『絶滅寸前? 駐在員手当』というエントリーは密かな反響を呼んだので、もうちょっと補足します。
Expat(Expatriateの略)は日本語で駐在員と訳されますが、いわゆる駐在員手当のない人も含み「外国人の(ちょっと高給)ホワイトカラー」くらいの意味です。 シンガポールに住む私の友人はほぼ全員これ。 ヨーロッパ、アメリカなど他地域のオフィスから転勤してきた人もいますが、駐在員手当がある人はたしかいなかったような・・・
Mercerという世界最大の人事コンサルファームの下記コラムに最近のExpat benefit(Expatの福利厚生)のトレンドが載っています。
MERCER : Expat benefits: Achieving parity in a global arena
関連部分を要約します。
トラディショナルなExpat benefitは数年の海外勤務後、母国に帰ることを前提にしたものであるのに対し、次のような最近の傾向に伴い企業もモデル修正を迫られている。
「グローバル放牧型」の従業員が急激に増加している。 彼らはさまざまなプロジェクトで国から国へと移動する。 プロジェクトの数、頻度、その性質により、彼らはすぐに就職した国とのつながりを失ってしまうので、就職国の福利厚生パッケージ(年金、健康保険、など)をキープしておくことに意味がなくなってしまう。
そして、この「グローバル放牧型」従業員増加への対策として、
従業員のポジションと業務上ニーズによってExpat benefitをフレキシブルにレビュー・対応させている。 特定の業務上ニーズ(例えば新規事業立ち上げなど)によってプロジェクトが生じ、特定のスキルを持った人が必要な場合やグローバル・リーダーを育成するといった企業目的を達成したい場合などは、企業も転勤をサポートする必要を認識し、より充実した手当が与える。 一方、若手がキャリア開発のため多地域で職務経験を積む場合には、企業から出る手当は多くはない。
世界中にオフィスを持つグローバル企業の場合、転勤は願い出ると叶えられることも多いようです。 私の友人の中にもMcKinseyパリとMcKinseyチューリッヒオフィスから願い出てMcKinseyシンガポールオフィスに移ってきた人がいます。
その場合、多いのは引っ越し代(引っ越し荷物の送料と航空運賃)と新任地でアパートが決まる間(1ヵ月など上限あり)のサービスアパートの家賃が出るというパターン。
また、(景気がよかった頃の)銀行に多かったのが、若手グローバル・リーダー育成プログラムで3ヵ所、それぞれ半年くらい別のオフィスで仕事を経験し、その間は駐在員手当がつくものの、その後は1ヵ所決めてそこの現地パッケージに切り替えなさい、というもの。
現地パッケージといっても、どこのオフィスに勤めても遜色がないようなグローバル一律賃金体系になっています(だから個人所得税の料率の多寡が大きなインパクトなわけですが)。
住居や子どもの教育費まで含めたExpat package(駐在員手当)は、余人を持って替えがたく、かつ学齢期の子どもを持ち本人の転勤が家族にも多大な影響を与えるようなシニア・マネジメントに限られています。
私たちくらいの年齢だと手当がなくても皆、軽々と国境を越えて引っ越します。
なお、前述のMercerのコラムではこの種の人たちのことを”global nomad”(グローバル放牧民)と名付けていましたが、私のある友人は自分たちのことを”citizen of the world”(世界市民)と呼んでいました。
April 12th, 2009 at 6:43 am
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今日は最近の個人的に話題のモデルについて語ります。私の周りではモデルについて話す…