スーパー・シチズンの台頭

先週、元世銀副総裁の西水さんからメールを頂いた、と書きましたが、『未来の歴史とノマドの時代』というエントリーを読んでくださったのかは定かではありませんが、私が興味があるだろうから、と、こちらを紹介してくださいました、題して『スーパー・シチズンの反旗』

(前略)
そして遂に人間もFOC(Flag of Convenience、便宜置籍国の旗)を掲げるようになった。 「超越する民」とでも訳すのか、スーパー・シチズンと呼ばれる人種だ。 彼らは、税制の透明度や税率、教育制度、医療制度、治安、自然環境など、生活とキャリアのために様々な便宜を評価して、永住権や国籍を選ぶ。 極端な例は、豪華客船型マンション。 超越する民が大洋という無法・国際法地帯に解放を求め、FOC船そのものを自宅とする。
国籍を政略結婚のように扱う人種は、昔からいた。 大富豪や芸能界の著名人だが、動機は税金逃れのみだった。 それが中産階級化していると言える。 移民の歴史は人類の歴史。 戦火や、災害、差別、迫害、貧困から逃れ新天地を求める人々の歴史だった。 その歴史に質の異なる一章が加わった。
世銀を辞した後の住処に選んだ英領バージン諸島は、英国海外領土の安心に、米ドル通貨の特典、良いガバナンスなどが加わって栄えるオフショア金融センター。 世界中から集まったスーパー・シチズンも、うようよしている。

(中略)
物も金も人間も簡単に国籍を超越する今日、スーパー・シチズンの反旗が翻る。 政治、政策、行政の質を高めよと国家統治の国際競争を促している。 敗ける国は国民の信頼を失い、人材そのものを失う。 テロ・麻薬・犯罪の巣と化し国連統治に国命を委ねるアフガニスタンが、その未来を物語る。
「国づくりは人づくり」の意味を覆す、21世紀の大課題だ。 その到来に、我が国の政治家は気づいているのか、いないのか・・・。

「スーパー・シチズン」とは『21世紀の歴史 – 未来の人類から見た世界』でジャック・アタリが言うところの「超ノマド」ですね(→『未来の歴史とノマドの時代』)。
「そんなの一部の人の話でしょ?」と思うかもしれませんが、ちょっと身近な話を。
最近、夫の同僚がロンドンオフィスからシンガポールオフィスに転勤してきました。 彼はフランス人コンサルタント、奥さんはイギリス人医者で、4人で食事をしたときに聞いた話。
夫の会社(英系)はイギリスに数カ所(ロンドン他)、パリ、ミラノ、ワシントンDC、ドバイ、シンガポール、香港にオフィスがあるのですが、同僚によると会社を辞めることなく動くとしたら、「子どもができるまではシンガポール、子どもができてからはパリが一番経済的に有利」なんだそう。
シンガポールが優位な点は、やはりその個人所得税の低さ(『初めての納税申告』に税率の表を載せていますが、所得税率最高20%、住民税なし)。 ヨーロッパから来ると可処分所得が30%は異なります。 物価も住宅費以外はまあまあ。
(最近のExpat(駐在員)パッケージは急増するノマドに対応するようになっています→『グローバル標準Expatモデル』。 またアンケートが基となっているので、直接比較はできませんが、以前書いた『(Expatとして)貯金が一番貯まる国』もご参考)。
そして「子どもができてからはパリ」な点は、その手厚い児童手当。 第2子が約15,000円/月、第3子が約20,000円/月、の児童手当付給に加え、公立・民間あらゆる育児施設が整っており、「制度を最大限に活用する最適な子どもの数は3人」なんだそう(笑)。 高い税金の替わりに、育児と教育にほとんどお金がかからないとか。 ほんとかな・・・
その真偽はともかく、同じ会社内にいても、国の制度の違いを利用して、スーパー・シチズンの定義である

彼らは、税制の透明度や税率、教育制度、医療制度、治安、自然環境など、生活とキャリアのために様々な便宜を評価して、永住権や国籍を選ぶ。

に準じるようなことってできるんですねー & みんな考えてるんだなー


6 responses to “スーパー・シチズンの台頭

  • Blondy

    勤労者にとっては所得税の水準が大きなポイントになりますが、資産家にとってはCapital Gain課税の有無およびオフショア市場へのアクセシビリティが最重要でしょう。
    まあいずれにしても治安・教育・医療水準の高い楽市楽座の世界的な都市に人・物・金が集まるのは当然ですね。
    私は、SuperCityを何年か毎に選択して住み替える程度ではまだグローバルの普通のノマドであり、
    本当の超ノマドというのは、生まれた本国とは別の国でPRを取ったり、国籍を変えたり増やしたりししつつ、本国やPRや国籍を取った国以外のところ(オフショア含む)にも資産を分散し、複数のパスポートで世界を飛び回りながら、そういう世界のSuperCityのいくつかに複数の住まいを持って、一か所に3か月と定住しないで飛びまわり、モバイルフォンとパソコンで連絡を取りながら自由に暮らしているPT(Permanent Traveler)に近いグループを指すと考えていますw 

  • blogs.com

    スーパー・シチズンってなに?

    スーパー・シチズンと呼ばれる人たちがいるそうです。 遂に人間もFOC(Flag of Convenience、便宜置籍国の旗)を掲げるようになった。 「超…

  • la dolce vita

    >Blondyさん
    >資産家にとってはCapital Gain課税の有無およびオフショア市場へのアクセシビリティが最重要でしょう。
    あと、贈与税と相続税ですよね。
    >SuperCityを何年か毎に選択して住み替える程度ではまだグローバルの普通のノマドであり
    まー、そう言われると身もフタもなくなるんですが、このブログは一応もうちょっと普通の人を対象としていて「がんばれば手に入る」レベルで書いているので(西水さん言うところの「中産階級化」)。
    また、どう定義しようと自由なのですが、ジャック・アタリはこのインタビュー(↓)で「超ノマドは1千万人〜5千万人」と言っているので、その人数だとアッパークラスの給与所得者が入ると思いますがいかがでしょう?
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2009/08/post-246.php
    >PT(Permanent Traveler)に近いグループ
    私の知り合いにもPTいますが、financial incentiveを超えた趣味の世界というか(資産持っててもこのライフスタイルが嫌な人はたくさんいると思う)。 一番のネックは子どもの教育だろうな、と思ってます。
    子どもはイギリスかスイスかどっかのボーディングスクールに入れるんでしょうが、小さい頃はそれじゃあ可哀想だなー、と思ってしまう(大体そういう人に限って、2番目の妻との間に小さい子どもがいたりする)。

  • haustin

    >子どもはイギリスかスイスかどっかのボーディングスクールに入れるんでしょうが、小さい頃はそれじゃあ可哀想だなー、と思ってしまう(大体そういう人に限って、2番目の妻との間に小さい子どもがいたりする)。
    ふふ。いますいます。私の知り合いにも(笑)。税金や生活費、などに的を絞って世界中を転々としている方。プライベートバンクにつてがあるので、イギリスのOxBridgeに子供は入れている。。。
    私はノマドやスーパーシティズンとまでもいかなくとも、自分がほれ込む土地で、生活していければそれでいいかなーと思っています。お金の恩恵だけじゃなく、心も満たされていないと、というのがポイントで。カリフォルニアにいますが、もうとんでもないですよ。また税金上がりましたし!
    http://haustin.exblog.jp/8946069/
    でも、それはプレミアムであり、自然も多くて、日本人も多く、気候もよくて最高ですよ。ただし、南仏や南伊の雰囲気にほれており、そんなところにいつか住んでみたいなーとか、カリブなど行ったことないところにも同じようなところがないかなーと期待を膨らませているところですけどね。

  • Blondy

    >まー、そう言われると身もフタもなくなるんですが
    あはは、ブログの趣旨をわきまえず失礼しました。私の勝手な定義ですのでご寛恕下さいませ~
    >また、どう定義しようと自由なのですが、ジャック・アタリはこのインタビュー(↓)で「超ノマドは1千万人〜5千万人」と言っているので、その人数だとアッパークラスの給与所得者が入ると思いますがいかがでしょう?
    メリルのリポートによれば世界で1M$以上の金融資産がある人口は2008年末では860万人なので、アタリの定義はおっしゃるとおりアッパークラスの給与所得者が入っているのは間違いないと思います。
    http://www.docstoc.com/docs/8816134/World-Wealth-Report-2009

  • la dolce vita

    >haustinさん
    >でも、それはプレミアムであり、自然も多くて、日本人も多く、気候もよくて最高ですよ。
    魅力ある場所は税金が高くても人が集まるんですよね〜 ”You can’t have it all.”です。
    うちはライフステージに合わせて、上手に場所を変えていければと思っています(あと、私けっこう飽き症なので。 いろいろ旅行もしたいし)
    >Blondyさん
    >メリルのリポートによれば世界で1M$以上の金融資産がある人口は2008年末では860万人なので
    直感的にHNWIってアメリカに半分くらいいるんじゃないの?と思っていたのですが、USD1mil.というラインが結構低いので、興味深いことにUSD1mil.以上の人口は北米、ヨーロッパ、アジア・パシフィックそれぞれ同じくらいいるんですね。
    ところが、Ultra-HNWI(USD30mil.)以上になると、やはり北米が圧倒的に多い。 アメリカはやっぱりスーパー・リッチが多いんだなー・・・

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