプットを求め続けられます。 Chargeable Hoursのプレッシャーなく、上司・同僚もMBA、外資コンサルとは無縁の社内環境であれば、やはり一定期間でもマインドを鍛える外部の強制力(MBA留学なり社会人クラスなり)は必要かと思います。
ひとつ言えることは、人生にはOpportunity Costがつきものだ、ということです。
Opportunity Cost(機会コスト)とは「ある選択をすることで犠牲にしなければならない別の選択肢にかかるコスト」のことです(みなさん、すでにご存知かと思いますが、私はOpportunity Costについて初めてまともにMBAで学びました)。
わかりやすく言うと、2年間のMBA留学を選んだAさんには、学費・生活費を含めた金銭コストに加え犠牲にする2年間の給与がOpportunity Costとしてかかります。
ところが、2年間「留学しようっかなー?どうしよっかなー?」と(準備するわけでもなく)迷っていたBさんには、「もしAさんと同じように留学を決意し即刻準備していたら帰国後に大幅給料アップしていたかもしれないopportunity」を犠牲にしたため、実は隠れたOpportunity Costを払っているのです。
「行動するリスク」にはよく気がつくのですが、「行動しないリスク」には気がつかないケースが多いので、これからも敏感でいたいと思います。
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