このブログでシンガポールのいいところをだいぶ取り上げたので(→1、2、3)、負の側面についても取り上げたいと思います。
シンガポールは「明るい北朝鮮」と揶揄されるくらい、政府の規制が厳しい事実上の一党独裁です(一応、形だけの野党がいる)。
1965年の建国以来(今年43歳!)、資源を持たないシンガポールを急速に発展させるためにとられた政策だったのですが、このような国家で生まれ育ったシンガポール人のメンタリティーをうまく現してるなあ、という表現に最近出会いました。
その言葉は「No U-Turn Syndrome」。 このサイトに説明されていたので、下記に引用します(拙訳)。
In the US, when there is no sign on the road, it means that you can make a U-turn. When the authority do not want people to make U-turns, they will put up signs to tell you not to make U-turns.
アメリカでは、道路に何の標識もなければ「Uターンをしてもいい」という意味であり、もし警察がUターンを禁止したいのであれば、その場所に「Uターン禁止」の標識を立てる。
In Singapore, it is the reverse. When there is no sign on the road, you are not allowed to make U-turns. When the authority allow you to make U-turns, then they will put up signs to give you that right.
シンガポールでは、これと逆に道路に標識がなければ「Uターンをしてはいけない」という意味で、もし警察がUターンを許可したいのであれば、「UターンOK」の標識を立てる。
デフォルト(初期状態)=禁止、なんですね・・・ それはすごい・・・
また、『世界の日本人ジョーク集』という本にはこんなのもあります。
無人島に男ふたりと女ひとりが流れ着いた。さあどうする?
フランス人の場合:女は片方の男と結婚し、もう一人と不倫する。
アメリカ人の場合:女は片方の男と結婚し、離婚してから次の男と再婚する。
ロシア人の場合:女は好きではない方の男と結婚し、そのことを一生嘆く。
ドイツ人の場合:女と男ひとりが結婚し、残りの男が立会人を務める。
日本人の場合:男ふたりは、どちらが女と結婚したらいいか本社に問い合わせる。
スウェーデン人の場合:男ふたりは愛し合い、女は自分を愛する。
この本にはないのですが、「シンガポール人の場合」という続きがあって、
シンガポール人の場合:男ふたりは、どうすればいいか政府長官に問い合わせる。
というもの。
本社に聞く日本人、政府に聞くシンガポール人、五十歩百歩ですが・・・
特に言論統制は厳しく、国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」では、調査対象国169ヵ国中シンガポールは141位です。 141位って・・・前後はスーダンとアフガニスタンですよ・・・(ちなみに日本は37位)。
Reporters sans frontiers:Annual Worldwide Press Freedom Index – 2007
6月にロンドンに遊びに行ったときに、最近一躍先進スポットになったサウスバンクのベンチでテムズ川を見ながら、2時間くらい夫とボーッと人間ウォッチングをしていたのですが、ロンドンはほんといろいろな人がいますね・・・
シンガポールももちろん多国籍国家なのでいろいろな人がいるのですが、複数の特定グループの集まりでしかない(『シンガポールでインド人について考える – 2』に書いたとおり、インド人は大まかに3タイプ。 中国系もいくつかのタイプに分けられる)。
そして、いわゆるdodgy(怪しい)な人がほとんどいない。
人間ウォッチングをしていた2時間の間ずっと聞こえていたシュプレヒコールをあげるデモ隊もいない。
欧米先進国の若者の社会問題としてお決まりのドラッグとティーンエージャー妊娠もない(ドラッグ関連犯罪は死刑を含む厳罰)。
へそピアスも眉ピアスも入れ墨もネオナチ風髪型(?)もほとんど見ない。
街は夜更けすぎまで堂々と若者が外を闊歩し、建物や電車への落書き(グラフィティ)もない(公共物や私有物に対する落書きはむち打ち)。
住んでいると、国自体がGated communityのように感じます(Gated community・・・アメリカによくある住宅地全体が門で覆われ強固なセキュリティ体制が敷かれている。 中の施設が充実しており、ほとんど外に出ることがなく生活できるコミュニティもある)。
サウスバンクで眉ピアスにパンクヘアで闊歩するティーンエージャーにちょっとビビりながら(彼らは好きな格好をしているだけで危害を加えることはないのですが)、Gated communityの外ではこれが通常なのだということを忘れないようにしようと誓ったのでした。
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