日を経るごとに「まずいなー、まずいなー」とハラハラしていたトヨタ問題、結局米下院での公聴会までBBCで生中継で観てしまいました、全部は観なかったけど。
豊田章男社長が自ら(猛獣のごとし、海千山千の)下院議員の前に出て真摯な対応を見せたことでバッシングの嵐はひとまず過ぎた感がありますが(これからは損害賠償訴訟の嵐か?)、今回の件はすべての(日本国外でビジネスをする/しようとしている)日本企業は魂の底から震え上がり、即刻、自社の研修システム・人事制度などもろもろを改革するきっかけになるほどのインパクトを持っていたのと思うのですが、日本ではそういう機運や報道になっているんでしょうか?
1. 日本企業全体が不審の目で見られた
最もまずかったのは欠陥車の製造により事故を起こしたことではなく、それが判明した後の初動の遅さと対応の悪さだったのだが、トヨタに限ったことではなく日本企業全体のコーポレート・ガバナンスの欠陥と認識されてしまったのが、まずかった。
この点に関してはThe Economistが簡潔・明快にまとめているので以下に要約(The Economist : Accelerating into trouble)。
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トヨタ危機に思う。
移民の街 ロンドン
知ってたけれど、ロンドンは移民が多い。
なお、ここでは移民2世はすでに完璧なブリティッシュ・イングリッシュを話し、イギリス人というアイデンティティーを持っていることが多いので(『私はアジア人 – その他』に出てくるカリブ系黒人、インド系などの多くはそうである)、自らイギリスにやってきた移民1世を指すこととします。
シンガポールにいた頃、キルギスタン人とミャンマー人と知り合ったことがありました。 人口1,300万人のアジアの大都市東京に何年いても普通に暮らしていてキルギスタン人、ミャンマー人と出会うことなぞなかったので、「さすがアジア中から人が集まるシンガポール!」とミーハーにも(?)感嘆したものです。
シンガポールにアジア中から人が集まる一方、ロンドンではヨーロッパ中から人が集まっています。 特に飲食業・小売・サービス業は多いですねー(というのはどこの国でも同じだと思いますが)。
まだ来て1ヵ月ですが、今まで出会ったことのない国の出身者の話をメモがてら。
ユーロの正念場
日本はトヨタのリコール問題で大騒ぎかもしれないが、ヨーロッパはここ10日間、何はともあれギリシャである。
ギリシャの国債信用力が急落したかと思うと、ポルトガル、次いでスペインと南欧諸国に飛び火し、欧州株式市場が下落、ユーロも下落・・・
毎日、毎日、ギリシャをEUが救済するのか、EU最優等生のドイツが単独救済するのか、EUではなくIMF(国際通貨基金)に頼るのか、それともデフォルト(債務不履行で破綻)させるのか、さまざまな情報・憶測が飛び交いニュースを賑わせています。 今日のブリュッセルEU首脳会談でだいたい大筋決まるのかなー?
JB Press : The Economist – 極めて欧州らしい危機
JB Press : Financial Times – ユーロ圏の次の一手
週末会った友達が英系投資銀行に勤めていて、今週は緊急アテネ出張で「ギリシャ政府に”解決策提案しろ”と言われてるけど、根本的な解決策がないのよ~」と頭を抱えてました。
今回「ギリシャをユーロ離脱させろ」論が高まったのが、なぜかもの悲しいのは、ユーロという通貨同盟を大きな柱としたEUという壮大な構想が美しすぎた夢物語だったのか・・・、という気がしてしまうから。
人が不況のときにすること
イギリスでは今年(2010年)大学入学のための入学申請数が去年比22.9%アップしたそうです。
BBC : University applications up 23%
学生の内訳は、イギリス在住の申請数が22.1%のアップ、外国からの申請数が28.7%アップ。
一方、不況のため大学の経費が削られており、去年より6,000人分受け入れ人数が減っているので、競争がさらに激化しているとか。
理由としては、「長引く不況のため、人々が高等教育を受け再トレーニングすることで、労働市場が回復したときに備えている」ことがあげられています。
より直接的に就職に直結する(と思われている)ビジネススクールの申請者数も増えています(右のグラフ:2000年代に入ってからのoecd諸国gdp前年比推移(赤線)とmbaプログラム申請者数(青線)、the economist : ports in a stormより)。
去年10月頃にINSEAD学長と話したときは、「前年比30%で申請者が増えており、通常なら入学できるほど優秀な学生が入れないほど競争が激化しているので、少し入学許可の人数を増やした」と言っていました。
個人ジャーナリストの時代
以前、『私の情報ソース』で書いていますが、2008年6月に日本を出て以来、日本のマス・メディア(テレビ・新聞、及びそのウェブ版)で初報を見る・聞くということがなくなりました。
あるニュースに対し、一般人が速報性を求めるケースは実はあまり多くなく(速報性を求める例をあげると、同時多発テロの際はみな生中継に釘付けだった)、そのニュースの意味するところを「あの人だったらどう考えるか」知りたいというケースがかなりあると思います(例えば、今の各国政府の金融・財政危機への対応)。
この「あの人だったらどう思うか」「あの人が重要と考えるニュースなら詳しく知りたい」という点がポイントで、ブログやTwitterでフォローしている人の記事・つぶやきが初報でそれを後から自分で検索して追いかけるというスタイルが結構多くなっています。
それで何ら問題がないような気がしているのですが、そもそもフォローしている人が偏っているので、マスメディアをメインの情報源としているまだまだ多くの人たちが形成する世論は全然見えていないのでしょう・・・ きっと・・・
この流れで、最近はジャーナリストが個人名を出す署名記事や、ジャーナリストが(自分が寄稿するマスメディア以外に)ブログなど自分のパーソナル・メディアを使って書く記事ががぜん面白くなってきました。 彼らは職業柄、多くのソースを調べあげて書いているので勉強になります。
私が追っているものをあげてみますが、まだまだあると思うので、ぜひみなさんのお気に入りを教えてください。
やはり出てしまった・・・日本の常識は世界の非常識
うーーん・・・やっぱり・・・
2008年秋、リーマンショック直後に野村證券がリーマン・ブラザーズの「アジア太平洋部門」「欧州・中東部門」を買収したとき、『グローバル企業への転身なるか?』というエントリーで次のように書きました。
個人的にはリーマンと野村証券の文化の違いは、(合併して9年の後)失敗に終わったダイムラーとクライスラーの文化の違いより大きいのではないかと思っています。
特に野村証券が獲得したかった(のであろう)リーマンのフロントオフィスのプレーヤーともなれば、自分の腕一本で業界を渡り歩くのは当たり前(時によってはチーム毎ボスについていく)。 前述の記事にも書いてありますが、野村をとりあえずの失業保険代わりにしながら転職活動をするのではないか、と。
今回のエントリーはこのフォローアップですが、リーマンからの人材流出ではなく(流出もしているようだが)、女性差別の話。
ちょっと古いけど(去年7月)、こちらWall Street Journalの記事(黒川清さんのブログで知りました)。
WSJ : Nomura Stumbles in New Global Push
- 男性と女性を別にして新人研修を実施し、女性だけに髪型や服装、お茶の注ぎ方の研修を行った
- ジャケットの下に半袖ワンピースを着ていたら「服装がふさわしくない」としてトレーディングルームから家に帰された
- 旧姓のままのE-mailアドレスを使っていた女性従業員のE-mailアドレスを人事部がどちらを使いたいか本人に確認せず結婚後の苗字に変えた
早すぎた自由民主主義の勝利宣言(?)
シンガポールに住んで一番価値観が変わったこと、それは「アメリカが掲げる自由・民主主義が本当に全人類に取ってベストな政治形態なのか?」ということ。
私自身は自由な世界がよくてイギリスに引っ越してきたのですが、個人の好みはさておき、ベルリンの壁崩壊と共に共産主義イデオロギーが敗北したと欧米型自由民主主義が高らかに勝利宣言をしたのが20年前、「独裁制のイラクを民主国家にする」というよくわからない大義名分のもと(誰か頼んだっけ?)ブッシュがイラク侵攻し勝利宣言をしたのが7年前、当たり前だと思っていた民主主義ですが、シンガポールで「民主主義というイデオロギーの勝利宣言ってちょっと早すぎたのでは?」という疑問が芽生えました。
The Economistでちょうどその内容に合った記事が出ていたので紹介します。
The Economist : Crying for freedom
この記事自体は米国の人権組織「フリーダムハウス」が毎年行っている各国・地域の自由度を評価した報告書で世界で自由と人権が4年連続後退しているとした現状を分析したもので秀逸の記事、お勧め。
Freedom House : Freedom in the World 2010 Survey Release
記事ではもっぱら中国の経済的躍進をきっかけに「民主主義なくして経済発展は可能なのでは?」という希望をイラン、キューバ、アフリカなどの独裁者が抱いているとして民主主義の衰退が懸念されていますが、シンガポールも民主主義のない経済発展(世界の例外)としてさらっと何度か出てきます。
富豪から貧民へ
先週からロンドンにいるのですが、航空便で身の回りの荷物が届くまで1週間サービスアパート暮らし、今週航空便が届いてからは船便で家具が届くまでの4週間(11月の家探しで見つけた)新居のフラットでレンタル家具暮らし・・・ と、ちっとも落ち着きません。
いやー、家具ともどもの海外引越しって大変ですね・・・
夫のプロジェクト佳境期に当たってしまったので(転勤休暇とか全くない、飛行機の中でも仕事してた)、ほとんどひとりでやっているので、まだ新居にブロードバンドさえ引けていません(「ADSL引くのに3週間」と言われてしまった)。
夫に職場からモバイル・ブロードバンドをゲットしてきてもらってブログをアップ。
私が世間のニュースから隔離されている間に、ハイチでは大地震が起き、JALが会社更生法を申請していました。 あらま・・・
ナショナル・フラッグ・キャリアが倒産するなどすでに珍しくもないですが、私もJALのロイヤル・カスタマーだったのでそれなりに感慨はあります。
WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)によると、一般市民の関心はもっぱらマイレージの維持だそうで・・・(そんなもんか・・・)
私は、兼ねてから航空会社のFFP(フリクエント・フライヤー・プログラム)はトランプのゲーム「大富豪」のようだなー、と思っていました。
誰でもアメリカ人になれるアメリカ
年末のThe Economistのクリスマス特集(2週合併号)は面白い記事がたくさんありました。 今日はその中からひとつ(→こちら)。
“A Ponzi scheme that works”というタイトルがまず洒落ている。 ”Ponzi scheme”とは「ねずみ講」という日本語訳が当てられることが多いですが、小額の資金を元手に次々と投資家を集め、運用したリターンではなく次に集める投資家からの資金から支払う(従っていつかは破綻が約束されている)金融詐欺の手法。 去年のナスダック元会長マドフの巨額詐欺事件でまたホットな用語となりました。
この記事は金融詐欺の話ではなく、「アメリカとは外からの資金・労働者・頭脳の絶え間ない輸入に頼っている、本当に機能する”Ponze scheme”だ」という意味を込めたアメリカへの移民に関する記事。
私も去年は2つの調査結果に驚きました。
ひとつめは『他国へ移住したい人は全世界で7億人』に書いた米ギャロップ社による調査。 アメリカへ移住したい人が約1億6,500万人と2位以下を大幅に引き離し断トツの1位。
ふたつめはFuture Brand社によるCountry Brand Index。 こちらは旅行・観光分野における国のブランド力を評価したもので、こちらもアメリカが1位。
そんなに好かれている国だったとは・・・ 最近極めてイメージが好転したのはオバマの力も大きいと思いますが。
物が大好きな人たち
知らない間にサマーセット駅の真上に313@Somersetなるショッピングモールがオープンしていました。 えー、つい最近、同じオーチャードにionがオープンしたばっかりなのに〜!
2006年のVivoCity開業以来、相変わらずショッピングモールの開業が相次ぐシンガポール。
すでに深夜なのに大賑わいな313@Somersetを見ながら関さん(シックス・アパートの)が「バブルのかほり・・・」とつぶやいていましたが、「いずれはじける」という意味のバブルかどうかは別として、「物が大好き」なのです、シンガポール人。 もちろん買うのは大好きだけど、買わずに見るだけでも大好き。 高級品を買える人も(ヴィトンにはいつも行列、人口あたりのランボルギーニ台数は世界一)、買えない人も(安かろう悪かろうショップも大賑わい)、国民的趣味ですね、ショッピングは。
「若者が物を買わない」と言われる日本のリテール・ブランドにとっては垂涎ものの市場で(国内市場が小さいのがネックだが)、今年4月に進出したユニクロは大人気。 313@Somersetには、ユニクロの東南アジア旗艦店が入っているらしい。