The Economistを読もう!

the_economist.jpg今週のThe Economistは本当に楽しみにしていました。 何といっても21世紀の歴史に刻まれるウォールストリート暗黒の1週間ですから。 それにしても本当にすさまじい週であった・・・ (アメリカのマーケットが開くのはアジアの夜なので)毎日「今日は何があるのか」とおののきながら(少しドキドキしながら)起きていました。
ですが、今日は記事の内容ではなく、楽しみにしていた週刊誌、The Economist自体の紹介をします。
Wikipedia(英語):The Economist
Wikipedia(日本語):エコノミスト
私がThe Economistを毎週読み始めたのは夫が定期購読しているから。 『晩ご飯の話題』で書いたように我が家の晩ご飯の話題はめちゃくちゃ硬い。 日常の出来事報告、友達のゴシップ、日々の業務連絡に加えて政治・経済・ビジネスの話題がバンバン出てきて、盛り上がるとご飯を食べ終えてからそのまま30分から1時間くらいしゃべり続けてたりします。
そしてこれは我が家だけでなく友達と会ってもそう。 アメリカ人に大統領選の話を向けると収拾つかなくなるくらい白熱するし、タイの政情不安にせよマレーシアの政権交代にせよ、みんな本当に関心があるんだなー。 たいした意見を持たない私はほとんど聞き役に回ってしまっています。


こんな周囲の話題についていくために読み始めたThe Economistですが、面白い!
今では完全にはまっており、The Economistが届く毎週金曜は夫とどっちが先に読むか争いをしています(読むスピードが圧倒的に違うので、いつも夫が先に読みますが)。
私が力説するよりも購読している著名人を挙げた方がいいかな、と思いネットで探したところ、『The Economist – 最強のビジネス英語 -』という、それこそThe Economistに関しては最強の日本語サイトを見つけてしまいました。
その中の『一流の人が読んでいる The Economist』に多くのビジネス・エリートがThe Economistを読む理由が引用されています。 それぞれの立場からいろいろ理由が提示されていますが、私は『山形浩生氏:「最高品質の国際誌を読むこと自体がステイタスになる」』で挙げられている下記のポイントが一番しっくりきました(別にステイタスのために読むわけじゃないので、このタイトル自体にはしっくりこないですが)。

  1. 国際経済、政治、文化、思想、科学まで、あらゆる分野をカバー
  2. 自らの立場と主張をきちんと分析し、提示してくれる
  3. 自らの主張に誤りがあった時には、それをきちんと認める
  4. それぞれの記事が簡潔・明瞭で、かつ洞察が深い

上記の点に関する私のコメント。
************************************
1. 国際経済、政治、文化、思想、科学まで、あらゆる分野をカバー
その通り。 「これ1冊でOK」なところがよい。 とにかく文字数が多いので、毎週全部の記事は読めない。 この上、さらに他の新聞・週刊誌を定期購読し単行本も読むなんてとても無理。 The Economistの守備範囲の広さとその深さは驚異的です。 何人のチームで発行しているのか知りたいところ。
2. 自らの立場と主張をきちんと分析し、提示してくれる
The Economistは非常に立場が明確です。
「イギリスの週刊誌なのでイギリス寄り」という指摘は正しくなく、記事の中ではガンガンイギリス政府のことも批判します。 その立場は「リベラル」。 これに関しても先ほどのサイトの『The Economistの政治的立場』に解説されています。
立場が一貫しているので、読むのに慣れると何か事件が起こったとき、「あっ、The Economistならこう書くだろうなー?」と予想できるまでになります。
このブログもそうですが、「情報を流すだけ」ならわざわざ時間をかけて読む価値はなく、「読んだことで初めて新たな視点が得られ、自分の主義主張に一定のひねり・深さが加わったとき」に「収穫があった」、と思うのだと思います。
よって、内容に同意するかどうかはまた別問題。 「それは違うだろー」と反論を感じたのであれば、それもまた「自分の価値感・意見を再確認した」という収穫です。
よって、このブログも反論歓迎です。
3. 自らの主張に誤りがあった時には、それをきちんと認める
最近では共和党副大統領候補にSarah Palinが決まった直後の週には、痛烈に批判していましたが(→“The woman from nowhere”)、その次の週では彼女の主張のいくつかには異論を唱えながらも「男女同権という意味ではパイオニアだよね」と一定の評価を下していました(→“The triumph of feminism”)。
4. それぞれの記事が簡潔・明瞭で、かつ洞察が深い。
言うことなしです。 ただ取っ掛かりのハードルが高いので、詳しくは後述。
*************************************
以上の理由により、タイトル通り「The Economistを読もう!」なのですが、取っ掛かりのハードルは結構高いです。 ネイティブでも苦労するくらいの文字量。 そして理解するだけのボキャブラリーがないと読めません。
少しずつ解いていくと、
1. TIMENewsweekが読めるアナタ
絶対読めます。 TIMEやNewsweekよりレベルが高いですが、我慢して続けると慣れます。 すると上記の理由により内容的にはThe Economistの方が面白いです。
2.TIMENewsweek、その他英字新聞など定期購読した経験があるものの部屋の片隅に積まれるだけで挫折した経験のあるアナタ
私もTIMEやNewsweekを部屋に積み上げまくっていたので、よくわかります。 とにかく溜めずに興味のある記事だけを読みましょう。 そのうち面白いので、他の記事も読みたくなります。
3. とにかく英語力が・・・というアナタ
英字新聞・週刊誌を読めない理由のほとんどが「英語力の不足」ではなく「背景知識の不足」です。 私も夫に勧められて読んだ最近のエジプトの記事“Will the dam burst?”はわからなさすぎて、気がつくと眠ってしまっていました。
「英語力の不足」なのか「背景知識の不足」なのかを判別する方法は簡単。 背景知識がある日本の記事を読めばわかります。 種類の異なる記事を2つあげておきますね。
福田首相辞任のニュース:Another grey man bites the dust
島耕作にみる日本企業のリーダー像:A question of character
わかる人にはわかったと思いますが、”Another grey man bites the dust”という記事のタイトルはQueenの曲”Another one bites the dust”をもじっています。 The Economistはこういうのも非常にうまいです。
上に挙げた日本の記事が全部じゃないけど何となく読めちゃったアナタ
→ おめでとうございます。 他の記事も絶対読めます。
背景知識を仕入れることがThe Economistを読む目的のひとつだったりするのですが、私のように眠ってばっかりだと意味がないので、読めない記事は読まなくてもいいと思います。
日本の記事も読めなかったアナタ
→ 英語力の強化を測りましょう!
このブログでは英語学習法についてはたいしたこと書いてませんが(→一応、参考。『(今度こそ)英語学習法 – 1』『- 2』)、世の中には素晴らしいサイトがいっぱいあります。
4. 一応読めたんだけど、とにかく時間がかかって・・・というアナタ
このブログも相当文字数が多いので、ここまで読んだだけでも相当読書慣れしていると思うのですが、勝間和代さんによると「読書は筋トレ」なんだそうです。
同感。
毎日続けていると段々読むスピードがあがってきます、逆に読まないと下がってきます。 そして軽い負荷をかけ続け長期間やってみると驚くくらい達成できるようになったことに気づきます。
以上。 The Economistを読みましょう!


5 responses to “The Economistを読もう!

  • la dolce vita

    (過去のコメントは以下)
    y/mode September 20, 2008 10:12 PM
    興味深く読ませていただきました!上にあげておられた雑誌とか新聞、どれがどうなんだろう・・とずっと思ってたんです。(レベルや特徴について) どうせならエコノミストで興味のある記事に絞って、コツコツと、がよさそうですね。ありがとうございます☆
    外国語大好きおじさん September 21, 2008 12:29 PM
    The Economistは僕も大好きです!
    特に読む価値があると思うのがThe EconomistのCountry Survey特集で、興味のある国について読むと、とても物知りになったような気分になります。
    国際的な雑誌ながら、ユーモアのセンスは非常に英国風ですよね!
    記事に掲載されている写真には必ず一言コメントが入っていますが、それがちょっと意地悪コメントなのが面白いです!
    僕はTIMEよりも断然The Economistのファンです!!!
    la dolce vita September 21, 2008 1:19 PM
    >y/modeさん
    書いたように「英語にクセがあり」ますが、慣れると面白いですよー
    ぜひ読んでみてください!
    >外国語大好きおじさん
    >国際的な雑誌ながら、ユーモアのセンスは非常に英国風ですよね!
    >記事に掲載されている写真には必ず一言コメントが入っていますが、それがちょっと意地悪コメントなのが面白いです!
    そうですね、皮肉というか風刺が利いてます。 たまに大真面目に記事全部使ってジョーク記事書いてますよね。
    私もTIMEより、ずっとThe Economistの方が面白いと思います。
    宮田直晶 September 22, 2008 12:41 AM
    はじめまして。
    ブログ『最強のビジネス英語 The Economist』を運営しております宮田直晶と申します。
    この度はブログのご紹介ありがとうございました。
    少し前にmixiの方でla dolce vitaさんの足あとを見かけまして貴ブログを知りました。
    以来、エントリーを楽しみにしております。
    本日は私が運営しているブログが紹介されていて驚いた次第です。
    私もla dolce vitaさんと同様、京都大学を卒業しております。
    現在は某スイス系投資銀行に籍を置いておりまして、昨今の金融危機の渦中におります。
    (トレーディングではなくアドバイザリーのアナリストですので直接の影響は
    ありませんが、しかし金融の構図が一変することに驚愕せざるを得ません)
    実は『最強のビジネス英語』は私が学生の時代に作ったものです。
    しかもその動機は、アフィリエイトでお小遣が稼げればいいな、という不遜なものでした。
    ブログ名を初めとして「ステイタスのためのThe Economist」のような品のないタイトルがついていたりするのは商業的な理由です。
    若気の至りと思って大目に見ていただければ幸いです。
    結局、アフィリエイトでは月々2・3万円の収入が限界とわかり、そのうち仕事も始まって忙しくなったので現在では更新が滞っている状態です。
    無論、商業目的とは別に、The Economistの読者を増やしたいという希望はありました。
    私は大学入学直後から外国の大学生と議論する機会が何度もあったのですが、その度に日本人(の学生)の知的水準の低さに暗澹たる気分になったものです。
    私も、せめて外国人との議論に参加できるように、大学2回生からThe Economistを読み始めました。
    英語力不足により、まだまだ活用できているとは言い難いのですが、やはりThe Economistの記事を読んでいると外国の社員との会話において対等な立場に立てると感じます。
    では、今後ともエントリーを楽しみにしております。
    la dolce vita September 22, 2008 9:01 AM
    >宮田直晶さん
    はじめまして、websiteの管理人さん自らお越し頂きありがとうございました。
    ご報告遅れましたが、大量に引用させて頂きました(←遅い!)
    >トレーディングではなくアドバイザリーのアナリストですので直接の影響はありませんが、しかし金融の構図が一変することに驚愕せざるを得ません
    渦中でのお仕事お疲れさまです。 金融の構図は今まで何回も一変してきたので、本当に「歴史は繰り返す」んですねー 最近は昔の金融危機の本も読みたいと思っています。
    >せめて外国人との議論に参加できるように、大学2回生からThe Economistを読み始めました。
    大学生の時から読んでいたとはうらやましいです。 私はまだ定期的に読むようになったのは、ここ半年のことです・・・
    >やはりThe Economistの記事を読んでいると外国の社員との会話において対等な立場に立てると感じます。
    欧米に限らずアジアでもエリートビジネスマンは必ずThe Economistを読んでいるので、読むこと自体がまずスタートライン、その上で「あなたの意見は何?」を問われていますよね。 私もまだスタートラインに立った感じです。
    こちらこそ、今後もまたお時間あれば覗きにきてください。
    チェルカ September 22, 2008 1:02 PM
    私も興味深く読ませて貰いました。
    先日のガイド誌といい、、いつもブログを参考にさせて貰ってます。
    Globe September 22, 2008 11:04 PM
    はじめまして.
    mixiを見に来ていただいたようですね.
    ありがとうございます.
    私は最初ずっとBusinessweek派でしたが,5年ほど前に
    Ecoomistの面白さに目覚めました.
    ただし定期購読のBusinessweekと違いEconomistはWebで
    間に合わせて来ましたが,こちらの記事の最初の部分を読んで,
    「そうだ,今週は買わねば」
    と思い職場に近い日本橋丸善に行ったところ,まだ先週号が
    並んでいました.
    まあ,遅れて買い逃すよりいいと思って今日は帰ってきましたが,
    明後日(明日は祭日)には日本でも並ぶことでしょう.
    休み明けとしては珍しく,会社に行く楽しみができました.
    la dolce vita September 23, 2008 9:08 AM
    >チェルカさん
    ありがとうございます。 先日のアンコールワットにはLuxe City Guideカンボジア版を持っていきましたが、やはり重宝しましたよ。
    >Globeさん
    初コメントありがとうございます。 日本の店頭に並ぶのは意外と遅いのですね。
    アジアへはシンガポールで印刷されたものが配達されているようですので、土曜日には並びそうなものですが(我が家には金曜に届きます)。
    Business Weekは読んだことがないのですが、アメリカに住んでいたり、アメリカ企業とのビジネス中心であれば読んでもいいかな、という印象です。
    Shintaro.Ray.Yoshida September 25, 2008 9:56 PM
    早速購読してみます。いつも情報ありがとうございます。
    英語版webサイトを拝見しましたが、英文が簡潔でクリアなので
    主語と動詞とキーワードを拾っていけばスムーズに読めますね。
    la dolce vita September 26, 2008 6:10 PM
    >Shintaro.Ray.Yoshidaさん
    そうですね、コツはいちいち辞書を引かないでサッと読みを我慢して続けることでしょうか。
    お役に立てると幸いです。

  • hide

    クローデンさん
     ずいぶん古いエントリーへのコメント、ご容赦ください。先日、欧州や米国での販売価格と比べ、日本での販売価格は輸送費などを考慮しても高額と思い、エコノミストに値下げの提案をホームページより行いました。未だ返信のメールはありませんが・・・ 一冊300円くらいになったらぐっと購入しやすくなるんですけどね。

  • la dolce vita

    >hideさん
    >一冊300円くらいになったらぐっと購入しやすくなるんですけどね。
    店頭の話ですか? それとも定期購読?
    店頭販売はイギリスも高いですよ。
    1年定期購読は日本は676円なんですねー(↓)、イギリスはその半額かな。
    https://www.fujisan.co.jp/product/1281679816
    ちなみに輸送費ではなく、その国の物価を考慮して値付けしていると誰かに聞きました。

  • hide

    クローデンさん
    >店頭の話ですか? それとも定期購読?
     定期購読で300円くらいになればいいなと。ま、一冊600円でも、月極の新聞購読料より安いので、躊躇せずに申し込んでしまおう。
    >ちなみに輸送費ではなく、その国の物価を考慮して値付けしていると誰かに聞きました。
     なるほど、合理的といえば合理的。ベンチマークはやはりビックマック指数なのでしょうか(笑)。

  • Ryo Suzuki

    最近ネットでなく紙媒体のニュースソースを探していて、日経を試読したのですがしっくりこずに代替となるものを探していたところです
    実はThe Economistは半年前ぐらいから知ってはいたのですが若干敷居が高くて敬遠していました(恥)
    でも今回いろいろ調べた結果これが一番いいのかなと思っていた矢先にこの記事に出会って購読を決意することにしました(笑)
    英語は苦手な方ですがすこしずつがんばっていきます
    ちなみに学生割引とかってありますか?

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: