読書は思考を言語化する

少し前のことですが、オーストラリアのビクトリア州警察からスピード違反チケットが国際郵便で送られてきました。 GWに行ったメルボルン郊外で、制限速度100km/hの道路を108km/hで走り(しかも103km/hまでは大目に見てあげる、とのことで)5km/h超過で罰金A$138(約14,000円)です。
次回入国拒否されても困るので払いましたが、スピード違反を測るカメラのフラッシュが光る前のわずか1秒あるかないかの時間に、何かもの知れぬいやーな感覚が走ったのを克明に覚えています(夜中だったので、自分に向けて暗闇からフラッシュが光った瞬間のショックも鮮明に)。
いつもだったら「やっぱり嫌な予感がしたのよねー」で終わるのですが、今回の違いは、GWの後に読んだ『第1感 「最初の2秒」の「何となく」が正しい』という本に、この「もの知れぬいやーな予感」の正体が見事に説明されていたのです(勝間和代さんのお薦め本リストにあったので読みました)。


その正体は、私が自分の頭の中で現象を言語化できる前の段階で無意識に五感を働かせて得ていた感覚。 心理学で「適応性無意識」というそうです(詳しくは本をどうぞ)。
具体的に言うと、カメラのある場所に近づくわずか2-3秒前に、その場所にスピードカメラがあることを知っている私の周りにいた地元の車は微妙に100km前後にスピードを落としていたのでしょう。 ところが、地元民でない私はカメラの場所はもちろん知らず、夜中で周りの車もよく見えず、ただ周りの気配が変わったことだけ察知して嫌な予感までは走ったのですが、それを、
「周りの車がスピードを落とした!前方にカメラあり、スピード落とせ!」
と脳に対して明確に言語化して指令を出す前にフラッシュが光ってしまった、というわけです。
この本を書いたマルコム・グラッドウェルは『ティッピングポイント – いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか』も良書で、ジャーナリストらしく緻密な取材で膨大な事例から普遍的な法則を明らかにするこの手の本を私は好きです(『フラット化する世界』もそうですね)。
普段ならそのまま忘れてしまったであろうフラッシュが光る前の「嫌な予感」を言語化して解明できただけで、この本を読んだ価値がありました。 これだから読書はやめられません。
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