慶応でビジネス英語担当講師をされ、ご自身のブログでもビジネス英語の解説をされている日向さんに『世界全体の成長を信じる』というエントリーに対し、「不動産にまで手が回っている資産配分はうらやましい」というコメントを頂きましたので、不動産投資をしようとして未遂に終わった話を。
私は2005年に株式投資を始めたのですが、2006年には不動産にも投資しようと週末ごとに都内の一流住宅街を投資用物件を探し求めて1日に何軒も物件探しをしたことがあります。
(REITではなく)現物の不動産投資は巨額でありかつ、かなり強いレバレッジをかけるので失敗したら一生ローンを返すために働き続ける羽目になるため、もちろん物件探しをする前に勉強をしました。
まず行ったのは当然読書。 当時は今のような読書スタンスも確率されていなかったので、不動産投資で成功した方の体験談を中心に10冊は読みました。 今の私のスタンスと異なるので、あえて本の題名はあげません。
次に各種セミナーに参加しました。 ここで重要なことは『There ain’t no such things as a free lunch』で書きましたが、「セミナー主催者の真の意図は何か」を見抜くこと。 不動産投資は株式投資より(1件あたり)巨大な金額が動く世界ですからボランティアでセミナーをやる人はまずいません。 安いセミナーは、セミナー主催者が不動産専門コンサルだったりブローカーだったり、必ず強く勧誘されます。
私は本で基礎的な知識を得ていたので、年会費6万円を払って有志で行っている、とある勉強会に参加しました。 参加者はほとんど既に土地を持っている地主さんか40代以上のサラリーマン男性。 20代の女性なんていませんでしたが、そんなことを気にしていては投資はできないので、毎月行われる勉強会に何回か参加しました。 勉強会は土地鑑定士、銀行の融資担当、不動産営業マンなど月替わりで不動産投資に関連する職業の人が講師をしてくれるもので勉強になりました。
そこで、上記の通り、物件探しを始めたのですが、結論から言うと時期が1年遅かったです。
当時のスタンスは、
– 将来ずっと日本に住み続けるかわからないし、フルタイムの本職があるので、管理や空室率に悩むような訳あり物件は論外
– 日本は今後人口減少期に入るので、「人口が30%減っても入居者がいるであろう都内一等地(具体的には、目黒区、世田谷区、大田区)の住宅地」がいい(土地勘もあるし)
– あくまで投資なので利回りの確保と立地の良さが絶対条件
で土地を探し始めたのですが、当時の地価変動率はグラフの通り(「三友地価インデックス」による東京圏の最新地価動向より)
私が探していた時期は2006年2q – 3q(4月から9月)だったのですが、この期間にぐーんと地価が上昇しているのがわかりますよね?
物件探しをしていると毎週末物件を案内してくれる不動産営業マンに「今どんどん上がってるから今買わないと損ですよ」「もうこの価格でこんな優良物件は出ませんよ」とせっつかれるのですが、みんなが買うようになったらもうその時点で終わりです。
私はどう利回りを計算しても回らないので不動産購入をあきらめましたが、その後ご覧の通り、2007年2Qをピークに減少に転じています(注:グラフは地価変動率であり地価ではありません。 ただ、サブプライム危機に端を発した金融恐慌で地価自体も減少に転じる可能性もあります)。
当時読んだ不動産投資本(個人の成功体験本)の著者は1998年に不動産投資を始めています。 金持ち父さんのロバート・キヨサキ氏と同じく「その時期に買ってたら誰でも成功するよ」という時期に始めたからこそ成功した訳で、時機を見極めたその先見の明の敬意を表しつつ、さくっとあきらめました。
そしてその後、そもそもなぜ不動産に投資したいのか?を考えたり、結婚して夫と相談の結果、投資スタンスを変えたので(→現在の投資スタンス『世界全体の成長を信じる』)、現在は現物の不動産投資からREITに方針変更しています。
今後の世界の経済状況を見極めつつ行っていきたいと思います。
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