久しぶりに育児本以外の本を読みました(笑)、『EXIT 売却』。 著者から献本御礼。
「勝間和代渾身のMBA小説」という帯がついているそうですが、頂いたのは勝間さんではありません、著者の奈部真さん。 最近、量産されているいわゆるカツマー本ではなく、企業再生やM&Aディールの現場が丁寧に描写されたビジネス系エンタメ本として楽しめるので、先入観を除いてどうぞ〜
面白かったポイントは・・・
1. 弱冠29歳の主人公 小柳亜希子は世界的PE(プライベート・エクイティ)ファンドにヘッドハントされ、そのファンド下で経営再建中のPHS事業者に経営企画部長として成長戦略を率いることを命題に送り込まれるのですが、さまざまな事業ハンディを背負ったPHS事業で取りうる戦略をすべて吟味し、絞り込み、実行に落とし込んでいくプロセスを鮮やかに描いた第2章がとにかく面白い。
数年前にWillcomが通信業界の禁じ手、通話定額プランを始め、英Vodafoneから買収したソフトバンクがホワイトプランでWillcomの音声通話ユーザーを狙い撃ちにしたバトルを覚えている人には、舞台裏を目の前で明かされているようでグイグイ引き込まれます。 著者の奈部真さんがさすが元マッキンゼー、その後もIT企業の事業戦略にいた方なので、ビジネス小説の中でもかなりのリアリティを持って読めます。
ディテールを楽しむビジネス小説『EXIT 売却』
私が運転席に座るからあなたは後部座席ね
以前、『MBA女性の10年後』というエントリーで、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状について書いたところ、「妻がバリバリ働き、夫が家庭をサポートするケースもある」というコメントを頂いたのですが、今まで私の身近にはいませんでした。
1. こちらやこちらに出てくる中国人Yのように家事と育児は住み込みのフルタイムナニーにほとんど任せて自分も長時間働き高給を稼ぐケース(ただし少数派)
2. 夫の海外転勤などをきっかけに自分の仕事はうんとスケールダウンして育児を優先させるケース(乳幼児がいる年齢なので増えてきた)
3. 夫婦ともにワークライフバランスを目指しながら家庭と仕事を常にジャグリング・四苦八苦するケース
のいずれかしか知りませんでした(もちろん子どもがいない人は今まで通り働いている)。 また、シンガポールのようにメイドなどヘルパーが雇いやすい国に住んでいるとだいぶ事情は異なります(→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。
ところが、ついに見つけました、4. 自分が長時間働き高給を稼ぎ、夫が家事・育児をサポートするケース。 ロー・ファーム(法律事務所)でパートナーを目指すイギリス人L。
彼女はすぐ近所に住んでいる両親学級で知り合ったママ友達の1人(→『Yummy Mummyたちの集い』、『Yummy Mummies’ Babies』)。 ここで知り合った7人(+7人のベビー)は今も毎週欠かさず会っていて、最近は離乳食や仕事復帰、チャイルドケアなどに話題が移ってきました。 時が経つのははやいなー・・・出会ったときは全員臨月の妊婦だったのに。
コーヒードリーム花開く
去年の秋、まだロンドンに来る前、『オージーコーヒー、ロンドンを席巻(間近か?)』と書きましたが・・・キ・キテル! ロンドンにオージー・コーヒーブームがキテル!(*1)
注・・・勝手にオージー・コーヒーと名付けていますが、正確にはオーストラリアとニュージーランドから来た若者たち(彼らにとってロンドンに来ることは地方から東京に出てくるようなもの→『ロンドンにとっての地方』)がロンドンのコーヒーの不味さに辟易して自らバリスタになりインディー系(独立系)の小さなコーヒーショップをあちこちにオープンし始めたのが始まり。 私のINSEAD時代からの友人NのTaylor St. Baristasもそのひとつ(→『すべては一杯のコーヒーから』)。 ”Australia and New Zealand”は英語でも長いので、Antipodean(対蹠地の人)と言ったりする。
Young and Foodish.com : London’s great coffee moment has come
まず、”flat white”という言葉が流行だし、今年1月には大手コーヒーチェーンのCostaが大々的なキャンペーンとともにメニューにflat whiteを登場させました。 今ではStarbucksでも飲めます。 ただし本場(?)のflat whiteとは似て非なるものですが・・・
日英バイリンガルへの道 – 2
昨日の続き、私の息子のように、家庭では日英の二言語、外は圧倒的に英語、という環境で生まれ育つ場合どのようにしてバイリンガル教育をするのか、というトピック。
周りに聞いたり、mixiの『海外で育児!』コミュニティーで調べたりしました(mixiのコミュニティーはかなり調べものに使えます、特に周りに日本人がいない環境で子育てをしている人にとってはネットは重要な情報源 & コミュニティー)。
まず、うちの場合がそうなので、母親 = 日本人、父親 = 英語ネイティブ、外の世界 = 英語、と仮定。
2. WHO(誰と?)に一貫性を持たせることがとても重要で、
- 母親と話すときは日本語、子どもが英語で話しかけてきても「お母さんとは日本語だけね」と伝え日本語で話させる(ネイティブ並みに英語が話せても、一言語に統一し、1対1のときは日本語しか話さないのが原則。 ミックスすると子供が混乱し、言語発達がより遅れる)
- 英語で話しかけられて日本語で答えてはいけない。 子どもは意思の疎通が目的なのでそれで目的を達してしまい、日本語が理解はできても話せなくなる。
- 単語レベルでも文章レベルでも日本語と英語のミックスはいけない。 子どもがミックスしたときや英語で話しかけてきたときは「英語ではplaneね、じゃあ日本語では何と言うの?」と明確に区別させる。
- 「てにをは」は抜かずになるべく正確できれいな日本語を話す。
日英バイリンガルへの道 – 1
私は息子に日本語で話しかけているのですが、その様子を見た人(イギリス人)から必ず「あら、この子、バイリンガルになるの? いいわね〜」と言われます。 私の今までの周囲の調査・観察によるとそう簡単になれるものではなく、道は険しいんですけどね・・・
ある言語を自由に操るスキルの習得は当然のことながら環境によるところが大きいので、検討のためバイリンガルに育つ環境要因を5W1Hで場合分けをしてみます。
1. WHAT(何を?)
何の言語をどこのレベルまで操るようになることを目標とするのか?
日本で話されている日本語と英語を第一言語とする国で話されている英語。 私が「バイリンガル」と言う場合、二カ国語ともに母語並みに自由に操れること、すなわち話し言葉が通じるだけでなくその言語で勉強・仕事ができるレベルを指していますが、そのレベル到達を目標とするかは本人の様子を見ながら検討します。
子どもは英語環境で育つので日本語は完璧を求めない(祖父母と話ができるレベルでよし、漢字など読み書きは求めない)という家庭も多く見受けられます。
2. WHO(誰と?)
誰とコミュニケーションすることによってその言語をマスターするのか。
母親(私) = 日本語、父親(夫) = 英語、周囲の環境 = 英語
3. WHEN(いつ?)
言語習得過程でいつその言語に触れるのか? その環境は変わるのか?
生後すぐから、おそらくずっと家庭 = 日本語と英語、外 = 英語の環境は変わらないでしょう、まだわからないけど。
超人が集うマラソン
以前『Ironman – 鉄の男 -』というエントリーに私の周りにトライアスロンをやる人がちらほらいることを書きましたが、もっと過酷なレースにはまっている友達がいました、INSEAD同級生のシドニー在住スペイン人J。
彼は小柄なのに過酷なスポーツが大好きで、INSEAD前はシリコンバレーのCISCO本社でエンジニア、INSEAD後はBainのコンサルタントに転身し、しばらくマドリッドオフィスにいたものの「アウトドア生活にはマドリッドは物足りない」とシドニーオフィスに転勤、シドニーでアウトドア三昧の生活を送っています。 Bainのコンサルって忙しいはずなんだけど、『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』にあるように体を鍛えることと仕事効率の間に相関性があるのでしょう。
彼の最近のレースはまずオーストラリアのブルー・マウンテンズ国立公園で行われたNorth Face 100km。 スポーツ用品メーカーのNorth Faceが世界各地で開催しているウルトラマラソンで山岳を走るトレイルランです。
彼のレース日記によると今年の目標は(初参加の)去年16時間以上かかったのを14時間切ること。
平均とは統計上の便宜的な数値
日本代表は残念でしたね。
BBCの解説者は途中から「こんなつまらない試合見たことがない」とボロカスで、そっちを聞いてる方が疲れました・・・ なので、気を取り直して普段のブログ。
『産まれました。』でご報告した通り、私の息子は3,660gと平均よりちょっと大きめで産まれました(日本だと「だいぶ大きめ」かもしれないが、こっちでは「ちょっと大きめ」)。
今まで完全母乳で育てていますが、初めのうちは人並みに苦労しました(*1)。 いきなり乳腺炎になり、痛くて痛くて泣きながらあげていたことも。
*1・・・イギリスでは国を挙げて母乳育児が推奨されている割には日本のようにサポート体制が整っていないこともあり(出産後、1 – 2泊で家に帰されるし)、8割の人が母乳育児を始めるものの、6週間後続けている人は5割に減少、6ヵ月後には2割になる。
イギリスでは子どもが産まれると通称red bookという赤い表紙の健康記録帳(日本の母子手帳のようなもの)を渡され、検診・予防注射・成長記録などを書き込んでいきます。 また生後すぐからbaby clinicという地域のクリニックに2週間ごとに体重を測りに行き、同時にhealth visitor(保健士)に育児の相談ができます。
体重は右のような成長チャート(真ん中の線が平均で下から1%, 2%, 10%, 25%, 50%, 75%, 90%, 98%, 99%と示されたパーセンタイルグラフ)に書き込んでいきます。
息子はちょっと大きめで産まれたにも関わらず、生後5週までほとんど体重が増えずにずっと横ばい、5週目に体重を測ったときには下から10%になっていました。
その時に、Health Visitorに言われたひとこと、「あなたの赤ちゃん、体重増えてないわね」。
ロンドンのパブでサムライ・ブルーを応援しよう!
日本は今日は盆と正月が一緒にきたようなお祭り騒ぎでしょうか?
私も昨晩、BBCのLive(生中継)で観ました、今回ハイライトではなくLiveで観たのは初めて。 日本は明け方だというのにTwitter上では盛り上がってましたねー みんな徹夜なの???
BBCの解説者・コメンテーターも「(本田のフリーキックは)ロナウドの再来だ」「本田、うちに欲しい」「素晴らしいチームだ!」と大絶賛でした。
我が家は、すでに1次リーグ敗退が決定したオーストラリア人と生後3ヵ月半の乳児という頼りない応援布陣なので、来週火曜の決勝リーグ パラグアイ戦はうちの近所のパブで応援会します! すでに私+息子の2人で催行決定。
日時:2010年6月29日(火) 15:00 –
場所:The Windmill(地図)
(最寄り駅:Northern lineのClapham CommonもしくはClapham South)
セントラルから離れていてすみません・・・コモンの中にあるパブなのでお天気がいいとピクニックにも最高。 なんせ”Nappy Valley”なので(→『Nappy Valleyの日常』)子連れ、赤ちゃん連れでも余裕でOKです。 ただ、私は乳児連れなのでグズり出してどうしようもなくなったり、興奮したパラグアイ人etc.で息子の身の危険を感じたりしたら途中退散するかもしれません。
ご自由にお立ち寄りを!ですが、メールやコメントで事前連絡頂けるとテーブルを予約できるかも。
どうやって英語が世界語になったのか
楽天に引き続き(→『楽天の社内英語公用語化』)、ユニクロも、ですね。
毎日jp : ユニクロ:新世界戦略 英語公用化…12年3月から
ちょうどThe Economistに、その名も『Globish: How the English Language Became the World’s Language』(Globish:英語がどうやって世界語になったのか)という本の書評が載っていました。
The Economist : Top dog
このブログではThe Economistの回し者か?というくらい宣伝している私ですが、記事が読めない方のためにさくっと訳しておきます。
とにかく重要なのは「英語」である。 英語は他のライバルを蹴落として外交・ビジネス・科学・インターネット・世界の文化の言語となった。 数の上では中国語を話す人の方が多い – しかし彼らでさえ英語を学ぼうとしている。 ではどうやって、なぜ、それが起こったのか? Robert McCrumの著書が、英語の勝利、そして英語が元々の話者から解放されている現状を解説する。
楽天の社内英語公用語化
先々週のThe Economistに楽天の記事が載っていました。
The Economist : E-commerce takes off in Japan – Up and away
去年The Economistは方針転換し、オンライン記事は購読するかウェブ会員にならないと読めないので(→『読む価値のあるメディア』)要約すると、「欧米に比べると出遅れていた日本のE-コマースがついに急速に伸び出した。 が、リーダーである楽天は2つの戦略(= 自社ショップの開設と海外展開)でさらに成長しようとしている」という内容。
先週はさらに東洋経済の三木谷さんのインタビューが話題に。
東洋経済:三木谷浩史・楽天会長兼社長 – 英語ができない役員は2年後にクビにします
私がインタビューの中で気に入った箇所はここ。
グローバルにコミュニケーションできるといろんなノウハウを吸収できる。 なぜ楽天が強いかというと、僕が世界中の成功例にアクセスして、いいアイデアを見つけてくるから。 僕は天才でも何でもない。 世界中のいいものを見つけて、結び付けて日本でやる。 はっきり言って、僕がやってきたのはそれだけ。
ここまで「やってきたのはマネだけ」と言われると気持ちいい。