以前、『MBA女性の10年後』というエントリーで、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状について書いたところ、「妻がバリバリ働き、夫が家庭をサポートするケースもある」というコメントを頂いたのですが、今まで私の身近にはいませんでした。
1. こちらやこちらに出てくる中国人Yのように家事と育児は住み込みのフルタイムナニーにほとんど任せて自分も長時間働き高給を稼ぐケース(ただし少数派)
2. 夫の海外転勤などをきっかけに自分の仕事はうんとスケールダウンして育児を優先させるケース(乳幼児がいる年齢なので増えてきた)
3. 夫婦ともにワークライフバランスを目指しながら家庭と仕事を常にジャグリング・四苦八苦するケース
のいずれかしか知りませんでした(もちろん子どもがいない人は今まで通り働いている)。 また、シンガポールのようにメイドなどヘルパーが雇いやすい国に住んでいるとだいぶ事情は異なります(→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。
ところが、ついに見つけました、4. 自分が長時間働き高給を稼ぎ、夫が家事・育児をサポートするケース。 ロー・ファーム(法律事務所)でパートナーを目指すイギリス人L。
彼女はすぐ近所に住んでいる両親学級で知り合ったママ友達の1人(→『Yummy Mummyたちの集い』、『Yummy Mummies’ Babies』)。 ここで知り合った7人(+7人のベビー)は今も毎週欠かさず会っていて、最近は離乳食や仕事復帰、チャイルドケアなどに話題が移ってきました。 時が経つのははやいなー・・・出会ったときは全員臨月の妊婦だったのに。
7人の中で一番キャリア志向が強いL。 彼女の勤める英系ローファームでパートナー(共同経営者)になろうとすると、24/7(24時間、週7日)のコミットメントが必要でプライベートは完全に犠牲にする必要があるそう。 彼女はその犠牲を払ってもパートナーになる気で、娘の父親であるDに「私が運転席に座るからあなたは後部座席ね」と確認を取り同意を得たそう。
後部座席に座ることになったDは、Lより11歳年上で40代半ば。 以前の結婚でできたティーンエージャーの娘がいて、前の娘とは別居しているから新しい娘とはなるべく長く一緒に過ごしたいのか、40代半ばになってキャリアも一段落したい気分なのか・・・(このへんは私の想像ですが)、今までの仕事を辞めました。 今は9am – 5pmの仕事を探しながら、家で専業主夫のシミュレーションもしつつ次の道を模索しているところ。
なお「後部座席に座るのどう思う?」とうちの夫に聞いたところ、「2人とも子どもとの時間を持つべきでどちらか一方に偏る(上記2.、4.)のやどちらも時間を持たない(上記1.)は嫌だ」との即答だったので我が家は、3. 夫婦でジャグリング、になりそうです。
上記どのケースでも苦労や悩みはあるものですが(もちろん上記に該当しない子どもを持たない女性にも)、日経ビジネスオンライン連載の『男と女のミッドライフクライシス』によると、
女性の場合は、自らの職業や収入の他に、結婚するかしないか、するならばどんな相手と結婚するか、結婚後に仕事を続けるか辞めるか、子どもを産むか産まないか、などの要素によって、その後の人生に非常に大きな差が出てくる。 そうした選択の多くは、20代から30代半ばになされるが、それが交友関係に深刻な影響を及ぼし始めるのは、むしろそれから5年から10年が経過した頃、という場合が多い。(中略)
自他の選択を比較し、自分と異なる選択をした相手を素直に受け入れることがしだいに難しくなり、そうした比較や判断が、友情にも影を落とすようになる。(『女の友情に影を落とすそれぞれの”選択”』より)
とか。
「へー、そうなのか」と思いつつ、自分と異なる選択をした友人の奮闘も興味深く応援しようと思っています。
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