どうやって英語が世界語になったのか

楽天に引き続き(→『楽天の社内英語公用語化』)、ユニクロも、ですね。
毎日jp : ユニクロ:新世界戦略 英語公用化…12年3月から
ちょうどThe Economistに、その名も『Globish: How the English Language Became the World’s Language』(Globish:英語がどうやって世界語になったのか)という本の書評が載っていました。
The Economist : Top dog
このブログではThe Economistの回し者か?というくらい宣伝している私ですが、記事が読めない方のためにさくっと訳しておきます。

とにかく重要なのは「英語」である。 英語は他のライバルを蹴落として外交・ビジネス・科学・インターネット・世界の文化の言語となった。 数の上では中国語を話す人の方が多い – しかし彼らでさえ英語を学ぼうとしている。 ではどうやって、なぜ、それが起こったのか? Robert McCrumの著書が、英語の勝利、そして英語が元々の話者から解放されている現状を解説する。

著者は巧みにタキトゥス(ローマの歴史家)からTwitterまで概観的になりがちな世界史から意味あるものを拾い出す。 例えば、インドでバイリンガリズム(現地語と英語)が始まったことで、英語圏で最大の英語を操る中流階級が生まれた。 それは1835年にThomas Macaulayというイギリス人歴史家が「血と肌の色はインド人、だが嗜好・意見・モラル・知性はイギリス人」という新しい階級のインド人をトレーニングしようという提案を行ったことに端を発している。 それにより、インドで英語は「かつての帝国主義と自己鍛錬の象徴から政府・教育・経済発展の言語」になった。 インドの英語を操る中流階級は国の経済発展のエンジンであり中国に追いつくための大きな資産となっている。
徐々にではあるが、英語は外交からフランス語を、科学からドイツ語を追い出した。 その理由はアメリカの勃興と大英帝国とのつながりである。 が、英語という言語が弾力的で寛容であることも寄与している。 英語はシンガポールのSinglish、エストニアのEstglishなど多くの変化形を許容する : メジャーな単語は同じでも、多くのローカル表現と特異な文法・構文によって成り立っている。
非ネイティブによって話される英語は異なる。 イギリス人・アメリカ人・オーストラリア人・NZ人(とインド人)が話す微妙なニュアンスたっぷりの英語らしい英語はときに理解するのが難しい。 韓国人のビジネスマンがポーランド人と英語で交渉するのを聞いてみると違いがわかる。 素っ気なく、語気が強く、余分な単語を交えていない。 しかし、”Globish”(と著者が名付けた)中でもヒエラルキーが生まれている。 Globishでジョークやお世辞が言える人の方が言えない人より得点が高い。 仕事でもプライベートでも表現力は重要である。
普遍的に使える書き言葉のGlobishへの大きなシフトが起こっている。 スペルチェックと翻訳ソフトによって誰でも書かれた英語でコミュニケーションが可能になった。 かつては正しいつづりと些細な文法のマスターを習得するのに何年もかかっていたのである。 E-mailやTwitter、SMSで使う英語の方が、人によって発音・丁寧度・音の強弱がさまざまな話し言葉の英語より遥かに相互意思疎通ができるようになった。 著者はこの新しい言語を「思考の幹線道路」と呼ぶ。 この章はGlobishで書かれた方がよかったかもしれない。その利点と限界を示すためにも。

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2 responses to “どうやって英語が世界語になったのか

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