記憶が怪しくなる前にThe Interior Design Schoolの最終プロジェクトをアップしておきます(今までブログに載せた『ロフトアパート・プロジェクト』、『クリエイティブ・プロジェクト』とこの最終プロジェクト以外にもあるのですが、ブログに載せるのはこれが最後)。
卒業展で展示する最終プロジェクトはテーマは何でもよし。 学校の向い側にある建物を使ってどんなスペースをデザインしてもよく、イギリス国内であればどこにロケーションを設定しても構いません。
私は今回インテリアデザインを勉強しましたが、『空間が持つパワー』に書いたように、場所が人に与える空気・パワーが好き。 その空気をつくり出すものが結果的に建築(外の箱)なのか、インテリア(中に入ってるもの)なのか、ランドスケープ(景観)なのか、は分類上の違いでしかなく、素晴らしい場所というのは都市計画も含めこれらが一体となっているものだと思っています(そういう意味で将来インテリア以外の領域も学ぶと思うし一生かけても全部はカバーできないほど広くて深いトピック)。
常々アマンリゾートのような外の自然と建物と中のインテリアが三位一体となった空間が好きだったので、最終プロジェクトには隠れ家リゾートをデザインすることにしました。
「イギリス国内」という制限がついていたので選んだ場所はスコットランド北部に位置するスカイ島。 上がそのリゾートのイメージボードです(クリックすると拡大します)。
仮想のクライアントは『アンダルシアの田舎でプチホテル経営』で紹介したオーナー夫婦CliveとMakiさんがモデル。 ロケーションをアンダルシアではなくスカイ島に替えていますが、クライアント夫婦はロンドンでのワーカホリックな生活を捨て、同じく疲れている都会人のために隠れ家リゾートをつくろうと決心するという設定。
目の前に広がる絶景、夜には満点の星空、オーナーシェフが腕を振るう地産の食材を使ったホームメイド料理に舌鼓を打ち、テレビもWifiもない宿。
24時間Blackberry / iPhoneの生活から自分をアンプラグドし、世界からの断絶とオーナー夫妻の心からのもてなしに癒されるために、世界中からこんな最果ての地まで時間をかけてやってくる知る人ぞ知るリゾート。 名付けて”Stars on the Hill”。
重要なロケーションは、スカイ島の中でもサンセットが拝める西側の丘の上の物件をネットで探しました(右上の写真の白い建物は実在するセルフケータリングの宿です、ぜひ一度泊まってみたい)。
課題として与えられた建物は高さがあり、天井に太い木の梁があるので、高さをどう活かすかが建築デザイン上のポイント。 建物の海側は絶景を楽しむために2階の高さまで大きく窓を取ります。
ゲストを大切にもてなすために1日4組限定。 1階はエントランス(玄関)、オープンキッチンとダイニングルーム、テラス、車椅子ゲストがアクセスしやすい客室1室を配置し、オーナー夫妻も1階に住みます。
2階にはゲストがくつろぐラウンジ(ロフトを上がると星空を眺める部屋へ)と客室3室(いずれもメゾネットタイプ)。
エントランス(玄関)は近所の馬舍で使われていた大きな木のドアがポイント、中から外の景色が楽しめるように、たっぷりと自然光が入るように、2階分の高さのガラス窓がドアを縁取ります。 中からの視界を妨げないように階段にも同じ木材とガラスの手すりを使用。
スコットランドの自然にインスピレーションを受けたアーティストの作品が彩りを与えます。
(続く)
March 8th, 2013 at 8:23 am
[…] (この辺の記事参照) […]