平均とは統計上の便宜的な数値

日本代表は残念でしたね。
BBCの解説者は途中から「こんなつまらない試合見たことがない」とボロカスで、そっちを聞いてる方が疲れました・・・ なので、気を取り直して普段のブログ。
『産まれました。』でご報告した通り、私の息子は3,660gと平均よりちょっと大きめで産まれました(日本だと「だいぶ大きめ」かもしれないが、こっちでは「ちょっと大きめ」)。
今まで完全母乳で育てていますが、初めのうちは人並みに苦労しました(*1)。 いきなり乳腺炎になり、痛くて痛くて泣きながらあげていたことも。
*1・・・イギリスでは国を挙げて母乳育児が推奨されている割には日本のようにサポート体制が整っていないこともあり(出産後、1 – 2泊で家に帰されるし)、8割の人が母乳育児を始めるものの、6週間後続けている人は5割に減少、6ヵ月後には2割になる。
growth_chart_boy.jpgイギリスでは子どもが産まれると通称red bookという赤い表紙の健康記録帳(日本の母子手帳のようなもの)を渡され、検診・予防注射・成長記録などを書き込んでいきます。 また生後すぐからbaby clinicという地域のクリニックに2週間ごとに体重を測りに行き、同時にhealth visitor(保健士)に育児の相談ができます。
体重は右のような成長チャート(真ん中の線が平均で下から1%, 2%, 10%, 25%, 50%, 75%, 90%, 98%, 99%と示されたパーセンタイルグラフ)に書き込んでいきます。
息子はちょっと大きめで産まれたにも関わらず、生後5週までほとんど体重が増えずにずっと横ばい、5週目に体重を測ったときには下から10%になっていました。
その時に、Health Visitorに言われたひとこと、「あなたの赤ちゃん、体重増えてないわね」。


当時はこう言われて心配で心配で夜も昼も必死でおっぱいをあげ続けました。 出産直後の母親は赤ちゃんがすくすく育ってくれることだけを望み、ボロボロになった体に鞭打って睡眠不足の中必死で育てているのにその言い方はないんじゃないか、と今からだと思いますが。
その後、息子はすくすくと育ち、生後3ヵ月で再び平均よりちょい大きめに。 その体重を測りに行ったときに会ったHealth Visitorがまた同じ人。 急速に体重が増え、成長チャートの平均線を越えたのを見ながら、今度は「ちょっと母乳が出過ぎているのかもね。 全部あげるのではなく、後で使えるから少し冷凍しておきなさい」と。
私はここでプチンと切れました。
「あなたは”平均値”の意味を知っているのか? 平均50kgというのは40kgの人と60kgの人がいて足して2で割った値という統計上の便宜的な数値であり、実在する生身の人間は40kgの人と60kgの人である、この場合50kgの人は存在しない。
息子が産まれてしばらく体重が増えずにママを心配させたのは彼の個性、その後急速に増えて今ではぷくぷくになったのも彼の個性。 私は毎日成長チャートを眺めながら、平均曲線をなぞるような子育てをするつもりはない。」
・・・という言葉は飲み込みましたが、言いたかったなー
最近このような出来事があった後、古賀洋吉さんのブログから『人間の価値は平均とのずれから生まれる』というとても素敵なエントリーを読みました。
average.jpg

あなたが笑う、あなたの瞬間、それがあなたらしい、あなたの価値だ。
その、あなたの価値を、価値感を、育てなければならない。
そして、あなただけが残せる、あなたらしい「差」を世界に残さなければならない。
人間の価値とは、その人が生まれた世界と、生まれなかった世界の差だと思うから。
いいんだ、人と違って。そのズレがあるからこそ、あなたには生きている価値があり、あなたにはすごい可能性が秘められているんだから。

古賀さん、表現がバツグンにうまいんですよね。 「平均」に関するエントリーでは『日米の多様性』もいいです。


7 responses to “平均とは統計上の便宜的な数値

  • mignon1117

    日本では新生児の体重を量ったり、母乳育児をする母の乳房の状態をチェックするのは助産師ですが、そちらのHealth Visitorの方と似たような言動をとる人、多いです。特に、私は母乳があまり出ない人で、最初は母乳を出そうと必死だった中、ある助産師から『母乳で育てなければ、母親じゃない』という言い方をされて、当時はとてもショックでした。
    育児をしていると、仕事していた時以上に、ちゃんとした根拠のないことを言われる場面が多いですが、そのうち、図太くなります(笑)。私もそうですが、育児に関しては特に、あまり頑張りすぎないよう心がけています。

  • Kenji

    文中のHealth Visitorタイプの人って、日本でもどこでもいるんですよねぇ。まぁ、ほんと平均は平均なのでぜんぜん気にする必要ないですよ。それでも横目で気にしてしまうのが1人目育児なんですよね、全神経を1人の子供に注げるので。2人目になるとまったく気にしなくなりますよ、理由は、気にする暇がなくなる+気にしなくても子どもが育つことに気づく。1人目のときあんなに気にしてたのはなんだったんだ???って。
    初コメントfromフランスでした。

  • junko

    つまらない試合だなんて・・・ひどい・・・
    古賀さんのブログ、私も好きでちょくちょく読んでます。
    「人間の価値とは、その人が生まれた世界と、生まれなかった世界の差」 この表現すごく素敵だよね。
    あと、私のお気に入りはコレ→http://yokichi.com/2010/05/post-264.html
    日本じゃ「母乳の場合、いくらあげても肥満になることはないので大丈夫」と教えられるので欲しがるままに母乳をあげてるのだけど、最近、二重あごどころでなく首がなくなってきているよ・・・うーむ。

  • la dolce vita

    >mignon1117さん
    >育児をしていると、仕事していた時以上に、ちゃんとした根拠のないことを言われる場面が多いですが、そのうち、図太くなります(笑)。
    たしかに・・・ 経験者が多く、それぞれ自分のやり方がいいと思っているので、言いたくなるんでしょうね。
    >Kenjiさん
    フランスから初コメントありがとうございます。
    >2人目になるとまったく気にしなくなりますよ
    これだけ全神経を捧げられると子どももある時期からtoo muchになりますよね、と、自分の経験からも思います(弟が先に大学で実家を出たのですが、親の注目が私ひとりに集中して「こりゃ、かなん」と翌年私も家を出ました)。
    >junko
    すし太郎、面白いよね。
    >最近、二重あごどころでなく首がなくなってきているよ・・・うーむ。
    うちも首ないよ、ミルク垢を取るのが大変なんだけどね・・・ パスポートの写真(5年有効)はどこの肥満児?って感じ。
    まあ、ぷくぷくしてて触ると気持ちいいのも今のうちなので満喫しませう(笑)。

  • bigakira

    自分が常に3σのライン辺りで育った人なので、自分が子供の時から平均的に育つことを諦めてた気がする(笑)
    結局は誰が責任取ってくれるんや、って事で、持つべきは経験者の友、親やと思うわ。
    とはいえ、疲れているときにそういわれると腹立つし不安にはなるんやけどね~。
    お互い頑張りましょう。
    こちらは二人目は二人目で、そして男女で違う楽しさとしんどさがあるのを日々発見中。

  • やぎ

    上のかたの表現をお借りすると、うちの息子も現時点まででは、なにかにつけ3σのラインにいってしまうタイプです。いろんな場所でいろんな方にいろいろ言われて、もはや慣れてきました……
    体重や身長ならまだしも、優劣の判断が伴いがちな要素(これも安直なものが多いのですが)については、なかなか親の立場としてはきびしいものもありますね。だけどせめても親だけは、古賀さんの仰るようなきもちでいなければと思っています。

  • la dolce vita

    >bigakiraさん
    >こちらは二人目は二人目で、そして男女で違う楽しさとしんどさがあるのを日々発見中。
    そうそう、女の子と男の子で違うらしいねー 具体的にどう違うの?
    うちは3ヵ月半相手に疲労困憊しています。 ものすごーくenergeticな子どもになる気がして今から戦々恐々・・・
    >やぎさん
    >せめても親だけは、古賀さんの仰るようなきもちでいなければと思っています。
    ほんとそうですね。 親だけはいつも味方でいてあげないと!

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