最近、育児の合間にちょっとずつ建築インテリアデザイナーとしての仕事を始めています。
去年の9月から今年の6月までプロフェッショナル・ディプロマを取りにロンドン北部のThe Interior Design Schoolに通い無事に卒業できたのですが、忙し過ぎてブログをお休みしていました。
学校が始まる前、『クリエイターになりたい。』と書いた私が果たしてクリエイターに近づけたのか、今の心境をまとめておこうと思います。
まず、私のワークブックは最後まで整然としていてフランク・ゲーリーのようなスケッチは描けませんでした(→『他人になろうとするには人生短すぎる』)。 大量のビジュアル・イメージから取捨選択してコンセプトを固めていくのがスタイルとなり、最後まで「何十枚もスケッチしながら考える」というデザイナーっぽいと私が思っていたスタイルは全く身につきませんでした。
その代わり、面白いことがありました。 学校のプログラムはプロジェクト形式でプロジェクト終了ごとに外部の現役デザイナーを呼んで発表会を行いましたが、私が学校の先生(チューターと呼ばれる現役デザイナー)からも外部デザイナーからも最も高い評価を受けたプロジェクトがその名もクリエイティブ・プロジェクト(3週間)と呼ばれるものでした。
あなたはデザイン会社のディレクター。 ある飲料ブランドから9月に2週間行われるロンドンデザインフェスティバル(*1)期間中に出すポップアップ・スタンド(Pop-up stand)のクリエイティブ・ピッチに呼ばれます。 そのブランドに合った会場を選び、集まるクリエイティブ客層を対象に飲料を提供するバーのコンセプトをプレゼンしなさい。
*1・・・ロンドンの秋のデザインの祭典。 2週間の期間中、市内各所で300以上のイベントが行われ、国内含め世界中から30万人以上が訪れる。 Victoria & Albertミュージアムでのインスタレーション、コンテンポラリーデザインの見本市100% Design、ラグジュアリーなインテリアデザイン展示会Decorex、若手プロダクトデザイナーの発表の場TENT LONDONなど実に多彩な催し物が行われ街中がデザインで賑わう。
このプロジェクト・ブリーフに対し、私はフランスのスパークリング・ウォーターブランドのペリエ(Perrier)を選び、「ロンドン初のサイクリストのためのサイクルスルー(自転車に乗ったまま通れる)バー」をコンセプトにしました。 場所は多くのクリエイティブオフィスが集まるClerkenwellです。
クラスメイトのほとんどがシャンペンや紅茶など飲み物として魅力あるブランドを選び、バーの内装など雰囲気づくりに凝るのに対し、私が選んだのは「水」。 「水飲みにわざわざ足を運んでください」という訳にもいかず、「中で何が行われているかは足を踏み入れるまで謎、体験型のバー」というコンセプト。
こちらがイメージ・ボード(クリックすると大きな画像になります)。
続きは明日。
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