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スーパー・シチズンの台頭

先週、元世銀副総裁の西水さんからメールを頂いた、と書きましたが、『未来の歴史とノマドの時代』というエントリーを読んでくださったのかは定かではありませんが、私が興味があるだろうから、と、こちらを紹介してくださいました、題して『スーパー・シチズンの反旗』

(前略)
そして遂に人間もFOC(Flag of Convenience、便宜置籍国の旗)を掲げるようになった。 「超越する民」とでも訳すのか、スーパー・シチズンと呼ばれる人種だ。 彼らは、税制の透明度や税率、教育制度、医療制度、治安、自然環境など、生活とキャリアのために様々な便宜を評価して、永住権や国籍を選ぶ。 極端な例は、豪華客船型マンション。 超越する民が大洋という無法・国際法地帯に解放を求め、FOC船そのものを自宅とする。
国籍を政略結婚のように扱う人種は、昔からいた。 大富豪や芸能界の著名人だが、動機は税金逃れのみだった。 それが中産階級化していると言える。 移民の歴史は人類の歴史。 戦火や、災害、差別、迫害、貧困から逃れ新天地を求める人々の歴史だった。 その歴史に質の異なる一章が加わった。
世銀を辞した後の住処に選んだ英領バージン諸島は、英国海外領土の安心に、米ドル通貨の特典、良いガバナンスなどが加わって栄えるオフショア金融センター。 世界中から集まったスーパー・シチズンも、うようよしている。

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グローバル標準Expatモデル

『絶滅寸前? 駐在員手当』というエントリーは密かな反響を呼んだので、もうちょっと補足します。
Expat(Expatriateの略)は日本語で駐在員と訳されますが、いわゆる駐在員手当のない人も含み「外国人の(ちょっと高給)ホワイトカラー」くらいの意味です。 シンガポールに住む私の友人はほぼ全員これ。 ヨーロッパ、アメリカなど他地域のオフィスから転勤してきた人もいますが、駐在員手当がある人はたしかいなかったような・・・
Mercerという世界最大の人事コンサルファームの下記コラムに最近のExpat benefit(Expatの福利厚生)のトレンドが載っています。
MERCER : Expat benefits: Achieving parity in a global arena
関連部分を要約します。

トラディショナルなExpat benefitは数年の海外勤務後、母国に帰ることを前提にしたものであるのに対し、次のような最近の傾向に伴い企業もモデル修正を迫られている。
「グローバル放牧型」の従業員が急激に増加している。 彼らはさまざまなプロジェクトで国から国へと移動する。 プロジェクトの数、頻度、その性質により、彼らはすぐに就職した国とのつながりを失ってしまうので、就職国の福利厚生パッケージ(年金、健康保険、など)をキープしておくことに意味がなくなってしまう。

そして、この「グローバル放牧型」従業員増加への対策として、

従業員のポジションと業務上ニーズによってExpat benefitをフレキシブルにレビュー・対応させている。 特定の業務上ニーズ(例えば新規事業立ち上げなど)によってプロジェクトが生じ、特定のスキルを持った人が必要な場合やグローバル・リーダーを育成するといった企業目的を達成したい場合などは、企業も転勤をサポートする必要を認識し、より充実した手当が与える。 一方、若手がキャリア開発のため多地域で職務経験を積む場合には、企業から出る手当は多くはない。

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子育て環境の良い赴任地

ふと目に止まったこのニュース。
HSBCが世界中の2,155人のExpats(駐在員)を対象に行った調査結果です。
HSBC Bank International conducts the world’s largest expat survey…
調査対象者の国籍が明らかにされていないのですが欧米多国籍企業勤務の人だと思われるので、日本人が駐在する場合に重視される「日本食材が手に入りやすいか?」とか(私だけ?)は反映されていないのですが、独断と偏見でハイライトを引用してみました。
母国を離れて海外で生活する上で重視するのは子育て環境ではないかと思います(→Offshore Offspring)。
time_spent_outdoor.jpg子供が屋外で過ごす時間が増えたと回答したのが、トップから順に
1. オーストラリア、2. スペイン、3. フランス
オーストラリアが「アウトドア大国」の名に恥じないトップの座につきました。
なお、ワーストは、
1. インド、2. 香港、3. UAE
遊ぶ場所がない、暑すぎて外に出られない、っていうところでしょうか?

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(Expatとして)貯金が一番貯まる国

以前紹介したMONOCLE『世界で最も暮らしやすい都市』が住民の目線から見た暮らしやすさだったのに対し、今回はExpat(駐在員)の目線から見た国ランキング。
Financial Post:World’s best places as an expat
financial_center.jpg
私の住むシンガポールが栄えある1位に輝いています! 以下、ランキング。

1. シンガポール
2. UAE
2. USA
4. ベルギー
5. 香港
6. カナダ
6. オランダ
6. ドイツ
9. インド
10. オーストラリア
10. 中国

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